2012年9月23日(日)・決勝 会場:トイチェンタル 天候:晴れ 気温:18℃ 観客:4万人
晴天に恵まれたトイチェンタルのタルケッセル・サーキットで開催されたドイツGPで、Honda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフが、負傷したばかりの親指の痛みをものともせず、総合6位に入賞しました。
2012年FIMモトクロス世界選手権シリーズを締めくくる第16戦には、4万人の観客が訪れ、KTMのアントニオ・カイローリがMX1クラスで勝利を収めました。1週間後には伝統的な国別対抗レースである、2012FIMモトクロス・オブ・ネイションズが控えています。
バブリシェフはプラクティスで親指のじん帯を伸ばしたため、ハンディを負いながら、アップダウンやタイトで曲がりくねった硬質路面のコースと戦わなければいけませんでした。昨年グランプリ初優勝を遂げた、トイチェンタルの急斜面でファクトリーマシンCRF450Rを操る力を欠いていました。2013年に開催予定のビッグイベント、FIMモトクロス・オブ・ネイションズに備え、レイアウトやインフラが整備されたコースで、バブリシェフは表彰台ではなく、チェッカーフラッグを受けることを目指しました。
バブリシェフはあちこちで何度も見せてきた彼らしいガッツをここでも披露しました。両レースを通じてケン・ド・ディッカー(KTM)とゴーティエ・ポーリン(カワサキ)を追いかけ、6位フィニッシュを2度果たし、総合6位を獲得。彼の回復力とポイント獲得によって、負傷を抱えながらもMX1ランキングを9位に躍進させました。
肩甲骨を骨折したルイ・ゴンカルベス(Honda World Motocross Team)は出走できませんでした。GP優勝経験者であるゴンカルベスは、2週間前にイタリアで開催されたヨーロッパGPで転倒してから十分に回復していませんでした。Honda World Motocross Teamで最後となる世界選手権のプラクティスに出走しましたが、すぐに参戦を断念しました。ゴンカルベスはMX1ランキング10位で2012年を終えました。
LS Motors Hondaのジョナサン・バラガンは、メディカルセンター行きとなってしまい、シーズンを締めくくりました。レース1のスタートで転倒したあと、リズムをつかめずに苦しんでいました。レース2ではレース1の17位を上回ることができず、バンクで右手の指をこすった際の痛みでリタイアを喫しましたが、のちに骨折していることが判明しました。この結果、バラガンはMX1ランキングで14位まで転落してしまいました。
MX2クラスでは、アレクサンドル・トンコフ(Honda Gariboldi-Esta)がCRF250Rを総合10位に導きました。一方、チームメートのマックス・アンスティは2度のスタート失敗によって、総合17位にとどまりましたが、MX2ランキングの7位に食い込みました。
また、土曜日にはHonda Motor Europeによる記者会見で、2013年のHonda World Motocross Teamにマックス・ナグル(現KTM)が加入することが明かされました。
バブリシェフとアンスティは各々の祖国代表として、ベルギーのロンメルで開催される2012モトクロス・オブ・ネイションズに出場予定です。バラガンが出場できるかどうかはまだ分かりません。
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 6位/6位 総合6位)「今シーズンが終わったことにホッとしています。思えば第1戦のファルケンスワールト以来、ずっと痛みとの戦いでした。トレーニング不足のままレースに出てはまた痛めるという、悪循環を繰り返してきました。とても辛かったですし、今日も全然よくならなかったです。土曜日に進入のギャップで振られた際に、ハンドルから手が外れて親指を思いきり開いてしまいました。信じられない負傷でしたが、鎮痛剤が必要なほどの重傷で、アクセルをひねる握力もありませんでした。このコースではパッシングが難しく、今日は両レースともそのような感じになってしまいました。スタートで出遅れてしまいましたが、わずかなスペースを見つけたので、全開で最初の3コーナーを攻めてポジションアップしました。ポーリンの前を抑えていたかったのですが、逆に彼が前に出てからは自分が追う立場になってしまいました。巻き上げられた砂ぼこりや石には腹が立ちました。痛みをこらえての6位はそれほど悪くないですし、ランキングを上げられたことはよかったです。今は2012モトクロス・オブ・ネイションズを楽しみにしています。サンドコースなので、おもしろくなりそうです」
ジョナサン・バラガン(MX1 17位/20位 総合18位)「悪い一年を悪い形で締めくくってしまいました。レース1のスタートで転倒してしまったので、ポジションをばん回しようとがんばりましたが、なかなか好感触がつかめなかったです。レース2ではコーナーで転倒したときに泥の壁に手をついてしまい、痛みがひどかったのでピットインをしました。ドクターによると、手の骨にひびが入っているとのことで、2012モトクロス・オブ・ネイションズへの出場が難しくなってしまいました。今できるのは、2012年のことは忘れて先のことを前向きに考えることです」
ルイ・ゴンカルベス「依然として痛みがひどかったので、ここに来ても走るのは難しいことは分かっていました。ただ、薬やテーピングなどの処置を受けた上で、トライだけはしてみたかったのです。プラクティスの最初のジャンプで、とても無理だということが分かりました。このような形で今シーズンとHonda World Motocross Teamにピリオドを打つのが残念です。来週、ロンメルで開催される2012モトクロス・オブ・ネイションズに出るのは、とても難しいです。様子を見てみますが、かなり難しいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:20.857 | - |
2 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:25.841 | +04.984 |
3 | 94 | K.ロクセン | KTM | 40:43.991 | +23.134 |
4 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:50.543 | +29.686 |
5 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 40:54.752 | +33.895 |
6 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:56.135 | +35.278 |
14 | 32 | M.ポティセク | Honda | 41:48.944 | +1:28.087 |
17 | 7 | J.バラガン | Honda | 40:11.114 | +1Lap |
22 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 40:52.669 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:24.135 | - |
