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2009年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第10戦ラトビアGPが、すばらしいケグムスサーキットで行われた。ラトビアでのグランプリは初開催である。最高峰のMX1クラスは、ポイントリーダーのアントニオ・カイローリ(ヤマハ)が優勝した。CRF450Rに乗るHonda勢は負傷により苦戦が続いているが、その中でLS Motors Hondaに所属するベルギー人ライダー、クレメント・デサールが初優勝まであと一歩と迫る総合2位(1位/5位)を獲得した。
ラトビアの首都リガの南に位置するケグムスの会場は、長く広いレイアウトが特徴のサンド質のコースで、テクニックを試すような荒れた路面を持つ。今大会はドイツ、ラトビア、スウェーデンと3週連続開催となる日程の2戦目だった。
デサールは土曜に行われた予選レースで、この難しいコースコンディションとレイアウトに直面した。デサールはこの予選を3番手で通過したが、多くのライダーは日曜日にはもっとコース状況が難しくなりそうだと読んでいた。
決勝ヒート1、20歳のデサールはケン・ド・ディッカー(スズキ)との競り合いに勝って集団から抜け出し、トップを快走した。最終ラップにはカイローリから厳しいアタックを受けたが、これをコンマ2秒差で振り切ってヒート優勝を果たした。
デサールはヒート2でもハイペースで走り、レースの3分の2をリードしたが、終盤に発生したクラッチトラブルでリズムを崩し、5位でチェッカーを受けた。ヒート1との合計点により、デサールは総合2位を獲得し、2009年シーズン4本目となるトロフィーを受け取った。
CAS Honda Teamでは、ブライアン・マッケンジーが孤軍奮闘した。このスコットランド人はウオームアップ走行で右足首をねんざし、ヒート1ではポイント圏外だったが、ヒート2ではGP参戦4戦目にしてベストリザルトとなる13位に入る踏ん張りを見せた。彼の従兄弟でイギリスチャンピオンのビリー・マッケンジーは、彼の才能を最大限に発揮する上で妨げになっている右手の親指を治すため、土曜日にじん帯を再生する手術を行った。ビリー・マッケンジーは全治6〜8週間と見込まれている。
Team Martin Honda MXは、ケビン・ストリボスの代役を務めたミカエル・ピションの出場がドイツGPまでの3戦スポットだったため、今回は欠場。チームのエースライダー、ストリボスは手首の骨折の後、欠場が続いているが、8月2日に行われる第12戦ベルギーGPにはカムバックできる見込みだ。イタリアを拠点とするTeam Martin Honda MXは、同国内のレースを走っていたジョナサン・ダールグレンを次週のスウェーデンGPに抜擢する。ストリボスは大会前の金曜日に、CRF150のライダーが20〜30人集う、スウェーデン・ホンダ・アカデミーに出席する。
デサールは現在MX1のライダーランキングで5位におり、3位のデビッド・フィリッパーツ(ヤマハ)から18ポイントしか離されていない。
第11戦スウェーデンGPは、次週ウッデバラにて開催され、その後シリーズは3週間の夏休みに入る。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | C.デサール | Honda | 40:05.568 | - |
2 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 40:05.826 | +0:00.258 |
3 | 5 | M.ナグル | KTM | 40:29.338 | +0:23.770 |
4 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 40:49.719 | +0:44.151 |
5 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 41:23.104 | +1:17.536 |
6 | 111 | A.レオク | TM | 41:33.071 | +1:27.503 |
14 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 40:12.932 | +1Lap |
20 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 40:19.426 | +2Laps |
23 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 20:56.514 | +11Laps |
28 | 198 | V.ブカス | Honda | 8:41.300 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 39:10.586 | - |
2 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 39:16.363 | +0:05.777 |
3 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 39:25.571 | +0:14.985 |
4 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 39:28.111 | +0:17.525 |
5 | 25 | C.デサール | Honda | 39:43.483 | +0:32.897 |
6 | 5 | M.ナグル | KTM | 40:02.030 | +0:51.444 |
13 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 40:50.281 | +1:39.695 |
18 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 39:36.310 | +1Lap |
20 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 40:15.362 | +1Lap |
24 | 198 | V.ブカス | Honda | 18:56.446 | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 39:56.178 | - |
2 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 40:01.682 | +0:05.504 |
3 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 40:01.943 | +0:05.765 |
4 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 40:09.096 | +0:12.918 |
5 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:12.578 | +0:16.400 |
6 | 34 | J.ローランツ | KTM | 40:13.255 | +0:17.077 |
8 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 40:32.048 | +0:35.870 |
