2012年7月15日(日)・決勝 開催地:ケグムス 天候:にわか雨 気温:16℃ 観客:2万1000人
2012年FIMモトクロス世界選手権は、全16戦シリーズの第10戦ラトビアGPを迎え、浅く凸凹で崩れやすい路面のケグムスは、冷たい風と暗い空に包まれました。2万1000人の観客が見守る前でアントニオ・カイローリ(KTM)が今季5度目の総合優勝を飾った一方で、ファクトリーマシンCRF450Rを走らせるHondaライダーのベストリザルトは、Honda World Motocross Teamのルイ・ゴンカルベスによるMX1クラス総合4位でした。
首都リガから1時間ほどの郊外にあるケグムスには、フラットでコンパクトなコースに加え、ワダチだらけの容赦のないレイアウトが用意されていました。土質は非常に難しく、凸凹なギャップ以外にも、上層の下には硬くて滑りやすい土があるため、ケグムスでは表面に注意しなければなりませんでした。
ゴンカルベスは土曜日に行われた予選レースですばらしいスタートダッシュを見せ、カイローリとポールポジションを争った末に、日曜日の決勝レースでのゲート順において自己ベストの2番手を獲得しました。夜間の降雨でコースコンディションはソフトになり、スピードは落ちましたが、ゴンカルベスは35分プラス2周の決勝レース1でも主役を演じました。
ゴンカルベスの3位入賞は、2012年のベストリザルトであり、Honda移籍後の自己ベストタイです。レース2のスタートはそれほどよくありませんでしたが、トップ10の中位を走ってチェッカーを目指した結果、2レース連続のトップ5入りを果たしました。
チームメートのイブジェニー・バブリシェフにとっては、翌週に初めてのホームグランプリを控えていましたが、ロシアから観戦に訪れた少数のファンの前で、プラクティスからファステストタイムを連発しました。バブリシェフはレース1では5位に入賞しましたが、レース2では幸運に恵まれず、スタート直後のストレートでニュートラルに入れたり、後半にはCRF450Rから滑り落ちたりしてしまいました。レース2は11位でフィニッシュし、総合9位にランクインしました。
LS Motors Hondaのジョナサン・バラガンは、依然として本来のスピードを探し求めています。軽傷とはいえケガをしたばかりのため、母国スペインで治療を受け、拠点のベルギーで練習できなかった事情もあり、今大会の土っぽいコースには苦労しました。ペースが上がらないまま、総合13位(13位/13位)にとどまりました。
FIMモトクロス世界選手権MX1ランキングにおいて、CRF450Rに乗るゴンカルベスは9位、バブリシェフは、ゴンカルベスから56点のビハインドで12位、バラガンは14位につけています。今年のグランプリはまだ終わっていません。あと12レースあり、各レースの優勝者には25点が与えられます。
MX2クラスでは、Honda Gariboldi-Estaのマックス・アンスティが、CRF250Rを駆り総合6位(14位/4位)に入賞。チームメートのアレクサンドル・トンコフは、16位に入りました。
2012FIMモトクロス世界選手権の第11戦ロシアGPは、来週セミゴーリェで行われます。グランプリ初開催となるこの会場は、モスクワから北東に500kmほど離れた所にあります。
ルイ・ゴンカルベス(MX1 3位/5位 総合4位)「とてもうれしいです。この週末はいろいろなことがうまく運んで、2レースを安定してまとめることができました。スタートを決めることが大事なことはわかっていましたが、レース1ではまさにその通りになりました。スタートから2番手につけて、しばらく先頭のトニー(カイローリ)からもそれほど離されませんでした。もちろん彼の方が速くて、中盤になると少しずつ置いていかれるようになりました。自分も細かいミスをするようになり、ちょっとペースが落ちたときにケン(ド・ディッカー、KTM)に抜かれて3位になりました。それでも終盤までには持ち直しましたし、自分のライディングにはとても満足しています。レース2のスタートは同じようにうまくは決まらず、何台かとぶつかりながら1コーナーをクリアしました。かなりの混戦でしたので、他車が巻き上げる泥をかぶってラジエーターを詰まらせないように、できるだけ近づかないように注意しました。安定したペースを保ちながら、必要に応じて勝負を仕掛けました。自分を支えてくれたチーム、家族、ガールフレンドに感謝したいです」
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 5位/11位 総合9位)「またしても天気にやられました。今年は全くついていません。レース1ではゲートの飛び出しに失敗したので、1コーナーでずいぶん寄せられました。8番手あたりからポジションをばん回しましたが、前を走る4人はすでに遠く離れていました。それでも5位は堅実なリザルトですし、とても満足しています。総合表彰台をゲットできるチャンスがあると思ったので、レース2が楽しみでした。ゲートの飛び出しはレース1よりもよかったのですが、1コーナーまでのストレートでストリボス(KTM)と接触したときに、彼のブーツがシフトレバーに当たったらしく、ニュートラルに入ってしまいました。バイクは失速して、かなり後れを取りました。そのあとは抜きまくって、20番手あたりから8番手までばん回しました。終盤になって角張ったギャップでハンドルから手が外れて転倒してしまいました。10ポイントを獲得しましたが、満足できる成果ではありません。来週は地元のロシアGPを控えていますので、とても忙しいです。ファンの期待に応えて、いいレースが見せられるよう、コースに行って好感触をつかみたいです」
ジョナサン・バラガン(MX1 13位/13位 総合13位)「正直な話、今回のようなコースコンディションやサンドで練習したのはずいぶん前のことです。とてもつらい週末でした。2週間前にはベルギーにいましたが、ヒザを痛めたのでスペインに戻らなければなりませんでした。ほとんど練習できない2週間でした。がんばってはいますが、軟質コースでリズムをつかむには時間が必要で、今大会はなかなか波に乗れませんでした」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:10.291 | - |
2 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 40:24.951 | +14.660 |
3 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 40:30.273 | +19.982 |
4 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:35.336 | +25.045 |
5 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:39.716 | +29.425 |
6 | 4 | T.レオク | スズキ | 40:40.476 | +30.185 |
13 | 7 | J.バラガン | Honda | 41:30.168 | +1:19.877 |
15 | 37 | G.クレスティノフ | Honda | 39:59.602 | +1Lap |
