round 11

July 7 2013 FIM Motocross World Championship Latvia ラトビア

SCHEDULE

ナグルが9位/14位で総合9位。バブリシェフはレース1で8位と復調をみせる

2013年7月7日(日)・決勝  会場:ケグムス   天候:曇りのち晴れ   気温:19℃   観客:2万2000人

前戦から2週間のインターバルを経て、FIMモトクロス世界選手権はラトビアのケグムスに激戦の場を移し、全17戦シリーズの第11戦が開催されました。最高峰クラスのMX1では、Honda World Motocross Teamのマキシミリアン・ナグルが総合9位に入るとともに、チームメートのイブジェニー・バブリシェフが、本来のポテンシャルへの復調過程にありながら、CRF450Rを駆りてレース1で8位に入りました。なお、総合優勝はアントニオ・カイローリ(KTM)で、今季7度目の総合優勝となりました。

  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
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  • ダビド・フィリッパーツダビド・フィリッパーツ
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  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ

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ラトビアの首都リガから50kmほどの郊外に位置する会場には、開催された土日で2万2000人のファンが集まり、平坦で流れるようなコースを囲む土手の上からレースを観戦していました。ケグムスでモトクロス世界選手権が開催されるのは、2009年の初開催から今年で5度目となりますが、14カ月後(2014年9月)には世界最大にして最古の歴史を誇るビッグイベントであるモトクロス・オブ・ネイションズの開催を控え、初期段階の準備に余念がありません。今回の会場には、ラトビア特有のジャンプと、とがったバンプ混じりのハードパックコースに、サンド的なザクザクのコーナーも数多く用意されていました。

バブリシェフは依然として右足が完治していないため、通常のトレーニングメニューをこなせておらず、さすがにMX1のトップクラスの厳しいバトルには参加できていません。しかし、バブリシェフはレース1でトップ10以内のスタートを切ると、ノーミスで堅実なライディングを披露し、第3戦オランダGPの2位/4位以来のベストリザルトとなる8位でフィニッシュしました。

レース2では、残念ながらスタートの出遅れからのばん回の途中にラジエーターが石で破損したため、リタイアを強いられ、結果として25位となりました。

チームメートのナグルは、コースに全くなじめないまま、9位/14位の総合9位にとどまりました。胃の不調の影響でスタミナを発揮できなかったナグルは、レース1でバブリシェフを捕らえつつ、ペースとしては勝っていながら、思いきり勝負することができませんでした。レース2ではコンディションがさらに悪化し、35分プラス2周を完走するのがやっとという状態でした。

Honda Gariboldiに所属するダビド・フィリッパーツは、相性のあまりよくないコースながら、CRF450Rを駆り、総合11位(12位/13位)となりました。元世界チャンピオンのフィリッパーツは、体調不良によって無理に攻められなかったにもかかわらず、立派なリザルトを残しました。

MX2クラスでCRF250Rを駆るアレクサンダー・トンコフ(Estamotorsports Honda)は、先月のイタリアGPでみせた衝撃的なパフォーマンスから、心身ともに絶好調だろうと予想されました。ケグムスには母国ロシアから駆けつけたファンが、トンコフに声援を送っていました。Estamotorsports Hondaに所属するトンコフは、ここでもすばらしいスピードを披露しましたが、転倒していたメル・ポコック(ヤマハ)を避けきれずにヒジを負傷し、再度の転倒によってリタイアを強いられました。

残り6戦となったMX1のポイントランキング上で、ナグルは依然として7位に位置しています。6位との差は46ポイントです。バブリシェフは2レースともリタイアを喫した先週のスウェーデンGPから少し向上し、ポイントを加算することができました。現在、ランキング14位ですが、ショーン・シンプソン(ヤマハ)に5ポイント差に迫っています。フィリッパーツは11位です。また、MX2のトンコフは13位につけています。

次週はフィンランドのヒュヴィンカーで第12戦が開催されます。フィンランドでFIMモトクロス世界選手権が開催されるのは、2000年以来のこととなります。

コメント

マキシミリアン・ナグル(MX1 9位/14位 総合9位)「自分にとっては悪い週末でした。レース1ではスターティングゲートの飛び出しに失敗したものの、1コーナーのイン側をうまく回り、なんとかそこそこの位置につけることができました。序盤はボビー(バブリシェフ)の背後につけて、私の方が少し速かったようですが、接触やブロックパスをせずにきれいに抜くのは難しそうでしたので、少し遠慮してしまいました。彼に当てたり転ばせたりするのは、チームメートとしてできないことですので、彼の後ろにつけていましたが、それでリズムを崩してしまいました。うまく乗れなくて、とても疲れてしまいました。レース2までに体調が戻らず、スタートの出足がよかったにもかかわらず、1コーナーでは外側に押し出されてしまいました。かなり後方の集団に飲み込まれましたが、自分の走りはよくて、そこから何人も抜けました。レースの中盤で壁にぶつかり、スタミナが空っぽになってしまいましたので、後半はなんとか完走を目指す走り方になりました。本当にスタミナが切れてしまい、ラストラップにも抜かれたくらいでした。気持ちが悪くてヘルメットをかぶったまま吐きそうなほどでした。なにか食べ物にあたったとは思えませんが、金曜の夜から腹痛がありました。サプリメントを大量に摂取しましたので、それも少し減らさないといけないかもしれないです。とにかく今回はがっかりです」

