デサールが激戦の末に6位入賞
-
2009年6月21日(日)
決勝
-
開催地:ドイツ・トイチェンタル
天候:晴れときどき雨
気温:19℃
観客:3万5400人(週末通算)
2009年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第9戦ドイツGPが、トイチェンタルのタルケッセルサーキットで行われた。MX1の優勝者はアントニオ・カイローリ(ヤマハ)。CRF450Rに乗るHonda勢の中での最高位は、LS Motors Hondaのクレメント・デサールの総合6位だった。
サスペンションセッティングとタイヤチョイスを試すような、起伏に富み、荒れたドイツの古い高速コースを、ベルギー出身のデサールは乗りきった。3万5000人以上を記録した大観衆の前で、デサールは2回とも平均的なスタートからばん回し、ヒート1では5位、ヒート2ではチェッカーの数コーナー手前で喫したミスにより、同じリザルトをつかみ損ねた。デサールは、最終コーナーでのばん回を試み、ジョシュ・コピンズ(ヤマハ)に並んだが、僅かに1/100秒及ばず、フィニッシュジャンプでクラッシュしながらの6位となった。
ドイツGPはミカエル・ピションがTeam Martin Honda MXのライダーとして走る3度目のレースで、最後のグランプリだった。このイタリアのチームからの3レースで限定カムバックした33歳になるフランス人のピションは、6位と7位のリザルトを残し、総合8位を獲得した。元250cc世界チャンピオンのピションは、ヒート1では手首からくる腕上がりに悩まされた結果、9位でフィニッシュ。ヒート2では比較的リラックスした様子でハイペースのレースを乗りきり8位となった。
Team Martin Honda MXは次週のラトビアGPに出場せず、2週間後のスウェーデンGPには参戦する予定だ。チームの契約ライダー、ケビン・ストリボスは負傷が癒えた今、2週間以内に練習を開始し、7月一杯を準備に費やした後、8月2日にロンメルで行われる地元大会、ベルギーGPに臨む構えだ。
CAS Honda Teamのビリー・マッケンジーは、ヒート1を数ラップ走っただけでリタイアせざるを得なかった。スコットランド出身のビリー・マッケンジーは、手の親指のじん帯を断裂しており、痛み止めの注射を打っても、きつい下り坂や深いワダチでバイクをうまくコントロールできず、ピットインした後にチームとライダーはリタイアして手術を受ける決断をした。彼の従兄弟のブライアン・マッケンジーは、ヒート1で2ポイントを獲得し、総合23位になった。
CRF450R勢トップのランキング5位につけるデサールは現在268ポイントで、ランキング3位のマックス・ナグル(KTM)から25ポイントのビハインド。7位のタネル・レオク(ヤマハ)に対しては16ポイントのリードがある。
シリーズ第10戦ラトビアGPは、次週ケグムスにて開催される。
決勝リザルト
MX1(レース1)
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム |
差 |
|
|
|
|
|
|
1 | 5 | M.ナグル | KTM | 40:30.499 | - |
2 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 40:31.083 | +0:00.584 |
3 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 40:50.671 | +0:20.172 |
4 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 40:53.856 | +0:23.357 |
5 | 25 | C.デサール | Honda | 40:55.281 | +0:24.782 |
6 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 40:58.001 | +0:27.502 |
| | | | | |
9 | 101 | M.ピション | Honda | 41:14.949 | +0:44.450 |
19 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 42:40.435 | +2:09.936 |
22 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 40:44.385 | +1Lap |
23 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 40:45.753 | +1Lap |
27 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 42:15.431 | +1Lap |
MX1(レース2)
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム |
差 |
|
|
|
|
|
|
1 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 41:07.118 | - |
2 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 41:13.533 | +0:06.415 |
3 | 5 | M.ナグル | KTM | 41:17.821 | +0:10.703 |
4 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 41:22.053 | +0:14.935 |
5 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 41:23.154 | +0:16.036 |
6 | 25 | C.デサール | Honda | 41:23.166 | +0:16.048 |
| | | | | |
8 | 101 | M.ピション | Honda | 41:50.403 | +0:43.285 |
19 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 43:15.687 | +2:08.569 |
22 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 43:20.568 | +1Lap |
28 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 12:00.598 | +14Laps |
MX2(レース1)
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム |
差 |
|
|
|
|
|
|
1 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 40:57.005 | - |
2 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 40:59.496 | +0:02.491 |
3 | 121 | X.ブーグ | スズキ | 41:00.917 | +0:03.912 |
4 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 41:12.045 | +0:15.040 |
5 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 41:12.144 | +0:15.139 |
6 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 41:17.960 | +0:20.955 |
| | | | | |
13 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 41:37.512 | +0:40.507 |
