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2009年FIM世界選手権モトクロス全15戦の第8戦フランスGPが、風の強いエルネー・サーキットに3万8000人を集めて開催された。晴れと豪雨を繰り返した不安定な天候の下、MX1を制したのはマックス・ナグル(KTM)。CRF450Rを駆るHonda勢の中での最高位は、総合5位に入ったLS Motors Hondaのクレメント・デサールだった。
土曜に行われた予選レースでは、デサールがHondaに今季初のポールポジションをもたらした。フランスのエルネーはパッシングポイントが少なく、路面は小石混じりの軟質で滑りやすかった。
ヒート1の開始の際に強い降雨があり、この影響でスタートから最初の数ラップにおける順位が、事実上のレース結果となった。デサールはヒート1の序盤、ゴーグルのトラブルに苦しんで4位にとどまった。快晴となった午後のヒート2では、デサールは2度のクラッシュにあったが6位までばん回し、総合で5位に入った。
続く総合7位には、Team Martin Honda MXのミカエル・ピションが入った。フランス出身で33歳のピションは、地元ファンの大声援を受けて走った。このコースは、2006年に彼のGPキャリアが残念ながら中断してしまった場所でもあった。ヒート1では力強いリズムで5位に入り、ヒート2では1周目の転倒から9位までばん回した。これによりピションは、1週間前にイタリアのチームからMX1に復帰して以来、4レース連続のトップ10フィニッシュを果たしている。
CAS Honda Teamのビリー・マッケンジーは、総合11位だった。手の親指の靭帯を痛めているスコットランド出身のマッケンジーは、両ヒートともに悪くないスタートを切ったが、ヒート1では2周目と終盤に転倒を喫し、チェッカーを受けた時には18位まで後退していた。ヒート2では終始2番手につけていたが、残り5分で発生した親指の痛みによってペースダウンを余儀なくされ、5位まで下がった。しかし、ここまでトラブル続きだったシーズンの中ではベストリザルトである。
イギリス国内選手権のチャンピオンで、ビリー・マッケンジーの従兄弟であるブライアン・マッケンジーは、イギリスのCAS Honda Teamから2度目の出場を果たし、ヒート2で18位に入り3ポイントを記録した。
Team Martin Honda MXのケビン・ストリボスは、手首の骨折が癒えてライディングを開始したが、ドクターの指示により、大事を取ってもうしばらく休むことになった。現時点では7月のGPレースはすべて出場を見合わせ、8月2日にベルギーのロンメルで行われる地元GPから参戦する予定だ。
今回の結果、MX1のデサールは、トップ3まで11ポイント差のランキング5位。マッケンジーはトップ10まで15ポイント差のランキング12位。
シリーズ第9戦ドイツGPは、2週間後にトイチェンタル・サーキットにて開催される。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 5 | M.ナグル | KTM | 41:20.506 | - |
2 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 41:36.750 | +0:16.244 |
3 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 42:07.912 | +0:47.406 |
4 | 25 | C.デサール | Honda | 42:18.708 | +0:58.202 |
5 | 101 | M.ピション | Honda | 42:25.636 | +1:05.130 |
6 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 42:29.232 | +1:08.726 |
18 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 43:58.047 | +1Lap |
20 | 41 | R.ボードウィン | Honda | 41:53.927 | +2Laps |
21 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 42:20.951 | +2Laps |
22 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 42:24.470 | +2Laps |
24 | 39 | J.サルフラン | Honda | 43:46.071 | +2Laps |
26 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 42:22.834 | +4Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 5 | M.ナグル | KTM | 41:08.999 | - |
2 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 41:21.301 | +0:12.302 |
3 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 41:24.821 | +0:15.822 |
4 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 41:28.172 | +0:19.173 |
5 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 41:31.342 | +0:22.343 |
