round 07

June 06 2010
FIM Motocross World Championship France
第7戦 フランス

ガルネリが荒れたフランスGPでHonda勢のベストフィニッシュとなる活躍

サン・ジャン・ダンジェリーで開催された2010年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第7戦フランスGPには、午前中の雷雨と午後の暑い日差しをものともしない3万人の観衆が集った。フランスGPのウイナーは、ダビド・フィリッパーツ(ヤマハ)。そして、CRF450Rを駆るライダーの中で最高位は、総合6位に入賞したLS Motors Hondaのダビデ・ガルネリだった。

フランスの西海岸、ラ・ロシェールにほど近いサン・ジャン・ダンジェリーには、土曜日から重苦しい湿気が立ち込めていたが、日曜日の朝の激しい雨で、荒れたコースは非常に深いワダチだらけになった。マディで滑りやすいコンディションの下で行われた、35分+2周によるMX1ヒート1終了後、天候が回復。コースが乾きだして、ノミで削ったようなコースは非常にテクニカルで難しいコンディションへと変わっていった。

フィリッパーツや、アントニオ・カイローリ(KTM)、クレメント・デサール(スズキ)といった表彰台登壇者の後方では、イタリア人のガルネリが今季ベストリザルトとなる総合6位をマークした。なお、このリザルトはMX1キャリアでもベスト、Hondaでの戦歴の中でもベストである。ゼッケン39のCRF450Rは、決勝レースの両ヒートを通じてトップグループ近くにつけ、時折りチームメートのタネル・レオクともランデブー走行を繰り広げた。ガルネリは各ヒートで5位/8位でフィニッシュし、総合6位に入賞した。

  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • T.レオクT.レオク
  • T.レオク(先頭)T.レオク(先頭)
  • G.スワニプールG.スワニプール
  • G.スワニプールG.スワニプール
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ

カタルニアGPのウイナーだったレオクは、大会前からへんとう腺炎を患っており、体調は100%ではなかった。意志の固いエストニア人のレオクは、好スタートを2回決めながらも、ヒート1はマイペースで6位、ヒート2では9位となり、総合成績は8位だった。

CAS Honda Teamのガレス・スワニプールは、トップ10に入った3人目のHondaライダーだった。南アフリカ出身のスワニプールは、アメリカGPで右足首をねんざしたが勇敢に参戦し、ヒート1のスタートでは最初のコーナーでトップ3に顔を出すなどの輝きを見せた。逆境にあっても負けないスワニプールは、両ヒートで完走を果たし、各々11位/13位でフィニッシュ。最終的に総合10位を得た。

チームメートのエフゲニー・ボブリシェフは、ギャップだらけのコースで自分のリズムをつかむことができず、ヒート1では13位にとどまった。好調に転じたヒート2ではトップ10入賞を目指していたが、マシントラブルによりリタイアした。

Honda Racing Martinのジミー・アルバートソンは先週、カリフォルニア州グレンヘレンで開催されたGPの後もアメリカにとどまり、背中の負傷についての血液検査を受けた。21歳のアルバートソンには、6月20日にトイチェンタルで開催されるドイツGP出場を決めるまでに、あと1週間の療養期間がある。

MX2クラスのアレッサンドロ・バティッグは今回、ノーポイントだった。

世界選手権MX1ランキングでは、レオクが8位につけて、9位のガルネリ、10位のボブリシェフ、15位のスワニプールをリードしている。2週間後にナチュラルなハイスピードコースとして名高いトイチェンタルで開催される第8戦ドイツGPをもって、2010年シリーズは後半戦に突入する。

コメント

ダビデ・ガルネリ(MX1 5位/8位)「自分自身のスピードはそれほどじゃなかったけれど、ポイントとリザルトの面ではOKだ。今日のワダチはサンドにできるワダチのように変化せず、長い上に硬いままだった。それほどうまく乗れていなかったし、ちょっとしたミスにつけ込まれては、だれかに抜かれる不運が何度かあった。グランプリでの総合6位入賞はとてもうれしいし、トップライダーと一緒に上位を走っている自分を思い出したら、もっと上にいきたくなる。実を言うと、ライン取りを間違えたせいでポジションを少し落としたので、ちょっと自分に腹を立てている。次回はもっと上位を狙いたい」

タネル・レオク(MX1 6位/9位)「今週はずっと体調を崩していて、木曜日からへんとう腺炎の薬を飲んでいる。だからGPの参戦準備は完ぺきではないし、大好きなコースだっただけに残念でならない。ヒート1のスタートはよかったけれど、3周目に飛び石でゴーグルのロールオフが壊れてしまい、それ以降は苦労した。ヒート2でもスタートで上位につけたけれど、だんだん疲れが出てきてしまった。やるだけのことはやった」

