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2009年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第12戦ベルギーGPは、時折り雨が降る曇り空の下で行われた。サンド路面の難所として知られるロンメル・サーキットで、MX1クラスを制したのはケン・ド・ディッカー(スズキ)だった。LS Motors Hondaのクレメント・デサールは、1週間前にAMAモトクロス第8戦ワシューガルにスポット参戦し、3位入賞したばかりだったが、今大会ベルギーGPでは不運なことに総合5位(ヒート1成績2位)にとどまった。一方のMX2クラスでは、LS Motors Hondaのデニス・バーブルッゲンが、CRF250Rを駆り、初の総合3位入賞を果たした。
平坦だが、距離が長く難易度の高いベルギーのコースには、2万8000人の観衆が押し寄せた。土曜日は蒸し暑い天気だったが、日曜日には降雨もあってコンディションが一変する。テクニカルなサンド路面には、無数のギャップとうねりが刻まれ、35分プラス2周の間、あちらこちらで転倒したマシンを起こすライダーの姿が見られた。
今シーズン2度目のポールポジションからスタートしたデサールは、CRF450Rでヒート1のホールショットを奪い、ド・ディッカーとトップ争いを演じた末、今季3度目となる2位を獲得した。このベルギー出身の20歳は、ヒート2の1コーナー出口でスリップダウンし、ほとんど最後尾から再スタートしたが、5位までばん回してみせた。しかしエキゾースト系統に受けた損傷で排気音がレギュレーション違反となり、1分加算のペナルティを受け、正式リザルトでは9位となった。
Martin Racing Teamのケビン・ストリボスは、1週間前に肩を負傷していながら、地元グランプリに挑んだ。ベルギー出身のストリボスは、手首を骨折して療養していたが、鎮痛剤を注射するなどのハンディを負ったまま、ロンメルでのプログラムに参戦した。彼はHonda勢の中で2番目の成績となる9位に入ったが、ヒート2ではマシントラブルによってリタイアした。
CAS Honda Teamのセドリック・メルロットは、背中の故障で長く休んでいたが、第2戦ブルガリアGP以来のカムバックを果たした。ヒート2では、Hondaマシンで出場したグランプリ3戦中ベストリザルトの11位に入り、総合13位となった。チームメートのビリー・マッケンジーにとってロンメルは初めてのコースで、どちらのレースでもポイントを獲得できなかった。
MX2クラスでは、バーブルッゲンが程よいスタートからばん回する展開の末、5位/3位に入り、Hondaにトロフィをもたらした。ヨーロッパチャンピオンにもなったバーブルッゲンは、自己最高のリザルトを残し、CRF250Rを今季5度目となる表彰台に上げた。
デサールは現在MX1ランキング5位で、6位のジョシュア・コピンズ(ヤマハ)を4ポイントリード、4位ド・ディッカーから4ポイントのビハインドとなっている。
第13戦チェコGPは、来週マウンテンコースのロケットで開催される。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 43:03.805 | - |
2 | 25 | C.デサール | Honda | 43:10.698 | +0:06.893 |
3 | 11 | S.ラモン | スズキ | 43:22.684 | +0:18.879 |
4 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 43:52.648 | +0:48.843 |
5 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 43:52.881 | +0:49.076 |
6 | 5 | M.ナグル | KTM | 43:54.455 | +0:50.650 |
9 | 100 | ケビン・ストリボス | Honda | 45:08.790 | +2:04.985 |
11 | 173 | T.ポティセック | Honda | 45:48.265 | +2:44.460 |
20 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 45:16.908 | +1Lap |
23 | 88 | R.ブランチ | Honda | 45:19.834 | +2Laps |
26 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 26:18.601 | +7Laps |
27 | 34 | K.サラエッツ | Honda | 26:59.031 | +7Laps |
31 | 10 | セドリック・メルロット | Honda | 13:53.090 | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 5 | M.ナグル | KTM | 41:54.880 | - |
2 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 42:25.841 | +0:30.961 |
3 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 42:44.466 | +0:49.586 |
4 | 11 | S.ラモン | スズキ | 42:53.737 | +0:58.857 |
5 | 32 | M.プリーム | アプリリア | 43:09.476 | +1:14.596 |
