round 04

May 09 2010
FIM Motocross World Championship Portugal
第4戦 ポルトガル

レオクとボブリシェフがポルトガルGPでトップ10入賞

FIMモトクロス世界選手権全15戦の第4戦ポルトガルGPが、アグエダで開催された。週末の天気は土・日で大きく異なり、公式練習と予選が行われた土曜日は終日雨となったが、決勝の日曜日には日差しで赤土がすっかり乾き、コースコンディションは荒れてギャップだらけになった。

MX1ではクレメント・デサール(スズキ)が今季初の総合優勝。アントニオ・カイローリ(KTM)とマックス・ナグル(KTM)を従え、表彰台に上がった。CRF450Rは、LS Motors Honda所属タネル・レオクと、CAS Honda Team所属エフゲニー・ボブリシェフの活躍によって、トップ10内に健在。レオクは総合6位、ボブリシェフは総合7位に入っている。

  • T.レオクT.レオク
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • G.スワニプールG.スワニプール

レオクは両ヒートともまずまずのスタートを切った。しかもヒート1では、ゲートが不調で倒れずに再スタートとなった際に、使用不可となったため別のゲートに移らなければならないハンディキャップを克服してのことだ。エストニア出身のレオクは、スタートでは10番手以下だったが、CRF450Rを駆り6番手までばん回した。35分+2周で行われる決勝のヒート2では、終盤にデビッド・フィリッパーツ(ヤマハ)、ボブリシェフの攻略になんとか成功し、レオクはヒート1と同じく6位入賞を果たした。

MX1ルーキーのボブリシェフはヒート1で9位と奮闘し、ヒート2では鋭い飛び出しでトップ5に入るスタートを見せた。その後もトップグループに食らいついて周回を重ねたボブリシェフは、黒いカラーリングのマシンを7位に導いた。

Honda Racing Martinのジミー・アルバートソンにとっては、波乱に満ちた週末だった。予選レース中にクラッシュした際、バイクが背中に直撃して負傷したアルバートソン。その影響でヒート1では万全の体調で臨めず、ドライに向かって荒れ方を増すコンディションに苦戦して、レースの半ばでリタイアした。ヒート2ではやや持ち直して17位で完走を遂げた。

LS Motors Hondaのダビデ・ガルネリは、ヒート2で10位を得たライディングが支えとなった。イタリアチャンピオンのガルネリは、ヒート1では転倒により15位に甘んじたが、総合成績では12位に入った。

ボブリシェフのチームメート、ガレス・スワニプールは、カゼの影響でつらい週末を送った。ヒート1では2コーナーで他車と接触して転倒。最後尾から20位までばん回し、1ポイントを獲得した。ヒート2ではリズムをつかむまでに数周かかったが、一度ペースに乗ると混戦の中を乗りきり、16位でフィニッシュ。南アフリカ出身のスワニプールは、総合18位で今大会を終えた。

世界選手権MX1ランキングはレオクが96点で8位。17ポイント差の9位にボブリシェフがつけている。

MX2クラスでは、ディフェンディングチャンピオンのマービン・ムスキャン(KTM)が優勝。2位にジェフリー・ハーリングス(KTM)、3位にはケン・ロクセン(スズキ)が入った。Honda Racing Martinのアレッサンドロ・バティッグは、総合26位でノーポイントに終わった。ヒート1のクラッシュも響いているようだ。

FIMモトクロス世界選手権全15戦の第5戦カタルニアGPは、次週スペインのベルピッグで開催される。

コメント

タネル・レオク(MX1 6位/6位) 「ヒート1ではスターティングマシンの故障により、再スタートに戻った時には、別のゲートを選ばなくてはならなかった。1周目はトップ10の後ろあたりだったけれど、7番手まで上がってからはもっと抜きたいと必死になった。ヒート2の方がコースコンディションが荒れて大変だったけれど、自分としては荒れた方が好きだ。1コーナーに続くステップアップで、フィリッパーツが横滑りした時はもう少しでぶつかるところだった。いいリズムをつかんでフィリッパーツに追いついたところで、抜くのに時間を費やした。マシンのポテンシャルも分かったし、ライバルライダーのパッシングポイントを見つけられたのがよかった」

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 9位/7位) 「また一歩前進した感じがするし、いい週末だった。とてもうれしい。ヒート1ではかなり後方から追い上げなければならず、ラインが1本しかなくて抜きにくかったので、9位でフィニッシュできたのは上出来だと思う。ヒート2はスタートがうまく決まって、一時、4番手に身を置くことができた。トップグループの速いスピードになるべく長くついていくことを目標にしている。大勢の人が日曜日は晴れると言っていたけれど、僕は夜通しトラックの屋根を打つ雨音を聞きながら『あーあ、これは絶対にマディレースになる』と考えていた。最終的にコンディションは荒れたけれど、ドライになったし、いい一日だった」

ダビデ・ガルネリ(MX1 15位/10位) 「ヒート1の1周目に転倒して、それからはすべてに苦労した。20位以内でポイントを取ることに集中し、抜きにくかったけれども15位までばん回した。ヒート1のコースはマディコンディションで、ほぼ全周にわたってワンラインだったけれど、ヒート2では少し回復した。ヒート2ではとてもいいスタートが切れたのに、2コーナーをうまくクリアできなかった。トップ6に食らいついていこうと試みたが、今日のコースは自分の好みじゃなかったようだ。スマートに乗れなかったけれど、ベストを尽くしたし、10位という結果には満足している」

