2011年のFIMモトクロス世界選手権がブルガリアのセブリエボ・サーキットで開幕。新チームのHonda World Motocross Teamは、好天ながら風が強く涼しい天候のもとレースを楽しんだ。MX1デビューを果たしたルイ・ゴンカルベスは総合5位、チームメートのイブジェニー・バブリシェフも総合6位と2台のCRF450Rがトップ6に並ぶ好スタートを切った。
路面が固くホコリっぽい高速レイアウトのセブリエボ・サーキットは、セブリエボの街のほど近くに位置する。3万5000人の観衆を集めた風の強い週末は、全15戦のシリーズの開幕戦として開催され、シンプルながら身体能力が問われるレースとなった。450ccマシンを駆り、イタリアのチームからデビューを果たしたゴンカルベスは、両レースで好スタートを切った。レース1では35分+2周のレースにおいて先頭グループで戦う好走を見せ、8位でフィニッシュした。2009年にMX2でランキング2位を獲得しているポルトガル人のゴンカルベスは、レース2でもチームメートのバブリシェフに次ぐ5位に入った。
パワフルなロシア人ライダーのバブリシェフは、レース1では序盤にクラッシュを喫して12位に終わった。雪辱を期して臨んだレース2では、スタートに失敗しながらも4位までばん回した。
MX1デビューを飾ったLS Honda Racingのショーン・シンプソンにとっては不本意な開幕戦となった。スコットランド人のシンプソンはプラクティスでトップ5につける好走を見せ、予選ヒートでも腕上がりに陥るまではトップ3につける速さを見せていた。前イギリスチャンピオンでもあるシンプソンは、13位/16位に入り総合14位につけている。
チームメートのケン・ド・ディッカーは、シンプソンの5番手後方の総合19位で開幕戦を終えた。テクニカルな問題により予選31番手とハンデを負うことになったベルギー人のド・ディッカーは、レース1では干し草のバリアにぶつけてマシンから投げ出されたものの、復帰してポイント圏外の22位でフィニッシュ。レース2では最初のターンで転倒したダビド・フィリッパーツ(ヤマハ)にからんだこともあり、17位でレースを終えた。
開幕戦終了後のランキングテーブルでは、Hondaの主要ライダー4名のうち2名がトップ6につけた。第2戦オランダGPは2週間後、イースターマンデー(月曜日)にアイントホーフェン近郊のファルケンスワード・サーキットで開催される。
ルイ・ゴンカルベス(MX1 8位/5位 総合5位)「この冬はすごくがんばった。新しいマシン、新しいチーム、アルミシャシーの450ccマシンでの初めてのシーズンだから、少しでも時間が欲しかった。とにかく、チームはよくやってくれたしハッピーだ。チームは私を信頼してくれ、私が望むものを用意してくれた。シーズン前のレースはいまいちだったが、今日のレースで報われた。いいスタートが切れたし、今後のレースに集中したい」
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 12位/4位 総合6位)「レース1の3周目で転倒したのは、ホコリでゴーグルが汚れてしまい何も見えなくなってしまったからだ。石か何かにぶつけてしまって、フロントホイールを失ってしまった。14番手まで落ちてしまったが、多くのライダーが同じスピードで走っていたためばん回は難しかった。12位という結果にはがっかりしている。0ポイントになるよりは何ポイントかは獲得したかった。レース2はよかった。数周はラインを見つけるのに苦労したが、レースに集中できたしコースを分析できた。自分のリズムを得てからは4番手に戻れた。全体的には満足している。昨年のことを思えばはるかにいい」
ショーン・シンプソン(MX1 13位/16位 総合14位)「高速でバンピーなこのコースは苦手だ。腕上がりが出てヒートレースでは少しコントロールを失ってしまった。しかし、プラクティスの両セッションやウオームアップでトップ5に入れたし、自分のスピードには満足している。レースではもっといいスタートが切れていたら、目標としていたトップ10フィニッシュもかなったかもしれない。レース1ではスタートに失敗し、レース2では前を行くフィリッパーツが最初のターンで転倒したことで、行き場を失ってしまった。今回のレースを通じて、最後から2番目のラップが私の最速ラップだったように思える。今回はこのコースに慣れるまでに時間がかかりすぎてしまった。今回のレースをポジティブにとらえれば、ファルケンスワードではもっとうまくいくはずだ」
ケン・ド・ディッカー(MX1 22位/17位 総合19位)「厳しいGPで、悪いシーズンの幕開けとなってしまった。土曜日はマシンがほとんど走らず、ヒートレースではフラッグの3周前に止まってしまった。少なくとも問題は特定できた。このせいでゲート外からのスタートを余儀なくされたが、ここではスタートがとても重要だ。2周目にバリアにあたって転倒したときは、身体も打ちつけてしまいレースに戻るのが大変だった。レース2もスタートが悪く、石がゴーグルに当たってしまいレンズが外れてしまった。すごくホコリっぽくて止まらざるを得なかった。今週末はよくないことのすべてが起こったように思える。今回のことは忘れて次のレースに向かいたい」
MX1(レース1)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 183 | S.フロサール | ヤマハ | 38:47.398 | - |
2 | 25 | C.デサール | スズキ | 38:55.442 | +08.044 |
3 | 2 | M.ナグル | KTM | 39:06.933 | +19.535 |
4 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 39:11.274 | +23.876 |
5 | 39 | D.ガルネリ | カワサキ | 39:29.821 | +42.423 |
6 | 7 | J.バラガン | カワサキ | 39:31.850 | +44.452 |
8 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 39:37.196 | +49.798 |
12 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 40:02.549 | +1:15.151 |
13 | 24 | S.シンプソン | Honda | 40:05.534 | +1:18.136 |
20 | 49 | G.シュミディンガー | Honda | 39:10.594 | +1Lap |
