round 03

April 25 2010
FIM Motocross World Championship Netherlands
第3戦 オランダ

レオクがオランダGPで総合4位に入賞

FIMモトクロス世界選手権全15戦の第3戦オランダGPが、バルケンスワードで開催され、大観衆が見守る前で、LS Motors Hondaのタネル・レオクが堂々と力強さをアピールした。エストニア出身の俊足レオクはCRF450Rを駆り、このオランダ特有の荒れたサンドコースで行われた決勝2ヒートに出走し、5位/3位でフィニッシュ。シーズンオフにベルギーのチームへ移籍して以来のベストリザルトとなる総合4位を獲得した。

2ヒートが行われる35分+2周の決勝では、荒れたサンドにおけるライダーとマシンのスタミナが試されたが、レオクはHonda勢の中で最高位を獲得した。今回のグランプリでは、MX1に出場した5人がすべて10位以内に入ったこともあり、CRFの性能を発揮する上でも満足のいく結果となった。

  • T.レオクT.レオク
  • T.レオクT.レオク
  • E.ボブリシェフE.ボブリシェフ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン
  • G.スワニプールG.スワニプール

オランダとイタリアでチャンピオンを獲得した経験のあるレオクは、ヒート1では好スタートを切れなかったものの、猛然と追い上げ、数台による表彰台争いに加わって5位。ヒート2ではいいスタートを切り、一時2番手まで浮上したが、レース中盤から後退し、表彰台を争う激戦に巻き込まれた。しかし、終盤になると勢いを取り戻し、最終ラップにダビド・フィリッパーツ(ヤマハ)を攻略して3位に入った。

CAS Honda Teamのエフゲニー・ボブリシェフは、各ヒートで自己ベストリザルトを残し、総合7位に入った。ロシア出身のMX1ルーキー、ボブリシェフは、ヒート1の前半には2番手にまで浮上したが、そのハイペースを最後まで維持することができず9位でフィニッシュした。ヒート2では、より現実的な取り組みが功を奏し、5位入賞を果たした。

Honda Racing Martinのジミー・アルバートソンは、初めてのサンドコースで、波乱万丈だが大いにポジティブな収穫を得た。アメリカ人のアルバートソンは、両ヒートとも8位に入ったが、ヒート2では絶好のスタートを決めながら、足首を痛めた不安からこのアドバンテージを生かしきることができなかった。アルバートソンは痛みを堪えながら、マシンをトップ10内に導いた。

レオクのチームメート、ダビデ・ガルネリは、サンドでの速さの一端を披露して総合9位に入ったが、ヒート2ではスタミナが課題となった。7位/11位というリザルトには、イタリアチャンピオンの苦悩が表われている。

CAS Honda Teamのガレス・スワニプールは、総合10位に入った。土曜に行われた予選レースにより、運悪く21番手でゲートインした南アフリカ出身のスワニプールは、ゴーグルなしで走ったヒート1で12位。いいスタートを切ったヒート2では、さらに荒れたコースコンディションを乗りきり10位に入った。

MX2クラスは地元の期待の星、ジェフリー・ハーリングス(KTM)が優勝を果たした。2位には新たにシリーズポイントリーダーに浮上したケン・ロクセン(スズキ)、そして3位にはスティーブン・フロサールが入賞。Honda Racing Martinのアレッサンドロ・バティッグは、扁桃腺炎からの回復に時間を費やしたこともあり、サンドコースにおける練習量が不足していたにもかかわらず、CRF250Rを駆り両ヒートで完走。総合28位に入った。

MX1のライダーランキングでは、レオクが66点で8位。トップ5からは28点差につけている。ガルネリ、アルバートソン、ボブリシェフ、スワニプールは、それぞれ10位、11位、12位、13位におり、4人のポイントは5点しか離れていない。

FIMモトクロス世界選手権第4戦と第5戦は、2週連続で開催される。5月9日ポルトガルGP、その次週にベルピッグでカタルニアGPが控えている。

コメント

タネル・レオク(MX1 5位/3位)「本当にハッピーで、とてもいいGPだった。ヒート1のスタートは、ギアをニュートラルに入れて出遅れてしまった。上位に追いつくために全力を注ぎ込んだけれど、ライディングもスピードもよかった。ヒート2のスタートはもっとよかったし、最初の数周はすばらしかった。しばらく2番手を走っていたが、その後3番手に下がったあたりでリズムを乱し、ペースが落ちてしまった。呼吸がうまくできなくて、緊張をほぐせなかった。でも、何周かしたらまたペースを取り戻し、チェッカー目前でフィリッパーツを抜くことができた」

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 9位/5位)「とてもうれしい。どちらかというと、ヒート2の方がよかった。ヒート1では力みすぎてしまった。2番手をキープしていたのに、フィニッシュラインで『15分』という表示を見たときに、これは無理だと感じてスローダウンし、9位まで落ちてしまった。ヒート2ではもっとリラックスして徐々にスピードを上げ、荒れていないラインをいくつか見つけることができた。最終ラップでは、体内に残っていたエネルギーをすべて注ぎ込んで、ポジションを奪いにいった。スロットルを全開にしてド・ディッカー(ヤマハ)にアタックし、フィニッシュの3つ手前のコーナーで抜いた。とてもハッピーな一日だった」

