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モトクロス世界選手権 第3戦トルコGPで、Martin Racing Teamのケビン・ストリボスが総合5位に入賞した。MX2クラスでは、Nouvelle Generation Sport Hondaのマービン・ムスキャンが、前大会に続き総合3位の表彰台に登壇した。
会場はイスタンブールからクルマで20分ほど離れたところにある、マルマラ海に面したヘザルフェンという名の小さな飛行場。国内で初めての開催となる今大会のために新設されたコースには、土日トータルで3万人の観客が来場した。変化に富んだグリップの路面やコーナーの多いレイアウトは、1週間前のブルガリアGPのハイスピードコースとは対照的に低速でテクニカルだった。
2週間前のイタリアGPで負傷して以来初めて練習ができたストリボスは、PGM-FI(電子制御燃料噴射装置)を装備した新型CRF450Rを駆り、ヒート1ですばらしいスタートを決めた。冷たい風が吹く中、レース序盤は優勝したアントニオ・カイローリ(ヤマハ)に迫る2位を走行したストリボスは、結局スローダウンしてスティーブ・ラモン(スズキ)に抜かれたが、3位は彼にとって2007年最終戦以来のベストリザルトだった。
ヒート2でもスタートよく飛び出したストリボスだが、1周目にジャンプの着地で前輪を滑らせてしまった。この転倒で後方集団から追い上げを強いられたが、最終的に7位までばん回してフィニッシュした。
チームメートのマーク・ド・ルーバーは、プラクティスで速さを見せたものの、レースでは好成績を残せなかった。ド・ルーバーは硬く荒れたギャップの上で一貫したリズムをつかめないまま、ヒート1で得た7ポイントのみで総合21位にとどまった。
CAS Honda TeamはブルガリアGPで背骨を負傷したセドリック・メルロットを欠き、戦力半減のままトルコGPに臨んだ。チームメートのビリー・マッケンジーも未だ体調が万全ではない。完治していない負傷を挙げると、肋骨にヒビの疑い、腕アガリ、股関節脱臼などがあり、満身創痍の状態で平日に十分な練習ができていない。マッケンジーは今回のトルコGPでも、土曜のクラッシュで右足首を痛めてしまい、総合16位に終わった。
LS Motors Hondaのクレメント・デサールが、両ヒートを通じてトップ10フィニッシュを果たし、総合8位を獲得。ランキングでは、Honda最上位の9位につけており、あと12ポイントでさらにランクアップする位置に身を置いている。ランキング10位には、ストリボスが続いている。
MX2クラスでは、ブルガリアGPの勝者、ティーンエイジャーのマービン・ムスキャンが、ヒート1で5位、ヒート2で2位に入り、2戦連続の表彰台となる総合3位入賞を飾った。優勝はザック・オズボーン(ヤマハ)だった。ムスキャンは、現在ランキング首位から5ポイント差の2位につけている。SRS Hondaのクンシット・ボングサナは、好スタートから見事2位に入ったヒート1のポイントを生かし、自己ベストとなる総合4位を獲得した。
開幕から3週連続で行われてきた世界選手権シリーズは、ここで1週間のインターバルを挟む。第4戦ベネルクスGPは、4月26日にオランダのファルケンスワードにあるユーロサーキットで行われる。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 39:34.460 | - |
2 | 11 | S.ラモン | スズキ | 39:42.425 | +0:07.965 |
3 | 100 | ケビン・ストリボス | Honda | 39:45.946 | +0:11.486 |
4 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 39:54.389 | +0:19.929 |
5 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 40:00.307 | +0:25.847 |
6 | 5 | M.ナグル | KTM | 40:01.986 | +0:27.526 |
9 | 25 | C.デサール | Honda | 40:06.810 | +0:32.350 |
12 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 40:46.677 | +1:12.217 |
14 | 14 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 40:51.830 | +1:17.370 |
24 | 75 | K.ワウツ | Honda | 41:39.762 | +2:05.302 |
25 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 40:19.234 | +1Lap |
26 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 42:05.162 | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 40:07.622 | - |
2 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 40:11.531 | +0:03.909 |
3 | 11 | S.ラモン | スズキ | 40:13.472 | +0:05.850 |
4 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 40:41.134 | +0:33.512 |
5 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 40:44.217 | +0:36.595 |
6 | 7 | J.バラガン | KTM | 40:45.496 | +0:37.874 |
7 | 100 | ケビン・ストリボス | Honda | 40:46.653 | +0:39.031 |
9 | 25 | C.デサール | Honda | 41:01.977 | +0:54.355 |
20 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 42:08.347 | +2:00.725 |
22 | 14 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 40:59.462 | +1Lap |
24 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 41:54.582 | +1Lap |
25 | 75 | K.ワウツ | Honda | 39:19.823 | +3Laps |
31 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 2:54.813 | +18Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 39:18.971 | - |
2 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 39:27.518 | +0:08.547 |
3 | 338 | Z.オズボーン | ヤマハ | 39:36.612 | +0:17.641 |
4 | 13 | M.モンニ | ヤマハ | 39:43.987 | +0:25.016 |
5 | 25 | M.ムスキャン | Honda | 39:46.046 | +0:27.075 |
6 | 121 | X.ブーグ | スズキ | 39:51.169 | +0:32.198 |
11 | 47 | P.ルーレ | Honda | 40:19.323 | +1:00.352 |
