round 07

May 19 2013 FIM Motocross World Championship Brazil ブラジル

SCHEDULE

ナグルが総合ポディウム登壇まであと一歩に迫る

2013年5月19日(日)・決勝  会場:ベトカヘロ  天候:曇り
気温:22℃  観客:4万5000人

FIMモトクロス世界選手権シリーズ第7戦が、ブラジル・フロリアノーポリスの北側の海岸沿いのベトカヘロで開催されました。決勝日には4万5000人の観客が集まり、ベトカヘロのコンパクトで難易度の高いコースを楽しみました。

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  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
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CRF450Rを駆るマキシミリアン・ナグル(Honda World Motocross Team)は、スーパーファイナル形式で行われた今季最後の大会で2位/6位となり、総合ポディウム登壇まであと一歩と迫る総合4位に入賞しました。優勝は、ディフェンディングチャンピオンのアントニオ・カイローリ(KTM)でした。

ベトカヘロでブラジルGPが開催されるのは昨年に続き2度目となりましたが、有名なテーマパークに隣接したサーキットの演出はとても高い水準でした。スタジアムタイプにレイアウトされ、狭く曲がりくねったコースは、グランドスタンドに囲まれ、バイクファンたちの間には熱狂的な雰囲気が満ちていました。前夜の大雨と午前中の小雨によって、路面状況は食いつきがよかったり滑ったりと変化していきましたが、その結果、ライダーのテクニックが問われるコンディションとなりました。

Hondaがスポンサーになっている今大会で、ナグルは土曜日の予選でトップとなり、ほかの選手を圧倒する速さでポールポジションを獲得。好スタートを切ったナグルは、クレメント・デサール(スズキ)を従えてハイペースで快走し、昨年負傷で欠場したために、今年初経験となったベトカヘロで文句なしのパフォーマンスを披露しました。

ナグルとデサールの2台は、35分プラス2周で競われるレース1でも再度対戦。優勝したカイローリの後ろで、ナグルは渾身の力を振り絞り、5周目に2番手に浮上すると、終盤になってからもデサールを寄せ付けず、2位でフィニッシュしました。

レース2の代わりに行われたスーパーファイナルのスターティングゲートには、MX1とMX2のトップライダー40人が並びました。ナグルはトミー・サール(カワサキ)のアタックから逃れ、ルイ・ゴンカルベス(KTM)に決定的なパッシングを駆使して6位を獲得しました。総合ポディウム登壇にはスーパーファイナルで5位に入ることが必要で、前を走るケン・ド・ディッカー(KTM)を30m差まで追い詰めましたが、スタミナを使い果たしてわずかに及ばず、ケビン・ストリボス(スズキ)を表彰台から引きずり下ろすことはできませんでした。それでも、ナグルは合計37点を獲得しました。

Honda Gariboldiのダビド・フィリッパーツは、土曜日の予選の大半を3番手で走行していましたが、軽いクラッシュによって4番手でチェッカーを受けました。自己ベストのゲート順でレース1に臨んだフィリッパーツはゴーグルの破損に見まわれながらも、第2戦タイで記録した今季ベストリザルトに次ぐ7位でフィニッシュしました。スーパーファイナルでは、MX2世界チャンピオンのジェフリー・ハーリングス(KTM)と10番手辺りのポジションを争っていましたが、転倒により右手を痛めたためリタイアを喫しました。

Honda World Motocross Teamは、脚の骨折で3戦を欠場していたイブジェニー・バブリシェフがカムバックし、これで全員がそろいました。バブリシェフは明らかに完調ではありませんでしたが、痛みと腕上がりに耐えながら12位/12位という安定した結果を残しました。

ナグルは第7戦の結果を受けて、MX1ランキング上で7位に躍進し、サールに36点差と迫っています。フィリッパーツは10位、バブリシェフは4戦ぶりにポイントを獲得し14位につけています。

