バーブルッゲンがベルギーGPで初表彰台

2009年8月2日(日)
決勝
開催地:ベルギー・ロンメル
天候:雨
気温:21℃
観客:2万8000人(週末通算)

2009年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第12戦ベルギーGPは、時折り雨が降る曇り空の下で行われた。サンド路面の難所として知られるロンメル・サーキットで、MX1クラスを制したのはケン・ド・ディッカー(スズキ)だった。LS Motors Hondaのクレメント・デサールは、1週間前にAMAモトクロス第8戦ワシューガルにスポット参戦し、3位入賞したばかりだったが、今大会ベルギーGPでは不運なことに総合5位(ヒート1成績2位)にとどまった。一方のMX2クラスでは、LS Motors Hondaのデニス・バーブルッゲンが、CRF250Rを駆り、初の総合3位入賞を果たした。

平坦だが、距離が長く難易度の高いベルギーのコースには、2万8000人の観衆が押し寄せた。土曜日は蒸し暑い天気だったが、日曜日には降雨もあってコンディションが一変する。テクニカルなサンド路面には、無数のギャップとうねりが刻まれ、35分プラス2周の間、あちらこちらで転倒したマシンを起こすライダーの姿が見られた。

今シーズン2度目のポールポジションからスタートしたデサールは、CRF450Rでヒート1のホールショットを奪い、ド・ディッカーとトップ争いを演じた末、今季3度目となる2位を獲得した。このベルギー出身の20歳は、ヒート2の1コーナー出口でスリップダウンし、ほとんど最後尾から再スタートしたが、5位までばん回してみせた。しかしエキゾースト系統に受けた損傷で排気音がレギュレーション違反となり、1分加算のペナルティを受け、正式リザルトでは9位となった。

Martin Racing Teamのケビン・ストリボスは、1週間前に肩を負傷していながら、地元グランプリに挑んだ。ベルギー出身のストリボスは、手首を骨折して療養していたが、鎮痛剤を注射するなどのハンディを負ったまま、ロンメルでのプログラムに参戦した。彼はHonda勢の中で2番目の成績となる9位に入ったが、ヒート2ではマシントラブルによってリタイアした。

CAS Honda Teamのセドリック・メルロットは、背中の故障で長く休んでいたが、第2戦ブルガリアGP以来のカムバックを果たした。ヒート2では、Hondaマシンで出場したグランプリ3戦中ベストリザルトの11位に入り、総合13位となった。チームメートのビリー・マッケンジーにとってロンメルは初めてのコースで、どちらのレースでもポイントを獲得できなかった。

MX2クラスでは、バーブルッゲンが程よいスタートからばん回する展開の末、5位/3位に入り、Hondaにトロフィをもたらした。ヨーロッパチャンピオンにもなったバーブルッゲンは、自己最高のリザルトを残し、CRF250Rを今季5度目となる表彰台に上げた。

デサールは現在MX1ランキング5位で、6位のジョシュア・コピンズ(ヤマハ)を4ポイントリード、4位ド・ディッカーから4ポイントのビハインドとなっている。

第13戦チェコGPは、来週マウンテンコースのロケットで開催される。

コメント

クレメント・デサール(MX1 2位/9位 総合5位)

「ヒート1では、GPで初めてのホールショットを取った。終始安全にハイスピードをキープできたし、結果にはとても満足している。ヒート2は1コーナーで2位につけていたのに、後輪を滑らせて転倒した。リカバーは早かったけれど、エキゾーストの問題で1分加算のペナルティを受け、順位を下げられてしまったのが残念だ。どうすることもできなかった」

ケビン・ストリボス(MX1 9位/29位 総合13位)

「痛みや注射のせいで、とても辛い週末となった。ヒート2の出走を止めようかと考えたくらいだ。ヒート1はそれほど悪くはなかったけれど、鎮痛剤の効きがだんだん弱まってくると、集中してスピードを維持することが難しくなった。ヒート2ではエキゾーストの一部にトラブルが起きてしまった。振り返ってみると、先週走ったことは、今大会を目指してトレーニングしてきた身にとってはとても自信になった。走らなければよかったかもしれないけれど、チームやファンに自分がGPライダーであることを見せるために、どうしても走りたかった」

セドリック・メルロット(MX1 31位/11位 総合14位)

「ヒート2の結果はとても喜ばしい。ヒート1ではもがき苦しんで転倒したけれど、久々に出場したGPだったし、ペースをつかむことはできた。負傷からの復帰戦ということを思えば、ヒート2は悪くない。ベルギーでレースに復帰できてよかった」

ブライアン・マッケンジー(MX1 26位/26位 総合29位)

「昨日、初めてこのコースを走ったが、あまり得意なほうではない。このようなコースを走ったことは一度もない。ただ予選レースで16位に入れたのは、それほど悪くはなかった。ヒート1ではスタートに失敗したけれど、20位までばん回した。最後の5分でサンドにやられて転倒。1分ぐらい自分のバイクの下敷きになった。ヒート2では少しベターなスタートだったけれど、1周目のジャンプでアクシデントがあり、たぶん4台ぐらいが自分のバイクをひいて、ラジエーターが損傷した。精一杯ばん回したけれど、最後の10分でバイクが終わってしまった」