ガレス・スワニプール(MX1 11位/13位)「この1週間、スタート練習に集中してきたことがヒート1で実を結んだ。上り坂で何人かに抜かれたけれど、それでも8位を確保した。20分を過ぎるころから疲れが出てきたけれど、なんとか元気を取り戻すことができた。ヒート2では好スタートが決まらなかったし、ばん回に時間を費やしすぎてしまった。そしてスーベラスの直後でスタックするミスをしてしまった。13位あたりで戻ってきたのかな。振り返ってみると、あまりいい日ではなかったけれど、こういうコンディションの中で着実に走りきることはできた。先週ひどくひねった足はまだ少し痛むので、明日また病院に行くつもりだ」

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 13位/29位)「ヒート1のコースはワダチだらけで滑りやすかった。そんなコンディションの中、もがき苦しんだし、身体がぜんぜんほぐれないまま乗っていた。結果は13位だったけれど、自分があまりにも遅かったのでコメントすることはほとんどない。ヒート2ではコンディションが乾いて好転したので、ペースが上がったのはよかった。転倒で4台に抜かれたけれど、いいライン取りを見つけて4台を抜き返した。その後マシントラブルがあり、あるコーナーで3周ぐらいの間キックし続けた。監督のニールが来てマシンをチェックしたところ、飛び石でワイヤーの1本が切断されていることがわかった。それ以上はどうしようもなかった」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:59.341-
211S.ラモンスズキ40:01.890+02.549
319D.フィリッパーツヤマハ40:05.892+06.551
425C.デサールスズキ40:15.026+15.685
539D.ガルネリHonda40:52.407+53.066
640T.レオクHonda40:55.444+56.103
 
118G.スワニプールHonda41:36.275+1:36.934
13777E.ボブリシェフHonda42:06.735+2:07.394
2574I.スタインバーグスHonda41:19.894+2Laps
33 231 M.ポティセク Honda 6:57.992 +16Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
119D.フィリッパーツヤマハ39:31.903-
225C.デサールスズキ39:34.916+03.013
3222A.カイローリKTM39:39.124+07.221
410A.ボアシエールTM39:42.990+11.087
511S.ラモンスズキ39:44.947+13.044
69K.ド・ディッカーヤマハ39:48.932+17.029
 
839D.ガルネリHonda39:53.198+21.295
940T.レオクHonda39:57.357+25.454
138G.スワニプールHonda41:11.670+1:39.767
17 231 M.ポティセク Honda 39:55.722 +1Lap
2374I.スタインバーグスHonda42:52.544+1Lap
29777E.ボブリシェフHonda15:32.996+12Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM41:30.100-
2111J.ハーリングスKTM41:38.820+08.720
3338Z.オズボーンヤマハ41:39.584+09.484
4183S.フロサールカワサキ41:44.435+14.335
534J.ローランツKTM42:06.126+36.026
6430C.シャルリエヤマハ42:12.006+41.906
 
2035N.ラーセンHonda42:23.018+1Lap
21 225 C.ルフランソワ Honda 42:24.120 +1Lap
29 12 L.ホーキンス Honda 42:31.921 +2Laps
30152P.ペトロフHonda42:38.447+2Laps
3695A.ジュストHonda5:57.722+16Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM41:06.189-
211S.シンプソンKTM41:08.605+02.416
334J.ローランツKTM41:09.418+03.229
421G.ポーリンヤマハ41:17.650+11.461
523A.トヌススズキ41:38.971+32.782
6335D.バーブルッゲンKTM41:46.411+40.222
 
1935N.ラーセンHonda41:20.277+1Lap
22 225 C.ルフランソワ Honda 42:00.384 +1Lap
2592A.バティッグHonda43:04.776+1Lap
27152P.ペトロフHonda41:57.890+2Laps
29 12 L.ホーキンス Honda 41:10.952 +3Laps
3195A.ジュストHonda24:03.976+9Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM304
2C.デサールスズキ236
3D.フィリッパーツヤマハ229
4M.ナグルKTM218
5S.ラモンスズキ211
6K.ド・ディッカーヤマハ201
8T.レオクHonda162
9D.ガルネリHonda140
10E.ボブリシェフHonda123
15G.スワニプールHonda92
17J.アルバートソンHonda59
24 B.タウンリー Honda 25
37 R.ヒューズ Honda 4
38 M.ポティセク Honda 4

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM332
2スズキ286
3ヤマハ270
4Honda221
5カワサキ208
6TM107
7アプリリア106
8CCM11
9ハスクバーナ4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM318
2K.ロクセンスズキ247
3S.フロサールカワサキ230
4J.ハーリングスKTM228
5S.シンプソンKTM201
6Z.オズボーンヤマハ195
18N.ラーセンHonda48
35 J.デコティス Honda 6
40A.ジュストHonda2
43A.バティッグHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM345
2スズキ264
3ヤマハ239
4カワサキ236
5Honda60
6TM10