18 | 32 | M.ポティセク | Honda | 40:50.248 | +1Lap |
19 | 95 | A.ジュスト | Honda | 40:54.732 | +1Lap |
23 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 40:13.416 | +3Laps |
26 | 198 | V.ブカス | Honda | 27:54.183 | +10Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 22 | K.ストリボス | KTM | 40:41.137 | - |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:50.783 | +09.646 |
3 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 40:55.324 | +14.187 |
4 | 25 | C.デサール | スズキ | 41:02.938 | +21.801 |
5 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 41:04.177 | +23.040 |
6 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 41:15.522 | +34.385 |
11 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 42:11.363 | +1:30.226 |
13 | 7 | J.バラガン | Honda | 42:33.652 | +1:52.515 |
14 | 37 | G.クレスティノフ | Honda | 42:37.547 | +1:56.410 |
15 | 32 | M.ポティセク | Honda | 42:56.407 | +2:15.270 |
19 | 95 | A.ジュスト | Honda | 41:18.346 | +1Lap |
25 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 6:37.341 | +17Laps |
26 | 198 | V.ブカス | Honda | 6:38.191 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 34 | J.ローランツ | カワサキ | 39:26.119 | - |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:38.083 | +11.964 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 39:41.154 | +15.035 |
4 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 39:43.267 | +17.148 |
5 | 911 | J.ティクシー | KTM | 39:57.633 | +31.514 |
6 | 17 | J.ブロトン | KTM | 40:04.199 | +38.080 |
11 | 66 | A.トンコフ | Honda | 40:44.201 | +1:18.082 |
14 | 6 | M.アンスティ | Honda | 40:55.860 | +1:29.741 |
23 | 171 | R.サティンク | Honda | 39:55.815 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:08.550 | - |
2 | 34 | J.ローランツ | カワサキ | 40:14.203 | +05.653 |
3 | 911 | J.ティクシー | KTM | 40:48.615 | +40.065 |
4 | 6 | M.アンスティ | Honda | 40:54.470 | +45.920 |
5 | 25 | G.コルデンホフ | KTM | 40:58.823 | +50.273 |
6 | 249 | N.ラーセン | スズキ | 41:54.256 | +1:45.706 |
17 | 171 | R.サティンク | Honda | 41:35.442 | +1Lap |
20 | 66 | A.トンコフ | Honda | 31:41.349 | +5Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 392 |
2 | C.デサール | スズキ | 380 |
3 | C.ポールセル | カワサキ | 357 |
4 | G.ポーリン | カワサキ | 348 |
5 | K.ド・ディッカー | KTM | 299 |
6 | K.ストリボス | KTM | 279 |
9 | R.ゴンカルベス | Honda | 219 |
12 | E.バブリシェフ | Honda | 163 |
14 | J.バラガン | Honda | 151 |
19 | C.ソーベイラス | Honda | 54 |
24 | M.ポティセク | Honda | 30 |
26 | G.クレスティノフ | Honda | 18 |
27 | A.ジュスト | Honda | 17 |
34 | N.オービン | Honda | 7 |
40 | W.ガルシア | Honda | 4 |
41 | M.ファルファン | Honda | 3 |
45 | D.ガルシア | Honda | 2 |
47 | A.ガリード | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 442 |
2 | カワサキ | 427 |
3 | スズキ | 391 |
4 | ヤマハ | 302 |
5 | Honda | 291 |
6 | TM | 58 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 428 |
2 | T.サール | カワサキ | 387 |
3 | J.バン・ホービーク | KTM | 375 |
4 | J.ローランツ | カワサキ | 310 |
5 | J.ティクシー | KTM | 279 |
6 | J.ニコルズ | KTM | 255 |
7 | M.アンスティ | Honda | 224 |
20 | A.トンコフ | Honda | 80 |
35 | J.クレアモント | Honda | 9 |
36 | R.ジャスト | Honda | 9 |
42 | R.サティンク | Honda | 4 |
46 | T.ヴィラルディ | Honda | 3 |
48 | E.アームストロング | Honda | 3 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 471 |
2 | カワサキ | 457 |
3 | ヤマハ | 285 |
4 | Honda | 245 |
5 | スズキ | 209 |
6 | ハスクバーナ | 188 |
7 | TM | 11 |