2 | 94 | K.ロクセン | KTM | 40:28.997 | +04.862 |
3 | 12 | M.ナグル | KTM | 40:32.112 | +07.977 |
4 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:34.742 | +10.607 |
5 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:50.070 | +25.935 |
6 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:54.242 | +30.107 |
19 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 40:50.581 | +2Laps |
20 | 7 | J.バラガン | Honda | 27:24.100 | +7Laps |
21 | 32 | M.ポティセク | Honda | 23:52.922 | +9Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 100 | T.サール | カワサキ | 41:00.578 | - |
2 | 338 | Z.オズボーン | ヤマハ | 41:03.922 | +03.344 |
3 | 911 | J.ティクシー | KTM | 41:21.575 | +20.997 |
4 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 41:26.428 | +25.850 |
5 | 37 | V.テイレット | カワサキ | 41:31.544 | +30.966 |
6 | 7 | A.トヌス | ヤマハ | 41:34.960 | +34.382 |
9 | 66 | A.トンコフ | Honda | 41:46.465 | +45.887 |
17 | 6 | M.アンスティ | Honda | 42:31.446 | +1:30.868 |
24 | 15 | H.ハーウッド | Honda | 41:01.870 | +1Lap |
29 | 511 | K.シェーレ | Honda | 42:13.249 | +1Lap |
35 | 195 | R.ジュスト | Honda | 0:21.086 | +20Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:26.109 | - |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:29.600 | +03.491 |
3 | 7 | A.トヌス | ヤマハ | 39:51.284 | +25.175 |
4 | 338 | Z.オズボーン | ヤマハ | 39:58.481 | +32.372 |
5 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:03.441 | +37.332 |
6 | 37 | V.テイレット | カワサキ | 40:10.300 | +44.191 |
11 | 66 | A.トンコフ | Honda | 40:28.737 | +1:02.628 |
15 | 6 | M.アンスティ | Honda | 41:04.575 | +1:38.466 |
23 | 15 | H.ハーウッド | Honda | 39:49.478 | +1Lap |
26 | 511 | K.シェーレ | Honda | 41:34.844 | +1Lap |
34 | 195 | R.ジュスト | Honda | 6:58.046 | +16Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 692 |
2 | C.デサール | スズキ | 594 |
3 | G.ポーリン | カワサキ | 536 |
4 | C.ポールセル | カワサキ | 521 |
5 | K.ド・ディッカー | KTM | 505 |
6 | K.ストリボス | KTM | 405 |
9 | E.バブリシェフ | Honda | 325 |
10 | R.ゴンカルベス | Honda | 315 |
14 | J.バラガン | Honda | 224 |
19 | M.ポティセク | Honda | 72 |
20 | C.ソーベイラス | Honda | 67 |
28 | A.ジュスト | Honda | 37 |
31 | G.クレスティノフ | Honda | 31 |
32 | N.オービン | Honda | 24 |
38 | D.パーシン | Honda | 11 |
49 | L.ロンカ | Honda | 5 |
54 | W.ガルシア | Honda | 4 |
55 | M.ファルファン | Honda | 3 |
58 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 3 |
60 | D.ガルシア | Honda | 2 |
63 | A.ガリード | Honda | 2 |
68 | R.ショーベリ | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 742 |
2 | カワサキ | 649 |
3 | スズキ | 617 |
4 | Honda | 471 |
5 | ヤマハ | 439 |
6 | TM | 58 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 694 |
2 | T.サール | カワサキ | 651 |
3 | J.バン・ホービーク | KTM | 559 |
4 | J.ニコルズ | KTM | 443 |
5 | J.ティクシー | KTM | 434 |
6 | J.ローランツ | カワサキ | 367 |
7 | M.アンスティ | Honda | 333 |
17 | A.トンコフ | Honda | 159 |
37 | R.ジュスト | Honda | 13 |
43 | J.クレアモント | Honda | 9 |
48 | R.サティンク | Honda | 5 |
52 | C.クレイン・クロモフ | Honda | 3 |
53 | T.ヴィラルディ | Honda | 3 |
55 | A.マンキューゾ | Honda | 3 |
56 | E.アームストロング | Honda | 3 |
61 | L.トゥームス | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 757 |
2 | カワサキ | 721 |
3 | ヤマハ | 489 |
4 | Honda | 382 |
5 | スズキ | 309 |
6 | ハスクバーナ | 271 |
7 | TM | 29 |