6 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 43:09.783 | +1:14.903 |
9 | 25 | C.デサール | Honda | 44:09.517 | +2:14.637 |
11 | 10 | セドリック・メルロット | Honda | 42:32.413 | +1Lap |
14 | 34 | K.サラエッツ | Honda | 43:07.214 | +1Lap |
22 | 88 | R.ブランチ | Honda | 45:06.388 | +2Laps |
26 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 20:42.351 | +9Laps |
28 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 15:26.058 | +11Laps |
29 | 100 | ケビン・ストリボス | Honda | 11:06.982 | +12Laps |
30 | 173 | T.ポティセック | Honda | 11:34.853 | +12Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 41:56.587 | - |
2 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 42:06.428 | +0:09.841 |
3 | 34 | J.ローランツ | KTM | 42:16.942 | +0:20.355 |
4 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 43:52.075 | +1:55.488 |
5 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 44:00.014 | +2:03.427 |
6 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 44:13.701 | +2:17.114 |
30 | 620 | T.ロメッタ | Honda | 44:33.280 | +2Laps |
31 | 17 | J.クレアモント | Honda | 36:01.652 | +4Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 41:57.742 | - |
2 | 34 | J.ローランツ | KTM | 42:15.793 | +0:18.051 |
3 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 42:33.539 | +0:35.797 |
4 | 3 | N.オービン | ヤマハ | 42:59.650 | +1:01.908 |
5 | 27 | M.シーファー | KTM | 43:12.550 | +1:14.808 |
6 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 43:26.259 | +1:28.517 |
23 | 17 | J.クレアモント | Honda | 44:32.323 | +1Lap |
24 | 620 | T.ロメッタ | Honda | 42:39.840 | +2Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | A.カイローリ | ヤマハ | 466 | |||||||||||||||
2 | M.ナグル | KTM | 415 | |||||||||||||||
3 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 388 | |||||||||||||||
4 | K.ド・ディッカー | スズキ | 383 | |||||||||||||||
5 | C.デサール | Honda | 379 | |||||||||||||||
6 | J.コピンズ | ヤマハ | 375 | |||||||||||||||
15 | ビリーマッケンジー | Honda | 103 | |||||||||||||||
16 | ケビン・ストリボス | Honda | 94 | |||||||||||||||
19 | M.ピション | Honda | 81 | |||||||||||||||
25 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 45 | |||||||||||||||
28 | Br.マッケンジー | Honda | 33 | |||||||||||||||
30 | B.アンダーソン | Honda | 24 | |||||||||||||||
31 | セドリック・メルロット | Honda | 20 | |||||||||||||||
32 | I.スタインバーグス | Honda | 19 | |||||||||||||||
39 | T.ポティセック | Honda | 10 | |||||||||||||||
44 | K.ワウツ | Honda | 8 | |||||||||||||||
46 | K.サラエッツ | Honda | 7 | |||||||||||||||
51 | J.ローズ | Honda | 3 | |||||||||||||||
55 | F.ケンペリス | Honda | 2 | |||||||||||||||
56 | R.ボードウィン | Honda | 1 | |||||||||||||||