ガレス・スワニプール(MX1 20位/16位) 「今週はずっとカゼに苦しんできた。土曜日はなんとか乗り越えたけれど、決勝ヒート1の2コーナーで、だれかとぶつかり転倒してしまった。それ以後は全くうまく乗れなかったし、ヒート2は順位も覚えていないくらいだ。コースコンディションは難しかったけれど、あの雨量を考えたら仕方がない」

ジミー・アルバートソン(MX1 30位/17位) 「荒れたひどい一日だった。思うように乗れず、なかなかコースをスムーズに走る流れをマスターできなかった。昨日の予選レースではひどいクラッシュをして、自分のバイクで背中を強打した。この影響でスタートのゲート順も悪く、結果が残せなかった。途中でリタイアすることは嫌だったけれど、リズムをつかめないまま続行するのは危険と判断した。ヒート2では1周目をクリアした時に、ピットサインで『27』と書かれており、そこから辛抱強く走るうちに、リズムを見つけることができた。17位でフィニッシュしたことは、今週末の出来事全部を考えると、10位くらいに値する感じだ。17位で満足してはいけないけれど、スペインでやり直すためのポジティブなステップと考えたい」

アレッサンドロ・バティッグ(MX2 31位/24位) 「2回ともスタートがよくなかったし、つらい大会だった。ヒート1は1周目にクラッシュして、再始動に長い時間を費やしてしまった。ヒート2はもう少しベターで、ライディングも悪くなかったと感じた。たぶん15位以内に入れたんじゃないかと思うけれど、スタートの失敗が響いてしまった。毎戦、上達している実感があるので、スペインではもっと期待したい。きっといい大会になるはずだ」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
12M.ナグルKTM40:37.687-
225C.デサールスズキ40:52.320+14.633
319D.フィリッパーツヤマハ40:54.742+17.055
4121X.ブーグカワサキ40:56.557+18.870
5222A.カイローリKTM40:58.372+20.685
640T.レオクHonda40:59.707+22.020
 
9777E.ボブリシェフHonda41:41.922+1:04.235
1539D.ガルネリHonda42:09.775+1:32.088
208G.スワニプールHonda41:15.348+1Lap
2974I.スタインバーグスHonda41:21.270+2Laps
30702J.アルバートソンHonda22:48.841+10Laps
3227P.ケンペリスHonda22:00.498+11Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:57.508-
225C.デサールスズキ40:00.317+02.809
39K.ド・ディッカーヤマハ40:02.077+04.569
4121X.ブーグカワサキ40:04.045+06.537
52M.ナグルKTM40:06.796+09.288
640T.レオクHonda40:10.334+12.826
 
7777E.ボブリシェフHonda40:21.402+23.894
1039D.ガルネリHonda40:50.086+52.578
168G.スワニプールHonda41:24.335+1:26.827
17702J.アルバートソンHonda41:26.463+1:28.955
2774I.スタインバーグスHonda40:09.633+2Laps
2927P.ケンペリスHonda41:30.776+2Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM39:09.201-
294K.ロクセンスズキ39:12.590+03.389
3111J.ハーリングスKTM39:13.198+03.997
411S.シンプソンKTM40:11.719+1:02.518
5338Z.オズボーンヤマハ40:27.003+1:17.802
6430C.シャルリエヤマハ40:30.133+1:20.932
 
1235N.ラーセンHonda39:12.724+1Lap
24152P.ペトロフHonda40:09.428+1Lap
2595A.ジュストHonda40:46.022+1Lap
3192A.バティッグHonda39:44.428+3Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
11M.ムスキャンKTM40:09.015-
2111J.ハーリングスKTM40:17.245+08.230
3338Z.オズボーンヤマハ40:23.299+14.284
489J.バン・ホービークカワサキ40:29.047+20.032
5183S.フロサールカワサキ40:41.643+32.628
694K.ロクセンスズキ40:59.182+50.167
 
1735N.ラーセンHonda40:13.518+1Lap
2492A.バティッグHonda41:12.260+1Lap
2895A.ジュストHonda41:45.305+1Lap
29152P.ペトロフHonda42:02.496+1Lap
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM179
2M.ナグルKTM161
3D.フィリッパーツヤマハ133
4S.ラモンスズキ124
5C.デサールスズキ123
6K.ド・ディッカーヤマハ114
 
8T.レオクHonda96
9E.ボブリシェフHonda79
11D.ガルネリHonda73
13J.アルバートソンHonda59
14G.スワニプールHonda57

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM197
2スズキ169
3ヤマハ156
4カワサキ118
5Honda113
6アプリリア63
7TM37
8CCM11

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1M.ムスキャンKTM179
2K.ロクセンスズキ167
3J.ハーリングスKTM164
4S.フロサールカワサキ133
5A.トヌススズキ116
6Z.オズボーンヤマハ114
 
16N.ラーセンHonda34
34A.バティッグHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM200
2スズキ167
3カワサキ135
4ヤマハ123
5Honda40
6TM9