round 11

August 01 2010
FIM Motocross World Championship Limburg
第11戦 リンブルク

リンブルクGPでレオクが総合5位に入賞

FIMモトクロス世界選手権第11戦リンブルクGPが、苛酷なサンドコースとして有名なベルギーのロンメルで開催された。エストニア出身のタネル・レオク(LS Motors Honda)が、CRF450Rを駆るHonda勢の中で最上位となる成績を残した。MX1クラスの勝者は世界チャンピオンのアントニオ・カイローリ(KTM)だった。

湿度が高く明るい曇天の下、ベルギー北部のロンメルには、2万3500人の観客が集まった。ライダーを待ち受けていたのは、ディープサンドの路面にできるテクニカルでスタミナを消耗させるギャップとワダチ。今大会は、シーズン最初の本格的なサンドレースとなった。

このレースでレオクは、ヒート1で13位、ヒート2では2位につけた。ヒート1では、最終ラップで6位を走行中に、ガソリン不足でエンジンが止まる不運に見舞われた。気持ちを入れ替えて臨んだヒート2では、35分プラス2周のスプリントを走りきり、カイローリに次ぐ2位入賞を果たした。

ガレス・スワニプール(CAS Honda Team)は、総合10位(8位/10位)に入った。南アフリカ出身のスワニプールは、サンドの特性に精通しており、両ヒートとも安定してトップ10内をキープした。ヒート1では体力の限界まで攻め続けるも、7位のケン・ド・ディッカー(ヤマハ)を攻略できず、8位でフィニッシュ。ヒート2では10位に入った。

  • T.レオクT.レオク
  • T.レオクT.レオク
  • G.スワニプールG.スワニプール
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • 平田優平田優
  • A.バティッグA.バティッグ

スワニプールのチームメート、エフゲニー・ボブリシェフは総合11位(12位/9位)だった。土曜日に行われた予選レースでは、終盤までトップを走っていたが、最終的に深くなるギャップにリズムを合わせることができなかった。何度かのクラッシュで背中を痛めたが、日曜の決勝ヒート1では1周目の転倒から12位までばん回した追撃が印象的だった。ヒート2では9位に食い込んだ。

ダビデ・ガルネリ(LS Motors Honda)は、総合13位(11位/14位)。ジミー・アルバートソン(Honda Racing Martin)は、土曜日最初のプラクティス中の転倒でろッ骨にヒビが入ったようで、出走を見合わせた。

また、平田優が全日本選手権のインターバルを利用し、Honda Racing MartinのCRF450Rを駆り、グランプリデビューを果たした。25歳の平田は何度かクラッシュしたこともあり、トップ20に入ることができなかった。

MX2クラスでは、ヒザの負傷が癒えたアレッサンドロ・バティッグ(Honda Racing Martin)が、3戦ぶりに復帰した。CRF250Rを駆るティーンエイジャーの新人は、ヒート1で19位に入り、現時点で今季ベストとなる2ポイントを獲得した。

現在Hondaライダーは、MX1ランキング8位にレオク、5ポイント差の9位にボブリシェフ、さらに31ポイント差の10位にガルネリ。スワニプールはランキング12位で、ランクアップのためには9ポイントのビハインドをばん回する必要がある。

第12戦チェコGPは、翌週8月7〜8日にロケットで開催される。

コメント

タネル・レオク(MX1 13位/2位)「今回のような不運に見舞われることなんて普通はない。ヒート1はガソリン不足でバイクが止まるまでは、とても順調だった。転倒したこともあり、獲得できたはずの5位以内を逃してしまった。それにしても最終ラップは不運としか言いようがない。ヒート2はよかった。コースコンディションはきつかったけれど、レース中ごろからいい感じで自分のリズムで攻めることができた。いま思うと、もっと早めに仕掛けるべきだった。総括としては、走りにもスピードにも体力的にもハッピーで満足している」

ガレス・スワニプール(MX1 8位/10位)「昨日の予選レースではとてもよく乗れていたのに、30番目のゲートからスタートすることになってしまった。ジョエル・スメッツにサンド攻略法をみっちりと教わってきたけれど、今回は体調を崩してしまった。ヒート1では、ド・ディッカーを抜こうと必死になりすぎ、結果として嘔吐した。胃が空っぽになり昼休みになにも食べることができなかったので、ヒート2はさらにきついものとなった。序盤はいいペースを保っていたし、残り8分が表示されたころから、ハンマーを振り下ろして、2〜3周でバラガン(カワサキ)、ド・ディッガー、ストリボス(スズキ)らを立て続けに抜いた。フィリッパーツ(ヤマハ)にも近づいたけれど、残り5分となったあたりでスタミナを使い果たしてしまった。でもスピードはあったし、彼らを抜いてトップ5に近づけたのはうれしかった」

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 12位/9位)「このコースにはどうもなじめなかった。何度もミスやクラッシュを繰り返し、その度に余計な力を費やしてしまった。ヒート1ではスタートで転倒した。タネルのブレーキングにタイミングが合わなくて、止まれずに接触した。はるか後方からずいぶん追い上げたけれど、終盤になってエンストでポジションを2つ下げた。ヒート2ではスタートもまずまずだったし、トップグループを目指してがんばったけれど、最後には疲れてしまった。ピットからは『プッシュ!』のサインが出ていたけれど、自分としてはあれが精一杯だった」

