round 06

May 30 2010
FIM Motocross World Championship United States of America
第6戦 アメリカ

タウンリーがアメリカGPでカムバックウイン!

快晴に恵まれたグレンヘレンで開催された2010年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第6戦アメリカGPで、Troy Lee Designs Lucas Oils Hondaのベン・タウンリーがヒート2を制し、Hondaに2戦連続の勝利をもたらした。

総合優勝は、マイク・アレッシ(KTM)とクレメント・デサール(スズキ)を押さえたアントニオ・カイローリ(KTM)。タウンリーは、ヒート1の不運なリタイアの影響により、総合成績は8位となった。

カリフォルニア州のグレンヘレンには、1万6000人の観衆が訪れた。当地でのFIMグランプリの開催は1992年以来、21世紀になってからは初めてだ。この週末は、強い日差しと30℃を超す気温に見舞われた上、土曜に吹いていた強風が、日曜には突風へと変わった。コースレイアウトは通常のGPサーキットと比べると長く、時間の経過とともにコンディションは荒れていった。

  • B.タウンリーB.タウンリー
  • B.タウンリーB.タウンリー
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • G.スワニプールG.スワニプール

参戦中のAMAタイトルの獲得に燃えるタウンリーは、今回はワイルドカードで出場。2005年以来となるGPでの活躍が期待された。04年MX2世界チャンピオンであるタウンリーは、ヒート1でトップ争いを繰り広げたが、他車との接触により排気系統とフロントフォークを損傷し、さらに2度のクラッシュを喫した後にリタイアした。ニュージーランド出身のタウンリーは、ヒート2では混戦から抜け出し、CRF450Rに栄えある勝利をもたらした。彼自身にとっては、05年のイギリスGP以来の優勝であった。

LS Motors Hondaのダビデ・ガルネリは、総合7位(8位/7位)という結果だった。イタリア人のガルネリは、ヒート1ではスタートで出遅れ、ヒート2では3位争いのすぐ後ろにつけていたが、終盤にスタミナが切れて2ポジション後退した。

チームメートのタネル・レオクは、2週間前に行われたカタルニアGPのウイナーだが、今回は両ヒートとも完走できなかった。エストニア出身のレオクは、ヒート1でヒザをひねってリタイア。ヒート2ではマシントラブルでリタイアした。

CAS Honda Teamはエフゲニー・ボブリシェフとガレス・スワニプールがそろってクラッシュする不運に襲われた。ヒート1ではロシア出身のボブリシェフが12位、スワニプールが14位に入ったが、ヒート2では両者リタイアを喫した。ボブリシェフは激しい転倒を2度喫し、頭と首と手の親指を痛めた。スワニプールはワダチに右足を取られ、関節をひどくひねってしまった。

Honda Racing Martinのジミー・アルバートソンは、土曜日の予選走行中の転倒により、決勝進出を逃してしまった。地元アメリカ出身のアルバートソンは全身を打撲したものの、幸い2週間前に脱臼した左肩にダメージはなかった。しかし、首を痛めたため病院に行った。今週前半までにヨーロッパに戻れるかどうかは現時点では不明だが、月曜日にさらに診断を受けることになっている。

MX2クラスでは、マービン・ムスキャン(KTM)がザック・オズボーン(ヤマハ)とスティーブン・フロサール(カワサキ)を下して優勝した。

レオク、ボブリシェフ、ガルネリはそれぞれ世界選手権ランキング8位、9位、10位につけている。第7戦フランスGPは6月6日、エルネーで開催される。

コメント

ベン・タウンリー(MX1 33位/優勝)「優勝できてとてもうれしい。アメリカで行われるレースであっても、ヨーロッパで行われるレースであっても、世界のベストライダーに勝つことはすごいことだし、いつも目標としてきた。今後、自分がどうなれるのか分からないけれど、その時が来たらいいね。昨日の予選レースでは昔の技を少し思い出し、それが今日の決勝レースで実を結んだ。マイクとアントニオを追いかけるのは、それほど難しくなかったし、スピードは全然問題なかった」

ダビデ・ガルネリ(MX1 8位/7位)「とてもいいGPだった。過去には気温が高いレースで苦戦したことがあったけれど、今日はそれほど悪くなかった。最後の1周で2人に抜かれたのは、体力を使い果たしてしまったからだ。ヒート2ではアレッシとカイローリのペースについていけた。スタートはそれほどよくなかったけれど、徐々にスピードを出していった。ヒート1の方がうまく乗れたけれど、スタートに失敗して20位以下だったからどうしようもなかった」

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 12位/28位)「とてもつらいGPだった。何度もクラッシュしたし、ヒート2で2回転倒した後、首と手が痛くなった。アメリカまで遠征してコースを覚えるのは難しかったし、今はフランスGPに備えて体調を整えることに集中したい」

