round 07

June 19 2011
FIM Motocross World Championship Spain
第7戦 スペイン

バブリシェフがHonda勢トップの5位に入る

2011年FIMモトクロス世界選手権全15戦シリーズの第7戦スペインGPが、蒸し暑いラ・バニェサで開催されました。チャンピオンのアントニオ・カイローリ(KTM)が今季2勝目を挙げる一方で、イブジェニー・バブリシェフ(Honda World Motocross Team)が、またしてもCRF450Rの中で最速となる走りを1万6000人の観客に披露しました。

本来、ラ・バニェサは国内レース用のモトクロス場ですが、3カ月前にスペインGPが中止になったのを受け、代替地として浮上しました。しかしハイスピードで短いコースは、石混じりの硬質路面で国際仕様には程遠いものでした。さらにタイトコーナーばかりで、パッシングポイントが少ない点にクレームが多く寄せられました。

  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • R.ゴンカルベスR.ゴンカルベス
  • R.ゴンカルベスR.ゴンカルベス
  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー
  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー
  • S.シンプソンS.シンプソン

今シーズン2度の表彰台登壇を果たしているバブリシェフは、残念ながら平均的なスタートからトップ5圏外の走行を両レースで繰り返しました。レース1ではポルトガル人のチームメート、ルイ・ゴンカルベスと7位争いを演じましたが、わずか1秒ほどの差で敗れました。この結果に落胆したロシア人のバブリシェフは、左手にできたマメに苦しみながらも、レース2では1ポジション上げ、ファクトリーマシンを総合8位に導きました。

ゴンカルベスは土曜日に行われた予選レースで、好スタートから厳しいコーナーをすり抜け、4位でフィニッシュしました。ポルトガル人のゴンカルベスは、残念ながらレース1の途中に飛び石が鎖骨に当たり、激痛と戦わなければなりませんでした。レース1で7位、レース2で10位に入ったゴンカルベスは、総合9位のリザルトを残しました。

LS Honda Racingのケン・ド・ディッカーは、土曜日に暫定ポールポジションを獲得しましたが、マシントラブルで予選レースを完走できず、スターティンググリッドが不利になってしまいました。ベルギー人のド・ディッカーは最後尾からばん回を果たし、11位/11位でフィニッシュ。総合では12位となりました。

チームメートのショーン・シンプソンは、ギャップだらけのコースに果敢に挑みました。レース1ではシュラウドを破損しながらも16位を獲取しましたが、レース2ではアルバロ・ロサーノ リコ(ヤマハ)の転倒に巻き込まれてしまいました。シンプソンはピットインして部品交換の後にコースインしましたが、5周遅れのポイント圏外23位となりました。

MX2では、手の負傷で欠場していたスウィアン・ザノーニがCRF250Rを駆り、Honda World Motocross Teamに復帰しました。ブラジル人のMX2ルーキーは、コース上でリズムに乗れなかったものの、レース1でポイント獲得目前の23位に入りました。レース2ではもっといいスタートが切れて、16位につけていたザノーニでしたが、レース中盤のクラッシュで右足のカカトを痛め、リタイアを喫しました。

バブリシェフは、世界選手権MX1ランキング4位から21点ビハインドの5位につけています。ゴンカルベスは6位から7位に落ちましたが、8位のジョナサン・バラガンに対して32点のアドバンテージがあります。ド・ディッガーは12位、シンプソンは15位につけています。

3連戦を終えたFIMモトクロス世界選手権は、このあと1週のインターバルを経て、7月にはスウェーデン、ドイツ、ラトビアと続く3連戦に突入します。

コメント

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 8位/7位 総合8位)「今大会の感触は悪くありませんでしたが、スタートがよくなくて、このコースではばん回もままなりませんでした。ラインがたくさん設けられていましたが、速い選択肢がないので効果はありませんでした。抜きにかかるためにはリスクを冒す必要がありました。レース2ではコースが少し平らになって、部分的には改善されました。1コーナーは滑りやすくて、少しでも上の順位を得るために必死でした。自分の好みではない難しいコースでポイントを獲得できたのでうれしい。今大会に全力を尽してくれたチームスタッフに感謝したいです。マシンはすばらしかった。ただ問題だったのは、自分がスタートのタイミングを外したことだけ。スウェーデンではもっといい成績を残したいです」

ルイ・ゴンカルベス(MX1 7位/10位 総合9位)「大変な一日でした。必須とされたスタートはうまく決められましたが、レース1では腕アガリを起こしていろいろとうまくいかなくなってしまいました。レース半ばで鎖骨に石が当たり、力が入らなくなりました。マシンを押さえられなくなり、レース2までの間に鎖骨をアイシングしなければなりませんでした。レース2もすんなりとはいかず、アンラッキーなことに同じ肩にまた石が飛んできました。レースが終わった今、いったん戻ってこの肩を治さないといけません。このコースについては賛否両論ありますが、我々の使命はとにかくレースをすること。今後はもっといいコースがあるはずです」

ケン・ド・ディッカー(MX1 11位/11位 総合12位)「いい一日ではありませんでした。とても抜きにくいコースで、後方からばん回することは不可能のように思えました。我々はこれからも改善する必要があります。なぜならばスタートでトップ5に入ることが大事だから。土曜日はよかったが、今日はとても難しかったです」