デニス・バーブルッゲン(MX2 5位/3位 総合4位)

「この結果は期待以上だったけれど、何カ月も努力してきたし、自分を信じ続けてきた。サンドコースでは好成績が出せると思っていたし、とてもうれしい。チームはマシン作りに相当な時間を費やしてくれるし、自分はとてもいい人たちのサポートに支えられている。これからも努力を続けて、また表彰台に上がれるようにがんばりたい」

決勝リザルト

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
19K.ド・ディッカースズキ43:03.805-
225C.デサールHonda43:10.698+0:06.893
311S.ラモンスズキ43:22.684+0:18.879
46J.コピンズヤマハ43:52.648+0:48.843
5222A.カイローリヤマハ43:52.881+0:49.076
65M.ナグルKTM43:54.455+0:50.650
9100ケビン・ストリボスHonda45:08.790+2:04.985
11173T.ポティセックHonda45:48.265+2:44.460
2074I.スタインバーグスHonda45:16.908+1Lap
2388R.ブランチHonda45:19.834+2Laps
26121Br.マッケンジーHonda26:18.601+7Laps
2734K.サラエッツHonda26:59.031+7Laps
3110セドリック・メルロットHonda13:53.090+11Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
15M.ナグルKTM41:54.880-
2222A.カイローリヤマハ42:25.841+0:30.961
39K.ド・ディッカースズキ42:44.466+0:49.586
411S.ラモンスズキ42:53.737+0:58.857
532M.プリームアプリリア43:09.476+1:14.596
68T.レオクヤマハ43:09.783+1:14.903
925C.デサールHonda44:09.517+2:14.637
1110セドリック・メルロットHonda42:32.413+1Lap
1434K.サラエッツHonda43:07.214+1Lap
2288R.ブランチHonda45:06.388+2Laps
26121Br.マッケンジーHonda20:42.351+9Laps
2874I.スタインバーグスHonda15:26.058+11Laps
29100ケビン・ストリボスHonda11:06.982+12Laps
30173T.ポティセックHonda11:34.853+12Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
125M.ムスキャンKTM41:56.587-
25R.ゴンサルベスKTM42:06.428+0:09.841
334J.ローランツKTM42:16.942+0:20.355
489J.バン・ホービークKTM43:52.075+1:55.488
5335D.バーブルッゲンHonda44:00.014+2:03.427
694K.ロクセンスズキ44:13.701+2:17.114
30620T.ロメッタHonda44:33.280+2Laps
3117J.クレアモントHonda36:01.652+4Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
125M.ムスキャンKTM41:57.742-
234J.ローランツKTM42:15.793+0:18.051
3335D.バーブルッゲンHonda42:33.539+0:35.797
43N.オービンヤマハ42:59.650+1:01.908
527M.シーファーKTM43:12.550+1:14.808
694K.ロクセンスズキ43:26.259+1:28.517
2317J.クレアモントHonda44:32.323+1Lap
24620T.ロメッタHonda42:39.840+2Laps

ポイントスタンディング

ライダー | MX1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリヤマハ466
2M.ナグルKTM415
3D.フィリッパーツヤマハ388
4K.ド・ディッカースズキ383
5C.デサールHonda379
6J.コピンズヤマハ375
15ビリーマッケンジーHonda103
16ケビン・ストリボスHonda94
19M.ピションHonda81
25マーク・ド・ルーバーHonda45
28Br.マッケンジーHonda33
30B.アンダーソンHonda24
31セドリック・メルロットHonda20
32I.スタインバーグスHonda19
39T.ポティセックHonda10
44K.ワウツHonda8
46K.サラエッツHonda7
51J.ローズHonda3
55F.ケンペリスHonda2
56R.ボードウィンHonda1
60R.ブランチHonda0
61J.ダールグレンHonda0
62J.サルフランHonda0
65V.ブカスHonda0
71M.オーケーブロムHonda0
77A.ティベッドゥHonda0

マニュファクチャラー | MX1

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1ヤマハ529
2KTM475
3Honda414
4スズキ398
5カワサキ242
6アプリリア189
7TM167
8CCM123
9フサベル0
10ハスクバーナ0

ライダー | MX2

#N/A
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1M.ムスキャンKTM421
2R.ゴンサルベスKTM383
3G.ポーリンカワサキ372
4D.ガルネリヤマハ357
5S.フロサールカワサキ284
6K.ロクセンスズキ269
15D.バーブルッゲンHonda143
24K.ボングサナHonda60
30C.ソーベイラスHonda31
34P.ルーレHonda27
36W.エイビスHonda19
41H.ブラッケHonda7
47N.ブラッドショウHonda2
48J.クレアモントHonda1
51S.エルダーフィールドHonda0
52T.マキュクスHonda0
55T.ロメッタHonda0
60R.サンドバーグHonda0
62R.ニイェガードHonda0

マニュファクチャラー | MX2

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM517
2カワサキ441
3ヤマハ414
4スズキ375
5Honda313
6TM9