ストリボスがオランダのサンドと戦い4位入賞

2009年4月26日(日)
決勝
開催地:バルケンスワード
天候:曇り
気温:14℃
観客:2万人(週末通算)

2009年FIMモトクロス世界選手権シリーズの第4戦ベネルクスGPが、オランダのアイントホーフェンから程近い、バルケンスワードにあるサンドコース、ユーロサーキットで行われた。今大会のMX1勝者はジョナサン・バラガン(KTM)だったが、CAS Honda Teamのビリー・マッケンジーとMartin Racing Teamのマーク・ド・ルーバーの活躍によって、CRF450Rの安定したトップ走行を今季初めて見ることができた。しかし総合結果で上回ったのは、ド・ルーバーのチームメートのケビン・ストリボスで、4位は今のところ彼自身の今季ベストリザルトだ。

予選日の土曜は穏やかな晴天、決勝が行われた日曜はどんよりと曇ったが、この地域で今年開催される3回のモトクロスGP(ベネルクス、ベルギー、オランダ)の初回となる今大会には、2万人もの観客が集った。彼らが目の当たりにしたのは、トップライダー7人が表彰台登壇を争う今季開幕以来最もエキサイティングなレースで、MX1では両ヒートとも、終盤に予想できない混とんとしたスプリントが繰り広げられた。

2週間前のトルコGPのあとにテストを行ったばかりのマッケンジーは、マシンの基本セットアップに好感触を得ていた。マッケンジーはヒート1の前半、地元のド・ルーバーを抑えてトップを走行し、やがて荒れてワダチだらけになったサンドコースで5人によるバトルが勃発するまでリードを保った。マッケンジーは未だに肉体的には100%とはいえない状態で、ついにド・ルーバーが引っ張る後続者たちに抜かれてしまう。ド・ルーバーはトップに立った直後に転倒して5位に後退したが、再スタート後に2位までばん回してチェッカーを受けた。ストリボスは上位からは離されてアップダウンを繰り返し、腕アガリに悩まされたものの見事7位でフィニッシュした。マッケンジーは8位に続いた。

ヒート2のマッケンジーは、1コーナーで起きたクラッシュと、その後ケン・ド・ディッカー(スズキ)との接触による不運を被った。このヒート2の14位と、ヒート1の8位によって、マッケンジーは総合11位となった。ド・ルーバーは上位集団をマークしながら安定して好位置をキープしていたが、信じられないクラッシュで脳震とうを起こしてリタイアを喫した。ストリボスは1周目、自分の目の前で転倒したライダーにラインをふさがれてコースアウトを喫したが、テクニックと精神力を駆使して見事4位までばん回した。

CAS Honda Teamのもう一人のライダー、セドリック・メルロットは、GPレースに復帰してヒート1で12位に入ったが、負傷した脊椎に負担をかけすぎたため、ヒート2は出走を取り止めた。メルロットは、今週スキャンなどの精密検査を受ける予定だ。

LS Motors Hondaのクレメント・デサールは、9位と8位で総合8位となった。

MX1のランキングテーブルでHonda最上位にいるのは9位のデサールで、ポイントリーダーのアントニオ・カイローリを57点差で追いかけている。ストリボスはランキング10位、ド・ルーバーは13位、マッケンジーは15位だ。

MX2クラスは優勝ルイ・ゴンサルベス(KTM)、2位ショーン・シンプソン(KTM)、3位ニコラ・オービン(ヤマハ)という総合結果になった。Nouvelle Generation Sport Hondaのマービン・ムスキャンは、不得手なサンドコースで総合7位に入った。現在ムスキャンは、ポイントリーダーのゴーティエ・ポーリンから15点のビハインドでランキング2位につけている。

全15戦からなるシリーズの第5戦ポルトガルGPは、アグエダで開催される。

コメント

ケビン・ストリボス(7位/4位 総合4位)

「ヒート1はとても難しくて、腕アガリを起こしてしまった。最初の20分は大丈夫だったけれど、途中で大きく後退して最後の数分でようやく取り返せた。ヒート2は1周目に転倒したナグル(KTM)を避けきれず、死力を尽してばん回した。終盤には疲れを我慢してがんばったら、ポジションを何個か上げることができた。事はうまく運んだのに、結果は望んだようにはならなかった。今は実戦経験が足りないので、もっとレースがしたい。そうすれば調子は戻って来るはずだ」

マーク・ド・ルーバー(2位/30位 総合10位)

「正直なところ、あまり記憶がないんだ。それでも今週末はあまり自信がなかった割には、表彰台獲得の可能性に大いに勇気づけられた。ヒート1ではとてもスムーズに乗れていたし、ミスはたった1回フロントを滑らせただけだった。5人が抜いて行くのを見たし、とても冷静ではいられず、再スタート後は全開で必死にトップを目指した。裏手の2連ジャンプはとても危険だった。フィリッパーツ(ヤマハ)は飛ばなかったし、ラモン(スズキ)もクラッシュしたけれど、自分には『行くしかない』とスイッチが入っていたので、2位まで這い上がれた。ヒート2ではトップグループについていって様子を見ていたのだけれど、丘の上のワダチで飛んでしまった。そこから先は何も記憶がない。トータルとしてはハッピーなんだけれど……」

