round 12

August 08 2010
FIM Motocross World Championship Czech Republic
第12戦 チェコ

チェコGPでレオクがヒート優勝
今季2度目の表彰台をゲット

全15戦からなるFIMモトクロス世界選手権の第12戦チェコGPが、湿度の高い中で開催された。MX1クラスの優勝はアントニオ・カイローリ(KTM)だったが、CRF450Rを駆るHonda勢の中のベストフィニッシュは、トリッキーでテクニカルなコンディションに立ち向かった、エストニア出身のタネル・レオク(LS Motors Honda)だった。ギャップとワダチだらけとなったロケットサーキットで、レオクは、ヒート1でカイローリと堂々渡りあった末に優勝。Hondaにとって今季3勝目となるヒートウインを挙げた。

チェコ西部にあるロケットサーキットは、ハイスピードと滑りやすい路面で知られている。今年は週末まで大雨が降ったが、決勝が行われた日曜日だけは晴天となった。普段であれば急なアップダウンの硬質路面だったところも、大量の雨によって一変し、軟質でギャップだらけのコンディションとなった。コースサイドの斜面には2万1000人の観客が集い、総合結果トップ10内には2台のCRF450Rが入った。

  • T.レオクT.レオク
  • T.レオクT.レオク
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン
  • G.スワニプールG.スワニプール
  • 平田優平田優

悪天候の影響で土曜日の予選レースが中止され、代わりに実施されたタイムドプラクティスで、カタルニアGPウイナーのレオクは予選を2番手通過。決勝ヒート1では、倒れるゲートを前輪で叩き落とすほどの好スタートを見せ、オープニングから2位につけた。35分プラス2周によるレースの終盤になると、周回遅れが現れたが、25歳のレオクはラスト2周でカイローリの猛反撃をしのいでトップの座を死守した。ヒート2では1周目からリアブレーキが石を噛み込んだため、レオクはいったん止まって石を蹴り出さなければならなかった。この不運な出来事によって、レオクは中団まで順位を落とすが、粘り強い走りで猛追し、5位までばん回。この結果、総合3位で表彰台をゲットし、今季2度目のシャンパンを味わった。

総合7位には、ロシア出身のエフゲニー・ボブリシェフ(CAS Honda Team)が入賞した。1週間前にロンメルで腰を痛め、ベストコンディションではなかったものの、ボブリシェフは9位/7位に入った。新人のボブリシェフはヒート2で終始3位をキープしていたが、終盤になると負傷の痛みが出てきて、他車のアタックに耐えきることができなかった。

チームメートのガレス・スワニプールは総合17位だったが、本来であればもっと上位の成績を挙げられるはずだった。ヒート1では12位だったが、ヒート2では6位走行中にマシントラブルが発生し、リタイアを喫した。

アメリカ出身のジミー・アルバートソン(Honda Racing Martin)は、6月のラトビアGP以来初となるポイントを獲得した。先週のリンブルクGPのプラクティスで痛めた胸部は完治した。アルバートソンは総合18位だったが、ヒート2では励みとなる13位のリザルトを残している。

ゲストライダーの平田優は、イタリアのマーティン・ホンダのサポートを受け、出場2戦目にして最後となる今大会で30位/24位の結果を得た。

イタリア出身のダビデ・ガルネリ(LS Motors Honda)は、ヒート1序盤の転倒で背中を痛めてリタイア。ヒート2では出走を見合わせた。

MX2クラスではイタリアのルーキー、アレッサンドロ・バティッグ(Honda Racing Martin)がCRF250Rを駆り、依然としてヒザのケガと戦いながら30位/25位に入った。

シーズン終盤に差しかかった世界選手権のMX1ランキングでは、レオクが290ポイントで7位につけ、CRF450R最上位を維持している。6位のケン・ド・ディッカーを捉えるには、最低19ポイントが必要になる。ボブリシェフはランキング9位で、8位グザビエ・ボーグに対し6ポイント差、7位レオクとは20ポイント差である。以下、ガルネリ10位、スワニプール13位、アルバートソン17位となっている。

第13戦ブラジルGPは、新会場のカンポ・グランデで2週間後に開催される。

コメント

タネル・レオク(優勝/5位)「好成績に満足している。カイローリは周回遅れをかわすのに苦労していたので、それが自分にとってはアドバンテージになった。最後の2周は本当に難しく、いくつかミスもあったけれど、なんとかふんばることができた。ヒート2では谷底のテーブルトップの直前付近で、リアブレーキが石でロックしてしまった。蹴って直そうとして費やした時間で、ずいぶんポジションを失った。スタートそのものはよかったのに。今年は不運なことが多いけれど、反対によかったこともあったから、仕方がない」

エフゲニー・ボブリシェフ(9位/7位)「ヒート1はとてもきつくて、コーナーを読み違えていたせいもあって腕アガリを起こしていた。ロンメルで背中を痛めたあと、この1週間は全然練習できなかった。鎮痛剤を受けてずっと寝ていた。今日も痛みは残っていたので、なかなかペースを上げられなかった。ヒート2は中盤に背中を痛めるまではよかった。それ以降は同じペースをキープできなかった。部分的に無理しないで走ったところもあるし、痛みと戦いながらのレースだった」

