round 08

June 9 2013 FIM Motocross World Championship France フランス

SCHEDULE

ケガから復帰2戦目のバブリシェフが総合10位。レース1ではフィリッパーツが6位、ナグルが8位

2013年6月9日(日)・決勝  会場:エルネー  天候:曇り  気温:12℃  観客:3万9000人

FIMモトクロス世界選手権全17戦シリーズの第8戦が、フランスのル・マンの西に位置するエルネーで開催されました。4万人弱が詰めかけたグランプリは、とても賑やかな雰囲気に満ちた大会となりました。

  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
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  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
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  • ダビド・フィリッパーツダビド・フィリッパーツ
  • ダビド・フィリッパーツダビド・フィリッパーツ

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MX1クラスでは、ディフェンディングチャンピオンのアントニオ・カイローリ(KTM)が、地元フランスのヒーローのゴーティエ・ポーリン(カワサキ)とベルギー出身のクレメント・デサール(スズキ)を破り、今季5度目の総合優勝。Hondaの精鋭ライダーたちは、さまざまな運命に翻ろうされながらも耐えました。Honda勢の中で最高位だったのは、2レースのトータルで総合10位に入ったHonda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフでした。

会場となったエルネーの路面は硬質で滑りやすく、ラインの選択肢も少なかったわけではありませんでしたが、この点では明らかに時代遅れであり、大会の準備にあたってはもっと土質を改善できたと思われます。おそらく、今シーズン使用されるほかのコースと比較すると、スタートの重要性が最も強調されたのが今大会でした。

予選10番手だったマキシミリアン・ナグル(Honda World Motocross Team)は、寒さの残る曇り空のもと、35分プラス2周で行われたレース1のスタートで、ゲートが倒れるタイミングを見誤りましたが、トップ10圏外から猛追し、トミー・サール(カワサキ)の後ろにつけ、16周目には8番手まで追い上げました。サールとの激しい戦いはファンを楽しませましたが、ナグルはそのまま8位でフィニッシュしました。

レース2ではいいスタートを切ったナグルでしたが、スタートから数秒後の1コーナーでCRF450Rのフロントを滑らせ、遠ざかる集団のはるか後方で再始動をしなければならなりませんでした。ナグルはまたしてもすさまじい追い上げをみせましたが、2度にわたってミスをしてしまい、13位まで追い上げるのが精一杯でした。この結果、ナグルの総合成績は11位でした。

バブリシェフは骨折した右足のリハビリ中ですが、前戦に続いての出場を果たしました。タイトな右コーナーで右足を下ろす動作がしづらいものの、好スタートを切れば上位入賞もできると考えていました。レース1では慎重に構えたライディングによって、彼本来のスピードを発揮することができず、トップ10圏外の12位でしたが、レース2ではレース1で少しネガティブだった点を改善し、積極的に攻めていき、9位に入りました。ミスが目立ったことは確かですが、彼らしい自信を取り戻して、総合10位に入りました。

Honda Gariboldiのダビド・フィリッパーツは、レース1で6位に入り、総合13位となりました。6位という結果は第2戦タイと並ぶ今季ベストの成績でしたが、レース2では1周目にラジエーターの破損によってリタイアを強いられました。フィリッパーツは、レース2のスタート直後の混乱の中で、サールと接触してピットに引き上げました。

次週は、フィリッパーツが住むミラノ北部から程近いマッジョーラでイタリアGPが開催されます。地元グランプリに臨むフィリッパーツは現在ランキング10位となっています。ナグルは7位、バブリシェフは3戦欠場しながらも11位につけています。

シリーズのほぼ半分を消化したFIMモトクロス世界選手権は、エルネーからマッジョーラへと南下し、6月15日(土)〜16日(日)に開催されます。

コメント

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 12位/9位 総合10位) 「このコースは抜きやすいとはいえません。前を走るライダーがミスをするのを待つしかなく、とても難しかったです。レース1ではあまりいいスタートを決めることができず、そのあともマシンと格闘するばかりで、コースを攻める自信が欠けていました。とてもぎこちない乗り方をしていたようです。足の負傷のせいで、うまくバランスを取ることができなくて、特に右コーナーでは左足に重心を多くかけなければなりませんでした。レース2は少しよくなり、いくらか乗れていました。残念ながらスタートの多重クラッシュに巻き込まれましたが、ライン取りもよく、スムーズに走ることができました。正確なポジションは不明ですが、はるか後方から9位までばん回できたので悪くはありませんでした。現時点で一番つらいのは、周囲の人たちに『あいつはどうしたんだ?』と言われることですが、負傷からのカムバックはとても大変です。気持ちを強く持って、レースごとに自分らしいレベルに近づけるようにがんばるしかありません」

マキシミリアン・ナグル(MX1 8位/13位 総合11位)「今のところ、物事が自分の望む方向に進んでいません。ライディングを磨くことはいつでも可能ですし、今日はスピードもあって乗れていました。それなのに、レース1ではスターティングゲートの飛び出しに失敗し、レース2では1コーナーで転倒してしまいました。レース1ではうまくばん回できたことに満足していますし、2番目に速いラップタイムも記録しました。レース2のスタートに備えてマシンのセッティングを少し変更したら、ゲートの飛び出しがうまくいってほとんど先頭に立てるほどでしたが、たぶんだれかが前輪に接触して転倒してしまいました。最後尾になると思うと非常にがっかりしました。とにかくそこから10番手近くまで追い上げましたが、ハンドルバーとグリップの間に挟まった石のせいでスロットルが全開になったままになり、ジャンプで転倒してしまいました。マシンを起こして石を退けて再スタートしましたが、腕が徐々に疲れてきたせいかマシンが左右に振られて、また転倒してしまいました。そのあとは再スタートして、フィニッシュまで走りきることができました。グリップのいい路面を探すのが難しかったですが、ここは好きなコースです」

