round 11

July 31 2011
FIM Motocross World Championship Limburg
第11戦 リンブルク

ゴンカルベスが表彰台まであと一歩に迫る

FIM世界選手権第11戦リンブルクGPの決勝が、ベルギー・ロンメルのサンドコースで開催されました。2万3300人の観客が見守る中で、アントニオ・カイローリ(KTM)が2年連続で優勝する一方で、Honda World Motocross Teamのルイ・ゴンカルベスは、今季初の表彰台にあと一歩と迫りました。

技術と体力が求められるロンメルのサンドコースは、一瞬の気の緩みや計算ミスも許されません。'12年にモトクロス・オブ・ネイションズが開催される、グランプリサーキットの典型ではありますが、ロンメルの路面はほとんどが障害物のようなもので、ライダーにとっては競い合う相手と同じくらいの難敵といえます。

ゴンカルベスはワークスマシンのCRF450Rを駆り、レース1の最後の1秒までプッシュした結果、スティーブン・フロサール(ヤマハ)を200分の1秒差で下し、3位入賞を果たしました。レース2ではそれほど好スタートを切れませんでしたが、大事な局面でペースアップを図り、4番手までばん回しました。MX2ランキング2位になったことがあるゴンカルベスは、MX1クラスにおける初の表彰台登壇を確信して最終ラップに差し掛かりましたが、不運にもマシントラブルによって完走することができませんでした。

  • R.ゴンカルベスR.ゴンカルベス
  • R.ゴンカルベスR.ゴンカルベス
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • S.シンプソンS.シンプソン
  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー
  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー

レース2での13位というリザルトによって、ゴンカルベスの総合成績は7位となり、総合4位になったチームメートのイブジェニー・バブリシェフよりも3つ下位の順位に甘んじなければなりませんでした。2週間前のラトビアで3戦連続表彰台登壇、ここ5戦中4戦表彰台に登壇しているバブリシェフは、故郷のロシアを離れてベルギーのロンメルに住んでいますが、今大会のレース1では1コーナーのクラッシュに巻き込まれ、好調に水を差されてしまいました。バブリシェフは6位までばん回しましたが、トップグループには届きませんでした。レース2ではカイローリのミスにより一時はトップに立ちましたが、最終的には3位でフィニッシュしました。

ショーン・シンプソン(LS Honda Racing)は、トップ10の壁を破り総合9位を獲得し、ロンメルの難コースで維持したスピードに満足した表情でした。レース1のスタートの出遅れと、バブリシェフとのクラッシュは、チームメートのケン・ド・ディッカーも巻き込むものでしたが、シンプソンは11位/7位というリザルトを残しました。これはMX1クラス1年目で不調にあえいでいたシンプソンにとって、好成績といえるパフォーマンスでした。

ド・ディッカーは'09年に優勝している今回の地元大会で、ファンの大歓声を受けて走りました。しかし、レース1のクラッシュと、その後の2回の転倒によって首と肩を痛めてしまいました。それでもシンプソンに次ぐ12位に入りました。レース2ではクレメント・デサール(スズキ)との5位争いを繰り広げましたが、その後の消耗により8位でフィニッシュ。総合成績は10位にとどまりました。

MX2のスウィアン・ザノーニ(Honda World Motocross Team)は、2週間前にラトビアで手首を脱臼したばかりで、今大会は欠場しました。このブラジル人ルーキーは、次の第12戦も欠場することになっていますが、8月中旬のイギリスGPにはCRF250RでMX2クラスに復帰する見込みです。

バブリシェフは、MX1ランキング総合3位のフロサールに34点差と迫る4位をキープしており、5位のマックス・ナグル(KTM)を20点リードしています。ゴンカルベスは総合6位でデビッド・フィリッパーツ(ヤマハ)を1点リードしています。ド・ディッカーは8位、シンプソンは14位と続いています。

FIM世界選手権モトクロス第12戦は次週、チェコの高速ヒルコースとして名高いロケットで開催されます。

コメント

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 6位/3位 総合4位)「今日は大変でした。レース1ではまだコースが荒れておらず平らだったので、いくらかよかったです。いいラインをつかんでいましたし、スピードもありましたが、転倒してしまい、後方から追い上げなければならなかったことが残念です。13位あたりから6位までばん回しました。レース2ではトニー(・カイローリ)が転倒したことでトップに立ちましたが、コース状況が信じられないほど悪化していました。レース1でスタミナをほとんど使いきり、レース2の前半の15分ぐらいしか残っておらず、後半はスピードとリズムを失ってしまいました。終盤になると完全に疲れてナグルの接近を許してしまいました。深呼吸をして力を振り絞ろうとしましたが、もうスタミナが残っていませんでした。今後のグランプリで何ができるか示したいです」

