round 15

September 12 2010
FIM Motocross World Championship Italy
第15戦 イタリア

ガルネリがHonda勢最上位入賞
レオクが年間ランキング6位獲得

2010年FIMモトクロス世界選手権シリーズ全15戦の最終戦となるイタリアGPが、アドリア海に近いイタリア・フェルモの、リニューアル後間もないサーキットで開催された。優勝はクレメント・デサール(スズキ)。LS Motors Hondaのダビデ・ガルネリは、ホーム戦となるイタリアで、Honda勢最上位となる総合9位に入った。チームメートのタネル・レオクは、ドライコンディションのハイスピードコースに苦戦しながらも15位/17位に入り、今シーズンの年間ランキング6位を得るポイントを獲得した。最高峰MX1クラスの年間ランキングのトップ10には3台のCRF450Rが入り、レオクの後には9位にガルネリ、10位にエフゲニー・ボブリシェフ(CAS Honda Team)がランクインした。

好天に恵まれたフェルモ・サーキットには、2万2500人の大観衆が集った。フェルモは険しい丘の片側にレイアウトされた、ジャンプだらけの高速コース。25歳のガルネリは、Hondaライダーとしての1年目をフェルモにおける総合9位(8位/11位)で締めくくった。特に圧巻だったのはレース2の走り。ガルネリは1コーナーの転倒で最後尾から再スタートしたが、トップ10まであと一歩に迫る11位まで追い上げた。

スタートで前に出ることは、パッシングポイントの少ないこのコースで好成績を残すためのキーポイントだが、レオクはなかなかコースを物にすることができず、2度のスタート失敗によって序盤は上位に食い込むことができなかった。

Honda Racing Martinのアメリカ人、ジミー・アルバートソンは、体調が万全ではなかったものの、総合12位(13位/12位)に入った。同チームのオーストラリア人、ディーン・フェリスは、レース1で19位に入り2ポイントを獲得したが、レース2ではマシントラブルにあい、27位に終わった。

  • T.レオクT.レオク
  • T.レオクT.レオク
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン
  • D.フェリスD.フェリス

MX2クラスでは、CRF250Rを駆るHonda Racing Martinのアレッサンドロ・バティッグがレース2で19位に入り、今季3度目のポイント獲得を果たした。

今季のHonda勢の活躍を振り返ると、エストニア出身のレオクが、カタルニアGPでの優勝をはじめ、チェコGPでも表彰台登壇を果たしている。また、ロシア出身のボブリシェフはCAS Honda Teamにおける初年度で、全15戦のうち3戦で表彰台に迫り、ブレイクスルーと言うべき成長ぶりを見せた。ボブリシェフは、3週間前にブラジルでろっ骨と肺を負傷したばかりなので、まだレースに復帰できる状態ではない。そのため、彼が所属するイギリスのCAS Honda Teamは、イタリア東部で行われた今大会を欠場した。

グランプリシリーズは幕を閉じたが、シーズンはまだ終わってはない。9月26日にはアメリカのコロラド州レイクウッドで、第64回モトクロス・オブ・ネイションズが開催され、レオクとボブリシェフが2010年型CRF450Rで最後のレースに出場する。国対抗の団体戦として行われるこのビッグイベントには、CRF250Rを駆り、AMA250モトクロスでチャンピオンとなったトレイ・カナード(アメリカ代表)、Honda Red Bull Racingのアンドリュー・ショート(アメリカ代表)、そしてAMA450モトクロスでランキング2位となったブレット・メットカーフ(オース
トラリア代表)も出場する。

コメント


タネル・レオク(15位/17位 年間6位)
「今日のレースは難しかった。自分のスタートはそんなに悪くはなかったけれど、アウトに行きすぎて目指すポジションをゲットできなかった。レース2ではジャンプの着地の衝撃で手首をひねってしまった。数周の間ズキズキしてつらかったけれど、止まるのは嫌だったし、なんとかがまんした。あきらめたくなかったし、ポイントが欲しかった。考えようによっては、これはコツがつかめなくて苦手なコースで最後まで走り切るための練習だと思い、頭を切り替えた。年間ランキング6位については、よくやったと思う。ランキング5位以内には入りたかったが、その目標にはちょっと届かなかった。できれば避けたいリタイアもあったし、不運なレースもあったけれど、カタルニアでの総合優勝とチェコでのレース優勝の印象が強いので、これからも思い出すことだろう」


ダビデ・ガルネリ(8位/11位 年間9位)
「とても疲れた。レース1ではうまくトップグループについていくことができたが、レース2ではスタートで転倒して最後尾になってしまった。11位までばん回したので、それ自体はうれしいけれど、25分過ぎにスタミナを使い果たしてしまい、チャージを最後まで続けられなかったのが残念だ。今年はとてもいいシーズンだったし、来年にはもっと変わったところを見せられると思う」


