round 01

April 04 2010
FIM Motocross World Championship Bulgaria
第1戦 ブルガリア

Honda勢が苦戦を強いられたブルガリアGP

ブルガリアのセブリエボで行われた、2010年モトクロス世界選手権開幕戦は、最高峰クラスのレースに参戦するHondaライダーにとって厳しいものとなった。今大会、Honda勢の最上位は、LS Motors Hondaのダビデ・ガルネリ。ガルネリはCRF450Rを駆り、MX1クラス総合10位に入った。

レースが行われた日曜日、セブリエボ・サーキットは暖かい春の日差しの下で、完ぺきなコンディションに整えられた。公式練習と予選の間には小雨が降り続いたため、通常であれば硬質になる粘土質の路面に水分が与えられ、コースはマシンとライダーを試すようなわだちだらけの状態になった。

今回がMX1デビュー戦となったガルネリは、百戦錬磨のライダーに混じって奮闘し、35分プラス2周の決勝レースで10位/12位でゴールした。ヒート1で優勝したマックス・ナグル(KTM)が、ヒート2ではアントニオ・カイローリ(KTM)に次ぐ2位に入賞し、総合優賞した。

  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • D.ガルネリD.ガルネリ
  • G.スワンポールG.スワンポール
  • G.スワンポールG.スワンポール
  • T.レオクT.レオク
  • T.レオクT.レオク
  • J.アルバートソンJ.アルバートソン

ガルネリのチームメート、タネル・レオクは、開幕前のインターレースですさまじいスピードを披露していたが、この開幕戦では不運に見舞われた。最初の公式練習でファステストラップを記録したものの、レースではスタートに失敗。さらに、クラッシュで軽い脳震とうを負った通称「エストニアン・エクスプレス(エストニア急行)」は、総合14位(12位/17位)にとどまった。

CAS Honda Teamのエフゲニー・ボブリシェフも不運にさいなまれた。他車と接触した後にコースを仕切るグリーンのネットに絡み、ヒート1のわずか半周でリタイア。ロシア出身のボブリシェフは、ヒート2では順当に15位に入り、6ポイントを獲得。総合成績では17位となった。

同じくCAS Honda Teamに移籍したガレス・スワニプールは、総合12位(11位/13位)と、手堅い結果でHondaデビューを果たした。この南アフリカのスターは両ヒートともに好スタートを切れなかったが、彼が見せた渾身の追い上げは、いつものように体調もよく、走りも安定していることを示していた。

Honda Racing MartinからGPデビューを果たした2人のニューフェイスは、とても難しいコンディションの中で世界ランカーを相手に堂々と戦った。MX1クラスのジミー・アルバートソンは、公式練習で足首をねんざし、ウオームアップ走行でも大転倒を喫したが、両ヒートを通じて奮闘し、総合18位(16位/20位)となった。アルバートソンのチームメート、MX2クラスのアレッサンドロ・バティッグは、GPデビュー戦となるヒート1で惜しくもポイントを逃す23位でゴールした。この元気なイタリア人は、ヒート2では29位となった。

MX2クラスの決勝は、マービン・ムスキャン(KTM)が両ヒートを制し、50ポイントを獲得し、2位のケン・ロクセン(スズキ)を6ポイントリードしている。今大会におけるMX2のHonda勢最上位は、ニコライ・ラーセン(SRS Racing)の18位/14位(総合16位)だった。

Honda勢は、次週4月11日、イタリアのマントバで行われる第2戦に臨む。

コメント

ダビデ・ガルネリ(MX1 10位/12位 総合10位)「初めての450GPとしては、とても順調だった。10位/12位でフィニッシュして総合10位になれたし、Honda勢の中でベストリザルトだったので満足している。ヒート2の終盤に少し疲れを感じ、ポイントを獲得するために、転倒しないように集中した。自分はすでに相当なスピードを出しているけれど、もっと練習するつもりなので、450に対する適応力も上がるだろう。今後のレースでは、スタートさえ決められたら、トップ争いができる自信がある」