20 | 33 | C.ソーベイラス | Honda | 42:22.918 | +1:25.913 |
23 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 42:28.378 | +1:31.373 |
27 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:10.268 | +1Lap |
MX2(レース2)
順位 |
No. |
ライダー |
マシン |
タイム |
差 |
|
|
|
|
|
|
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 41:06.227 | - |
2 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 41:08.415 | +0:02.188 |
3 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 41:26.293 | +0:20.066 |
4 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 41:28.221 | +0:21.994 |
5 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 41:36.874 | +0:30.647 |
6 | 22 | A.ボアシエール | KTM | 41:46.357 | +0:40.130 |
| | | | | |
12 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 42:19.036 | +1:12.809 |
18 | 33 | C.ソーベイラス | Honda | 42:42.279 | +1:36.052 |
24 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:40.403 | +1Lap |
31 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 32:11.513 | +5Laps |
ポイントスタンディング
ライダー | MX1
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | A.カイローリ | ヤマハ | 338 |
2 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 297 |
3 | M.ナグル | KTM | 293 |
4 | J.コピンズ | ヤマハ | 274 |
5 | C.デサール | Honda | 268 |
6 | K.ド・ディッカー | スズキ | 264 |
|
12 | ビリー・マッケンジー | Honda | 103 |
16 | ケビン・ストリボス | Honda | 82 |
17 | M.ピション | Honda | 81 |
21 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 45 |
28 | B.アンダーソン | Honda | 24 |
34 | セドリック・メルロット | Honda | 10 |
37 | K.ワウツ | Honda | 8 |
39 | Br.マッケンジー | Honda | 7 |
40 | I.スタインバーグス | Honda | 6 |
42 | J.ローズ | Honda | 3 |
44 |
R.ボートヴィン |
Honda |
1 |
45 |
F.ケンペリス |
Honda |
0 |
48 | J.サルフラン | Honda | 0 |
60 | A.ティベッドゥ | Honda | 0 |
マニュファクチャラー | MX1
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 | ヤマハ | 399 |
2 | KTM | 353 |
3 | Honda | 303 |
4 | スズキ | 279 |
5 | カワサキ | 175 |
6 | TM | 139 |
7 | アプリリア | 119 |
8 | CCM | 80 |
9 | フサベル | 0 |
10 | ハスクバーナ | 0 |
ライダー | MX2
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 | M.ムスキャン | KTM | 324 |
2 | G.ポーリン | カワサキ | 286 |
3 | D.ガルネリ | ヤマハ | 264 |
4 | R.ゴンサルベス | KTM | 254 |
5 | S.フロサール | カワサキ | 246 |
6 | X.ブーグ | スズキ | 197 |
|
21 | K.ボングサナ | Honda | 60 |
22 | D.バーブルッゲン | Honda | 60 |
27 | P.ルーレ | Honda | 27 |
29 | C.ソーベイラス | Honda | 25 |
32 | W.エイビス | Honda | 19 |
39 | H.ブラッケ | Honda | 7 |
44 | N.ブラッドショウ | Honda | 2 |
45 | J.クレアモント | Honda | 1 |
48 | S.エルダーフィールド | Honda | 0 |
マニュファクチャラー | MX2
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 | KTM | 370 |
2 | カワサキ | 347 |
3 | ヤマハ | 312 |
4 | スズキ | 270 |
5 | Honda | 230 |
6 | TM | 9 |
コメント
クレメント・デサール(5位/6位 総合6位)
「とても難しいコースで路面も変だった。最初のスタートはあまりよくなくて、トップ10あたりだった。ゆっくりとばん回して5位になった。ヒート2ではいくらかいいスタートが切れて、コピンズ、デビッド・フィリッパーツ(ヤマハ)、レオクと競り合った。最終ラップではフィリッパーツとコピンズに近づき、同じタイムで走っていた。ところがフィニッシュ直前に小さなミスをして、 トップ5のリザルトを逃してしまった。最終コーナーでは思いきり攻めてコピンズを抜けると思った。全開でいった結果フィニッシュの先の着地で転倒してしまった。とても悔しい。次はもっといい成績を残したい」
ミカエル・ピション(9位/8位 総合8位)
「いいレースだったけれど、手首に問題があった。先週ちょっとひねった手首に痛みがあり、じん帯を痛めたかと思ったけれど、今回のレースをする分には大丈夫だったようだ。コースはきつかった。ヒート1では4〜5周で腕上がりになり、ミスを連発するようになったので、少しペースを落とすことにした。終盤には楽になったのでベストラップを出すことができた。上位のライダーと比べても、そんなに悪くないペースだったんじゃないかな。ヒート2ではスタートに失敗したけれど、なんとかばん回してプッシュを試みた。上位には食い込めなかったけれど、フィリッパーツ、コピンズ、デサール、レオクといった速いライダーと一緒に走れたのでうれしかった。3戦6ヒートを走って、リタイアなしで毎戦25〜30ポイントを獲得できたことは、もっと上を望めたとはいえ、トレーニング不足を考えたら妥当な結果だろう。バイクはすばらしかったし、チームスタッフとも喜びを分かち合えた。毎レース楽しんだし、ベストを尽したつもりだ」
ビリー・マッケンジー(22位/DNS 総合32位)
「このドイツGPまでにどれだけ回復するか様子を見ようという判断をしたのだけれど、基本的に自分が思うような走りができなかったことは確かだ。コースにはたくさんのダウンヒルと荒れた個所があって、グリップを握れなくて手が離れることもあった。チームと相談した結果、手術を受けることにした。親指にどれだけじん帯が残っているか、どれだけ再生が必要になるのかによるけれど、最後の何戦かには間に合うようにしたい」