ダビド・フィリッパーツ(MX1 6位/DNF、総合13位)「今日はとてもがっかりです。一つのレースがよかったと思えば、もう一つは最低でした。レース1で6位になれたことはうれしいです。スピードがありましたし、何度か好タイムを出すこともできました。ただ、ほとんどが単独走行で、だれも捕まえられなかったのは残念です。レース2の1周目には、トミー・サールがコーナーでゴーティエ・ポーランに幅寄せをして、その反動でこっちに突っ込んできました。その際にラジエーターが壊れ、冷却水が漏れ出しているのを見たとき、レースは終わりました。どうすることもできません。この次はインターバルのない連戦です。イタリアGPの会場となるマッジョーラは、自宅からとても近いので、全力を尽くして上位入賞を目指したいです」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
121G.ポーリンカワサキ39:21.019-
2222A.カイローリKTM39:22.472+01.453
325C.デサールスズキ39:44.542+23.523
489J.バン・ホービークカワサキ40:04.408+43.389
59K.ド・ディッカーKTM40:10.654+49.635
619ダビド・フィリッパーツHonda40:11.827+50.808
 
812マキシミリアン・ナグルHonda40:16.113+55.094
12777イブジェニー・バブリシェフHonda40:47.892+1:26.873
18120 セイドリック・ソーベイラスHonda41:29.664+2:08.645
19131 ニコラ・オービンHonda39:29.876+1Lap
26167サントゥ・ティアイネンHonda40:23.559+1Lap
28799アレックス・ゴードリーHonda24:27.971 +9Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:28.802-
225C.デサールスズキ39:39.341+10.539
3100T.サールカワサキ39:40.776+11.974
421G.ポーリンカワサキ39:50.293+21.491
59K.ド・ディッカーKTM39:55.235+26.433
689J.バン・ホービークカワサキ40:01.568+32.766
 
9777イブジェニー・バブリシェフHonda40:32.216+1:03.414
11131ニコラ・オービンHonda40:57.273+1:28.471
1312マキシミリアン・ナグルHonda41:04.592+1:35.790
18120セイドリック・ソーベイラスHonda39:43.325+1Lap
21167サントゥ・ティアイネンHonda40:33.813+1Lap
25799アレックス・ゴードリーHonda35:16.628 +4Laps
2819ダビド・フィリッパーツHonda2:10.693+20Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM39:45.493-
2122D.フェランディスカワサキ39:48.430+02.937
3259G.コルデンホフKTM39:53.216+07.723
4911J.ティクシーKTM40:01.232+15.739
517J.ブトロンKTM40:08.230+22.737
645J.ニコルズKTM40:11.948+26.455
 
859アレクサンダー・トンコフHonda40:28.666+43.173
11151ハリ・クラッスHonda40:37.770+52.277
19195ロバーツ・ジュストHonda41:56.308+2:10.815
21166 ルイス・トゥームス Honda40:47.261+1Lap
24495 マティアス・プレッセルス Honda41:45.920+1Lap
28136ステファン・オルセンHonda16:14.833+13Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM39:59.717-
2122D.フェランディスカワサキ40:05.413+05.696
323C.シャルリエヤマハ40:07.221+07.504
459アレクサンダー・トンコフHonda40:11.389+11.672
545J.ニコルズKTM40:17.241+17.524
6111D.フェリスヤマハ40:20.675+20.958
 
15136ステファン・オルセンHonda40:51.546+51.829
17151ハリ・クラッスHonda40:56.563+56.846
23195ロバーツ・ジュストHonda41:52.443+1:52.726
26166ルイス・トゥームスHonda41:23.116+1Lap
28495マティアス・プレッセルスHonda41:32.178+1Lap

ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM377
2G.ポーリンカワサキ321
3C.デサールスズキ309
4K.ド・ディッカーKTM277
5K.ストリボススズキ243
6T.サールカワサキ239
 
7マキシミリアン・ナグルHonda190
10ダビド・フィリッパーツHonda145
11イブジェニー・バブリシェフHonda127
16タネル・レオクHonda108
19アウグスツ・ジュストHonda43
21ジェイソン・ドウガンHonda19
23ニコラ・オービンHonda12
24アダム・チャットフィールドHonda12
26ラウリ・レトラHonda12
27ニコライ・ラーセンHonda10
28サントゥ・ティアイネンHonda10
32セイドリック・ソーベイラスHonda6
33イェンス・ゲッテマンHonda6
42ファビオ・フェラーリHonda1

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM382
2カワサキ323
3スズキ321
4Honda252
5ヤマハ133
6TM120

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1J.ハーリングスKTM397
2J.ティクシーKTM287
3J.ブトロンKTM247
4G.コルデンホフKTM237
5C.シャルリエヤマハ230
6D.フェリスヤマハ197
 
13アレクサンダー・トンコフHonda112
16ハリ・クラッスHonda86
19ステファン・オルセンHonda68
31パウロ・アルベルトHonda8
32タレス・ヴィラルディHonda8
37ロバーツ・ジュストHonda5
38フセヴォロド・ブリリャコフHonda5

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM400
2ヤマハ279
3カワサキ231
4スズキ215
5Honda163
6TM37
7ハスクバーナ1