FIMモトクロス世界選手権は、ブラジルの翌週に予定されていたメキシコGPが中止となったため、ほぼ3週間のブランクを迎えます。次戦は、6月8日(土)〜9日(日)、エルネーの丘で行われるフランスGPです。

コメント

マキシミリアン・ナグル(2位/6位 総合4位)「表彰台を逃してしまったことはとても残念ですが、自分のライディングについてはとても満足しています。レースでは最高のスタートが切れましたし、そのあとのラップタイムも終始よかったです。カイローリと同じペースで走り、2位の座を確保することができました。デサールの追撃を受けていましたが、抜かれることはありませんでしたし、ノーミスで走りきることができました。レース1に関しては、すべてがうまくいってうれしかったですが、次のスーパーファイナルではスタートで失敗をしてしまいました。ゲートの飛び出し自体はよかったのですが、ストレートに重機が入ったため、大きな土の固まりが自分のラインにありました。ゲートの5mほど先にあった固まりによって、1コーナー手前でマシンの勢いを削がれて出遅れてしまいました。そこからばん回するのは、大勢の速いライダーを抜かなければならなくて難しかったです。サールにジャンプの飛び出し地点でブロックパスをされましたが、あと少しで2人そろって大転倒してしまう可能性もありました。そのあと、ゴンカルベスをパスするのに集中し、彼のマシンがコーナーで速かったので、抜くのに手間取りましたが、少し我慢して仕掛けるポイントを探した結果、きれいに抜けるポイントを見つけ、抜くことができました。それからはケン・ド・ディッカーを捕らえようとトライしましたが、結局スタミナを使い果たして6位にとどまってしまいました。あと1人抜けば、総合ポディウムに登壇できるところでしたので、リザルトは最高ではありませんが、かなり高得点を稼いだことは確かですし、次のフランスGPに備える時間が少し増えました。レース以外でのトレーニングプログラムには満足していますし、エルネーではもっと成績を改善して3位に入りたいです」

イブジェニー・バブリシェフ(12位/12位、総合11位)「今日はとてもよかったです。ウォームアップでは昨日のフィーリングよりもよかったと思います。そのウォームアップセッション中に、足の限界を探ろうと試みました。レース1では好スタートを切れましたが、マシンと格闘するような走りになって、腕上がりを起こしてしまいました。コーナリング中に痛みを感じますので、手前で慎重にブレーキをかけてコーナーに入らなければなりませんでした。スーパーファイナルは少しよくなりました。ゲートからの発進は失敗でしたが、スピードを乗せて1コーナーをクリアすることができました。8番手を走っているときは足のことも忘れてハッピーでした。レース1のあとはとても腹が立ちましたので、痛みをこらえて戦いました。まずまずの展開でしたが、倒されてからは、ばん回するのが難しかったです。このコースではパッシングが危なかったと思います。ブラジルHondaと主催者の皆さんのおかげですばらしいイベントができたことを感謝したいです。ブラジルの観客はあちこちで吠えまくっていました。自分としては次のフランスGPに向けて、もう少し自信をつけたいと思います」

ダビド・フィリッパーツ(7位/35位、総合12位)「週末の入り方はとても順調で、土曜日の予選レースで4番手になったことで、自分だけではなくチームもポジティブになれました。決勝のレース1ではスタートがとてもうまく決まって途中までは2番手でした。ただ、自分にスピードが戻ってきているとはいえ、カイローリを筆頭とするトップライダーのレベルにはまだ達していないことも確かです。トップ4のポジションに何周もとどまったのはとてもいい経験で、自信にもなりました。ゴーティエ・ポーリン(カワサキ)に抜かれたあと、壊れたゴーグルを捨てましたので、ラインを見極めるのが難しくなりました。いずれにしても7位でフィニッシュできたのは上出来でしたし、自分のライディングとラップタイムには満足しています。スーパーファイナルではうまくスタートできず、少々苦しみました。250ccと450ccを混走させるこのレースフォーマットでは、250ccはコーナー進入が速いですが、ストレートやジャンプでは450ccの方が有利です。40分間は辛かったです。12番手まで上がったあと、ビッグクラッシュを喫して地面に手をぶつけてしまいました。今シーズンのここまではさほど幸運に恵まれていませんが、あまり気にしないつもりです。あまりハッスルしてケガをしては元も子もないですし、ときにはスロットルを戻す方が賢い場合もあります」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:15.493-
212マキシミリアン・ナグルHonda39:18.510 +3.017
325C.デサールスズキ39:20.241 +4.748
421G.ポーリンカワサキ39:39.935+24.442
589J.バン・ホービークカワサキ39:45.826+30.333
622K.ストリボススズキ39:51.938+36.445
 