60 | R.ブランチ | Honda | 0 | |||||||||||||||
61 | J.ダールグレン | Honda | 0 | |||||||||||||||
62 | J.サルフラン | Honda | 0 | |||||||||||||||
65 | V.ブカス | Honda | 0 | |||||||||||||||
71 | M.オーケーブロム | Honda | 0 | |||||||||||||||
77 | A.ティベッドゥ | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ヤマハ | 529 |
2 | KTM | 475 |
3 | Honda | 414 |
4 | スズキ | 398 |
5 | カワサキ | 242 |
6 | アプリリア | 189 |
7 | TM | 167 |
8 | CCM | 123 |
9 | フサベル | 0 |
10 | ハスクバーナ | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | M.ムスキャン | KTM | 421 | |||||||||||||||
2 | R.ゴンサルベス | KTM | 383 | |||||||||||||||
3 | G.ポーリン | カワサキ | 372 | |||||||||||||||
4 | D.ガルネリ | ヤマハ | 357 | |||||||||||||||
5 | S.フロサール | カワサキ | 284 | |||||||||||||||
6 | K.ロクセン | スズキ | 269 | |||||||||||||||
15 | D.バーブルッゲン | Honda | 143 | |||||||||||||||
24 | K.ボングサナ | Honda | 60 | |||||||||||||||
30 | C.ソーベイラス | Honda | 31 | |||||||||||||||
34 | P.ルーレ | Honda | 27 | |||||||||||||||
36 | W.エイビス | Honda | 19 | |||||||||||||||
41 | H.ブラッケ | Honda | 7 | |||||||||||||||
47 | N.ブラッドショウ | Honda | 2 | |||||||||||||||
48 | J.クレアモント | Honda | 1 | |||||||||||||||
51 | S.エルダーフィールド | Honda | 0 | |||||||||||||||
52 | T.マキュクス | Honda | 0 | |||||||||||||||
55 | T.ロメッタ | Honda | 0 | |||||||||||||||
60 | R.サンドバーグ | Honda | 0 | |||||||||||||||
62 | R.ニイェガード | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | KTM | 517 |
2 | カワサキ | 441 |
3 | ヤマハ | 414 |
4 | スズキ | 375 |
5 | Honda | 313 |
6 | TM | 9 |
コメント
クレメント・デサール(MX1 2位/9位 総合5位)
「ヒート1では、GPで初めてのホールショットを取った。終始安全にハイスピードをキープできたし、結果にはとても満足している。ヒート2は1コーナーで2位につけていたのに、後輪を滑らせて転倒した。リカバーは早かったけれど、エキゾーストの問題で1分加算のペナルティを受け、順位を下げられてしまったのが残念だ。どうすることもできなかった」
ケビン・ストリボス(MX1 9位/29位 総合13位)
「痛みや注射のせいで、とても辛い週末となった。ヒート2の出走を止めようかと考えたくらいだ。ヒート1はそれほど悪くはなかったけれど、鎮痛剤の効きがだんだん弱まってくると、集中してスピードを維持することが難しくなった。ヒート2ではエキゾーストの一部にトラブルが起きてしまった。振り返ってみると、先週走ったことは、今大会を目指してトレーニングしてきた身にとってはとても自信になった。走らなければよかったかもしれないけれど、チームやファンに自分がGPライダーであることを見せるために、どうしても走りたかった」
セドリック・メルロット(MX1 31位/11位 総合14位)
「ヒート2の結果はとても喜ばしい。ヒート1ではもがき苦しんで転倒したけれど、久々に出場したGPだったし、ペースをつかむことはできた。負傷からの復帰戦ということを思えば、ヒート2は悪くない。ベルギーでレースに復帰できてよかった」
ブライアン・マッケンジー(MX1 26位/26位 総合29位)
「昨日、初めてこのコースを走ったが、あまり得意なほうではない。このようなコースを走ったことは一度もない。ただ予選レースで16位に入れたのは、それほど悪くはなかった。ヒート1ではスタートに失敗したけれど、20位までばん回した。最後の5分でサンドにやられて転倒。1分ぐらい自分のバイクの下敷きになった。ヒート2では少しベターなスタートだったけれど、1周目のジャンプでアクシデントがあり、たぶん4台ぐらいが自分のバイクをひいて、ラジエーターが損傷した。精一杯ばん回したけれど、最後の10分でバイクが終わってしまった」
デニス・バーブルッゲン(MX2 5位/3位 総合4位)
「この結果は期待以上だったけれど、何カ月も努力してきたし、自分を信じ続けてきた。サンドコースでは好成績が出せると思っていたし、とてもうれしい。チームはマシン作りに相当な時間を費やしてくれるし、自分はとてもいい人たちのサポートに支えられている。これからも努力を続けて、また表彰台に上がれるようにがんばりたい」