2012年7月22日(日)・決勝 会場:セミゴーリェ・サーキット 天候:快晴 気温:24℃ 観客:4万5000人
2012年FIMモトクロス世界選手権全16戦シリーズの第11戦ロシアGPが、超満員のセミゴーリェ・サーキットで開催されました。最高峰MX1クラスの勝者はアントニオ・カイローリ(KTM)。Honda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフは、青空と強い日差しのもとに集まった4万5000人(土日合計)の大観衆の声援を受け、ファクトリーマシンCRF450Rを総合5位に導きました。
国際的なモトクロス大会を初めて迎えたセミゴーリェは、フラットかつハイスピードでコンパクトなジャンプが多いコースです。2002年以来となるFIM世界選手権ロシアGPは、土曜の強雨で滑りやすいマディコンディションになりましたが、日曜は好天に恵まれたため砂じんが舞うほどコースが乾いていました。
過去30年間に地元ロシアが生んだ唯一のGPウイナーとして、またチームと大会のスポンサーであるインベストトレードバンクのアイコンとして、バブリシェフの双肩にはプレッシャーがかかっていました。ヒート1、ゼッケン777を背負うバブリシェフは、ゲートからの飛び出しでチームメートのルイ・ゴンカルベスとぶつかって出遅れましたが、序盤からのばん回により6位にこぎ着けました。ヒート2では好スタートを見せると、トップ5に食い込み、クリストフ・ポールセル(カワサキ)に迫りましたが、テクニカルで難しい路面に時間を費やしてしまい5位にとどまりました。
ゴンカルベスは数日前の練習中に起きたクラッシュで右上腕二頭筋を負傷したため、レーザー治療を受けた後にレースに臨んでいました。MX2ランキング2位となったこともあるゴンカルベスは、チームにとって大事なロシアGPで立派なパフォーマンスを見せるため、このところの不運をひとまず断ち切りました。ヒート1では、ポールセルとの接触から炎の追い上げを見せ、ヒート2ではよりよいスタートによってトップ10の中程に定着しました。
LS Motors Hondaのジョナサン・バラガンは、ヒート1では10位にとどまりましたが、気温が上がった午後のヒート2では、持ち前のスピードとリズムを発揮して8位。総合9位となり、CRF450Rを駆るトップ10ライダーのベスト3に入りました。
バブリシェフが地元ライダーとして注目された一方、MX2クラスのキーマンはアレクサンドル・トンコフ(Honda Gariboldi-Esta)でした。シーズン序盤に手を負傷したトンコフは、依然としてフルスピードを発揮できるまでには復調しておらず、さらに背中の不調を抱えていましたが、痛みをこらえてヒート2では15位に。チームメートのマックス・アンスティは、マシントラブルのためスペアマシンで出走。ヒート1でリタイアを喫しましたが、ヒート2では7位に入りました。
FIMモトクロス世界選手権MX1ランキングにおいて、ゴンカルベスは9位、バブリシェフは12位、バラガンは13位につけています。この2連戦のあと、2週間後にはロケットで開催される第12戦チェコGPが控えています。
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 6位/5位 総合5位)「うれしいです。今日は表彰台を狙っていましたが、総合5位は悪くありません。昨日はコースコンディションが悪くて苦しみました。コースはとても荒れていて、マシンのベストセッティングを出すのが難しかったです。ヒート1は、なぜかヒート2よりもきつかったです。終盤になってとても疲れました。なんとか6位をキープできたので、その点では満足しています。一方で、ヒート2は比較的楽でした。スタートの出遅れをばん回してからは、ミスをせずにハイペースで走り、自分のレースができるように心掛けました。地元ロシアでのGP開催は、とてもすばらしかったです。周りの人たちは自分のことをGPのリーダーのように扱ってくれましたし、とくにプレッシャーもなく楽しい週末でした。あちこちに連れて行かれるので疲れましたが、それはそれで楽しかったです。ファンのみなさんの応援はもちろんのこと、チームと家族のサポート、そして今大会の実現に尽力してくれたモスクワとインベストトレードバンクに感謝したいです。来年は、できればポイントリーダーの証である、レッドプレートと共にもっといい体調で戻って来たいです」
ルイ・ゴンカルベス(MX1 8位/6位 総合6位)「先週の練習中にライダーとクラッシュした際に、右の上腕二頭筋を痛めてしまいました。もっと重傷だったかもしれませんが、今大会に間に合うようにレーザー治療と自分なりの努力をしてきました。今日は時折りひどい痛みに襲われましたが、言い訳やグチは言わずにベストを尽くしました。ヒート1ではとてもいいスタートが切れましたが、2コーナーでクリストフ・ポールセルとショーン・シンプソン(ヤマハ)に挟まれてコースアウトしました。最後尾からトップ10まですぐにばん回し、8位でフィニッシュできたので、結果にはとても満足しています。ヒート2ではもっといいスタートを切れましたが、序盤に何度かミスがあってリズムを取り戻すのに時間がかかりました。中盤以降フィニッシュまでは、とても安定した走りができました。トータル的に今週末の結果には満足しています。ラトビアGP以降、いろいろなことが正しい方向に向かっていますし、いつも自分を支えてくれているチームスタッフに感謝したいです」
ジョナサン・バラガン(MX1 10位/8位 総合9位)「率直に言ってうれしいです。このところ数戦のリザルトの中で、今大会の10位/8位はそれほど悪くないです。毎戦トップグループのすぐ後ろ辺り、ほぼ自分がいるべき位置につけています。トレーニングを重ねてもっと向上し、終盤戦に向けて自信を高められるかどうか試したいです。今大会のコースはとても複雑で難しかったですが、レースの観点からすればいいコースだと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 39:45.999 | - |
2 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 39:51.959 | +05.960 |
3 | 25 | C.デサール | スズキ | 39:53.578 | +07.579 |
4 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 39:55.937 | +09.938 |
5 | 22 | K.ストリボス | KTM | 40:16.091 | +30.092 |
6 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:21.016 | +35.017 |
8 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 40:34.945 | +48.946 |
