round 03

April 1 2013 FIM Motocross World Championship Netherlands オランダ

SCHEDULE

バブリシェフが今シーズン初のポディウム登壇を果たす

2013年4月1日(日)・決勝  会場:ファルケンスワールト  天候:晴れ  気温:6℃  観客:2万7000人

2013年のFIMモトクロス世界選手権全18戦シリーズの第3戦オランダGPが、晴天に恵まれたものの、非常に寒くなったイースターホリデーの月曜日に、ファルケンスワールトのサンドコースで開催されました。

  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ(#777)
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • タネル・レオクタネル・レオク
  • ダビド・フィリッパーツダビド・フィリッパーツ

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前日の日曜日未明から夏時間に切り替わったヨーロッパですが、真冬並みの寒さだったため、観客は帽子や手袋、マフラーなどでの防寒対策に余念がない様子でした。それでも、休日となった月曜日に、世界のトップライダーたちの走りを目の当たりにした観客は大いに盛り上がり、その中でも目立っていたのがHonda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフでした。ファクトリーマシンCRF450Rを駆り、総合3位に入賞したバブリシェフは、2011年のラトビアGP以来となる今季初めてのシルバーウエアを手にしました。

通常ならワダチや穴だらけとなるオランダGP特有のサンドコースですが、今回に限っては気温が低く、決勝日の早朝にコースが霜に覆われていたほどで、コンディションはそれほど荒れませんでした。そのため、通常よりもハイスピードでの走行が可能となり、難所として知られるファルケンスワールトにしてはテクニックを問われる部分が少なかったのが、今年の特徴です。

バブリシェフは、2012年の開幕戦となったファルケンスワールトで右手親指を負傷し、フィジカルコンディションの調整にシーズンの長期間を費やしてしまいましたが、今大会はその嫌な記憶をなんとしても払拭したいところでした。その一方で、バブリシェフはファルケンスワールトに対していい思い出もあり、2010年のMX1ルーキーシーズンで、バブリシェフはオランダGP5位に入っています。

バブリシェフは、35分プラス2周で競われる2レースで、ともに好スタートを決め、レース1はホールショットを奪いました。バブリシェフは、レース1では終始トップ3圏内を走り、トップを走っていたケン・ド・ディッカー(KTM)の転倒もあり、2位でフィニッシュできました。レース2でも好ペースを維持したバブリシェフは、ラスト2周にスリップダウンを喫したものの、4位でフィニッシュ。総合3位となったバブリシェフは、今季初めての表彰台に立ちました。

バブリシェフとチームメートのマキシミリアン・ナグルは、開幕戦カタールGP以来のポイント獲得を果たしました。カタールで食中毒を患ったナグルは、翌週の第2戦タイGPで欠場を強いられましたが、今大会のファルケンスワールトには、ほぼ100%に近いコンディションで臨みました。コンディション以外で不足があるとしたら、トップライダーたちと肩を並べるために必要な走行練習量だけでした。2012年のモトクロス・オブ・ネイションズにおいて、ドイツ初優勝に貢献したナグルは、スタートからサンドコースの滑りやすい部分に至るまで、高性能なCRF450Rの助けを借りながら、上位10台の中位を走り存在感を示していました。ナグルは総合5位(6位/6位)というまずまずのリザルトを残し、次戦以降は、さらなる上位フィニッシュを狙っています。

2010年と2011年のファルケンスワールトで表彰台登壇を果たしているダビド・フィリッパーツ(Honda Gariboldi)は、レース1で9位に入りました。レース2では、バブリシェフとナグルと並んで1コーナーを立ち上がり、HondaライダーたちがMX1の集団を引っ張りました。フィリッパーツは、残念ながらクラッチトラブルによって、そのあと進撃ができず、リタイアを喫してしまいました。

特筆すべき成績を残したのは、タネル・レオク(Honda)。MX1のレース1の9位までに、Hondaライダーがレース1の上位9台のうち4台を占めた中で、レオクは4位に入賞しました。

2013年のFIMモトクロス世界選手権は第3戦までを消化し、最高峰のMX1クラスの状況が徐々に明らかになってきました。アントニオ・カイローリ(KTM)がクレメント・デサール(スズキ)に対して26ポイント差をつけ、レッドプレートをキープしています。Honda World Motocross Teamのバブリシェフは、87ポイントを獲得し、Honda最上位のランキング6位につけています。フィリッパーツが49ポイントで12位に続いています。

FIMモトクロス世界選手権第4戦トレンティーノGPは、2週間後にイタリアのガルダ湖にほど近いアルコ・ディ・トレントで開催されます。

コメント

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 2位/4位 総合3位)「最後に表彰台に上がってから1年以上になりますので、とてもうれしいです。今週末はすべてがうまくいって満足していますが、レース2ではいいラインを見つけられずにミスばかりしていましたので、少々フラストレーションを感じています。ラスト2周での転倒は、周回遅れのライダーを抜こうとしてラインを変えたときにタイヤを滑らせてしまったものでした。幸いにもエンジンは止まっていませんでしたので、マシンを起こして走り出すのにそれほど時間をロスはしませんでした。自分だけではなく、チームスタッフ全員が喜んでいますし、彼らに感謝の気持ちを表したいです。マックス(・ナグル)も戦列に復帰しましたし、リザルトも順当です」

マキシミリアン・ナグル(MX1 6位/6位 総合6位)「とてもいい気分です。特に今日のスタートに関しては、昨日クラッチスプリングをソフトなものに変更してパワーを滑らかにした結果ですので、してやったりという感じですね。自分のライディングもよかったですし、(ゴーティエ)ポーリン(カワサキ)やデサールと競り合いました。両肩の上にあった重い石がなくなったような感じで、これからは毎週コンディションを上げていけると思います」