ダビデ・ガルネリ(MX1 11位/14位)「リザルトはよくなかったけれど、最近2週間とても疲れがたまっていたし、このコースは楽じゃないことは分かっていた。とても深くてギャップも想像以上に大きく荒れていた。サンドスペシャリストではないけれど、もっと速く走れることは分かっていたし、ラップタイムがそれを証明している。終始一貫、リズムを保とうとがんばったけれど、少しでも乱れると、かなりのタイムロスがあった。ヒート1では踏んばったし、最後にタネルのバッドラックもあって11位に入った。ヒート2では少し楽に臨んだつもりだったけれど、後半になってペースを失った。あまりいい大会ではなかったけれど、ほかのライダーの戦績が影響し、今回のリザルトになったのだと思う」

平田優(MX1 37位/29位)「とてもきつい一日でした。何度も転倒したし、コース全周で苦労しました。予想していたことではあるけれど、世界選手権を走るライダーのスピードには驚きました。これからもGPに挑戦したい。来年はもっと上位を狙いたいと思っています。Honda Racing Martinとロジャー・ハービーさんに感謝しています」

ジミー・アルバートソン「ロンメルのコースをなんとか1周したあと、大転倒を喫して、胸を強打した。ろっ骨何本かにヒビが入ったかもしれない。改めてコースを見渡してみると、万全の体調で臨まなければ走れるわけがなかったと思う。また逆戻りだけれど、この後の診断で来週のチェコGPをどうするか判明するはずだ」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM41:00.981-
22M.ナグルKTM41:13.932+12.951
325C.デサールスズキ41:25.227+24.246
419D.フィリッパーツヤマハ41:35.702+34.721
511S.ラモンスズキ41:42.508+41.527
622R.ゴンサルベスKTM42:11.336+1:10.355
 
88G.スワニプールHonda42:25.491+1:24.510
1139D.ガルネリHonda42:57.392+1:56.411
12777E.ボブリシェフHonda43:05.601+2:04.620
1340T.レオクHonda39:24.201+1Lap
2774I.スタインバーグスHonda41:33.530+2Laps
3095A.ジュストHonda35:32.080+4Laps
3551B.アンダーソンHonda18:56.762+10Laps
3766平田優Honda13:22.351+13Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:59.056-
240T.レオクHonda40:33.739+34.683
32M.ナグルKTM40:39.587+40.531
425C.デサールスズキ40:53.745+54.689
59K.ド・ディッカーヤマハ41:09.951+1:10.895
619D.フィリッパーツヤマハ41:14.172+1:15.116
 
9777E.ボブリシェフHonda41:29.159+1:30.103
108G.スワニプールHonda41:31.415+1:32.359
1439D.ガルネリHonda42:20.062+2:21.006
1651B.アンダーソンHonda40:04.776+1Lap
2474I.スタインバーグスHonda42:04.171+1Lap
2966平田優Honda40:43.614+4Laps
3495A.ジュストHonda18:37.075+10Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンスズキ40:03.130-
21M.ムスキャンKTM40:18.428+15.298
3111J.ハーリングスKTM40:35.849+32.719
434J.ローランツKTM40:40.716+37.586
511S.シンプソンKTM40:52.942+49.812
6151H.クラッスヤマハ41:04.220+1:01.090
 
1435N.ラーセンHonda40:20.485+1Lap
1992A.バティッグHonda41:09.070+1Lap
23152P.ペトロフHonda41:49.308+1Lap

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1111J.ハーリングスKTM41:49.178-
294K.ロクセンスズキ41:56.608+07.430
31M.ムスキャンKTM42:07.057+17.879
421G.ポーリンヤマハ42:17.479+28.301
534J.ローランツKTM42:26.724+37.546
6151H.クラッスヤマハ42:34.124+44.946
 
1635N.ラーセンHonda41:58.238+1Lap
21152P.ペトロフHonda43:29.344+1Lap
2692A.バティッグHonda42:52.712+2Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM484
2C.デサールスズキ405
3D.フィリッパーツヤマハ364
4M.ナグルKTM348
5S.ラモンスズキ341
6K.ド・ディッカーヤマハ299
 
8T.レオクHonda249
9E.ボブリシェフHonda244
10D.ガルネリHonda213
12G.スワニプールHonda173
17J.アルバートソンHonda82
26B.タウンリーHonda25
39D.フェリスHonda7
42 B.アンダーソン Honda 5
45R.ヒューズHonda4
46M.ポティセクHonda4
49 D.パーシンHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM513
2スズキ455
3ヤマハ418
4Honda358
5カワサキ318
6アプリリア173
7TM145
8CCM11
9ハスクバーナ4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM480
2K.ロクセンスズキ402
3S.フロサールカワサキ379
4J.ハーリングスKTM371
5S.シンプソンKTM298
6Z.オズボーンヤマハ290
 
18N.ラーセンHonda75
39J.デコティスHonda6
41F.ノレンHonda4
45P.ペトロフHonda3
46A.バティッグHonda3
50A.ジュストHonda2
51R.ニイェガードHonda2

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM529
2スズキ426
3カワサキ388
4ヤマハ379
5Honda92
6TM18