ルイ・ゴンカルベス (MX1 3位/13位 総合7位)「とても厳しいグランプリで特に体力的に厳しかったです。好スタートを2回そろえることができました。先頭ではありませんでしたが、トップグループのスピードに食らいついていくことができました。最終ラップでフロサールがグッとペースダウンしたことに気付かず、フィニッシュラインで抜いたのですが、3位になれてとてもうれしかったです。レース2でも同じように力強く走れましたし、好位置につけて特に4位に上がった時点では安定していました。ところが、フィニッシュまであと数コーナーというところで、エンジンのパワーが落ちて止まってしまいました。自分のライディングに関しては満足していますし、見てもらった通りです。ただ、リザルトだけが残念でした」

ショーン・シンプソン(MX1 11位/7位 総合9位)「ラップタイムを見てみると、最低でもトップ5を走れる速さがありましたが、それを実現できなかったのが悔しいです。レース1では好スタートを切れましたが、目の前で転倒したバブリシェフのマシンにぶつかってしまいました。レース2ではボーグ(カワサキ)と絡んで転倒し、またしても最後尾からのばん回になりました。もしトップグループと一緒に抜け出せていたら、彼らのペースで走れたと思います。明日は筋肉痛になっているでしょうが、自分はこのきついコースが好きです。ラトビアGPのあと、それほどサンドコースで練習をしてこなかったのですが、自分の体力には驚いています。来週も笑っていたいです」

ケン・ド・ディッカー(MX1 12位/8位 総合10位)「ひどい一日でした。レース1のスタートで転倒し、あと2回クラッシュしてしまいました。最後の転倒では自分のダメージも大きく、レース2に向けて集中するのは難しいと感じました。最初は悪くなかったのですが、最後には腕に力が入らなくなって、すぐに終わってしまいました。誰にとっても同じコンディションではありましたが、コースがとても荒れていて、今日の自分には耐え抜く力がありませんでした」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:57.975-
225C.デサールスズキ40:07.101+09.126
3999R.ゴンカルベスHonda40:27.283+29.308
4183S.フロサールヤマハ40:27.318+29.343
52M.ナグルKTM40:30.164+32.189
6777E.バブリシェフHonda40:49.227+51.252
 
1124S.シンプソンHonda41:31.239+1:33.264
129K.ド・ディッカーHonda42:19.081+2:21.106
1460M.ヴァン・ダエルHonda42:27.322+2:29.347
3549G.シュミディンガーHonda16:39.965+11Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM42:30.771-
22M.ナグルKTM42:34.280+03.509
3777E.バブリシェフHonda42:45.306+14.535
425C.デサールスズキ43:16.238+45.467
56T.レオクTM43:21.598+50.827
6183S.フロサールヤマハ43:44.014+1:13.243
 
724S.シンプソンHonda44:04.265+1:33.494
89K.ド・ディッカーHonda44:28.447+1:57.676
1160M.ヴァン・ダエルHonda44:47.230+2:16.459
13999R.ゴンカルベスHonda40:36.719+1Lap
2749G.シュミディンガーHonda22:51.185+9Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM40:09.879-
294K.ロクセンKTM40:35.725+25.846
389J.バン・ホービークKTM41:04.154+54.275
499M.アンスティカワサキ41:23.029+1:13.150
5152P.ペトロフヤマハ41:34.732+1:24.853
6100T.サールカワサキ41:40.149+1:30.270
 
1291M.カロHonda40:27.626+1Lap
19195R.ジャストHonda42:03.575+1Lap
27611M.コチHonda36:02.692+4Laps
DNS128I.モンティチェッリHonda--

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM41:28.098-
294K.ロクセンKTM41:46.274+18.176
389J.バン・ホービークKTM42:12.860+44.762
499M.アンスティカワサキ42:26.997+58.899
521G.ポーリンヤマハ42:48.506+1:20.408
6100T.サールカワサキ42:56.666+1:28.568
 
1091M.カロHonda44:00.454+2:32.356
20195R.ジャストHonda41:30.180+2Laps
22611M.コチHonda43:48.875+2Laps
DNS128I.モンティチェッリHonda--
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM466
2C.デサールスズキ414
3S.フロサールヤマハ403
4E.バブリシェフHonda369
5M.ナグルKTM349
6R.ゴンカルベスHonda309
 
8K.ド・ディッカーHonda250
14S.シンプソンHonda149
23G.シュミディンガーHonda22
24C.クレイグHonda21
25M.モッニHonda19
37R.カストロ・ミランダHonda5
45J.パウリーノ・ダ・シルバHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM491
2ヤマハ448
3スズキ424
4Honda395
5カワサキ299
6TM198
7アプリリア9

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1K.ロクセンKTM490
2J.ハーリングスKTM469
3T.サールカワサキ400
4G.ポーリンヤマハ373
5Z.オズボーンヤマハ295
6A.トヌスヤマハ295
 
22M.カロHonda64
29E.バンクスブロウンHonda17
30T.ベーカーHonda16
33H.アサンサン・デ・フレイタスクHonda14
36S.チャンピオンHonda9
38J.ラモスHonda8
41R.ジャストHonda6
47I.モンティチェッリHonda2

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM539
2カワサキ446
3ヤマハ421
4ハスクバーナ124
5Honda117
6スズキ114
7TM7