round 14

August 4 2013 FIM Motocross World Championship Czech Republic チェコ

SCHEDULE

バブリシェフが総合3位で今季2度目のポディウム登壇

2013年8月4日(日)・決勝  会場:ロケット  天候:晴れ  気温:26℃  観客:2万2000人

FIMモトクロス世界選手権は、ここ数戦、ヨーロッパの夏らしいさわやかな天候の中で行われてきましたが、今回の会場となったチェコ共和国の西部にあるロケットも同様に、日差しと高い気温に包まれました。全17戦シリーズの第14戦チェコGPの勝者は、クレメント・デサール(スズキ)となりました。

  • イブジェニー・バブリシェフ(右)イブジェニー・バブリシェフ(右)
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • ダビド・フィリッパーツダビド・フィリッパーツ
  • ダビド・フィリッパーツダビド・フィリッパーツ

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美しい温泉で有名なカルロヴィ・ヴァリにほど近いロケットの丘には、2万2000人の観客が集まりました。その中で、CRF450Rを駆るHonda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフは、最高峰のMX1クラスで総合3位に入賞。ロシア出身のバブリシェフにとって、今季2度目の表彰台であり力強いカムバックとなりました。

ロケットでは、大会翌日の月曜日に、Hondaが最新技術を投入した新型CRF450R/CRF250Rの発表試乗会を予定していたため、イタリア人が運営するHonda World Motocross Teamのホスピタリティブースは、レース取材と観戦、さらに翌日の試乗を楽しみにする大勢のメディア関係者で賑わっていました。その中には、FIM/AMAチャンピオンのレジェンドライダー、ジャン・ミシェル・バイルの姿もありました。

今回、Honda World Motocross Teamは、マキシミリアン・ナグルの欠場という厳しい状況に直面しました。ナグルは軽い感染症にかかり、今のところ、復帰時期は定かではありません。このため、バブリシェフは、チームのファクトリー4ストロークマシンを駆るライダーとして孤軍奮闘することになりました。

ロケットは、深いワダチやきついバンプをこなすという、テクニック的にはシンプルなコースですが、幅が狭く部分的にはタイトすぎる難点があります。新しいジャンプなどいくつかの変更点を加味しても、オーバーテイクが難しいレイアウトです。表面には石混じりの細かい土の薄い層があり、トラクションを損なう問題になっていましたが、そこに一瞬だが強い雨が降ったため、状況はさらに複雑になりました。

先週のラウジッツリンクでの失意から立ち直ったバブリシェフは、状況を把握しながら35分プラス2周で競われる両レースで、5位/3位に入賞しました。2度ともそろえた好スタートにも助けられ、レース1では一瞬CRF450Rを滑らせたものの、終始好走をみせて5位でチェッカーを受けました。レース2ではケン・ド・ディッカー(KTM)とトミー・サール(カワサキ)のマークをものともせず、単独3番手走行を続けた結果、今季2度目の表彰台登壇を果たしました。

Honda Gariboldiのダビド・フィリッパーツは、初のイタリア人MX1チャンピオンとなった2008年に、ロケットで優勝を経験しています。今回は、レース1での6位入賞に勇気づけられ、レース2でも7位争いをしていましたが、終盤になってサスペンショントラブルのためにスローダウンを強いられて10位でフィニッシュ。この結果、総合7位となりました。

第14戦を終え、バブリシェフはMX1ランキングで10位に浮上。チームメートのナグルは8位、フィリッパーツは、ファクトリーライダーの2人の間に割って入る9位につけています。今シーズンは残り3戦、ベルギーGP、イギリスGP、ベネルクスGP(オランダ)が控えています。

MX2クラスでは、ジェフリー・ハーリングス(KTM)が、14勝と圧倒的な成績を残して2年連続世界チャンピオンとなりました。その中で、Estamotorsports Hondaのアレクサンダー・トンコフにとって、ロケットは思い出に残るレースとなりました。CRF250Rを駆るトンコフは、総合3位(3位/4位)で初のポディウム登壇を果たしました。

第15戦ベルギーGPは、2週間後の8月18日(日)に、バストーニュにほど近いサーキットで開催されます。

コメント

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 5位/3位 総合3位)「初めて表彰台に立ったような気分です。だれもが『あいつはもう終わった』とささやいていましたが、私はまだ終わっていないし、ここに立っています。周囲の人にはケガからのカムバックがどれほど難しいことなのか分からないものです。もっと楽にカムバックできるライダーもいるかもしれませんが、私にとっては血液の栄養不足や回復の遅れから、表彰台にたどり着くまでの道のりは険しいものでした。しかし、そのことで以前よりも強くなれたのだと思います。長い間ずっと私を支えてくれたチームに対し、感謝の気持ちをどう表現したらいいのか分かりません。今週末は最高にポジティブな大会でした。また、MX2クラスのアレクサンダー・トンコフを祝福したいです。両クラスの表彰台にロシア国旗が掲揚されるなんて、こんなにすばらしいことはありません。今年のモトクロス・オブ・ネイションズのロシア代表は、トンコフと私で強いチームが作れそうです。あとは3人目のライダー次第です」