ガレス・スワニプール(MX1 11位/13位 総合12位)「ヒート1ではまずまずのスタートが切れたし、初めの数周はうまく走れた。中盤になると身体が硬くなって順位を下げたけれど、またばん回して11位に入った。ヒート2ではもう少しうまくスタートできたけれど、1コーナーでだれかと絡んで、集団の後方に埋もれてしまった。なんとか気持ちを切り替えて必死に追い上げ、何台も抜いていった。自分の順位には少々がっかりしているけれど、ライディングとバイクの性能にはとても満足している。集団を抜け出すのに時間がかかったけれど、最後にはたどり着けた」

タネル・レオク(MX1 12位/17位 総合14位)「コースコンディションはよかった。とても荒れていて難しかったけれど、それは自分の望むところだった。最初の公式練習ではトップだったのに、レースでは不運続きだった。ヒート1ではスタート直後のストレートでギアが抜けて、混戦の中を走っていたら転がってきたヘイベール(緩衝材)に突っ込んでしまった。クラッシュ後は頭が痛いのをがまんし、ばん回を続けて、12位でフィニッシュした。乗れていたと思うし、安定したラップタイムを何度もマークしていた。ヒート2ではスタートでモンニ(ヤマハ)と絡んで、またしても最後尾近くまで下がってしまった。クラッチレバーのアジャスターの具合が悪くなり、その後は調子が出せなかった。ヒート1のクラッシュ以来、頭痛が引かなかったこともあり、すべてがうまく運ばなかった。今回は自分の日ではなく、何もかもがダメだった。でも、モトクロスにはこういうことがよく起きるものだ」

エフゲニー・ボブリシェフ(MX1 リタイア/15位 総合17位)「ヒート1はあまりにも短すぎた。たった半周ですべてが終わってしまった。スタートは中団のあたりで、モンニと軽く接触した後にコースの外に押し出されてしまった。グリーンのネットが後輪に絡みついて再スタートできず、そこでリタイアするしかなかった。ヒート2までにコースコンディションがずいぶん変わったので、最初はリズムに乗るのが難しかったけれど、だんだん調子が出てきた。でも25分ごろから腕上がりがひどくなって、その後はポジションを15位まで下げてしまった」

ジミー・アルバートソン(MX1 16位/20位 総合18位)「ヒート1のスタートは中程で、20位あたりだった。序盤のうちに何台か抜いて上がったところ、目の前でド・ルーバー(スズキ)が転倒したので、そのわだちを抜け出すのにバイクから降りて押さなければならず、結局16位まで落ちてしまった。ヒート2ではもっといいスタートが切れて、数周後にはトップ10近くを走っていた。ところがだれかと絡んで、かなり激しく転倒。すぐに起き上がったが、『今日はこれ以下にはならないだろう』と思った。結果は20位で、たった1ポイントの獲得だったけれど、努力は無駄にならなかったということだろう。世界選手権に出ているライダーは確かにすごく速いけれど、自分のポテンシャルをすべて発揮できればもっと好成績を出せるはずだ。来週のレースでみなさんに自分の走りを見せられることを楽しみにしている」

アレッサンドロ・バティッグ(MX2 23位/29位 総合32位)「ハッピーだ。ヒート1ではポイント獲得も可能だったけれど、ほんのちょっとで届かなかった。ヒート2もうまくいかなかった。でも今は学ぶ時期なので気にしていない。もっとスピードあるアグレッシブな走りをすれば、成績が上がると思っている。マシンの調子はいいし、マントバは得意なコースなので、来週のGPがとても楽しみだ」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 2 M.ナグル KTM 40:45.442 -
2 19 D.フィリッパーツ ヤマハ 40:54.041 +8.599
3 25 C.デサール スズキ 40:58.601 +13.159
4 9 K.ド・ディッカー ヤマハ 41:03.559 +18.117
5 222 A.カイローリ KTM 41:08.306 +22.864
6 7 J.バラガン カワサキ 41:24.067 +38.625
           
