round 08

June 20 2010
FIM Motocross World Championship Germany
第8戦 ドイツ

ボブリシェフがHonda勢のトップに立つ

トイチェンタルにあるラフで硬質なタルケッセルサーキットで開催されたドイツGPは、2010年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第8戦であり、シリーズは今大会を境に後半戦へと突入した。CRF450Rを駆るCAS Honda Teamのエフゲニー・ボブリシェフは、MX1クラス参戦1年目にして総合7位に入り、今大会に出場したHonda勢の中で最上位となった。

涼しい曇り空の下、会場に詰めかけた観客は土日で3万5000人を数えた。硬質路面のコースは、一部に滑りやすい高速セクションがあり、信じられないほど荒れてワダチだらけになっている個所もあった。ボブリシェフは好スタートを生かしてトップテンの中ほどをアグレッシブに走り、CAS Honda Teamのマシンを目立たせた。最近4ヒートで2回のリタイアを喫しているボブリシェフにとって、8位/8位のリザルトは復調の証だと言える。MX1ランキングでも、LS Motors Hondaのダビデ・ガルネリに16点差と迫る10位につけている。

  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • T.レオクT.レオク
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • G.スワニプールG.スワニプール
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン
  • D.フェリスD.フェリス

ガルネリは、ヒート1ですばらしいスタートダッシュを見せたが、些細なミスでエンジンストールや転倒を喫してポジションを失い、ばん回しての11位に終わった。ヒート2ではさらに難しくなる路面状況を乗りきり、今季前半戦で2番目の好成績となる6位に入った。ガルネリは総合9位となり、MX1ランキングでは9位のポジションをキープ。8位につけるチームメートのタネル・レオクとは、17ポイント差である。

イタリアとオランダの国内タイトルを持っているレオクは、自慢のスピードを生かして、過酷なドイツの路面をうまくさばいたが、レース中にいくつかのハプニングに見舞われて総合10位というリザルトに終わった。ヒート1では他車と接触し、1コーナーの出口で停止。曲がったブレーキペダルを蹴落としてコースに戻った。ヒート2では2コーナーで転倒。その後、レース終盤にもCAS Honda Teamのガレス・スワニプールと接触して転倒した。それらの不運に見舞われながら、レオクは両ヒートで10位/12位にばん回し、もう少し運がよければ間違いなく表彰台争いをしていたはずであった。

スワニプールにとっては、アメリカGPで痛めた足が回復し、総合11位に入れたことで自信につながる大会となった。転倒したヒート1では13位にとどまったが、ヒート2では着実に走り、10位でチェッカーを受けた。

ワークスCRF450Rを駆るHonda Racing Martinのジミー・アルバートソンが戦列に完全復帰を果たした。グレンヘレンで開催された第6戦アメリカGPの予選でクラッシュして以来のカムバック。またチームメートに、有望なオーストラリア人ライダー、ディーン・フェリスが加入している。たった1枚のワイルドカードを利用して世界選手権デビューを果たした新人のフェリスは、ヒート2でベストフィニッシュとなる14位に入った。

第9戦は次週、美しいバルト三国の1つ、ラトビアのケグムスで開催される。

コメント

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 8位/8位) 「とてもいい大会だった。今回の成績には満足している。このところの2戦はリタイアなど最悪のリザルトが続いていたし、フランスGPの直後は多くのポイントを取り逃してしまったので、とても落ち込んでいたけれど、また調子が戻ってきた。コースはとてもよかったけれど、抜きにくかった。勝負しようと無理すると、致命的なクラッシュにつながる恐れがあった。ギャップやワダチが深くて、難しいコンディションだった。攻めているときなど、コーナーごとに両足がステップから外れていたほどだ。ヒート2ではナグル(KTM)選手を抜きたくて必死だったんだけれど、無理だった。だがトータルでは、ハッピーで満足できる大会だった」

ダビデ・ガルネリ(MX1 11位/6位) 「スピードは悪くはなかったが、1周目にいくつもミスをしたし、コースを楽しむことがまったくできなかった。まるでエンデューロコースだった。2周目にエンジンをストールさせたときは、少しイライラして、クラッチを十分に切ることができなった。集団がまだ固まっているときだったので、ずいぶん多くのポジションを失った。17番手か18番手辺りだったと思う。その後のばん回もむなしく転倒してしまった。だから11位という結果でも納得できる。ヒート2のスタートはヒート1ほどよくはなかったけれど、ダビド・フィリッパーツ(ヤマハ)選手についていくことができたし、何度か抜こうと仕掛けたこともあった。いろいろなことがあったけれど、自分のリズムは悪くなかった。スピードには表彰台争いができそうな感触が戻ってきたし、がんばり続けるつもりだ」

タネル・レオク(MX1 10位/12位) 「リザルトはもっとよかったはずだ。ヒート1のスタートで他車と接触したときに、ブレーキペダルが完全に曲がってしまい、丘の下の2コーナーの手前で止まって、曲がったペダルを蹴って直さなければならなかった。それでも正しい位置に戻すことはできなかった。体調も走りもよかったし、10位はまずまずだった。ヒート2は2コーナーでクラッシュした。フィリッパーツ選手がワダチを乗り越えてきて、彼と接触したし、ほかにも誰かと接触した。またしても最後尾から追い上げる展開になってしまった。ヒート2でもスピードはあったのに、スワニプール選手とも接触してしまい、さらにもう一度クラッシュがあって、再始動するのが大変だった。最後は自分が何位なのかわからない状態でフィニッシュした。ラトビアGPではもっとミスを減らせばいいGPになるはずだ」