ジミー・アルバートソン(13位/12位 年間17位)
「今シーズンは、ハードな一年だった。いいことばかりではなく、なかなか思い通りにレースを戦うことができないこともあったが、そこからどうにかばん回し、最終戦を迎えることができた。ヨーロッパでの生活に慣れるのは当初とても難しかったが、そんなハードルを乗り越えた今は、もっと前向きに生きることができている。開幕前はとても期待が大きかったが、実際のシーズンのほとんどは、自分にとってもチームにとっても落胆の連続だった。最後の数戦はフィジカルコンディションが悪く、レースに出るのがつらかったが、今週末は渡欧以来ベストと言えるほど気持ちが充実していた。来年が楽しみだ。もちろん来年もこのチームに留まりたいが、自分も含めてみんなが期待していたリザルトを残せなかった。今年は色々と学んだので、来年はトップ争いができると思う。もう困難は乗り越えたはずだし、来年もグランプリを走りたいと切望している」


ディーン・フェリス(19位/27位 年間45位)
「ハードパックのコースを走るのは2カ月ぶりなので、このジャンプの多いコースを目の当たりにした時はとても興奮した。予選では不運なことに、転倒したバイクに突っ込んでフロントディスクが変形してしまったので、決勝のゲート順が不利になってしまった。レース1では安定した走りで最後尾から19位までばん回できた。自分の走りには納得している。オーストラリア選手権と比べると、世界選手権はスピードが全然違う。レース2では直線で競り勝って好スタートが切れたけれど、レース中盤にバイクが止まってしまった。少々がっかりしたが、それほど気にしていない。グランプリでは期待された結果をまだ実現できていないが、いずれにしても今年の経験をうれしく思っている。Hondaのファクトリーバイクに乗ることができて最高だ」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
111S.ラモンスズキ39:33.144-
2121X.ブーグカワサキ39:35.318+02.174
390S.ポールセルカワサキ39:37.317+04.173
425C.デサールスズキ39:39.102+05.958
57J.バラガンカワサキ39:41.046+07.902
62M.ナグルKTM39:44.217+11.073
 
839D.ガルネリHonda40:03.733+30.589
13702J.アルバートソンHonda40:38.334+1:05.190
1540T.レオクHonda40:59.109+1:25.965
19711D.フェリスHonda41:22.259+1:49.115
2959L.ペドリHonda41:33.575+1Lap
3574I.スタインバーグスHonda10:32.713+16Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
125C.デサールスズキ40:19.772-
290S.ポールセルカワサキ40:24.191+04.419
32M.ナグルKTM40:26.050+06.278
411S.ラモンスズキ40:38.174+18.402
5121X.ブーグカワサキ40:49.764+29.992
619D.フィリッパーツヤマハ40:55.158+35.386
 
1139D.ガルネリHonda41:32.150+1:12.378
12702J.アルバートソンHonda41:34.686+1:14.914
1740T.レオクHonda41:58.600+1:38.828
2459L.ペドリHonda41:16.669+2Laps
27711D.フェリスHonda16:28.000+13Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンスズキ39:20.219-
21M.ムスキャンKTM39:37.552+17.333
389J.バン・ホービークカワサキ39:53.096+32.877
421G.ポーリンヤマハ40:01.389+41.170
523A.トヌススズキ40:08.177+47.958
634J.ローランツKTM40:10.134+49.915
 
1735N.ラーセンHonda39:27.697+1Lap
21152P.ペトロフHonda40:11.564+1Lap
2492A.バティッグHonda40:35.713+1Lap
33299G.マルティーニHonda22:28.307+10Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンスズキ40:39.797-
2183S.フロサールカワサキ41:04.542+24.745
321G.ポーリンヤマハ41:07.494+27.697
423A.トヌススズキ41:09.686+29.889
5338Z.オズボーンヤマハ41:18.039+38.242
634J.ローランツKTM41:23.292+43.495
 
1235N.ラーセンHonda42:26.684+1:46.887
1992A.バティッグHonda41:30.362+1Lap
24152P.ペトロフHonda42:28.029+1Lap
32299G.マルティーニHonda14:53.491+14Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM625
2C.デサールスズキ537
3D.フィリッパーツヤマハ502
4M.ナグルKTM498
5S.ラモンスズキ491
6T.レオクHonda356
 
9D.ガルネリHonda290
10E.ボブリシェフHonda270
14G.スワニプールHonda182
17J.アルバートソンHonda130
32B.タウンリーHonda25
37J.パウリーニョ Honda17
42R.ゼンニHonda13
45D.フェリスHonda9
48W.ガルシアHonda 7
52B.フェルホーフェンHonda6
60R.ヒューズHonda4
61M.ポティセクHonda4
65D.パーシンHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM692
2スズキ625
3ヤマハ556
4Honda483
5カワサキ420
6アプリリア264
7TM145
8CCM39
9ハスクバーナ4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM635
2K.ロクセンスズキ574
3S.フロサールカワサキ478
4Z.オズボーンヤマハ397
5J.ローランツKTM396
6J.ハーリングスKTM391
 
18N.ラーセンHonda106
37P.ペトロフHonda11
38S.ザノーニHonda10
48G.マルティーニHonda6
51J.デコティスHonda6
54A.バティッグHonda5
56F.ノレンHonda4
60R.ニイェガードHonda2
63A.ジュストHonda2
64D.ウルリッヒHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM701
2スズキ613
3ヤマハ533
4カワサキ525
5Honda133
6TM48