ダビド・フィリッパーツ(MX1 9位/DNF 総合13位)「レース1にはとても満足しています。トップライダーを何人も抜きましたし、ラストではデサールを僅差に追い詰めることができました。ということは、まずまずのスピードを全周にわたって発揮できたということですし、それは自分にとって簡単なことではありませんでした。レース2ではもう少しでホールショットを奪えるところでしたし、感触もよかったです。カイローリやケン・ド・ディッカーと同等のスピードはありませんでしたが、6位以内には入れるだろうと思いました。しかし、(ケビン)ストリボス(スズキ)に抜かれたあとにエンジンが止まってしまいました。再スタートしてから、しばらくはだましながら走ってみましたが、リタイアしなければならないことは明らかでした。なにが悪かったのか、原因究明をしないといけません。いずれにしても、カムバックの途中にいるライダーとして、ポジティブな気持ちは失ってはいません。2年間の低迷を受けて、『フィリッパーツはもう終わりだ』と言われるようになってしまいましたが、自分は今日のように強豪がひしめくMX1クラスの上位に位置しています」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 222 A.カイローリ KTM 39:45.837 -
2 777 イブジェニー・バブリシェフ Honda 39:48.310 +0:02.473
3 9 K.ド・ディッカー KTM 39:55.030 +0:09.193
4 40 タネル・レオク Honda 40:12.448 +0:26.611
5 21 G.ポーリン カワサキ 40:16.512 +0:30.675
6 12 マキシミリアン・ナグル Honda 40:21.780 +0:35.943
 
9 19 ダビド・フィリッパーツ Honda 41:02.360 +1:16.523
17 95 アウグスツ・ジュスト Honda 39:48.659 +1Lap
21 249 ニコライ・ラーセン Honda 41:18.569 +1Lap
26 51 イェンス・ゲッテマン Honda 6:56.544 +16Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 9 K.ド・ディッカー KTM 39:22.098 -
2 222 A.カイローリ KTM 39:23.619 +0:01.521
3 22 K.ストリボス スズキ 39:36.898 +0:14.800
4 777 イブジェニー・バブリシェフ Honda 39:59.243 +0:37.145
5 25  C.デサール スズキ 40:07.079 +0:44.981
6 12 マキシミリアン・ナグル Honda 40:14.653 +0:52.555
 
11 40 タネル・レオク Honda 40:58.623 +1:36.525
15 95 アウグスツ・ジュスト Honda 39:50.960 +1Lap
19 249 ニコライ・ラーセン Honda 40:41.508 +1Lap
23 19 ダビド・フィリッパーツ Honda 22:44.130 +9Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
184 J.ハーリングス KTM 39:49.179 -
2 911 J.ティクシー KTM 40:00.235 +0:11.056
3 14 M.アンスティ スズキ 40:10.516 +0:21.337
4 45 J.ニコルズ KTM 40:12.003 +0:22.824
5 259 G.コルデンホフ KTM 40:13.267 +0:24.088
6 33 J.リーバー スズキ 40:47.325 +0:58.146
 
11 59 アレクサンダー・トンコフ Honda 41:06.399 +1:17.220
12 136 ステファン・オルセン Honda 41:07.708 +1:18.529
19 151 ハリ・クラッス Honda 41:32.870 +1:43.691
24 195 ロバーツ・ジュスト Honda 39:51.611 +1Lap
31 711 ジェームズ・コットレル Honda 40:36.415 +1Lap
35 495 プレッセルス・マティアス Honda 42:10.249 +1Lap
38 210 フセヴォロド・ブリリャコフ Honda 9:45.558 +15Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM 39:47.473 -
2 911 J.ティクシー KTM 39:55.318 +0:07.845
3 45 J.ニコルズ KTM 40:00.212 +0:12.739
4 259 G.コルデンホフ KTM 40:08.940 +0:21.467
5461R.フェヴレKTM 40:33.095 +0:45.622
614M.アンスティスズキ 40:56.108 +1:08.635
 
8 59 アレクサンダー・トンコフ Honda 41:03.351 +1:15.878
14 151 ハリ・クラッス Honda 41:18.602 +1:31.129
19 210 フセヴォロド・ブリリャコフ Honda 41:48.132 +2:00.659
23 711 ジェームズ・コットレル Honda 40:31.590 +1Lap
32 195 ロバーツ・ジュスト Honda 21:35.498 +11Laps
33136ステファン・オルセンHonda 16:15.415 +12Laps

ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM 142
2C.デサールスズキ 116
3 K.ド・ディッカー KTM 115
4G.ポーリンカワサキ 108
5 K.ストリボス スズキ 89
6 イブジェニー・バブリシェフ Honda 87
 
9 タネル・レオク Honda 61
12ダビド・フィリッパーツHonda 49
14 マキシミリアン・ナグル Honda 45
19アウグスツ・ジュストHonda 19
23イェンス・ゲッテマンHonda 6
26ジェイソン・ドウガンHonda 4
28 ニコライ・ラーセン Honda 2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM 147
2スズキ 121
3カワサキ 108
4Honda 99
5ヤマハ 66
6TM 35

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1J.ハーリングスKTM 150
2 J.ティクシー KTM 101
3R.フェヴレKTM 98
4 G.コルデンホフ KTM 97
5 J.ブトロン KTM 74
6 M.アンスティ スズキ 72
 
14 アレクサンダー・トンコフ Honda 34
16ステファン・オルセンHonda 33
19ハリ・クラッスHonda 24
30 フセヴォロド・ブリリャコフ Honda 2

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM 150
2ヤマハ 103
3スズキ 94
4カワサキ 63
5Honda 52
6TM3