2012年4月29日(日)・決勝 開催地:フェルモ・サーキット
天候:晴れ 気温:21℃ 観客:1万7000人
2012年FIM世界選手権モトクロス全16戦シリーズの第3戦イタリアGPが、アドリア海を臨む風光明媚な丘陵地フェルモで開催されました。Honda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフは、ワークスマシンCRF450Rに乗り総合6位に入賞しました。週末を通じて温暖な好天に恵まれましたが、1万7000人を超える観客が見守る中、最高峰のMX1クラスはクリストフ・ポールセル(カワサキ)が総合優勝を果たしました。フェルモのコースは険しい丘の斜面に広がっているので、お気に入りの観戦ポイントに到達するには急斜面をよじ上らなければなりません。上り坂の先には恐ろしい下り坂があり、このほかにもハイスピードでスリリングなコースレイアウトがフェルモの特徴です。
バブリシェフは3週間前にオランダGPで脱臼した右手親指の痛みを引きずっていましたが、この負傷を治しながら少しでも多くのポイントを獲得するために集中していました。ロシア人のバブリシェフは今回も35分プラス2周を耐え抜くために鎮痛剤を必要としていました。タイトなセクションをやり過ごすのが大変でしたが、彼にとってハイペースでチェッカーフラッグまで走りきることが少し楽になってきたことは幸いでした。彼は両レースともスタートでトップ10圏内に入り、コースを突き進んだ末に6位/5位というリザルトを獲得しました。
同チームメートのルイ・ゴンカルベスは、土曜日に行われた最初のプラクティスで股関節を痛めてしまい、いつものスタイルでコースを攻めることができませんでした。ポルトガル人のゴンカルベスはスタミナを振り絞って走りきりましたが、総合14位(20位/9位)にとどまりました。MX2ランキング2位になったこともあるゴンカルベスは、レース2の終盤にはマシンの上に嘔吐するほど消耗しきっていました。
LS Honda Racingのジョナサン・バラガンは、サスペンションをセルバからショーワに交換したことによって、より効果的なセッティングを出しつつあります。しかし、スペイン人のバラガンはイタリアGPでは精彩を欠き、レース1では転倒のあとに14位、レース2でも転倒を繰り返しリタイアを喫した結果、総合19位にとどまっています。
水曜日に18歳の誕生日を迎えたGariboldi Honda - Esta所属のマックス・アンスティは、MX2クラスのHondaのエースとしてCRF250Rで参戦しました。イギリス人のアンスティは、理想的なスタートを決めることができませんでしたが、フェルモに総合8位(11位/8位)の成績を刻みました。
バブリシェフはMX1ランキングにおける失地をばん回中で、現在8位(69ポイント)につけています。ゴンカルベスは12位(54ポイント)、バラガンは16位から這い上がるきっかけを必要としています。次のFIM世界選手権モトクロス第4戦メキシコGPは、5月13日にグアダラハラで開催されます。
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 6位/5位 総合6位)「ブルガリアGPのとの親指と比べたら、今日ははるかにベターでした。昨年のこのコースは、自分にとって非常につらかったです。昨年の日程では夏の終わりで暑かったけれど、今年はこの時期なので助かりました。レース1では暑さで少しめまいがしたけれど、レース2は少し曇って涼しかったのがよかったです。フィリッパーツ(ヤマハ)と競り合ったあとはペースを保てました。タイトコーナーが続く第2セクションに手を焼いていたので、4位のド・ディッカー(KTM)との差を詰めることは難しかったです」
ルイ・ゴンカルベス(MX1 20位/9位 総合14位)「今週末は最初からついていませんでした。わだちに足を着いたときに後ろに持っていかれ、尻にヒビが入ったような痛みを感じました。メディカルセンターで診てもらいましたが、まだはっきりしたことはわかりません。とりあえずテーピングで固めて走り、ベストを尽くして土曜を耐え抜きました。レース1ではまるで力が入らなくてマシンに乗っていられませんでした。特に右コーナーでは足を出せないから何もできず、もし出せたとしても痛くてたまりませんでした。とてもつらかったです。レース2では真ん中辺りのスタートでしたが、レース1でスピードを出せていなかったので、リズムに乗るまで数周かかりました。痛みを堪えなければならなかったし、ラスト2周ではフィリッパーツを捕らえようと必死に開けましたが、全てを使いきったのか、吐いてしまいました。幸いにも何ポイントか獲得できたし、地元に戻ったらもっと詳しく診てもらうつもりです。そんなに長くかからないといいです」
ジョナサン・バラガン(MX1 20位/24位 総合19位)「サスペンションをショーワに変えたので、今回のセッティングはベターになりました。レース1では下位になってしまいましたが、ライディングは楽でペースも速かったです。レース2では好スタートが切れたのに、1コーナーでデサールと接触してしまいました。ばん回を試みましたが、途中で再度転倒したときにはまた走り出すことができず、リタイアしてしまいました。マシンセッティングを改善できたので、今度は自分のパフォーマンスを上げたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 40:45.152 | - |
2 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:45.959 | +00.807 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:55.993 | +10.841 |
4 | 25 | C.デサール | スズキ | 41:31.072 | +45.920 |
5 | 121 | X.ブーグ | カワサキ | 41:31.429 | +46.277 |
6 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 41:34.986 | +49.834 |
14 | 7 | J.バラガン | Honda | 42:15.301 | +1:30.149 |
15 | 120 | C.ソーベイラス | Honda | 42:17.733 | +1:32.581 |
19 | 32 | M.ポティセク | Honda | 42:34.687 | +1:49.535 |
20 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 42:39.666 | +1:54.514 |
27 | 95 | A.ジュスト | Honda | 21:15.729 | +11Laps |