ダビド・フィリッパーツ(MX1 6位/10位 総合7位)「レース1はとてもいい展開で6位に入れました。レース2では序盤のペースが速くて、アントニオ・カイローリ(KTM)に抜かれたあとも長い間ついていけました。ただ、終盤になってマシンの調子が悪くなりました。たぶん、サスペンションの不調でグリップが得られなくて、そういう状況で攻めようとすると、身体が硬くなってしまいました。総合的にはいいレースでした。ドイツとチェコと好印象のグランプリが2戦続きましたので、あとは残り3戦に集中したいです。トップ10内の順位を少しでも上げるためには、必死に攻め続けなければなりません」

アレクサンダー・トンコフ(MX2 3位/4位 総合3位)「もちろんうれしいです。小規模のチーム体制で参戦していますので、この成績は格別です。今シーズンは少々アップダウンが多かったのですが、マシンのパワーは出ていますし、好スタートを決めることもできました。レース2ではホールショットをゲットできたので最高でした。アウト側からだれかに並ばれて、だれだろうと思ったら、ジェフリー・ハーリングス(KTM)でした。そこで、彼と対等にやり合うためには、もっともっと練習が必要です。レース1の終盤にはブレーキを使いきってしまいました。なぜだかは分かりません。レース2では問題なく、ほとんど単独走行で4位でしたが、終盤は疲れが出てきました。土曜日のクラッシュで肩とヒザを負傷しましたので、鎮痛剤を服用していたせいかもしれません。とにかく、あまり得意ではないこのコースで、表彰台に立てたことがうれしいです」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
125C.デサールスズキ40:13.885-
222K.ストリボススズキ40:31.143+17.258
39K.ド・ディッカーKTM40:50.004+36.119
4222A.カイローリKTM40:54.618+40.733
5777イブジェニー・バブリシェフHonda41:00.148+46.263
619ダビド・フィリッパーツHonda41:03.866+49.981
 
1595アウグスツ・ジュストHonda40:36.782+1Lap
17162クレメン・ガーチャーHonda41:47.117+1Lap

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
125C.デサールスズキ39:52.449-
289J.バン・ホービークカワサキ40:03.690+11.241
3777イブジェニー・バブリシェフHonda40:07.951+15.502
422K.ストリボススズキ40:11.083+18.634
5100T.サールカワサキ40:12.378+19.929
69K.ド・ディッカーKTM40:36.215+43.766
 
1019ダビド・フィリッパーツHonda40:45.535+53.086
1495アウグスツ・ジュストHonda40:08.421+1Lap
16162クレメン・ガーチャーHonda40:10.575+1Lap

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM39:38.058-
2300A.ルピーノカワサキ40:15.961+37.903
359アレクサンダー・トンコフHonda40:25.863+47.805
423C.シャルリエヤマハ40:31.047+52.989
5911J.ティクシーKTM40:45.787+1:07.729
6259G.コルデンホフKTM40:52.323+1:14.265
 
17210フセヴォロド・ブリリャコフHonda39:54.754+1Lap
18136ステファン・オルセンHonda40:00.169+1Lap
24218ジョン・フィリップスHonda39:51.294+2Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM40:27.757-
223C.シャルリエヤマハ40:48.363+20.606
317J.ブトロンKTM40:57.708+29.951
459アレクサンダー・トンコフHonda41:02.418+34.661
5911J.ティクシーKTM41:05.650+37.893
645J.ニコルズKTM41:08.072+40.315
 
17210フセヴォロド・ブリリャコフHonda42:18.030+1:50.273
19136ステファン・オルセンHonda40:55.779+1Lap
22218ジョン・フィリップスHonda41:02.001+2Laps

ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリKTM643
2C.デサールスズキ553
3K.ド・ディッカーKTM514
4G.ポーリンカワサキ465
5K.ストリボススズキ437
6T.サールカワサキ404
 
8マキシミリアン・ナグルHonda314
9ダビド・フィリッパーツHonda245
10イブジェニー・バブリシェフHonda238
19アウグスツ・ジュストHonda72
24ジェイソン・ドウガンHonda19
25ラウリ・レトラHonda18
27ニコライ・ラーセンHonda17
29ニコラ・オービンHonda12
31アダム・チャットフィールドHonda12
33クレメン・ガーチャーHonda12
34サントゥ・ティアイネンHonda12
44セイドリック・ソーベイラスHonda6
45イェンス・ゲッテマンHonda6
49ルドヴィク・セーデルべリHonda3
53ヴィータウタス・ブカスHonda3
57ファビオ・フェラーリHonda1

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM658
2スズキ581
3カワサキ547
4Honda428
5ヤマハ271
6TM198

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ハーリングスKTM692
2J.ティクシーKTM515
3J.ブトロンKTM436
4C.シャルリエヤマハ405
5G.コルデンホフKTM377
6D.フェリスヤマハ359
 
13アレクサンダー・トンコフHonda233
18ステファン・オルセンHonda106
29フセヴォロド・ブリリャコフHonda25
30ロバーツ・ジュストHonda14
33パウロ・アルベルトHonda8
34タレス・ヴィラルディHonda8
44ジョン・フィリップスHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM697
2ヤマハ506
3カワサキ401
4スズキ306
5Honda305
6TM59
7ハスクバーナ1