20 | 69 | W.エイビス | Honda | 40:48.576 | +1:29.605 |
27 | 17 | J.クレアモント | Honda | 41:17.000 | +1:58.029 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 338 | Z.オズボーン | ヤマハ | 40:15.752 | - |
2 | 25 | M.ムスキャン | Honda | 40:17.209 | +0:01.457 |
3 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 40:18.208 | +0:02.456 |
4 | 27 | M.シーファー | KTM | 40:45.650 | +0:29.898 |
5 | 7 | S.ソード | KTM | 40:53.396 | +0:37.644 |
6 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 40:57.284 | +0:41.532 |
12 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 41:14.103 | +0:58.351 |
15 | 69 | W.エイビス | Honda | 41:20.275 | +1:04.523 |
16 | 47 | P.ルーレ | Honda | 41:21.567 | +1:05.815 |
32 | 17 | J.クレアモント | Honda | 42:27.184 | +5Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | A.カイローリ | ヤマハ | 98 | |||||||||||||||
2 | K.ド・ディッカー | スズキ | 94 | |||||||||||||||
3 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 88 | |||||||||||||||
4 | J.コピンズ | ヤマハ | 85 | |||||||||||||||
5 | J.バラガン | KTM | 83 | |||||||||||||||
6 | S.ラモン | スズキ | 78 | |||||||||||||||
9 | C.デサール | Honda | 61 | |||||||||||||||
10 | ケビン・ストリボス | Honda | 50 | |||||||||||||||
16 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 23 | |||||||||||||||
18 | ビリー・マッケンジー | Honda | 22 | |||||||||||||||
25 | K.ワウツ | Honda | 6 | |||||||||||||||
29 | セドリック・メルロット | Honda | 1 | |||||||||||||||
32 | I.スタインバーグス | Honda | 0 | |||||||||||||||
33 | F.ケンペリス | Honda | 0 | |||||||||||||||
36 | A.ティベッドゥ | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ヤマハ | 119 |
2 | スズキ | 103 |
3 | KTM | 89 |
4 | Honda | 78 |
5 | カワサキ | 51 |
6 | アプリリア | 35 |
7 | TM | 32 |
8 | CCM | 16 |
9 | ハスクバーナ | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | G.ポーリン | カワサキ | 108 | |||||||||||||||
2 | M.ムスキャン | Honda | 103 | |||||||||||||||
3 | D.ガルネリ | ヤマハ | 78 | |||||||||||||||
4 | X.ブーグ | スズキ | 73 | |||||||||||||||
5 | Z.オズボーン | ヤマハ | 68 | |||||||||||||||
6 | S.フロサール | カワサキ | 53 | |||||||||||||||
9 | K.ボングサナ | Honda | 42 | |||||||||||||||
18 | P.ルーレ | Honda | 25 | |||||||||||||||
23 | W.エイビス | Honda | 19 | |||||||||||||||
35 | J.クレアモント | Honda | 0 | |||||||||||||||
38 | D.バーブルッゲン | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | カワサキ | 117 |
2 | Honda | 109 |
3 | ヤマハ | 99 |
4 | KTM | 83 |
5 | スズキ | 77 |
6 | TM | 0 |
コメント
ケビン・ストリボス(MX1 3位/7位 総合5位)
「ヒート1はとてもうまくいったし、経過には満足している。ラモンが接近してきたときには腕アガリを起こしていたので、無理しないで彼を先に行かせた。それでも自分は3位だったのだから、まあオーケーだよ。ヒート2ではホールショットを決めたし、次のコーナーでも2位だった。とても乗れていたのだけれど、ジャンプの着地で前輪がウォッシュアウトして転倒してしまった。走り出すのに手間どって25位に下がったけれど、7位まで追い上げることができた。今日はうれしいけれど、もっとよかったはずだということもわかっている。たぶん初の表彰台は確実だっただろう。コースは悪くなかったけれど、速いライダーと一緒になると抜きにくい面はあったね」
ビリー・マッケンジー(MX1 12位/20位 総合16位)
「身体のあちこちをケガしているので、2月から週末のレース以外はライディングができず、今はバイクに乗れるような体調ではないんだ。レース前半の15分から20分は何とかなるようだし、毎戦少しずつ長く持つようになってきている感じはある。スピードはあるし、あとは自分に合わせたバイクセッティングをもう少し詰めれば、もっと上にいけるはずだ。あとは自分自身が走り込んで、レースができるフィジカルコンディションを作るだけだ。幸い1週間のインターバルがあるので、練習コースで走り込めるし、やるべきことに集中できると思う」
マーク・ド・ルーバー(MX1 14位/22位 総合21位)
「昨日も、今朝もよかったのに、レースは最低だった。何があったのかわからないし、説明もできない。疲れもなかったし、ジャージが汗で濡れることもなかった。でもどういわけか、身体にブレーキがかかるんだ。なんとかこれを克服しなければいけない」
セドリック・メルロット(MX1 DNS)
「4、5年前にケガした腰を、先週ブルガリアでまた痛めてしまった。スキャンなどの検査を受け、注射も打ってもらったけれど、まだ痛みは引かないし、ドクターの指示で休むことにした。ファルケンスワードまでには回復したい」
マービン・ムスキャン(MX2 5位/2位 総合3位)
「予選の結果が悪くて、スタート位置選びが20番目だったことが響いた。ヒート1では25位から5位まで浮上するのに、ものすごくエネルギーを費やした。それでもうれしかったし、シリーズポイントを堅実に加算できたのでいいレースだったと思う。ヒート2では好スタートが切れてよかった。すごくがんばったけれど、トップに立てるとは思わなかった。リーダーになったあとは逃げようとしたけれど、胃が気持ち悪くなってリズムが乱れてしまった。オズボーンは速くて強かった。コースはだんだん荒れてきて、ヒート2は厳しかった。でも2戦連続の表彰台だし、とてもいい気分だ。こんなに早い時期に達成できるなんて、想像すらできなかった」