22 | 9 | K.ド・ディッカー | Honda | 39:48.981 | +1Lap |
29 | 95 | J.オーガスト | Honda | 30:07.523 | +6Laps |
32 | 73 | D.パーシン | Honda | 11:58.841 | +15Laps |
MX1(レース2)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | C.デサール | スズキ | 39:21.139 | - |
2 | 183 | S.フロサール | ヤマハ | 39:22.361 | +01.222 |
3 | 7 | J.バラガン | カワサキ | 39:34.491 | +13.352 |
4 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 39:41.094 | +19.955 |
5 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 39:43.493 | +22.354 |
6 | 2 | M.ナグル | KTM | 39:44.742 | +23.603 |
16 | 24 | S.シンプソン | Honda | 40:26.672 | +1:05.533 |
17 | 9 | K.ド・ディッカー | Honda | 40:57.340 | +1:36.201 |
18 | 49 | G.シュミディンガー | Honda | 41:00.630 | +1:39.491 |
22 | 73 | D.パーシン | Honda | 39:56.949 | +1Lap |
23 | 95 | J.オーガスト | Honda | 40:00.545 | +1Lap |
MX2(レース1)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 94 | K.ロクセン | KTM | 39:24.881 | - |
2 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:39.548 | +14.667 |
3 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 39:44.853 | +19.972 |
4 | 7 | A.トヌス | ヤマハ | 39:46.136 | +21.255 |
5 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:50.468 | +25.587 |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:04.182 | +39.301 |
12 | 91 | M.カロ | Honda | 40:54.608 | +1:29.727 |
24 | 128 | I.モンティチェッリ | Honda | 40:17.895 | +1Lap |
29 | 195 | R.ジャスト | Honda | 41:00.427 | +1Lap |
31 | 611 | M.コチ | Honda | 41:09.381 | +1Lap |
33 | 550 | S.ミッチェル | Honda | 40:46.978 | +2Laps |
MX2(レース2)
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 94 | K.ロクセン | KTM | 39:35.555 | - |
2 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:57.023 | +21.468 |
3 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 40:06.176 | +30.621 |
4 | 338 | Z.オズボーン | ヤマハ | 40:10.930 | +35.375 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 40:14.537 | +38.982 |
6 | 99 | M.アンスティ | カワサキ | 40:18.899 | +43.344 |
15 | 91 | M.カロ | Honda | 39:56.784 | +1Lap |
29 | 611 | M.コチ | Honda | 40:44.769 | +2Laps |
30 | 550 | S.ミッチェル | Honda | 40:53.828 | +3Laps |
34 | 128 | I.モンティチェッリ | Honda | 26:37.568 | +8Laps |
36 | 195 | R.ジャスト | Honda | 12:48.488 | +15Laps |
ライダー(MX1)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | C.デサール | スズキ | 47 |
2 | S.フロサール | ヤマハ | 47 |
3 | J.バラガン | カワサキ | 35 |
4 | M.ナグル | KTM | 35 |
5 | R.ゴンサルベス | Honda | 29 |
6 | E.ボブリシェフ | Honda | 27 |
14 | S.シンプソン | Honda | 13 |
マニュファクチャラー(MX1)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | スズキ | 47 |
2 | ヤマハ | 47 |
3 | カワサキ | 36 |
4 | KTM | 35 |
5 | Honda | 31 |
6 | TM | 12 |
ライダー(MX2)
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | K.ロクセン | KTM | 50 |
2 | T.サール | カワサキ | 44 |
3 | J.ハーリングス | KTM | 36 |
4 | G.ポーリン | ヤマハ | 34 |
5 | Z.オズボーン | ヤマハ | 32 |
6 | A.トヌス | ヤマハ | 31 |
13 | M.カロ | Honda | 15 |
マニュファクチャラー(MX2)
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 50 |
2 | カワサキ | 44 |
3 | ヤマハ | 38 |
4 | Honda | 15 |
5 | ハスクバーナ | 11 |