round 03

May 15 2011
FIM Motocross World Championship United States of America
第3戦 アメリカ

バブリシェフが歴史的な表彰台初登壇を果たす

全15戦で行われるFIMモトクロス世界選手権第3戦アメリカGPが、難コースとして知られるカリフォルニア州のグレン ヘレンに2万2000人を集めて開催された。ウイナーは今シーズン2度目の総合優勝を果たしたクレモン・デサール(スズキ)だったが、最も注目されたのはHonda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフが、ファクトリーマシンCRF450Rを駆り、自身初の表彰台となる総合3位に入賞したことだった。

長いグレン ヘレン・サーキットに新設されたセクションとコーナーの一部は、日曜日の朝の悪天候により様相を変えてしまった。レース1の間はウエットで泥沼のような場所もあったが、やがて強風とともに青空が現われると、コースは乾いてバンプだらけのテクニカルな路面に変った。

バブリシェフが6位/3位のトータル3位でゲットした初表彰台は、1980年のソビエトGP250ccクラスで勝ったウラジミール・キャビノフ以来となるロシア人ライダーによる快挙となった。23歳のバブリシェフはレース2でチームメートのルイ・ゴンカルベスと競り合ったが、1秒強のリードを保って先にチェッカーを受けた。ポルトガル人のゴンカルベスは腹痛によりレース1では12位にとどまったが、レース2では4位に入り総合7位を獲得した。

  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • R.ゴンカルベス R.ゴンカルベス
  • R.ゴンカルベス R.ゴンカルベス
  • S.シンプソンS.シンプソン
  • S.シンプソンS.シンプソン

LS Honda Racingのショーン・シンプソンは、レース2の方が好結果だったもう一人のライダーだ。レース1のスタートで喫した転倒によって、スコットランド人のシンプソンはほぼ最後尾から16位までばん回しなければならなかったが、レース2では好スタートからハイペースな走りを披露。イギリス国内チャンピオンのシンプソンにとってMX1クラスにおけるベストリザルトとなる6位をマークし、総合成績では11位に入った。

チームメートのケン・ド・ディッカーは、カリフォルニアで不運に見舞われた。ベルギー人のド・ディッカーは、レース1で発生したフューエルポンプのトラブルによって、レース2ではゴール目前でガス欠となり、わずか1ポイントしか獲得できなかった。

CRF250RでMX2クラスに参戦中のスウィアン・ザノーニは、1週間前に練習中のクラッシュで親指を負傷したこともあり、次週に控えている地元ブラジルGPのために大事を取ることも考えたが、なんとか出走して28位/23位となった。

MX1クラスでは、ルイ・ゴンカルベスがHonda勢の中でトップのランキング6位につけ、トップ3に15ポイント差に迫っている。バブリシェフはランキング7位で、ゴンカルベスとは2ポイント差。ショーン・シンプソンは15位、ケン・ド・ディッカーは16位にランクされている。

第4戦ブラジルGPは次週、インダイアトゥーバで開催される。

コメント

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 6位/3位 総合3位)「初表彰台の感動は経験者なら分かってくれるだろう。まるで夢みたいだったので、誰かに頬をつねってもらいたかったくらいだ。レース1ではコーナリングで苦労したので、休憩の間にじっくりとライディングを反省してみた結果、レース2ではとてもうまく走れた。これまでのレースでは上位につけても徐々にタレてしまうことが多かったけれど、今回はトップグループについていくことができた。3位だとは知らなかったので、ゴールして順位が分かった時はとてもうれしかった。ロシアで中継を見ていてくれるファンにとっては時差で午前4時頃になるので、多くの人がレース2まで起きていられなかったとしてもしょうがないよ。自分を支えてくれるとてもすばらしいチームスタッフに感謝したい」

ルイ・ゴンカルベス(MX1 12位/4位 総合7位)「レース1の時はものすごい腹痛に襲われて、ライディングどころかきちんと立つこともできなかった。とても緊張していたし、力がまるで入らなかった。レースとレースの間にメディカルセンターでもらった薬が効いたけれど、それでも吐き気は収まらなかった。レース2では気分も回復し、スタートから最後まで攻めることができた。来週のブラジルGPまでにもっと体調を整えたい」

ショーン・シンプソン(MX1 16位/6位 総合11位)「今朝のウオームアップでは順調だったし一番速かった。雨が降ったので全体的にペースが下がり、ラインチョイスが増えたことが功を奏したようだ。いい日になるだろうと思っていた。レース1のスタートではトップ10以内に入って逃げようと期待していたが、スティーブン・フロサール(ヤマハ)の後輪にぶつかって転倒してしまった。コースはワンラインになっていたので、そこから16位までばん回できたことはよろこぶべきだろう。レース2ではコースコンディションも回復したので、自分らしいリズムをつかむことができ、とても気分よく走れた。ミスもあったけれど、スティーブ・ラモン(スズキ)との距離を取り戻して、彼がヤマハヒルでミスをした時に抜いた。ラストの4〜5周は必死でスパートした。これは自分らしいパターンの1つで、それを披露することができたのがうれしい。みんながよろこんでくれたし、このレース2がなかったらブラジルまでの移動はとてもつらい長旅になっていたことだろう」