ガレス・スワニプール(MX1 13位/10位) 「物事が上向きになってきたし、今日一日終えた今、とてもいい気分だ。先週のイギリス選手権もよかったし、このグランプリも同様だ。予選で10番手だったことも、トップライダーについていけたから満足している。今日はスタートがうまく決まったこともあって、とても前向きな気持ちだった。ヒート1では10番手を走っていたけれど、アンラッキーなクラッシュで13番手になってしまった。ヒート2はコースが荒れてきたのでとてもきつかった。最初の何周かは自分に対して失望したけれど、なんとか踏んばってペースを立て直してからは、タイムも出せたし10位に入ることができた。ラトビアGPはとても相性がいいと思う。少しサンディーで緩い路面なので楽しみだ」

ジミー・アルバートソン(MX1 15位/13位) 「今週末はあまり多くを期待しないようにしていた。なぜなら身体を治すことが最優先だったので、トレーニングもライディングもあまりしてこなかったから。無理しないで自分なりのレースをしただけだし、15位/13位という結果にも満足している。開幕戦のブルガリアGPを思い出してみると、あのときはフィジカル的に準備万端だったけれど、それが悪い結果になってしまった。今週末は2ヒート完走できたことがうれしい。何しろポルトガルGPと第5戦以来のことだから。モトクロスコースに帰ってくるのが、こんなにすばらしいことだったとは。来週のために何をすればいいのか教えてくる」

ディーン・フェリス(MX1 22位/14位) 「予選順位があまりよくなかったから、決勝で好スタートを決めるのは難しかった。ヒート1の前にギアレシオを変えたが、逆方向に振ってしまったようで乗りにくかった。19位争いをしながら、これは15位以内に入れたはずだと感じた。ヒート2ではオリジナルのセッティングに戻したところ、14位まで上げることができたのでよかった。レースフォーマット、バイク、何から何まで新しくて戸惑うこともあるけれど、チームのサポート態勢は最高だ。GP初レースで14位という成績は悪くない」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
19K.ド・ディッカーヤマハ40:39.611-
219D.フィリッパーツヤマハ40:49.078+09.467
325C.デサールスズキ40:59.851+20.240
4121X.ブーグカワサキ41:01.723+22.112
52M.ナグルKTM41:03.167+23.556
6222A.カイローリKTM41:04.336+24.725
 
8777E.ボブリシェフHonda41:12.334+32.723
1040T.レオクHonda41:15.297+35.686
1139D.ガルネリHonda41:32.693+53.082
138G.スワニプールHonda41:48.053+1:08.442
15702J.アルバートソンHonda42:11.789+1:32.178
22 711 D.フェリス Honda 44:10.634 +3:31.023
2874I.スタインバーグスHonda41:53.397+1Lap
30 48 A.シュミディンガー Honda 42:44.895 +1Lap

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
19K.ド・ディッカーヤマハ40:07.513-
2222A.カイローリKTM40:07.765+00.252
325C.デサールスズキ40:20.645+13.132
4121X.ブーグカワサキ40:35.324+27.811
519D.フィリッパーツヤマハ40:41.682+34.169
639D.ガルネリHonda40:46.220+38.707
 
8777E.ボブリシェフHonda40:53.520+46.007
108G.スワニプールHonda40:57.555+50.042
1240T.レオクHonda41:26.169+1:18.656
13702J.アルバートソンHonda41:44.921+1:37.408
14 711 D.フェリス Honda 41:54.776 +1:47.263
2474I.スタインバーグスHonda41:21.782+1Lap
26 48 A.シュミディンガー Honda 42:13.556 +1Lap

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM40:44.108-
289J.バン・ホービークカワサキ40:48.753+04.645
3183S.フロサールカワサキ40:56.920+12.812
4338Z.オズボーンヤマハ41:15.564+31.456
594K.ロクセンスズキ41:19.740+35.632
623A.トヌススズキ41:26.000+41.892
 
2236D.ウルリッヒHonda41:13.738+1Lap
26152P.ペトロフHonda41:46.149+1Lap
3735N.ラーセンHonda12:41.650+13Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンスズキ40:06.652-
21M.ムスキャンKTM40:33.220+26.568
3338Z.オズボーンヤマハ40:43.266+36.614
4183S.フロサールカワサキ40:53.963+47.311
523A.トヌススズキ41:07.599+1:00.947
6430C.シャルリエヤマハ41:13.308+1:06.656
 
1635N.ラーセンHonda42:09.555+2:02.903
2336D.ウルリッヒHonda40:49.651+1Lap
25152P.ペトロフHonda41:01.737+1Lap
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM341
2C.デサールスズキ276
3D.フィリッパーツヤマハ267
4K.ド・ディッカーヤマハ251
5M.ナグルKTM248
6S.ラモンスズキ237
 
8T.レオクHonda182
9D.ガルネリHonda165
10E.ボブリシェフHonda149
14G.スワニプールHonda111
17J.アルバートソンHonda73
25B.タウンリーHonda25
35 D.フェリス Honda 7
39R.ヒューズHonda4
40M.ポティセクHonda4

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM370
2スズキ326
3ヤマハ320
4Honda249
5カワサキ244
6TM116
7アプリリア116
8CCM11
9ハスクバーナ4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM365
2K.ロクセンスズキ288
3S.フロサールカワサキ268
4J.ハーリングスKTM241
5Z.オズボーンヤマハ233
6S.シンプソンKTM225
 
18N.ラーセンHonda53
37J.デコティスHonda6
43A.ジュストHonda2
46A.バティッグHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1 KTM 392
2スズキ305
3ヤマハ277
4カワサキ276
5Honda65
6TM18