ダビド・フィリッパーツ(MX1 12位/13位 総合11位)「簡単ではないと言いますか、私には難しいレースでした。両レースともスタートがあまりうまく決まらず、トップ10圏外からばん回しなければなりませんでした。レース1では、自分にとってベストと思われるライン取りとペースを保てました。レース2は中盤で体力的な落ち込みがありましたが、なんとか集中して乗りきれました。ラストラップでナグルを抜くのと同時に、ベストラップも出せたのがよかったです。自分のコンディションには満足しています。マシンについては、もう少しセッティングを詰める必要がありますが、次のグランプリでは全ラップにわたって攻められるようになると確信しています。フィンランドGPがどういう展開になるか楽しみです。コースはだれにとっても初めてで、もっと砂っぽいところらしいと聞いています」

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 8位/25位 総合17位)「レース1ではミスも転倒もなく完走できたことがうれしかったです。レース2に向けて体調もよかったですし、気分的にも非常に乗っていました。スタートではだれもが押し合っていて、私はだれかにぶつけられてトップ10以下になってしまいました。なんとか8番手までばん回して、(ケビン)ストリボス(スズキ)に迫っていました。序盤でずいぶん無理に攻めましたので、少しペースを落として立て直す必要がありました。終盤になってからはストリボスに狙いを定めてアタックするつもりでしたが、そこでマシントラブルが発生してしまいました。チームスタッフには感謝したいです。なぜなら、我々は一緒にこの不運を乗り越えなければならないからです。私はとても集中できていますし、自信も戻りつつあります。今週は足を休めるためにトレーニングができず、準備不足のためにもがき苦しむという悪循環になりました。少しずつゆっくりでもいいから、堅実な積み重ねによって、いろいろなものを取り戻したいと思います」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
19K.ド・ディッカーKTM39:15.569-
2222A.カイローリKTM39:23.319+07.750
325C.デサールスズキ39:28.401+12.832
489J.バン・ホービークカワサキ39:41.390+25.821
521G.ポーリンカワサキ39:47.753+32.184
622K.ストリボススズキ39:49.627+34.058
 
8777イブジェニー・バブリシェフHonda39:58.220+42.651
912マキシミリアン・ナグルHonda40:04.227+48.658
1219ダビド・フィリッパーツHonda40:29.566+1:13.997
20198ヴィータウタス・ブカスHonda39:47.652+1Lap
2195アウグスツ・ジュストHonda40:02.951+1Lap
22167サントゥ・ティアイネンHonda40:06.385+1Lap
23388 ルドヴィク・セーデルべリ Honda40:10.829+1Lap

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:33.938-
29K.ド・ディッカーKTM39:39.346+05.408
325C.デサールスズキ39:43.691+09.753
421G.ポーリンカワサキ39:46.001+12.063
589J.バン・ホービークカワサキ39:48.734+14.796
6100T.サールカワサキ39:58.097+24.159
 
1319ダビド・フィリッパーツHonda40:56.923+1:22.985
1412マキシミリアン・ナグルHonda40:58.958+1:25.020
1895アウグスツ・ジュストHonda40:18.958+1Lap
22388ルドヴィク・セーデルべリHonda40:27.455+1Lap
25777イブジェニー・バブリシェフHonda20:40.267+10Laps
26167サントゥ・ティアイネンHonda23:58.938+10Laps
29198ヴィータウタス・ブカスHonda0:00.000+20Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM39:23.741-
217J.ブトロンKTM40:04.133+40.392
3259G.コルデンホフKTM40:07.891+44.150
4911J.ティクシーKTM40:11.745+48.004
545J.ニコルズKTM40:16.965+53.224
623C.シャルリエヤマハ40:18.553+54.812
 
16136ステファン・オルセンHonda41:15.531+1:51.790
19195ロバーツ・ジュストHonda39:37.638+1Lap
21210フセヴォロド・ブリリャコフHonda39:49.584+1Lap
2559アレクサンダー・トンコフHonda24:56.830+8Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM39:29.424-
2911J.ティクシーKTM40:19.842+50.418
317J.ブトロンKTM40:26.571+57.147
4152P.ペトロフヤマハ40:32.477+1:03.053
5461R.フェーヴルKTM40:37.064+1:07.640
6122D.フェランディスカワサキ40:51.347+1:21.923
 
10136ステファン・オルセンHonda41:17.806+1:48.382
13210フセヴォロド・ブリリャコフHonda41:27.220+1:57.796
21195ロバーツ・ジュストHonda40:17.897+1Lap

ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリKTM514
2G.ポーリンカワサキ432
3C.デサールスズキ414
4K.ド・ディッカーKTM406
5K.ストリボススズキ327
6T.サールカワサキ318
 
7マキシミリアン・ナグルHonda272
11ダビド・フィリッパーツHonda183
14イブジェニー・バブリシェフHonda156
20アウグスツ・ジュストHonda47
23ジェイソン・ドウガンHonda19
25ニコライ・ラーセンHonda17
26ニコラ・オービンHonda12
28アダム・チャットフィールドHonda12
30サントゥ・ティアイネンHonda12
31ラウリ・レトラHonda12
38セイドリック・ソーベイラスHonda6
39イェンス・ゲッテマンHonda6
50ファビオ・フェラーリHonda1
52ヴィータウタス・ブカスHonda1

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM526
2スズキ440
3カワサキ438
4Honda337
5ヤマハ194
6TM157

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ハーリングスKTM542
2J.ティクシーKTM403
3J.ブトロンKTM353
4C.シャルリエヤマハ322
5G.コルデンホフKTM304
6D.フェリスヤマハ273
 
13アレクサンダー・トンコフHonda159
18ステファン・オルセンHonda99
29フセヴォロド・ブリリャコフHonda13
32パウロ・アルベルトHonda8
33タレス・ヴィラルディHonda8
36ロバーツ・ジュストHonda7

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM547
2ヤマハ388
3カワサキ328
4スズキ252
5Honda230
6TM49
7ハスクバーナ1