round 10

July 4 2010
FIM Motocross World Championship Sweden
第10戦 スウェーデン

ボブリシェフがMX1総合4位をゲット

曇り空の下で開催された、FIMモトクロス世界選手権全15戦の第10戦スウェーデンGP。MX1クラスではアントニオ・カイローリ(KTM)がウイナーとなり、一方のMX2クラスではスティーブン・フロサール(カワサキ)が総合優勝を果たした。Honda勢の中で最も輝いていたのは、またしてもエフゲニー・ボブリシェフ(CAS Honda Team)。このロシア生まれのMX1ルーキーは、CRF450Rを駆り、2戦連続で総合4位に入賞した。

どんよりとした暑さに覆われた土曜日のコースコンディションはドライだったが、日曜日の朝の降雨によって砂利混じりの緩い表面は、滑りやすくギャップだらけに一変した。天候の急変にもかかわらず、岩だらけの丘に面した会場には2万2000人の大観衆が集い、グランプリカレンダーの中でも重要で根強い人気のイベントであることをうかがわせた。

ボブリシェフは単独5位でヒート1のチェッカーフラッグを受けたが、ヒート2では三つどもえの2位争いを繰り広げた。22歳のボブリシェフは、クレメント・デサール(スズキ)、スティーブ・ラモン(スズキ)を相手に競り合ったが、3者が仕掛け合いを始めるとゼッケン777のボブリシェフは2人のベルギー人に挟まれて、あわや転倒というピンチにも直面した。レース終盤には大幅なタイムロスもあって4位に甘んじたが、今季のベストスコアに次ぐ得点を加算した。

  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • G.スワニプールG.スワニプール
  • T.レオクT.レオク
  • T.レオクT.レオク
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン

総合9位(7位/12位)には、ボブリシェフのチームメート、ガレス・スワニプールが入った。タネル・レオク(LS Motors Honda)、ダビデ・ガルネリ(LS Motors Honda)、ジミー・アルバートソン(Honda Racing Martin)の3人が不運に見舞われた一方、スワニプールはHonda勢の中で2番手となり、彼自身にとってもまずまずのリザルトを得た大会となった。

5月にスペインのベルピッグで開催された第5戦カタルニアGPのウイナーであるレオクは、マシントラブルでヒート1をリタイア。コースへの慣熟という点で少々ハンディキャップを負ったが、ヒート2ではエストニアン・エクスプレスの異名に恥じないスピードを披露し、9位でフィニッシュ。総合では12位となる成績を収めた。

チームメートのガルネリは、両ヒートを通じて好スタートを決めた。しかし、ヒート1では序盤で2番手をキープしながら、転倒でクラッチレバーを壊してリタイア。ヒート2でも一時5番手を走り、好調をアピールしていたものの、またしても転倒。クラッチレバーを曲げてしまい、なんとか完走しての14位となった。

アルバートソンは、マシントラブルによりヒート1をリタイア。さらにヒート2では転倒で右手の中指を負傷した。

ボブリシェフは世界選手権MX1ランキング8位に浮上。7位のケン・ド・ディッカー(ヤマハ)に46ポイント差と迫っている。9位レオクに対しては4ポイントのリード。10位にはガルネリ、12位にはスワニプールがつけている。

7月中旬からはレース日程にも夏休みがあり、次回、第11戦リンブルクGPは8月1日、サンドの難所として恐れられているベルギーのロンメルで開催される。

コメント

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 5位/4位)「ヒート1ではスタートに失敗した。自分のゲートだけ倒れるのが遅かったようだし、2コーナーでラインをブロックされたことも響いた。かなり後方から7番手までばん回した後、単独走行になって前を行くマックス・ナグル(KTM)のことだけをマークする状況になった。同じようなライン取りだったけれど、ナグルの方が少し速かったので、ミスをしないで追いかけるのは難しかった。それでもナグルが転倒し、自分は5番手に上がった。ヒート2はもっとすごかった。カイローリの真後ろにつけながら、気持ちよく走ることができた。彼のラインがすばらしかったので、観察しながら学ぶことができた。カイローリがミスをしたときに少し接近したけれど、すぐに逃げられてしまった。その後はデサールを追いかけるレースになって、パッシングを試みたけれど、ちょうどそのときに後ろからラモンに仕掛けられ、デサールとの間に挟まれる形になった。デサールの攻略は予想以上に難しく、表彰台には上がれなかった。しかし、次戦以降で彼を上回る走りをしたいし、必ず実現できると思う。これからロンメルのサンドに備えて特訓しないといけない」

ガレス・スワニプール(MX1 7位/12位)「ヒート1についてはとてもハッピーで満足している。スタートもよかったし、全力を注ぎ込んで戦えた。昨日、今日とコースには手こずったけれど、いいペースを保ちながらトップグループに絡み、7位でフィニッシュできた。この戦果はうれしい。ヒート2のスタートはそれほどよくなかったし、集団の中を走るのは大変だった。あまりうまく走れなかったが、なんとか12位に入れたし、ランキングをひとつ上げることができた。次のロンメルは得意なコースだし、両親が応援に来てくれることになっている。過去にも母親が観に来るといいことがあったので、そんな幸運をまた再現したいと思っている」