10 | 7 | J.バラガン | Honda | 40:38.554 | +52.555 |
15 | 95 | A.ジュスト | Honda | 41:32.384 | +1Lap |
16 | 73 | D.パーシン | Honda | 41:40.772 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 39:21.770 | - |
2 | 25 | C.デサール | スズキ | 39:29.662 | +07.892 |
3 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 39:47.514 | +25.744 |
4 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 39:55.186 | +33.416 |
5 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 39:57.869 | +36.099 |
6 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 40:01.905 | +40.135 |
8 | 7 | J.バラガン | Honda | 40:25.531 | +1:03.761 |
14 | 95 | A.ジュスト | Honda | 41:23.075 | +1Lap |
15 | 73 | D.パーシン | Honda | 39:22.599 | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:53.338 | - |
2 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:30.247 | +36.909 |
3 | 100 | T.サール | カワサキ | 40:44.391 | +51.053 |
4 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:47.242 | +53.904 |
5 | 34 | J.ローランツ | カワサキ | 40:48.046 | +54.708 |
6 | 911 | J.ティクシー | KTM | 41:00.254 | +1:06.916 |
23 | 195 | R.ジャスト | Honda | 41:46.522 | +1Lap |
25 | 6 | M.アンスティ | Honda | 11:07.049 | +16Laps |
26 | 66 | A.トンコフ | Honda | 2:20.510 | +20Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:17.233 | - |
2 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:53.795 | +36.562 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 39:57.769 | +40.536 |
4 | 34 | J.ローランツ | カワサキ | 40:03.225 | +45.992 |
5 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:17.805 | +1:00.572 |
6 | 911 | J.ティクシー | KTM | 40:24.938 | +1:07.705 |
7 | 6 | M.アンスティ | Honda | 40:33.038 | +1:15.805 |
15 | 66 | A.トンコフ | Honda | 39:28.325 | +1Lap |
21 | 195 | R.ジャスト | Honda | 40:55.134 | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 442 |
2 | C.デサール | スズキ | 422 |
3 | C.ポールセル | カワサキ | 393 |
4 | G.ポーリン | カワサキ | 376 |
5 | K.ド・ディッカー | KTM | 341 |
6 | K.ストリボス | KTM | 304 |
9 | R.ゴンカルベス | Honda | 247 |
12 | E.バブリシェフ | Honda | 194 |
13 | J.バラガン | Honda | 175 |
19 | C.ソーベイラス | Honda | 54 |
24 | A.ジュスト | Honda | 30 |
25 | M.ポティセク | Honda | 30 |
27 | G.クレスティノフ | Honda | 18 |
32 | D.パーシン | Honda | 11 |
37 | N.オービン | Honda | 7 |
43 | W.ガルシア | Honda | 4 |
44 | M.ファルファン | Honda | 3 |
48 | D.ガルシア | Honda | 2 |
50 | A.ガリード | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 492 |
2 | カワサキ | 463 |
3 | スズキ | 433 |
4 | Honda | 322 |
5 | ヤマハ | 320 |
6 | TM | 58 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 478 |
2 | T.サール | カワサキ | 429 |
3 | J.バン・ホービーク | KTM | 417 |
4 | J.ローランツ | カワサキ | 344 |
5 | J.ティクシー | KTM | 309 |
6 | J.ニコルズ | KTM | 289 |
7 | M.アンスティ | Honda | 238 |
21 | A.トンコフ | Honda | 86 |
35 | J.クレアモント | Honda | 9 |
36 | R.ジャスト | Honda | 9 |
42 | R.サティンク | Honda | 4 |
46 | T.ヴィラルディ | Honda | 3 |
48 | E.アームストロング | Honda | 3 |
51 | A.マンキューゾ | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 521 |
2 | カワサキ | 499 |
3 | ヤマハ | 310 |
4 | Honda | 259 |
5 | スズキ | 223 |
6 | ハスクバーナ | 201 |
7 | TM | 11 |