曇り空のもと、ロケットで開催された2011年FIMモトクロス世界選手権第12戦チェコGPで、Honda World Motocross Teamのルイ・ゴンカルベスが総合3位に入り、最上位のMX1クラスでは初めての表彰台登壇を果たしました。ウイナーは今季4勝目のクレメント・デサール(スズキ)。ゴンカルベスは12戦目にして、CRF450Rを表彰台の上に導きました。
コースにはまんべんなく雨が降り注ぎ、上空は厚い雲に覆われた日曜日、硬質路面はあちこちのコーナーで荒れてワダチができていましたが、曲がりくねった高速のレイアウトによってタイム差が出にくく、パッシングのチャンスが少ないことは明らかでした。そのため、スタートの重要性が高まりましたが、ゴンカルベスはトップ5に入る好スタートを2回そろえることができました。ゴンカルベスは、レース1のゴール目前までデサールを抑えて2番手でしたが、最終的には3位でチェッカーを受けました。レース2ではコースが乾きはじめましたが、ゴンカルベスは3位を守りました。彼がシャンパンを振りまくのは、MX2クラスにおける最後の表彰台となった2009年以来のことです。
チームメートのイブジェニー・バブリシェフは、ロケットのコース変化に適応できず、絶好調ではありませんでしたが、レース1ではゴンカルベスに次ぐ4位に入賞しました。バブリシェフは、レース2では1コーナーで転倒してしまいましたが、トレードマークともいえる猛スピードを見せ、後方集団の中でベストラップを出しながらばん回を試みました。しかし、何度かのミスと2回のエンストによってポジションを失い、ダメージを受けたマシンは走るほどに悪化していったため、コンディションも考慮してリタイアしました。
バブリシェフは総合13位となりましたが、そのすぐ上位にはLS Honda Racingの2人が入りました。ショーン・シンプソンは総合11位(10位/11位)でした。シンプソンは、レース2で軽い転倒を喫したため、10位を逃してしまいました。ケン・ド・ディッカーは総合12位でしたが、先週のロンメルにおける転倒で、首の張りと肩の痛みがあったため、今大会への出場が危ぶまれていました。治療の結果、ド・ディッカーは今大会に参戦できましたが、体調不良と路面状況が好みに合わなかったこともあって、15位/9位にとどまりました。
バブリシェフはMX1ランキング4位で、3位のスティーブン・フロサール(ヤマハ)から41ポイントのビハインド、5位のマックス・ナグル(KTM)に対しては9ポイントの貯金となりました。ゴンカルベスは、ナグルに29ポイント差の6位につけています。以下、ド・ディッカーが8位、シンプソンが14位と続いています。
FIMモトクロス世界選手権15戦シリーズの第13戦イギリスGPは、2週間後、ウィンチェスターに近いマタリー・ベイザンで開催されます。
ルイ・ゴンカルベス(MX1 3位/3位 総合3位)「長い間、この瞬間を待っていました。先週は表彰台に片足をかけることができましたが、あと少しのところで登壇には至らずに逃してしまいました。それでも、こういう成績を残せるように集中し続けてきましたし、同じアプローチによって今後のレースでも表彰台をキープできると確信しています。ここの路面は特別なもので、砂利が多くて滑りやすいため、誰もが乾いている同じラインを通っていました。今シーズン序盤は、好スタートを決めることはできていましたが、マシンに対するフィーリングは100%ではありませんでした。これまで何年も違うメーカーのマシンを乗り継いできて、今年からHondaに移籍したことも同様のステップですが、乗れば乗るほどマシンに慣れてきました。これはチーム全体が同じゴールを目指して努力してきた成果です」
ショーン・シンプソン(MX1 10位/11位 総合11位)「とても大変な週末でした。コースを完全に攻略できませんでしたし、昨日は少しペースが遅かったです。レース1はそれほど悪くありませんでしたし、実のところ、10位という結果には満足しています。ただ、リアタイヤの選択を間違えたようでしたので、レース2では違うタイヤに替えましたが、20分を過ぎたころにはもうだめになったようでした。レース2には全力を注いでいましたし、前半の15分はスピードもありましたが、自分の転倒でド・ディッカーとバラガン(カワサキ)に先行を許してしまいました。終盤はまた持ち直して、フロサールの追撃を退けることができました。振り返ってみると、自分にとって3番目にいいリザルトでしたし、それほど悪くない週末ではありました。次は地元のイギリスGPなので待ち遠しいです」
ケン・ド・ディッカー(MX1 15位/9位 総合12位)「高速なので、ここは好きなコースではありません。スタートに成功すれば上位を走れますが、もし失敗すれば、ばん回するのは難しいです。1週間練習を休んでいたことを考えれば、今大会の結果はそれほど悪くありません。明日(月曜日)、もう一度首の検査をする予定ですが、それほど深刻ではないと思います。首をひねったために、骨が神経と静脈を圧迫し、それが肩にきているようです」
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 4位/26位 総合13位)「早く帰って今日のことを忘れてしまいたい気分です。今週末は、始めからうまくいきませんでしたし、そもそもこのコースとは相性が悪いです。ただ、1つよかったのは、レース1ではとてもいい走りができたことです。レース2では、転倒後にライン取りとスピードを取り戻し、ベストラップを出すことができました。誰もがこのコースではあまり無理できないですし、カムバックは不可能でした。限界までがんばりましたが、2回もエンジンをストールさせたうち、少なくとも1回は無事に生き返らせることができました」
MX1(レース1)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:32.283 | - |
2 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:37.789 | +05.506 |
3 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 40:38.555 | +06.272 |
4 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:39.455 | +07.172 |
5 | 183 | S.フロサール | ヤマハ | 40:40.381 | +08.098 |
6 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 40:44.122 | +11.839 |
10 | 24 | S.シンプソン | Honda | 41:29.226 | +56.943 |
14 | 49 | G.シュミディンガー | Honda | 41:42.185 | +1:09.902 |
15 | 9 | K.ド・ディッカー | Honda | 41:44.084 | +1:11.801 |
18 | 13 | M.モッニ | Honda | 40:33.131 | +1Lap |