タネル・レオク(MX1 32位/26位)「スペインで勝った後なのに、とてもがっかりするつらいレースになった。ヒート1ではヒザをひねってしまい、とても痛かった。走り続けようとしたが、無理だった。インターバルの間に脚を氷で冷やして、次のレースに臨んだ。ヒザの痛みはそれほどひどくなかったけれど、マシントラブルでリタイアとなってしまった」

ジミー・アルバートソン(MX1 DNS/DNS)「最初の大きな下り坂でひどいクラッシュをやってしまったけれど、それほど大きなダメージがなく切り抜けられてよかった。スペインで負傷した後、あらゆる可能性を試してきたので、この停滞は大きい。母国のグランプリを走れないのは残念だけれど、今はベストコンディションで世界選手権に戻ることを最優先しなければならない」

ガレス・スワニプール(MX1 14位/29位)「コースにできた深いワダチの1つに、ちょっとしたミスで足を取られてしまった。その直後は足にまったく体重をかけられなくなり、リタイアするしかなかった。救護班に診てもらったところ異常がなかったので、2〜3日休めば大丈夫だろう。ヒート1はまあまあだった。それほど好スタートではなかったけれど、リズムをつかんでからはばん回できたし、14位は悪くない。ただ、ヒート2ではもっと多くを期待していた」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM40:08.080-
2 800 M.アレッシKTM 40:08.748 +00.668
32M.ナグルKTM40:16.513+08.433
49K.ド・ディッカーヤマハ40:25.527+17.447
525C.デサールスズキ40:38.170+30.090
6121X.ブーグカワサキ40:44.268+36.188
 
839D.ガルネリHonda40:56.131+48.051
12777E.ボブリシェフHonda41:13.468+1:05.388
148G.スワニプールHonda41:27.065+1:18.985
17 105 R.ヒューズ Honda 41:58.737 +1Lap
24 184 D.ステールプトン Honda 41:49.364 +1Lap
2774I.スタインバーグスHonda42:28.121+1Lap
32 40 T.レオク Honda 27:42.112 +6Laps
33 101 B.タウンリーHonda 21:51.382 +8Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 101 B.タウンリー Honda 40:44.289 -
225C.デサールスズキ40:52.286+07.997
3222A.カイローリKTM40:53.817+09.528
4800 M.アレッシ KTM 40:55.602 +11.313
5121X.ブーグカワサキ41:09.558+25.269
611S.ラモンスズキ41:12.701+28.412
 
739D.ガルネリHonda41:18.377+34.088
21 184 D.ステールプトン Honda 42:10.138 +1Lap
2274I.スタインバーグスHonda42:21.112+1Lap
2640T.レオクHonda26:57.118+6Laps
28777E.ボブリシェフHonda18:56.859+10Laps
29 8 G.スワニプール Honda 12:09.808 +12Laps
30 105 R.ヒューズ Honda 10:00.765 +13Lap

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM40:13.981-
2183S.フロサールカワサキ40:17.688+03.707
394K.ロクセンスズキ40:22.986+09.005
4338Z.オズボーンヤマハ40:53.106+39.125
589J.バン・ホービークカワサキ40:54.514+40.533
6585 T.ベーカーヤマハ40:58.923+44.942
 
18613 J.デコティスHonda40:38.506+1Lap
23871 J.マイナーHonda41:03.643+2Laps
25339 M.サッカーHonda41:19.235+3Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM23:53.935-
2338Z.オズボーンヤマハ24:06.355+12.420
311S.シンプソンKTM24:10.612+16.677
4183S.フロサールカワサキ24:12.674+18.739
594K.ロクセンスズキ24:28.237+34.302
6335D.バーブルッゲンKTM24:29.791+35.856
 
18613J.デコティス Honda25:41.963+1:48.028
21871J.マイナー Honda26:26.225+2:32.290
25339M.サッカー Honda13:54.493+5Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM259
2M.ナグルKTM218
3C.デサールスズキ196
4D.フィリッパーツヤマハ184
5K.ド・ディッカーヤマハ174
6S.ラモンスズキ173
8T.レオクHonda135
9E.ボブリシェフHonda115
10D.ガルネリHonda111
15G.スワニプールHonda74
16 J.アルバートソン Honda 59
24 B.タウンリー Honda 25
36 R.ヒューズHonda 4

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM268
2K.ロクセンスズキ228
3S.フロサールカワサキ205
4J.ハーリングスKTM197
5S.シンプソンKTM170
6Z.オズボーンヤマハ163
18N.ラーセンHonda45
35 J.デコティス Honda 6
40A.ジュストHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM287
2スズキ242
3ヤマハ225
4Honda192
5カワサキ183
6アプリリア90

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM295
2スズキ235
3カワサキ211
4ヤマハ201
5Honda57
6TM10