ショーン・シンプソン(MX1 16位/23位 総合19位)「もっと好成績を残せたはずです。2度スタートに失敗し、それでもレース1ではうまくすり抜けて6位まで浮上しました。ところがデサール(スズキ)を抜こうとした時につまらないミスをして、低速でクラッシュ。その際にシュラウドをはがしてしまい、そのあとは何ポイントかでも得るために走りました。仕切り直して臨んだレース2では、トップ10近くまでいけたはずですが、目の前でクラッシュしたロサーノの後輪にヒットして、もう一方のシュラウドとラジエターを壊してしまいました。クーラントがなくなったので、ピットインして修理を施し、ポイントの望みはなくなったけれどコースに戻って走りました。今はまだトップ10圏内に食い込めないようですが、トライは続けます。この会場はグランプリコースではなかったし、パドックも水準に達していたとは言えません。走るのは楽しかったし、スペイン国内選手権を開催するには十分かもしれませんが、グランプリ用としては少々疑問です」

スウィアン・ザノーニ(MX2 23位/27位 総合29位)「とても恥ずかしい。走行中は感触もよく、レース1はきつかったけれどもあと少しでポイントゲットでした。レース2ではいいペースに乗れましたが、ウエイブでコントロールを失ってしまいました。右足のカカトを打って痛みがひどく、再スタートできませんでした。かなり腫れているけれど、スウェーデンGPまでには治ると思います」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1183S.フロサールヤマハ39:48.680-
2222A.カイローリKTM39:49.312+00.632
319D.フィリッパーツヤマハ39:52.928+04.248
42M.ナグルKTM39:54.941+06.261
525C.デサールスズキ40:20.746+32.066
611S.ラモンスズキ40:22.677+33.997
 
7999R.ゴンカルベスHonda40:23.648+34.968
8777E.バブリシェフHonda40:26.459+37.779
119K.ド・ディッカーHonda40:40.554+51.874
1624S.シンプソンHonda41:21.307+1:32.627
1949G.シュミディンガーHonda41:31.945+1:43.265
2395J.オーガストHonda41:34.611+1Lap

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:30.932-
26T.レオクTM39:36.196+05.264
325C.デサールスズキ39:36.258+05.326
419D.フィリッパーツヤマハ39:38.079+07.147
57J.バラガンカワサキ39:42.073+11.141
62M.ナグルKTM39:47.126+16.194
 
7777E.バブリシェフHonda40:03.091+32.159
10999R.ゴンカルベスHonda40:20.555+49.623
119K.ド・ディッカーHonda40:32.310+1:01.378
1749G.シュミディンガーHonda40:05.860+1Lap
2195J.オーガストHonda39:44.090+2Laps
2324S.シンプソンHonda41:10.639+5Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンKTM38:42.572-
2100T.サールカワサキ38:45.648+03.076
384J.ハーリングスKTM39:10.719+28.147
421G.ポーリンヤマハ39:19.301+36.729
5131N.オービンKTM39:32.676+50.104
67A.トヌスヤマハ39:42.198+59.626
 
21128I.モンティチェッリHonda39:41.183+1Lap
23777S.ザノーニHonda40:07.678+1Lap
26495P.マティアス Honda40:09.995+2Laps
27611M.コチHonda40:12.065+2Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンKTM39:36.830-
2100T.サールカワサキ39:47.354+10.524
321G.ポーリンヤマハ39:51.675+14.845
484J.ハーリングスKTM39:57.044+20.214
57A.トヌスヤマハ39:59.075+22.245
6338Z.オズボーンヤマハ40:29.434+52.604
 
23128I.モンティチェッリHonda39:44.276+2Laps
24611M.コチHonda40:46.162+2Laps
25495P.マティアスHonda39:59.590+3Laps
27777S.ザノーニHonda18:41.062+13Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.デサールスズキ285
2A.カイローリKTM284
3S.フロサールヤマハ250
4M.ナグルKTM225
5E.バブリシェフHonda204
6D.フィリッパーツヤマハ199
 
7R.ゴンカルベスHonda192
12K.ド・ディッカーHonda137
15S.シンプソンHonda89
22C.クレイグHonda21
23M.モッニHonda19
24G.シュミディンガーHonda18
34R.カストロ・ミランダHonda5
39J.パウリーノ・ダ・シルバHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM309
2スズキ289
3ヤマハ288
4Honda225
5カワサキ196
6TM133
7アプリリア4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1K.ロクセンKTM301
2J.ハーリングスKTM295
3T.サールカワサキ268
4G.ポーリンヤマハ234
5Z.オズボーンヤマハ213
6A.トヌスヤマハ197
 
25E.バンクスブロウンHonda17
26T.ベーカーHonda16
29M.カロHonda15
30H.アサンサン・デ・フレイタスクHonda14
33S.チャンピオンHonda9
34J.ラモスHonda8
39I.モンティチェッリHonda2
42R.ジャストHonda2

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM344
2カワサキ290
3ヤマハ270
4ハスクバーナ79
5Honda68
6スズキ27
7TM1