MX1(レース2)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:06.261 | - |
2 | 6 | T.レオク | TM | 40:10.108 | +03.847 |
3 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 40:11.761 | +05.500 |
4 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:13.670 | +07.409 |
5 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 40:14.652 | +08.391 |
6 | 2 | M.ナグル | KTM | 40:16.602 | +10.341 |
9 | 9 | K.ド・ディッカー | Honda | 40:54.851 | +48.590 |
11 | 24 | S.シンプソン | Honda | 41:04.897 | +58.636 |
14 | 49 | G.シュミディンガー | Honda | 41:33.629 | +1:27.368 |
18 | 13 | M.モッニ | Honda | 40:23.713 | +1Lap |
26 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 15:54.953 | +14Laps |
MX2(レース1)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 94 | K.ロクセン | KTM | 39:40.474 | - |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:50.917 | +10.443 |
3 | 131 | N.オービン | KTM | 40:18.983 | +38.509 |
4 | 99 | M.アンスティ | カワサキ | 40:21.613 | +41.139 |
5 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:22.470 | +41.996 |
6 | 100 | T.サール | カワサキ | 40:22.855 | +42.381 |
18 | 227 | P.ラトセップ | Honda | 39:54.492 | +1Lap |
22 | 128 | I.モンティチェッリ | Honda | 40:52.651 | +1Lap |
27 | 611 | M.コチ | Honda | 39:51.260 | +2Laps |
31 | 91 | M.カロ | Honda | 32:03.368 | +5Laps |
36 | 195 | R.ジャスト | Honda | 14:56.709 | +13Laps |
MX2(レース2)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 94 | K.ロクセン | KTM | 40:00.102 | - |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 40:01.329 | +01.227 |
3 | 100 | T.サール | カワサキ | 40:35.995 | +35.893 |
4 | 7 | A.トヌス | ヤマハ | 40:42.945 | +42.843 |
5 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 40:44.597 | +44.495 |
6 | 99 | M.アンスティ | カワサキ | 40:46.234 | +46.132 |
14 | 91 | M.カロ | Honda | 40:32.278 | +1Lap |
17 | 227 | P.ラトセップ | Honda | 41:01.715 | +1Lap |
19 | 128 | I.モンティチェッリ | Honda | 41:20.072 | +1Lap |
26 | 611 | M.コチ | Honda | 40:02.605 | +3Laps |
ライダー(MX1)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 509 |
2 | C.デサール | スズキ | 461 |
3 | S.フロサール | ヤマハ | 428 |
4 | E.バブリシェフ | Honda | 387 |
5 | M.ナグル | KTM | 378 |
6 | R.ゴンカルベス | Honda | 349 |
8 | K.ド・ディッカー | Honda | 268 |
14 | S.シンプソン | Honda | 170 |
22 | G.シュミディンガー | Honda | 36 |
24 | M.モッニ | Honda | 25 |
26 | C.クレイグ | Honda | 21 |
39 | R.カストロ・ミランダ | Honda | 5 |
46 | J.パウリーノ・ダ・シルバ | Honda | 2 |
マニュファクチャラー(MX1)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 534 |
2 | ヤマハ | 473 |
3 | スズキ | 471 |
4 | Honda | 435 |
5 | カワサキ | 328 |
6 | TM | 229 |
7 | アプリリア | 9 |
ライダー(MX2)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | K.ロクセン | KTM | 540 |
2 | J.ハーリングス | KTM | 513 |
3 | T.サール | カワサキ | 435 |
4 | G.ポーリン | ヤマハ | 389 |
5 | A.トヌス | ヤマハ | 325 |
6 | M.アンスティ | カワサキ | 318 |
22 | M.カロ | Honda | 71 |
29 | E.バンクスブロウン | Honda | 17 |
30 | T.ベーカー | Honda | 16 |
33 | H.アサンサン・デ・フレイタスク | Honda | 14 |
37 | S.チャンピオン | Honda | 9 |
40 | J.ラモス | Honda | 8 |
41 | P.ラトセップ | Honda | 7 |
43 | R.ジャスト | Honda | 6 |
47 | I.モンティチェッリ | Honda | 4 |
マニュファクチャラー(MX2)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 589 |
2 | カワサキ | 484 |
3 | ヤマハ | 451 |
4 | スズキ | 141 |
5 | Honda | 127 |
6 | ハスクバーナ | 124 |
7 | TM | 7 |