ビリー・マッケンジー(8位/14位 総合11位)

「これはちょっとした進歩で、ずいぶんハッピーだ。今回のレース前にマシンセッティングに取り組み直したところ、今までのサスセッティングの方向性が間違っていたことがわかった。それで自信を失っていたし、疑心暗鬼になっていた。とにかくセッティングを変更したらすべてがうまくいったし、グランプリでリーダーを務めるのはいい気分だった。今の自分に必要なのは、何ヒートか優勝を積み重ねることで、必ずそこへ戻れるだろうと信じている」

決勝リザルト

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリヤマハ39:47.158-
214マーク・ド・ルーバーHonda39:51.444+0:04.286
37J.バラガンKTM39:54.341+0:07.183
49K.ド・ディッカースズキ39:55.708+0:08.550
58T.レオクヤマハ39:56.966+0:09.808
619D.フィリッパーツヤマハ39:57.097+0:09.939
7100ケビン・ストリボスHonda40:04.367+0:17.209
8211ビリー・マッケンジーHonda40:11.098+0:23.940
925C.デサールHonda40:26.266+0:39.108
1210セドリック・メルロットHonda41:07.061+1:19.903
1560B.アンダーソンHonda41:16.109+1:28.951
2075K.ワウツHonda40:20.763+1Lap
2374I.スタインバーグスHonda39:38.644+2Laps
2523F.ケンペリスHonda40:09.562+3Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
17J.バラガンKTM40:18.300-
28T.レオクヤマハ40:24.749+0:06.449
3222A.カイローリヤマハ40:39.639+0:21.339
4100ケビン・ストリボスHonda40:45.457+0:27.157
56J.コピンズヤマハ40:55.550+0:37.250
619D.フィリッパーツヤマハ41:01.342+0:43.042
825C.デサールHonda41:36.427+1:18.127
14211ビリー・マッケンジーHonda42:02.321+1:44.021
2075K.ワウツHonda41:28.286+1Lap
2123F.ケンペリスHonda42:09.333+1Lap
2274I.スタインバーグスHonda42:38.133+1Lap
2960B.アンダーソンHonda13:09.017+14Laps
3014マーク・ド・ルーバーHonda12:48.265+15Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
14S.シンプソンKTM39:30.097-
25R.ゴンサルベスKTM39:49.789+0:19.692
339D.ガルネリヤマハ40:06.707+0:36.610
4338Z.オズボーンヤマハ40:10.389+0:40.292
53N.オービンヤマハ40:13.395+0:43.298
6121X.ブーグスズキ40:15.815+0:45.718
825M.ムスキャンHonda40:23.715+0:53.618
11335D.バーブルッゲンHonda40:31.520+1:01.423
14 18 H.ブラッケ Honda 40:45.395 +1:15.298
36 64 K.ボングサナ Honda 30:31.757 +6Laps
37 47 P.ルーレ Honda 26:52.241 +7Laps
38 69 W.エイビス Honda 4:39.914 +18Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
15R.ゴンサルベスKTM40:09.337-
23N.オービンヤマハ40:29.315+0:19.978
34S.シンプソンKTM40:33.700+0:24.363
421G.ポーリンカワサキ40:41.400+0:32.063
589J.バン・ホービークKTM40:43.827+0:34.490
634J.ローランツKTM40:47.660+0:38.323
1225M.ムスキャンHonda41:18.134+1:08.797
13335D.バーブルッゲンHonda41:21.351+1:12.014
1964K.ボングサナHonda41:41.205+1:31.868
2118H.ブラッケHonda42:11.635+2:02.298

ポイントスタンディング

ライダー | MX1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリヤマハ143
2J.バラガンKTM128
3K.ド・ディッカースズキ124
4D.フィリッパーツヤマハ118
5J.コピンズヤマハ112
6T.レオクヤマハ111
9C.デサールHonda86
10ケビン・ストリボスHonda82
13マーク・ド・ルーバーHonda45
15ビリー・マッケンジーHonda42
25セドリック・メルロットHonda10
26K.ワウツHonda8
28 B.アンダーソン Honda 6
33 F.ケンペリス Honda 0
34 I.スタインバーグス Honda 0
38A.ティベッドゥHonda0

マニュファクチャラー | MX1

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1ヤマハ166
2スズキ135
3KTM134
4Honda118
5カワサキ60
6TM48

ライダー | MX2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1G.ポーリンカワサキ140
2 M.ムスキャンHonda125
3D.ガルネリヤマハ111
4Z.オズボーンヤマハ100
5S.シンプソンKTM97
6X.ブーグスズキ94
14K.ボングサナHonda44
21P.ルーレHonda25
24W.エイビスHonda19
25 D.バーブルッゲン Honda 18
31 H.ブラッケ Honda 7
39 J.クレアモント Honda 0

マニュファクチャラー | MX2

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1カワサキ149
2ヤマハ141
3KTM133
4Honda131
5スズキ98
6TM0