2012年6月17日(日)・決勝 会場:バストーニュ 天候:晴れ時々曇り 観客:1万8000人
FIMモトクロス世界選手権の第8戦がベルギー・バストーニュに新たに誕生したサンスーシ・サーキットで開催されました。アルデンヌ地方のフラットサーキットに1万8000人の観衆が詰めかける中、Honda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフはレース2で集団を引っぱる好走を見せ、総合11位。優勝は両レースを制したアントニオ・カイローリ(KTM)でした。
週末の天気は対照的で、日曜日はサングラスをつけなくてはならないほどの好天に恵まれましたが、土曜日には激しい雨が降ったため、両クラスともに予選が中止されました。しかしスタッフの努力により、ラフで変化に富んだサーキットはいいコンディションに保たれ、日曜日には無事、決勝が35分と2ラップの2レースで争われました。
CRF450Rを駆るバブリシェフは、ポルトガルで負った胸の負傷のため、痛みと戦いながらのレースとなりました。レース1では不運にも、第1コーナーで発生した多重クラッシュに巻き込まれ、ブレーキキャリパーとディスクを破損。フロントブレーキに故障を抱えてしまいます。それでもバブリシェフは必死で追い上げましたが、レース中盤でコースアウトを喫し、リタイアとなってしまいました。
雪辱を期したレース2では、あわやホールショットという好スタートを見せ、オープニングラップを先導。次第に先頭を走る4台から遅れていきましたが、いいペースをつかむと今季のベストリザルトに並ぶ5位でフィニッシュしました。
チームメートのルイ・ゴンカルベスは、さらなる不運に見舞われてしまいます。雨の土曜日にフープスでクラッシュを喫し、ハンドルバーでろっ骨を折ってしまいます。日曜日、ゴンカルベスは痛み止めを服用しながら果敢にレースに挑み、15位/14位でフィニッシュ。見事ポイントを獲得し、ランキング9位につけています。
LS Motors Hondaのジョナサン・バラガンは、レース1でゴーグルに入ったゴミのためクリアな視界が得られなかったものの、13位に入りました。レース2では転倒を喫し胸部を負傷。呼吸が困難になってしまったため、パドックへ戻りました。その後の検査で、深刻なダメージが無いことが判明しました。
2012年シーズンはこのレースで折り返し地点を迎えます。年間ランキングでは、ゴンカルベスが9位、バブリシェフが11位、バラガンが13位と、Hondaの3ライダーは全員トップ13位以内を確保しています。
MX2クラスでは、Honda Gariboldi-Estaのマックス・アンスティが大苦戦。レース1ではウオームアップラップで電気系統に問題が発生し、スタートが切れませんでした。レース2では、序盤から必死にプッシュしましたがペースをつかめず30位。ランキングで7位に後退してしまいました。
FIMモトクロス世界選手権の第9戦は2週間後、スウェーデンのウッデバラで開催されます。
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 33位/5位 総合11位)「レース1のことは最初から最後まで忘れてしまいたいです。フロントブレーキ無しでは、できることはあまりありませんでした。それに比べると、レース2はとてもよかったです。序盤で2番手に立つことができましたが、マシントラブルやクラッシュの危険性があったため、そのペースを維持することはできませんでした。中盤では多少腕上がりに悩まされ、ラスト3周で小さなクラッシュを喫してしまいましたが、タイムはロスしませんでした。5位という結果にはとても満足しています。胸はまだ痛みますが、視界に影響するのでなるべく痛み止めは飲みたくないです。我慢することはできますが、もちろんそれでレースがよくなることもありません」
ルイ・ゴンカルベス(MX1 15位/14位 総合15位)「大変な週末でした。昨日のプラクティスではフープスで転倒。ハンドルバーが胸に当たり呼吸が困難になったので、病院に行かなくてはなりませんでした。X線検査の結果、ろっ骨が折れていることが判明し、痛みのため夜眠ることもできませんでした。朝目覚めたときにも痛みは引かず、まるでナイフが身体の中にあるようでした。咳をしたり身体を少し動かしたりするだけで痛むので、レースに出るためには痛み止めを飲まなくてはなりませんでした。それでも、マシンの上で痛みのために息ができないこともありました。さらに、ようやくリズムをつかんだと思ったら、再び別のケガをしてしまいました。なんと言っていいか分かりません。まるで激流に逆らって泳いでいるような気分でした。今年で4年目になると思いますが、こんなシーズンは初めてです。精神的にも肉体的にもタフなシーズンなので、痛みを感じずに走りに集中できるようになるのが待ち遠しいです。もちろんレースには参加し続けますが、今は最高のパフォーマンスを見せることができずにいます」
ジョナサン・バラガン(MX1 13位/33位 総合17位)「レース1の序盤、ゴーグルにゴミや砂が入ってしまい、ほとんど何も見ることができませんでした。そのレースは13位となりましたが、レース2では転倒を喫し地面に強く打ち付けられて息ができなかったので、リタイアを余儀なくされました。幸運なことに、深刻なケガはありませんでしたが、今日のことは忘れてしまいたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:20.568 | - |
2 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:22.695 | +02.127 |
3 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:25.512 | +04.944 |
4 | 22 | K.ストリボス | KTM | 40:51.584 | +31.016 |
5 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 40:56.892 | +36.324 |
6 | 121 | X.ブーグ | カワサキ | 40:58.138 | +37.570 |
13 | 7 | J.バラガン | Honda | 41:54.030 | +1:33.462 |
14 | 120 | C.ソーベイラス | Honda | 41:59.505 | +1:38.937 |
15 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 42:01.307 | +1:40.739 |
17 | 32 | M.ポティセク | Honda | 42:03.640 | +1:43.072 |
18 | 131 | N.オービン | Honda | 42:06.542 | +1:45.974 |
23 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 41:32.137 | +1Lap |
24 | 17 | T.ゼーダーシュトレーム | Honda | 41:33.845 | +1Lap |