25 | 33 | C.ソーベイラス | Honda | 40:18.285 | +1Lap |
27 | 17 | J.クレアモント | Honda | 40:25.282 | +1Lap |
31 | 74 | T.マキュクス | Honda | 41:03.053 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 40:32.203 | - |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 40:46.336 | +0:14.133 |
3 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:55.992 | +0:23.789 |
4 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 41:18.604 | +0:46.401 |
5 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 41:22.414 | +0:50.211 |
6 | 34 | J.ローランツ | KTM | 41:23.353 | +0:51.150 |
7 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 41:59.644 | +1:27.441 |
20 | 33 | C.ソーベイラス | Honda | 41:03.792 | +1Lap |
22 | 74 | T.マキュクス | Honda | 41:19.897 | +1Lap |
25 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:51.028 | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | A.カイローリ | ヤマハ | 385 | |||||||||||||||
2 | M.ナグル | KTM | 328 | |||||||||||||||
3 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 327 | |||||||||||||||
4 | J.コピンズ | ヤマハ | 314 | |||||||||||||||
5 | C.デサール | Honda | 309 | |||||||||||||||
6 | K.ド・ディッカー | スズキ | 298 | |||||||||||||||
14 | ビリー・マッケンジー | Honda | 103 | |||||||||||||||
16 | ケビン・ストリボス | Honda | 82 | |||||||||||||||
17 | M.ピション | Honda | 81 | |||||||||||||||
23 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 45 | |||||||||||||||
29 | B.アンダーソン | Honda | 24 | |||||||||||||||
33 | I.スタインバーグス | Honda | 16 | |||||||||||||||
34 | Br.マッケンジー | Honda | 15 | |||||||||||||||
38 | セドリック・メルロット | Honda | 10 | |||||||||||||||
40 | K.ワウツ | Honda | 8 | |||||||||||||||
44 | J.ローズ | Honda | 3 | |||||||||||||||
46 | F.ケンペリス | Honda | 2 | |||||||||||||||
47 | R.ボートヴィン | Honda | 1 | |||||||||||||||
51 | J.サルフラン | Honda | 0 | |||||||||||||||
54 | V.ブカス | Honda | 0 | |||||||||||||||
64 | A.ティベッドゥ | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ヤマハ | 446 |
2 | KTM | 388 |
3 | Honda | 344 |
4 | スズキ | 313 |
5 | カワサキ | 197 |
6 | TM | 167 |
7 | アプリリア | 141 |
8 | CCM | 99 |
9 | フサベル | 0 |
10 | ハスクバーナ | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | M.ムスキャン | KTM | 371 | |||||||||||||||
2 | G.ポーリン | カワサキ | 322 | |||||||||||||||
3 | R.ゴンサルベス | KTM | 301 | |||||||||||||||
4 | D.ガルネリ | ヤマハ | 296 | |||||||||||||||
5 | S.フロサール | カワサキ | 264 | |||||||||||||||
6 | K.ロクセン | スズキ | 200 | |||||||||||||||
19 | D.バーブルッゲン | Honda | 87 | |||||||||||||||
23 | K.ボングサナ | Honda | 60 | |||||||||||||||
30 | P.ルーレ | Honda | 27 | |||||||||||||||
31 | C.ソーベイラス | Honda | 26 | |||||||||||||||
33 | W.エイビス | Honda | 19 | |||||||||||||||
39 | H.ブラッケ | Honda | 7 | |||||||||||||||
45 | N.ブラッドショウ | Honda | 2 | |||||||||||||||
46 | J.クレアモント | Honda | 1 | |||||||||||||||
50 | S.エルダーフィールド | Honda | 0 | |||||||||||||||
51 | T.マキュクス | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | KTM | 420 |
2 | カワサキ | 385 |
3 | ヤマハ | 344 |
4 | スズキ | 306 |
5 | Honda | 257 |
6 | TM | 9 |
コメント
クレメント・デサール(優勝/5位 総合2位)
「ものすごいプレッシャーがあっただけに、ヒート1で勝ててうれしい。勝利の味は格別だ。ヒート2ではスタートもよく、ナグル(KTM)に続いて2位だったけれど、すぐにかわしてトップに立った。ところが20分過ぎ頃からクラッチの動作がおかしくなり、レース終盤はとても大変だった。ペースもポジションも落としてしまいがっかりしたけれど、どうしようもなかった。コースはとても面白かった。ただ暑さがきつかった」
ブライアン・マッケンジー(23位/13位 総合18位)
「ヒート2ではとてもいいスタートが切れて、1コーナーではトップ10に入れた。その後は必死にトライして最後の最後まで戦った。メカニックがサインボードに書くコメントのおかげで、モチベーションを保つことができたよ。ヒート1の成績にはとても失望していたので、同じことを繰り返さないように修正しながら、思いきり開け続けたつもりだ」