6 | 25 | C.デサール | Honda | 41:33.319 | +0:24.320 |
9 | 101 | M.ピション | Honda | 42:27.575 | +1:18.576 |
18 | 121 | Br.マッケンジー | Honda | 41:32.059 | +1Lap |
21 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 42:48.075 | +1Lap |
23 | 39 | J.サルフラン | Honda | 29:52.243 | +7Laps |
26 | 41 | R.ボードウィン | Honda | 9:19.753 | +16Laps |
27 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 7:24.840 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 41:36.339 | - |
2 | 22 | A.ボアシエール | KTM | 41:47.123 | +0:10.784 |
3 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 42:04.630 | +0:28.291 |
4 | 202 | L.ラリュ | ヤマハ | 42:28.549 | +0:52.210 |
5 | 23 | A.トヌス | KTM | 42:39.590 | +1:03.251 |
6 | 37 | V.テレ | KTM | 42:47.676 | +1:11.337 |
16 | 33 | C.ソーベイラス | Honda | 41:40.713 | +1Lap |
19 | 47 | P.ルーレ | Honda | 42:12.448 | +1Lap |
25 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 43:24.279 | +1Lap |
33 | 17 | J.クレアモント | Honda | 33:31.095 | +5Laps |
36 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 12:39.204 | +15Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 40:24.450 | - |
2 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 40:35.178 | +0:10.728 |
3 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 40:44.584 | +0:20.134 |
4 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:50.878 | +0:26.428 |
5 | 202 | L.ラリュ | ヤマハ | 41:00.360 | +0:35.910 |
6 | 13 | M.モンニ | ヤマハ | 41:07.261 | +0:42.811 |
16 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 42:08.788 | +1:44.338 |
20 | 33 | C.ソーベイラス | Honda | 42:15.719 | +1:51.269 |
31 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:48.867 | +1Lap |
35 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 16:21.624 | +12Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | A.カイローリ | ヤマハ | 291 | |||||||||||||||
2 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 261 | |||||||||||||||
3 | M.ナグル | KTM | 248 | |||||||||||||||
4 | J.コピンズ | ヤマハ | 238 | |||||||||||||||
5 | C.デサール | Honda | 237 | |||||||||||||||
6 | K.ド・ディッカー | スズキ | 228 | |||||||||||||||
12 | ビリー・マッケンジー | Honda | 103 | |||||||||||||||
14 | ケビン・ストリボス | Honda | 82 | |||||||||||||||
17 | M.ピション | Honda | 56 | |||||||||||||||
21 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 45 | |||||||||||||||
27 | B.アンダーソン | Honda | 24 | |||||||||||||||
33 | セドリック・メルロット | Honda | 10 | |||||||||||||||
36 | K.ワウツ | Honda | 8 | |||||||||||||||
37 | Br.マッケンジー | Honda | 5 | |||||||||||||||
38 | I.スタインバーグス | Honda | 4 | |||||||||||||||