719ダビド・フィリッパーツHonda40:01.965+46.472
1140タネル・レオクHonda40:34.764+1:19.271
12777イブジェニー・バブリシェフHonda40:37.452+1:21.959
16407 アダム・チャットフィールド Honda39:17.686+1Lap
21 135 ダニエル・ペッサーニャ Honda 41:29.061 +3Laps
22108 ホアキン・ロドリゲスHonda20:01.750+10Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM40:08.386-
2259G.コルデンホフKTM40:20.066+11.680
345J.ニコルズKTM40:24.937+16.551
4911J.ティクシーKTM40:32.097+23.711
5119M.ポーコックヤマハ40:38.801+30.415
617J.ブトロンKTM40:40.723+32.337
 
959アレクサンダー・トンコフHonda40:53.157+44.771
15211 パウロ・アルベルト Honda41:31.543+1:23.157
18127 タレス・ヴィラルディHonda40:31.616+1Lap

スーパーファイナル

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM40:49.230-
222K.ストリボススズキ40:52.060 +2.830
325C.デサールスズキ41:14.836+25.606
421G.ポーリンカワサキ41:20.308+31.078
59K.ド・ディッカーKTM41:30.351+41.121
612マキシミリアン・ナグルHonda41:33.996+44.766
 
12777イブジェニー・バブリシェフHonda42:11.470+1:22.240
2159アレクサンダー・トンコフHonda42:53.099+2:03.869
22407アダム・チャットフィールドHonda40:46.472+1Lap
31127 タレス・ヴィラルディ Honda42:31.376+1Lap
3519ダビド・フィリッパーツHonda33:15.328+5Laps
3740タネル・レオクHonda25:11.755+8Laps
38211 パウロ・アルベルト Honda22:22.854+10Laps

ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM330
2G.ポーリンカワサキ278
3C.デサールスズキ267
4K.ド・ディッカーKTM245
5K.ストリボススズキ220
6T.サールカワサキ205
 
7マキシミリアン・ナグルHonda169
10ダビド・フィリッパーツHonda130
13タネル・レオクHonda108
14イブジェニー・バブリシェフHonda106
19アウグスツ・ジュストHonda43
21ジェイソン・ドウガンHonda19
23 アダム・チャットフィールド Honda 12
24ラウリ・レトラHonda12
25ニコライ・ラーセンHonda10
26サントゥ・ティアイネンHonda10
30イェンス・ゲッテマンHonda6
37ファビオ・フェラーリHonda1

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1 KTM 335
2 スズキ 279
3 カワサキ 278
4 Honda 225
5 ヤマハ 121
6 TM 112

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1J.ハーリングスKTM347
2J.ティクシーKTM257
3J.ブトロンKTM218
4G.コルデンホフKTM214
5C.シャルリエヤマハ198
6D.フェリスヤマハ182
 
14アレクサンダー・トンコフHonda81
16ハリ・クラッスHonda72
19ステファン・オルセンHonda62
31 タレス・ヴィラルディ Honda 8
36フセヴォロド・ブリリャコフHonda5
39ロバーツ・ジュストHonda3

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1 KTM 350
2 ヤマハ 247
3 スズキ 194
4 カワサキ 187
5 Honda 132
6 TM 37
7 ハスクバーナ 1