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2009年FIMモトクロス世界選手権シリーズ第6戦カタルニアGPが、眩しい陽光に恵まれたベルピッグで開催された。MX1ではジョナサン・バラガン(KTM)が地元優勝、MX2ではベルギー出身のジェレミー・バン・ホービーク(KTM)が、2万人の観客の前で総合優勝を果たした。今大会におけるCRF450R勢の総合最上位は、LS Motors Hondaのクレメント・デサールの5位だった。
最も収穫があったのは、Nouvelle Generation Sport Hondaのマービン・ムスキャンだった。CRF250Rを駆って得た総合11位によって、ムスキャンはMX2のポイントリーダーに躍り出た。次戦では、CRF250Rが初めて赤いゼッケンを付けることになる。
ジャンプが多い硬質路面のコースコンディションは、終日ホコリだらけだったが、どちらかといえばテクニック勝負というよりも耐久性テストの趣きだった。今シーズンの現時点までで最も暑く明るい日差しを浴び、大雨で台無しになった昨年のスペインGPの苦い記憶を打ち消した。
CAS Honda Teamは、参戦態勢が整う方向へと少し前進した。ビリー・マッケンジーは、負傷した右手親指の痛みをものともせず出場。セドリック・メルロットは、第2戦ブルガリアGPから引きずっている背中の痛みを押して参戦した。残念ながらメルロットは、激痛に耐えきれず2本目のプラクティスの途中でリタイアした。彼の体調が回復し、早々の再復帰が期待される。
マッケンジーは不運なことに、今大会は総合8位に留まった。ヒート1の2周目までは2位につけていたが、アントニオ・カイローリ(ヤマハ)の大胆な攻めによって転倒。その後、後方から11位までばん回してチェッカーを受けた。ヒート2では、マキシミリアン・ナグル(KTM)をかわしてレース前半のリーダーとなったマッケンジーだったが、後半になると追い上げてくる集団のスピードにあらがうことができず、5位までポジションを下げた。それでも最近の負傷による苦悩を考慮すれば、十分に立派な健闘だった。
デサールはヒート1で、昨年のチャンピオンのデビッド・フィリッパーツ(ヤマハ)からのマークを退け、自己ベストとなる2位フィニッシュを果たした。ヒート2では、平均点的なスタートから終始フィリッパーツとケン・ド・ディッカー(スズキ)を相手にバトルを演じ、7位でゴール。総合リザルト5位を得た。
MX2のムスキャンにとって、今大会は決して楽しいGPではなかった。ヒート1では転倒で14位に沈み、ヒート2では好スタートを切ったものの一貫したリズムを保てず、9位に留まった。総合11位は決してすばらしいリザルトではなかったが、ライバルのゴーティエ・ポーリン(カワサキ)が総合15位に終わったため、ムスキャンはMX2のポイントリーダーに浮上。同じフランス人のライバル、ポーリンに対してムスキャンのリードは3点となった。
MX1のデサールはトップ5から12ポイント差のランキング7位。マッケンジーは14位から必死のばん回を試みる構えだ。
MX1/MX2の第7戦イギリスGPは、2週間後にマロリーパークで開催される。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 7 | J.バラガン | KTM | 40:38.899 | - |
2 | 25 | C.デサール | Honda | 40:49.881 | +0:10.982 |
3 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 40:50.352 | +0:11.453 |
4 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 40:55.172 | +0:16.273 |
5 | 12 | D.ビーラマン | カワサキ | 40:56.345 | +0:17.446 |
6 | 17 | G.スワニプール | カワサキ | 40:57.516 | +0:18.617 |
11 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 41:49.673 | +1:10.774 |
17 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 40:41.019 | +1Lap |
21 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 41:38.386 | +1Lap |
26 | 75 | K.ワウツ | Honda | 8:23.229 | +17Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 39:22.225 | - |
2 | 5 | M.ナグル | KTM | 39:23.539 | +0:01.314 |
3 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 39:35.916 | +0:13.691 |
4 | 7 | J.バラガン | KTM | 39:40.288 | +0:18.063 |
5 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 39:42.411 | +0:20.186 |
6 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 39:45.283 | +0:23.058 |
7 | 25 | C.デサール | Honda | 39:45.880 | +0:23.655 |
21 | 75 | K.ワウツ | Honda | 39:24.761 | +1Lap |
24 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 40:09.611 | +2Laps |
27 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 4:29.932 | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 39:21.424 | - |
2 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 39:23.242 | +0:01.818 |
3 | 121 | X.ブーグ | スズキ | 39:27.295 | +0:05.871 |
4 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 39:27.850 | +0:06.426 |
5 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 39:29.315 | +0:07.891 |
6 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 39:29.378 | +0:07.954 |
12 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 40:00.992 | +0:39.568 |
14 | 25 | M.ムスキャン | Honda | 40:12.665 | +0:51.241 |