ジミー・アルバートソン(MX1 8位/8位)「ヒート1はとてもいい感じに出て、集団の中を8番手あたりから4番手まで突進した。ただちょっと気持ちが入りすぎたらしく、ずいぶん早くスタミナを消耗してしまった。レース中盤で少し疲れを感じたけれど、その後は自分のペースをつかみ、失ったポジションのばん回に努めた。フィニッシュラインではガルネリとサイドバイサイドになり、8位を獲得した。初めてのサンドコースでのGPで、トップ10に入れたことは、とてもいい滑り出しだったと思う。ヒート2はもっとすごかった。スタート4番手から2番手に上がり、フィリッパーツに迫った。彼を捕まえた手応えは感じたけれど、このままでは接触して両者転倒となりそうだったので、鋭角に向きを変えたところ、サンドに足を取られて、一瞬『足首が折れた』と思った。最初は何でもなかったのに、次のコーナーではズキズキと痛みだしたので、ペースが落ちてしまった。気にせずに走りに集中した結果、なんとか8位に入ることができたのでよかった。すぐに診察を受けた結果、足首は大したことはなかった。トータルではいい大会だったし、来週は休みなので足の回復に専念できる」

ダビデ・ガルネリ(MX1 7位/11位)「スピードはあったし、トップライダーたちとも近かったけれど、スタミナが足りなかった。シーズンオフには、マルニック・ベルブーツの指導を受けて厳しいトレーニングを積んだけれど、それが足りなかったのか、あるいはしすぎだったのかもしれない。今直面しているのは、ヒート2でつらくなること。これによりずいぶんポジションを失っている。シーズン中になんとか改善したいと思っている」

ガレス・スワニプール(MX1 12位/10位)「今日はとてもよかった。アンラッキーなことに、ヒート1ではゴーグルにトラブルがあって、1周目から捨てなければならなかった。ゴーグルなしの40分間はきつかった。それでもなんとか12位までばん回できたので、とてもハッピーだ。ヒート2では好スタートを切って、トップグループに食らいついていこうとしたけれど、腕上がりになって、あと少しのスピードが出せなくなった。置いていかれたけれど、それでも10位でフィニッシュできた。悲惨だった昨日と比べたら、今日のリザルトはとても喜ばしいものだ」

アレッサンドロ・バティッグ(MX2 23位/25位)「総括すると、このコースで2レース完走できたことがうれしい。これもまた大事な経験になった。サンドに対する準備はもっとできたはずだけれど、マントバで体調を崩してからはあまり練習時間が取れなかったので仕方がない」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM40:47.473-
219D.フィリッパーツヤマハ41:01.532 +14.059
311S.ラモンスズキ41:02.789 +15.316
42M.ナグルKTM41:03.884 +16.411
540T.レオクHonda41:07.774 +20.301
69K.ド・ディッカーヤマハ41:26.021 +38.548
 
739D.ガルネリHonda41:27.314 +39.841
8702J.アルバートソンHonda41:27.325 +39.852
9777E.ボブリシェフHonda41:31.649 +44.176
128G.スワニプールHonda42:17.338+1:29.865
2974I.スタインバーグスHonda41:24.704+2Laps
3227P.ケンペリスHonda23:53.205+10Laps
RT23B.フェルホーフェンHondaDNS-

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:16.455-
211S.ラモンスズキ39:19.854+03.399
340T.レオクHonda39:22.122+05.667
419D.フィリッパーツヤマハ39:24.542+08.087
5777E.ボブリシェフHonda39:26.255+09.800
62M.ナグルKTM39:27.415+10.960
 
8702J.アルバートソンHonda39:50.809+34.354
108G.スワニプールHonda40:29.273+1:12.818
1139D.ガルネリHonda40:43.624+1:27.169
2527P.ケンペリスHonda40:13.646+2Laps
2674I.スタインバーグスHonda40:17.218+2Laps
RT23B.フェルホーフェンHondaDNS-

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1111J.ハーリングスKTM40:38.808-
294K.ロクセンスズキ40:50.346 +11.538
311S.シンプソンKTM41:09.998 +31.190
4183S.フロサールカワサキ41:10.933 +32.125
523A.トヌススズキ41:24.774 +45.966
6430 C.シャルリエヤマハ41:33.883 +55.075
 
1435N.ラーセンHonda40:54.039+1Lap
2392A.バティッグHonda41:44.680+1Lap
25152P.ペトロフHonda42:08.338+1Lap
3295A.ジュストHonda23:26.134+10Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1111J.ハーリングスKTM39:11.832-
294K.ロクセンスズキ39:24.018+12.186
3183S.フロサールカワサキ39:49.026+37.194
489J.バン・ホービークカワサキ40:03.746+51.914
51M.ムスキャンKTM40:17.063+1:05.231
634J.ローランツKTM40:22.826+1:10.994
 
2035N.ラーセンHonda40:12.428+1Lap
2295A.ジュストHonda40:22.609+1Lap
23152P.ペトロフHonda40:24.827+1Lap
2592A.バティッグHonda41:13.869+1Lap
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1A.カイローリKTM138
2M.ナグルKTM120
3S.ラモンスズキ101
4D.フィリッパーツヤマハ100
5K.ド・ディッカーヤマハ94
6C.デサールスズキ79
 
8T.レオクHonda66
10D.ガルネリHonda56
11J.アルバートソンHonda55
12E.ボブリシェフHonda53
13G.スワニプールHonda51

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM147
2スズキ125
3ヤマハ116
4Honda83
5カワサキ82
6アプリリア49
7TM23
8CCM11

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1K.ロクセンスズキ130
2M.ムスキャンKTM129
3J.ハーリングスKTM122
4S.フロサールカワサキ107
5A.トヌススズキ90
6S.シンプソンKTM87
 
16N.ラーセンHonda21
34A.バティッグHonda1

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM150
2スズキ130
3カワサキ107
4ヤマハ87
5Honda27
6TM4