28 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 6:34.912 | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 39:48.505 | - |
2 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 39:57.652 | +09.147 |
3 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:03.770 | +15.265 |
4 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 40:08.727 | +20.222 |
5 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:19.815 | +31.310 |
6 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:30.674 | +42.169 |
9 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 40:53.515 | +1:05.010 |
15 | 120 | C.ソーベイラス | Honda | 40:02.185 | +1Lap |
20 | 95 | A.ジュスト | Honda | 40:23.771 | +2Laps |
22 | 171 | P.ベルトゥッツォ | Honda | 40:54.608 | +2Laps |
24 | 7 | J.バラガン | Honda | 18:53.766 | +11Laps |
26 | 32 | M.ポティセク | Honda | 15:45.713 | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 40:06.301 | - |
2 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:22.953 | +16.652 |
3 | 170 | M.リーブ | ヤマハ | 40:28.135 | +21.834 |
4 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:33.366 | +27.065 |
5 | 22 | D.フェランディス | カワサキ | 40:40.392 | +34.091 |
6 | 151 | H.クラッス | スズキ | 40:43.062 | +36.761 |
11 | 6 | M.アンスティ | Honda | 41:18.239 | +1:11.938 |
12 | 66 | A.トンコフ | Honda | 41:24.141 | +1:17.840 |
19 | 310 | A.マンキューゾ | Honda | 40:23.668 | +1Lap |
28 | 21 | L.アマディオ | Honda | 40:10.900 | +2Laps |
32 | 195 | R.ジャスト | Honda | 30:05.999 | +6Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:49.655 | - |
2 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:52.889 | +03.234 |
3 | 170 | M.リーブ | ヤマハ | 40:07.109 | +17.454 |
4 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:18.646 | +28.991 |
5 | 911 | J.ティクシー | KTM | 40:22.023 | +32.368 |
6 | 77 | A.ルピーノ | ハスクバーナ | 40:24.474 | +34.819 |
8 | 6 | M.アンスティ | Honda | 40:47.046 | +57.391 |
13 | 66 | A.トンコフ | Honda | 41:11.583 | +1:21.928 |
20 | 195 | R.ジャスト | Honda | 40:16.773 | +1Lap |
28 | 21 | L.アマディオ | Honda | 40:14.546 | +2Laps |
29 | 310 | A.マンキューゾ | Honda | 41:37.181 | +2Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 133 |
2 | G.ポーリン | カワサキ | 116 |
3 | C.ポールセル | カワサキ | 106 |
4 | C.デサール | スズキ | 105 |
5 | K.ド・ディッカー | KTM | 95 |
6 | K.ストリボス | KTM | 76 |
8 | E.バブリシェフ | Honda | 69 |
12 | R.ゴンカルベス | Honda | 54 |
16 | J.バラガン | Honda | 33 |
17 | C.ソーベイラス | Honda | 27 |
23 | M.ポティセク | Honda | 12 |
26 | G.クレスティノフ | Honda | 5 |
30 | A.ジュスト | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 133 |
2 | カワサキ | 129 |
3 | スズキ | 115 |
4 | ヤマハ | 94 |
5 | Honda | 89 |
6 | TM | 12 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 144 |
2 | J.バン・ホービーク | KTM | 114 |
3 | T.サール | カワサキ | 109 |
4 | J.ローランツ | カワサキ | 85 |
5 | M.アンスティ | Honda | 80 |
6 | J.ティクシー | KTM | 78 |
12 | A.トンコフ | Honda | 55 |
24 | R.ジャスト | Honda | 9 |
34 | A.マンキューゾ | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 144 |
2 | カワサキ | 132 |
3 | Honda | 84 |
4 | ヤマハ | 83 |
5 | スズキ | 73 |
6 | ハスクバーナ | 60 |
7 | TM | 5 |