27 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:07.796 | +1:46.372 |
32 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 34:30.762 | +3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 22 | A.ボアシエール | KTM | 39:35.739 | - |
2 | 94 | K.ロクセン | スズキ | 39:37.979 | +0:02.240 |
3 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 39:40.951 | +0:05.212 |
4 | 3 | N.オービン | ヤマハ | 39:42.533 | +0:06.794 |
5 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 39:45.531 | +0:09.792 |
6 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 39:46.516 | +0:10.777 |
9 | 25 | M.ムスキャン | Honda | 40:05.664 | +0:29.925 |
11 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 40:33.722 | +0:57.983 |
20 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:11.583 | +1:35.844 |
35 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 4:26.128 | +18Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | A.カイローリ | ヤマハ | 231 | |||||||||||||||
2 | J.バラガン | KTM | 195 | |||||||||||||||
3 | K.ド・ディッカー | スズキ | 183 | |||||||||||||||
4 | J.コピンズ | ヤマハ | 175 | |||||||||||||||
5 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 174 | |||||||||||||||
6 | T.レオク | ヤマハ | 162 | |||||||||||||||
7 | C.デサール | Honda | 162 | |||||||||||||||
13 | ケビン・ストリボス | Honda | 82 | |||||||||||||||
14 | ビリー・マッケンジー | Honda | 68 | |||||||||||||||
17 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 45 | |||||||||||||||
29 | セドリック・メルロット | Honda | 10 | |||||||||||||||
31 | K.ワウツ | Honda | 8 | |||||||||||||||
34 | B.アンダーソン | Honda | 6 | |||||||||||||||
35 | I.スタインバーグス | Honda | 4 | |||||||||||||||
38 | F.ケンペリス | Honda | 0 | |||||||||||||||
42 | A.ティベッドゥ | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ヤマハ | 261 |
2 | KTM | 213 |
3 | スズキ | 197 |
4 | Honda | 196 |
5 | カワサキ | 115 |
6 | TM | 85 |
7 | アプリリア | 69 |
8 | CCM | 38 |
9 | ハスクバーナ | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | M.ムスキャン | Honda | 184 | |||||||||||||||
2 | G.ポーリン | カワサキ | 181 | |||||||||||||||
3 | D.ガルネリ | ヤマハ | 179 | |||||||||||||||
4 | R.ゴンサルベス | KTM | 166 | |||||||||||||||
5 | X.ブーグ | スズキ | 141 | |||||||||||||||
6 | S.フロサール | カワサキ | 136 | |||||||||||||||
19 | K.ボングサナ | Honda | 54 | |||||||||||||||
25 | D.バーブルッゲン | Honda | 27 | |||||||||||||||
26 | P.ルーレ | Honda | 25 | |||||||||||||||
28 | W.エイビス | Honda | 19 | |||||||||||||||
35 | H.ブラッケ | Honda | 7 | |||||||||||||||
42 | J.クレアモント | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | KTM | 230 |
2 | カワサキ | 222 |
3 | ヤマハ | 213 |
4 | Honda | 192 |
5 | スズキ | 170 |
6 | TM | 9 |
コメント
クレメント・デサール(MX1 2位/7位 総合5位)
「ヒート1ではスタートがとてもうまく決まって、最初の数コーナーあたりでは2位を走っていた。体調もいい感じだったので、最後までスピードとポジションをキープすることができた。ヒート2では5位ぐらいにつけて、フィリッパーツやド・ディッカーとともに攻めた。総合的に表彰台を逃したのはちょっとがっかりだけれど、手堅くポイントを加算してケガもなかったことが、なにより大事だ」
ビリー・マッケンジー(MX1 11位/5位 総合8位)
「ヒート1のスタートは最高だったけれど、ほかのライダーが僕をパスするときにギリギリのラインで走ったことで、僕たちは2人とも転倒してしまった。レースだけれども、若干無理はあったと思うし、正直怒りを感じる。ただ、そこからは懸命に走り、順位をばん回したよ。ヒート2では序盤からリードできたし、かなりのハイペースをつかむこともできた。ただ最後までキープすることができず、終盤はミスを連発してしまった。5位はベストを尽した結果だ。トータルですばらしい日にはならなかったけれど、何ポイントかゲットしただけでもいいだろう」
マービン・ムスキャン(MX2 14位/9位 総合11位)
「自分にとって最良のGPではなかったけれど、赤いナンバープレートをもらえたのはうれしい。コースは昨日のうちは悪くなかったけれど、今日は1本ラインで抜きにくいコンディションだった。ヒート1ではミスをして転倒したし、ヒート2ではオービン(ヤマハ)の後ろにはまって抜け出せず、リズムとコンセントレーションを失ってしまった。もっと精神的に集中しなければいけなかったのに、今回はそれができなかった。でもこれからは、この赤いプレートを守るためにベストを尽したい」