ガレス・スワニプール(12位/28位)「ヒート1ではとてもうまくスタートが決まったのに、最初の2周を攻めきれずにポジションを失った。それでも何とかばん回して12位でフィニッシュできた。ヒート2ではもっといいスタートが切れた。20分間は5位をキープしていたし、ナグル(KTM)に抜かれてからも6位だった。残り4分というところで、マシンが止まってしまったのはアンラッキーだった」

ジミー・アルバートソン(24位/13位)「とても長い週末だったように感じた。でも、こうしてレースができるのはうれしかった。ヒート1では24位、ヒート2では13位。リザルトは上向きだし、ポイントも獲得した。あまり立派ではないことは承知しているし、このポジションが自分にふさわしいとは思っていない。それでも参戦してベストを尽すのが務めだし、今日は13位が精一杯やった結果ということだ。ブラジルGPが過ぎたら、体調がもっと回復しているだろうし、もっと好成績が残せるはずだ」

平田優(30位/24位)「またしてもきつい一日でしたが、MX1グランプリのレースを楽しむことができました。チームとホンダ・ヨーロッパに感謝しています」

ダビデ・ガルネリ(37位/欠場)「昨日のマディコンディションはいい感じで走れたし、予選では狙ったクリアラップで9位のタイムを出せた。決勝ヒート1では12位まで上がったし、トップ10入りも不可能ではないと思った矢先、コーナーでクラッシュして背中をひねってしまった。激痛で動けなかった。ドクターの診断では大したことはないようだが、週明けに精密検査を受けるつもりだ。ロケットは以前から好きなコースだっただけに、悔しくてたまらない」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
140T.レオクHonda39:08.429-
2222A.カイローリKTM39:11.886+03.457
325C.デサールスズキ39:15.679+07.250
419D.フィリッパーツヤマハ39:36.200+27.771
52M.ナグルKTM39:38.359+29.930
611S.ラモンスズキ40:01.760+53.331
 
9777E.ボブリシェフHonda40:23.965+1:15.536
128G.スワニプールHonda40:37.830+1:29.401
24702J.アルバートソンHonda40:14.953+1Lap
2795A.ジュストHonda40:44.682+1Lap
3066平田優Honda39:46.078+2Laps
32221G.ビヒトHonda27:12.917+8Laps
3674I.スタインバーグスHonda18:09.690+12Laps
3739D.ガルネリHonda10:40.763+15Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM40:34.824-
225C.デサールスズキ40:37.861+03.037
311S.ラモンスズキ41:41.602+1:06.778
42M.ナグルKTM41:44.144+1:09.320
540T.レオクHonda41:45.731+1:10.907
64K.ストリボススズキ41:46.665+1:11.841
 
7777E.ボブリシェフHonda41:52.259+1:17.435
13702J.アルバートソンHonda41:05.029+1Lap
2195A.ジュストHonda42:09.225+1Lap
2274I.スタインバーグスHonda42:13.377+1Lap
2466平田優Honda41:00.414+2Laps
288G.スワニプールHonda31:55.952+5Laps
32221G.ビヒトHonda17:55.023+13Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンスズキ39:33.781-
21M.ムスキャンKTM40:04.707+30.926
3111J.ハーリングスKTM40:09.189+35.408
489J.バン・ホービークカワサキ40:11.330+37.549
511S.シンプソンKTM40:26.749+52.968
621G.ポーリンヤマハ40:29.950+56.169
 
21152P.ペトロフHonda40:43.997+1Lap
2636D.ウルリッヒHonda41:34.116+1Lap
3092A.バティッグHonda41:39.342+2Laps
3435N.ラーセンHonda26:18.866+8Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM38:58.574-
294K.ロクセンスズキ38:59.090+00.516
321G.ポーリンヤマハ39:41.971+43.397
4183S.フロサールカワサキ39:56.928+58.354
589J.バン・ホービークカワサキ40:13.139+1:14.565
611S.シンプソンKTM40:22.888+1:24.314
 
1635N.ラーセンHonda39:52.946+1Lap
17152P.ペトロフHonda40:03.791+1Lap
2036D.ウルリッヒHonda40:09.204+1Lap
2592A.バティッグHonda39:16.012+2Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM531
2C.デサールスズキ447
3D.フィリッパーツヤマハ394
4M.ナグルKTM382
5S.ラモンスズキ376
6K.ド・ディッカーヤマハ309
 
7T.レオクHonda290
9E.ボブリシェフHonda270
10D.ガルネリHonda213
13G.スワニプールHonda182
17J.アルバートソンHonda90
26B.タウンリーHonda25
40D.フェリスHonda7
43B.アンダーソンHonda5
46R.ヒューズHonda4
47M.ポティセクHonda4
50D.パーシンHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM560
2スズキ497
3ヤマハ448
4Honda399
5カワサキ332
6アプリリア192
7TM145
8CCM25
9ハスクバーナ4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM527
2K.ロクセンスズキ449
3S.フロサールカワサキ404
4J.ハーリングスKTM391
5S.シンプソンKTM329
6Z.オズボーンヤマハ313
 
18N.ラーセンHonda80
38P.ペトロフHonda7
40J.デコティスHonda6
42F.ノレンHonda4
46A.バティッグHonda3
47R.ニイェガードHonda2
51A.ジュストHonda2
53D.ウルリッヒHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM576
2スズキ473
3カワサキ424
4ヤマハ414
5Honda97
6TM34