40 | J.ローズ | Honda | 3 | |||||||||||||||
42 | R.ボートウィン | Honda | 1 | |||||||||||||||
43 | F.ケンペリス | Honda | 0 | |||||||||||||||
45 | J.サルフラン | Honda | 0 | |||||||||||||||
56 | A.ティベットゥ | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ヤマハ | 352 |
2 | KTM | 308 |
3 | Honda | 272 |
4 | スズキ | 243 |
5 | カワサキ | 155 |
6 | TM | 118 |
7 | アプリリア | 98 |
8 | CCM | 66 |
9 | フサベル | 0 |
10 | ハスクバーナ | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | M.ムスキャン | KTM | 284 | |||||||||||||||
2 | G.ポーリン | カワサキ | 250 | |||||||||||||||
3 | D.ガルネリ | ヤマハ | 235 | |||||||||||||||
4 | R.ゴンサルベス | KTM | 222 | |||||||||||||||
5 | S.フロサール | カワサキ | 205 | |||||||||||||||
6 | X.ブーグ | スズキ | 177 | |||||||||||||||
20 | K.ボングサナ | Honda | 60 | |||||||||||||||
24 | D.バーブルッゲン | Honda | 43 | |||||||||||||||
26 | P.ルーレ | Honda | 27 | |||||||||||||||
29 | C.ソーベイラス | Honda | 21 | |||||||||||||||
31 | W.エイビス | Honda | 19 | |||||||||||||||
38 | H.ブラッケ | Honda | 7 | |||||||||||||||
43 | N.ブラッドショウ | Honda | 2 | |||||||||||||||
44 | J.クレアモント | Honda | 1 | |||||||||||||||
47 | S.エルダーフィールド | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | KTM | 330 |
2 | カワサキ | 302 |
3 | ヤマハ | 281 |
4 | スズキ | 226 |
5 | Honda | 213 |
6 | TM | 9 |
コメント
クレメント・デサール(MX1 5位/6位 総合5位)
「昨日の予選結果と比べたら、今日は表彰台に上がれなかったことが残念でならない。ヒート1はとても泥が多く、自分のスタートはそれほど悪くなかったけれど、ほかの何人かにストレートの加速で負けた。6番手だったけれど、1周目にゴーグルのトラブルがあり、何とかしてゴーグルなしで5位まで上がった。ヒート2ではゲートからの飛び出しがあまりよくなくて、1周目でなるべく大勢を抜いてやろうとがんばったら、焦りすぎて転倒してしまった。その後、フィリッパーツ(ヤマハ)が目の前で転倒し、2度目の転倒を喫した。フィリッパーツと一緒に、中団から追い上げてきて6位に入った。もっと上にいけたはずだ」
ミカエル・ピション(MX1 5位/9位 総合7位)
「すべてが順調に運んだし、特に走りにリズムとスピードを出せたことがうれしかった。土曜日にエンジンの問題を解決してトラクション性能が向上したので、レースでのマシンは最高の状態だった。ファンの声援も信じられないほどあり、もちろん力になった。コースそのものは抜きにくいレイアウトだったけれど、私はダブルジャンプを飛んでタイムを稼いだ。ヒート2ではイン側から誰かに接触されて転倒。でも総合的には、今回のグランプリはとてもいい経験になった」
ビリー・マッケンジー(MX1 18位/5位 総合11位)
「またしてもフラストレーションに満ちた週末だった。誰が見てもわかるように、レース序盤のスピードはあるし、親指のケガを押してのレースに慣れようとしている。ケガの状態は好転していて、今週は関節に痛み止めの注射を打たずに走った。ヒート1は雨が明暗を分けた。2周目に転倒して泥だらけになってしまった。そこからは必死に追い上げ、1周に1台のペースで抜いて15位までばん回したが、そこで壁に当たり、いいラインを見つけられなくなってしまった。最終ラップには滑りやすい登り坂で転倒し、2〜3ポジション失った後にゴールした。ヒート2ではうまくスタートが切れて、トップを目指してプッシュした。ただ今日はナグルがものすごく乗れていて、攻略法が全く見つからなかった。30分経過のサインを見た頃から、また親指の痛みがひどくなり、疲れて両ヒジが下がり、ペースも落ちてしまった。つらいけれどもポジティブに考えれば、ケガをしながら5位に入れたのは評価できる。これからもがんばって、ランキング10位以内を目指すつもりだ」
ブライアン・マッケンジー(MX1 21位/18位 総合21位)
「雨の中でいいスタートが切れ、ヒート1はとてもうまくいく思ったのに、1周目にTボーンアタックを受けてしまった。大きく後退したし、ピットインしてゴーグルを交換しなければならなかった。遅いライダーにイライラしたけれど、何とかかわして前に出ようと試みた。ヒート1はとんでもない災難だったし、ヒート2もスタートが悪かった。1周目の転倒からできるだけがんばってばん回したけれど、18位がやっとだった。それ以上のコメントは、あまりない」