31 | 95 | A.ジュスト | Honda | 22:57.423 | +10Laps |
33 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 15:10.264 | +14Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:19.194 | - |
2 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 40:23.791 | +04.597 |
3 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:28.980 | +09.786 |
4 | 22 | K.ストリボス | KTM | 40:29.819 | +10.625 |
5 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:55.948 | +36.754 |
6 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 41:02.056 | +42.862 |
14 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 41:28.811 | +1:09.617 |
17 | 131 | N.オービン | Honda | 42:26.985 | +2:07.791 |
23 | 95 | A.ジュスト | Honda | 41:52.564 | +1Lap |
29 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 27:10.316 | +10Laps |
30 | 17 | T.ゼーダーシュトレーム | Honda | 10:19.628 | +16Laps |
31 | 120 | C.ソーベイラス | Honda | 9:08.291 | +17Laps |
32 | 32 | M.ポティセク | Honda | 3:55.815 | +19Laps |
33 | 7 | J.バラガン | Honda | 1:58.600 | +20Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:30.417 | - |
2 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:41.832 | +11.415 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 39:46.859 | +16.442 |
4 | 34 | J.ローランツ | カワサキ | 39:51.176 | +20.759 |
5 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:36.081 | +1:05.664 |
6 | 911 | J.ティクシー | KTM | 40:41.025 | +1:10.608 |
26 | 114 | J.ブッカー | Honda | 40:54.822 | +1Lap |
31 | 6 | M.アンスティ | Honda | 19:59.492 | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:20.529 | - |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:33.549 | +13.020 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:04.844 | +44.315 |
4 | 7 | A.トヌス | ヤマハ | 40:11.419 | +50.890 |
5 | 34 | J.ローランツ | カワサキ | 40:12.291 | +51.762 |
6 | 911 | J.ティクシー | KTM | 40:42.063 | +1:21.534 |
25 | 114 | J.ブッカー | Honda | 40:28.645 | +1Lap |
30 | 6 | M.アンスティ | Honda | 25:47.882 | +8Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 345 |
2 | C.デサール | スズキ | 298 |
3 | C.ポールセル | カワサキ | 292 |
4 | G.ポーリン | カワサキ | 289 |
5 | K.ド・ディッカー | KTM | 237 |
6 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 212 |
9 | R.ゴンカルベス | Honda | 169 |
11 | E.バブリシェフ | Honda | 137 |
13 | J.バラガン | Honda | 118 |
20 | C.ソーベイラス | Honda | 34 |
24 | M.ポティセク | Honda | 21 |
35 | G.クレスティノフ | Honda | 5 |
37 | W.ガルシア | Honda | 4 |
38 | M.ファルファン | Honda | 3 |
40 | D.ガルシア | Honda | 2 |
42 | A.ガリード | Honda | 2 |
43 | A.ジュスト | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 356 |
2 | カワサキ | 350 |
3 | スズキ | 308 |
4 | ヤマハ | 242 |
5 | Honda | 228 |
6 | TM | 52 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 364 |
2 | T.サール | カワサキ | 340 |
3 | J.バン・ホービーク | KTM | 308 |
4 | J.ローランツ | カワサキ | 238 |
5 | J.ティクシー | KTM | 217 |
6 | J.ニコルズ | KTM | 204 |
7 | M.アンスティ | Honda | 191 |
22 | A.トンコフ | Honda | 55 |
31 | R.ジャスト | Honda | 9 |
42 | T.ヴィラルディ | Honda | 3 |
43 | E.アームストロング | Honda | 3 |
46 | A.マンキューゾ | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 377 |
2 | カワサキ | 363 |
3 | ヤマハ | 229 |
4 | Honda | 195 |
5 | スズキ | 173 |
6 | ハスクバーナ | 157 |
7 | TM | 10 |