ケン・ド・ディッカー(MX1 29位/20位 総合22位)「2度もリタイアするなんて最低の日だ。どうすることもできなかったけれど、努力し続けなければならない。ポイントランキングではすでに大きく後れをとってしまったけれど、今後も好成績を目指してがんばるしかない。幸い、ライディングそのものは開幕1〜2戦よりもよかったし、背中の具合も回復してきている。あと少しの改善で表彰台に上がることもできると思う」

スウィアン・ザノーニ(MX2 28位/23位 総合26位)「今大会前に手を負傷してしまい、それが大変なことだとわかっていた。昨日のプラクティスはつらかったし、負傷を悪化させてもいいのかどうか考えた結果、レース1だけでもトライしてみようと思った。コンディションは難しかったけれど、アメリカGPを終えることができてうれしい。来週のブラジルGPは自分にとって大事なレースになる」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 25 C.デサール スズキ 41:30.376 -
2 222 A.カイローリ KTM 41:33.284 +02.908
3 2 M.ナグル KTM 42:15.849 +45.473
4 22 K.ストリボス スズキ 42:21.600 +51.224
5 19 D.フィリッパーツ ヤマハ 42:27.979 +57.603
6 777 E.バブリシェフ Honda 42:33.478 +1:03.102
 
8 144 C.クレイグ Honda 42:51.791 +1:21.415
12 999 R.ゴンカルベス Honda 43:27.212 +1:56.836
16 24 S.シンプソン Honda 43:32.418 +2:02.042
19 13 M.モッニ Honda 42:14.275 +1Lap
24 49 G.シュミディンガー Honda 39:43.122 +2Laps
29 9 K.ド・ディッカー Honda 27:31.089 +5Laps
33 40 G.アポンテ Honda 22:28.495 +8Laps
34 531 F.ガッリガリ Honda 17:53.838 +10Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
125C.デサールスズキ43:24.372-
22M.ナグルKTM43:25.933+01.561
3777E.バブリシェフHonda43:35.887+11.515
4999R.ゴンカルベスHonda43:37.259+12.887
522K.ストリボススズキ43:44.480+20.108
624S.シンプソンHonda43:54.493+30.121
 
13144C.クレイグHonda44:50.007+1:25.635
209K.ド・ディッカーHonda41:02.398+1Lap
2449G.シュミディンガーHonda44:18.818+1Lap
2813M.モッニHonda30:50.604+5Laps
30531F.ガッリガリHonda7:10.128 +13Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 94 K.ロクセン KTM 43:17.168 -
2 84 J.ハーリングス KTM 43:30.494 +13.326
3 99 M.アンスティ カワサキ 44:05.550 +48.382
4 151 H.クラス ヤマハ 44:18.623 +1:01.455
5 100 T.サール カワサキ 44:24.852 +1:07.684
6 21 G.ポーリン ヤマハ 44:27.953 +1:10.785
           
10 585 T.ベーカー Honda 45:44.976 +2:27.808
22 550 S.ミッチェル Honda 43:17.418 +2Laps
23 128 I.モンティチェッリ Honda 43:26.660 +2Laps
28 777 S.ザノーニ Honda 45:57.701 +2Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 94 K.ロクセン KTM 42:56.413 -
2 84 J.ハーリングス KTM 43:33.152 +36.739
3 100 T.サール カワサキ 43:57.418 +1:01.005
4 338 Z.オズボーン ヤマハ 44:19.247 +1:22.834
5 99 M.アンスティ カワサキ 44:23.953 +1:27.540
6 1 M.ムスキャン KTM 44:37.359 +1:40.946
           
12 85 S.チャンピオン Honda 43:15.795 +1Lap
16 585 T.ベーカー Honda 43:59.796 +1Lap
23 777 S.ザノーニ Honda 45:29.339 +1Lap
30 550 S.ミッチェル Honda 19:21.330 +9Laps
31 128 I.モンティチェッリ Honda 12:15.989 +12Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.デサールスズキ128
2M.ナグルKTM122
3A.カイローリKTM104
4S.フロサールヤマハ96
5D.フィリッパーツヤマハ91
6R.ゴンカルベスHonda89
           
7E.バブリシェフHonda87
15S.シンプソンHonda38
16K.ド・ディッカーHonda32
18C.クレイグHonda21
26G.シュミディンガーHonda4
28M.モッニHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM129
2スズキ128
3ヤマハ117
4Honda99
5カワサキ81
6TM48

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1 K.ロクセン KTM 144
2 J.ハーリングス KTM 130
3 T.サール カワサキ 120
4 Z.オズボーン ヤマハ 90
5 M.アンスティ カワサキ 87
6 A.トヌス ヤマハ 81
 
21 T.ベーカー Honda 16
22 M.カロ Honda 15
24 S.チャンピオン Honda 9
29 R.ジャスト Honda 2

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1 KTM 150
2 カワサキ 124
3 ヤマハ 110
4 Honda 37
5 ハスクバーナ 27
6 スズキ 6
7 TM 1