10 39 D.ガルネリ Honda 41:51.117 +1:05.675
11 8 G.スワニプール Honda 41:55.167 +1:09.725
12 40 T.レオク Honda 42:03.610 +1:18.168
16 702 J.アルバートソン Honda 42:30.396 +1:44.954
32 27 P.ケンペリス Honda 41:45.309 +2Laps
37 23 B.フェルホーフェン Honda 15:07.640 +14Laps
RT 777 E.ボブリシェフ Honda DNS -

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 222 A.カイローリ KTM 41:06.743 -
2 2 M.ナグル KTM 41:10.428 +3.685
3 11 S.ラモン スズキ 41:13.803 +7.060
4 90 S.ポールセル カワサキ 41:19.612 +12.869
5 25 C.デサール スズキ 41:22.222 +15.479
6 7 J.バラガン カワサキ 41:23.184 +16.441
           
12 39 D.ガルネリ Honda 42:23.852 +1:17.109
13 8 G.スワニプール Honda 42:29.474 +122.731
15 777 E.ボブリシェフ Honda 42:43.039 +1:36.296
17 40 T.レオク Honda 42:59.565 +1:52.822
20 702 J.アルバートソン Honda 43:02.443 +1:55.700
30 23 B.フェルホーフェン Honda 43:17.984 +1Lap
31 27 P.ケンペリス Honda 41:54.527 +2Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 1 M.ムスキャン KTM 40:41.977 -
2 94 K.ロクセン スズキ 40:54.295 +12.318
3 183 S.フロサール カワサキ 41:33.138 +51.161
4 23 A.トヌス スズキ 41:39.897 +57.920
5 89 J.バン・ホービーク カワサキ 41:49.244 +1:07.267
6 111 J.ハーリングス KTM 42:17.453 +1:35.476
           
18 35 N.ラーセン Honda 41:30.046 +1Lap
23 92 A.バティッグ Honda 41:50.472 +1Lap
30 95 A.ジュスト Honda 41:41.811 +2Laps
34 152 P.ペトロフ Honda 6:27.646 +18Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1 1 M.ムスキャン KTM 39:22.409 -
2 94 K.ロクセン スズキ 39:29.798 +7.389
3 111 J.ハーリングス KTM 39:41.587 +19.178
4 183 S.フロサール カワサキ 39:48.734 +26.325
5 23 A.トヌス スズキ 39:53.632 +31.223
6 89 J.バン・ホービーク カワサキ 40:10.819 +48.410
           
14 35 N.ラーセン Honda 41:22.396 +1:59.987
25 152 P.ペトロフ Honda 40:34.938 +1Lap
29 92 A.バティッグ Honda 41:24.911 +1Lap
30 95 A.ジュスト Honda 39:42.777 +2Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1 M.ナグル KTM 47
2 A.カイローリ KTM 41
3 D.フィリッパーツ ヤマハ 36
4 C.デサール スズキ 36
5 S.ラモン スズキ 34
6 K.ド・ディッカー ヤマハ 31
       
10 D.ガルネリ Honda 20
12 G.スワニプール Honda 18
14 T.レオク Honda 13
18 E.ボブリシェフ Honda 6
19 J.アルバートソン Honda 6
35 B.フェルホーフェン Honda 0
39 P.ケンペリス Honda 0

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1 KTM 50
2 スズキ 40
3 ヤマハ 36
4 カワサキ 33
5 アプリリア 23
6 Honda 20

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1 M.ムスキャン KTM 50
2 K.ロクセン スズキ 44
3 S.フロサール カワサキ 38
4 J.ハーリングス KTM 35
5 A.トヌス スズキ 34
6 J.バン・ホービーク カワサキ 31
       
16 N.ラーセン Honda 10
27 A.バティッグ Honda 0
30 P.ペトロフ Honda 0
34 A.ジュスト Honda 0

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1 KTM 50
2 スズキ 44
3 カワサキ 38
4 ヤマハ 27
5 Honda 10
6 TM 0