タネル・レオク(MX1 29位/9位)「またしても不運……。土曜の予選レースはうまくいかず、したがって不利なグリッドから好スタートを決めることはできなかった。とにかくヒート1のスタートは7番手辺りで、そのポジション自体は悪くなかったけれど、最初の何個目かのコーナーのアウト側バンクで、マシントラブルで転倒してしまった。ヒート2ではもっとスタートが悪く、上位までばん回するのは大変だった。コースコンディションがかなり変わってしまったので、レーシングスピードでベストラインを探すのに時間を費やしてしまった。レース終盤ではうまく乗れたと思う」

ダビデ・ガルネリ(MX1 26位/14位)「ほかのライダーたちに対して大きなポイントリードをつけるレースになったはずだったのに、逆に差をつけられてしまった。ヒート1ではとても乗れていて、序盤の6〜7周は2番手をキープしていた。その後デビッド・フィリッパーツ(ヤマハ)と競り合った。ファステストラップも記録したけれど、その後に転倒でクラッチレバーを反対側に曲げてしまった。その状態でエンジンを再始動できず、リタイアせざるを得なかった。ヒート2ではヒート1ほどの好スタートではなかったけれど、悪くもなかった。序盤の何周か4番手にいたけれど、またミスをしてクラッチレバーを壊してしまった。ただし今度はギアを入れて走ることができた。もちろん、クラッチを使わずにこのコースを走るのは難しく、スローペースになってしまった」

ジミー・アルバートソン(MX1 27位/28位)「ヒート1ではエンジンのパワーが落ちて、最終的に止まった。すべてが改善されたヒート2では、18番手スタートから12番手まで追い上げ、目の前にいる上位グループに食らいついていた。ところがあるコーナーの立ち上がりで滑って、フェンスの外側に飛び出してしまった。手の指を切ってしまったけれど、応急処置も受けたし大丈夫。1週間以内には練習を再開できるはずだ」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:45.425-
225C.デサールスズキ39:49.465+04.040
319D.フィリッパーツヤマハ39:51.476+06.051
411S.ラモンスズキ39:53.341+07.916
5777E.ボブリシェフHonda40:15.967+30.542
62M.ナグルKTM40:18.233+32.808
 
78G.スワニプールHonda40:46.001+1:00.576
2174I.スタインバーグスHonda40:31.939+1Lap
25500M.ノーレン Honda19:10.753+12Laps
2639D.ガルネリHonda19:50.414+12Laps
27702J.アルバートソンHonda11:47.429+16Laps
2940T.レオクHonda2:18.037+21Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:13.172-
225C.デサールスズキ39:15.715+02.543
311S.ラモンスズキ39:17.632+04.460
4777E.ボブリシェフHonda39:25.869+12.697
5121X.ブーグカワサキ39:26.761+13.589
62M.ナグルKTM39:36.195+23.023
 
940T.レオクHonda40:06.207+53.035
128G.スワニプールHonda40:24.355+1:11.183
1439D.ガルネリHonda40:54.961+1:41.789
21500M.ノーレンHonda39:37.921+1Lap
2374I.スタインバーグスHonda40:11.263+1Lap
28702J.アルバートソンHonda15:44.417+16Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1183S.フロサールカワサキ40:30.167-
2111J.ハーリングスKTM40:45.226+15.059
389J.バン・ホービークカワサキ40:49.423+19.256
41M.ムスキャンKTM40:54.847+24.680
521G.ポーリンヤマハ40:57.161+26.994
6151H.クラッスヤマハ41:08.420+38.253
 
1735N.ラーセンHonda40:35.856+1Lap
22392 F.ノレン Honda40:58.150+1Lap
2795A.ジュストHonda42:38.252+1Lap
32264F.ベングトソン Honda29:36.731+7Laps
35152P.ペトロフHonda24:13.227+10Laps
36260R.ニイェガードHonda13:46.164+15Laps
3749 E.ヘイビー Honda12:09.009+16Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンスズキ39:28.824-
2183S.フロサールカワサキ39:33.248+04.424
321G.ポーリンヤマハ39:41.101+12.277
4111J.ハーリングスKTM39:45.334+16.510
51M.ムスキャンKTM39:47.037+18.213
689J.バン・ホービークカワサキ40:18.338+49.514
 
17392 F.ノレン Honda41:10.084+1:41.260
19260R.ニイェガードHonda39:39.193+1Lap
2035N.ラーセンHonda39:45.247+1Lap
22152P.ペトロフHonda40:05.167+1Lap
2995A.ジュストHonda27:19.897+8Laps
3049 E.ヘイビー Honda22:47.963+10Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM434
2C.デサールスズキ367
3D.フィリッパーツヤマハ331
4S.ラモンスズキ315
5M.ナグルKTM306
6X.ブーグカワサキ276
8E.ボブリシェフHonda223
9T.レオクHonda219
10D.ガルネリHonda196
12G.スワニプールHonda149
17J.アルバートソンHonda82
26B.タウンリーHonda25
39D.フェリスHonda7
43R.ヒューズHonda4
44M.ポティセクHonda4
46D.パーシン Honda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM463
2スズキ417
3ヤマハ384
4Honda323
5カワサキ303
6アプリリア148
7TM145
8CCM11
9ハスクバーナ4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM438
2K.ロクセンスズキ355
3S.フロサールカワサキ355
4J.ハーリングスKTM326
5Z.オズボーンヤマハ275
6S.シンプソンKTM268
18N.ラーセンHonda63
38J.デコティスHonda6
40 F.ノレン Honda4
43P.ペトロフHonda3
47A.ジュストHonda2
48R.ニイェガードHonda2
51A.バティッグHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM482
2スズキ379
3カワサキ363
4ヤマハ346
5Honda80
6TM18