MX1ヒート1でケビン・ストリボスが3位を獲得
MX2でマービン・ムスキャンが2度目の表彰台

2009年4月12日(日)
決勝
開催地:イスタンブール
天候:曇り
気温:12℃
観客:3万人

モトクロス世界選手権 第3戦トルコGPで、Martin Racing Teamのケビン・ストリボスが総合5位に入賞した。MX2クラスでは、Nouvelle Generation Sport Hondaのマービン・ムスキャンが、前大会に続き総合3位の表彰台に登壇した。

会場はイスタンブールからクルマで20分ほど離れたところにある、マルマラ海に面したヘザルフェンという名の小さな飛行場。国内で初めての開催となる今大会のために新設されたコースには、土日トータルで3万人の観客が来場した。変化に富んだグリップの路面やコーナーの多いレイアウトは、1週間前のブルガリアGPのハイスピードコースとは対照的に低速でテクニカルだった。

2週間前のイタリアGPで負傷して以来初めて練習ができたストリボスは、PGM-FI(電子制御燃料噴射装置)を装備した新型CRF450Rを駆り、ヒート1ですばらしいスタートを決めた。冷たい風が吹く中、レース序盤は優勝したアントニオ・カイローリ(ヤマハ)に迫る2位を走行したストリボスは、結局スローダウンしてスティーブ・ラモン(スズキ)に抜かれたが、3位は彼にとって2007年最終戦以来のベストリザルトだった。

ヒート2でもスタートよく飛び出したストリボスだが、1周目にジャンプの着地で前輪を滑らせてしまった。この転倒で後方集団から追い上げを強いられたが、最終的に7位までばん回してフィニッシュした。

チームメートのマーク・ド・ルーバーは、プラクティスで速さを見せたものの、レースでは好成績を残せなかった。ド・ルーバーは硬く荒れたギャップの上で一貫したリズムをつかめないまま、ヒート1で得た7ポイントのみで総合21位にとどまった。

CAS Honda TeamはブルガリアGPで背骨を負傷したセドリック・メルロットを欠き、戦力半減のままトルコGPに臨んだ。チームメートのビリー・マッケンジーも未だ体調が万全ではない。完治していない負傷を挙げると、肋骨にヒビの疑い、腕アガリ、股関節脱臼などがあり、満身創痍の状態で平日に十分な練習ができていない。マッケンジーは今回のトルコGPでも、土曜のクラッシュで右足首を痛めてしまい、総合16位に終わった。

LS Motors Hondaのクレメント・デサールが、両ヒートを通じてトップ10フィニッシュを果たし、総合8位を獲得。ランキングでは、Honda最上位の9位につけており、あと12ポイントでさらにランクアップする位置に身を置いている。ランキング10位には、ストリボスが続いている。

MX2クラスでは、ブルガリアGPの勝者、ティーンエイジャーのマービン・ムスキャンが、ヒート1で5位、ヒート2で2位に入り、2戦連続の表彰台となる総合3位入賞を飾った。優勝はザック・オズボーン(ヤマハ)だった。ムスキャンは、現在ランキング首位から5ポイント差の2位につけている。SRS Hondaのクンシット・ボングサナは、好スタートから見事2位に入ったヒート1のポイントを生かし、自己ベストとなる総合4位を獲得した。

開幕から3週連続で行われてきた世界選手権シリーズは、ここで1週間のインターバルを挟む。第4戦ベネルクスGPは、4月26日にオランダのファルケンスワードにあるユーロサーキットで行われる。

コメント

ケビン・ストリボス(MX1 3位/7位 総合5位)

「ヒート1はとてもうまくいったし、経過には満足している。ラモンが接近してきたときには腕アガリを起こしていたので、無理しないで彼を先に行かせた。それでも自分は3位だったのだから、まあオーケーだよ。ヒート2ではホールショットを決めたし、次のコーナーでも2位だった。とても乗れていたのだけれど、ジャンプの着地で前輪がウォッシュアウトして転倒してしまった。走り出すのに手間どって25位に下がったけれど、7位まで追い上げることができた。今日はうれしいけれど、もっとよかったはずだということもわかっている。たぶん初の表彰台は確実だっただろう。コースは悪くなかったけれど、速いライダーと一緒になると抜きにくい面はあったね」

ビリー・マッケンジー(MX1 12位/20位 総合16位)

「身体のあちこちをケガしているので、2月から週末のレース以外はライディングができず、今はバイクに乗れるような体調ではないんだ。レース前半の15分から20分は何とかなるようだし、毎戦少しずつ長く持つようになってきている感じはある。スピードはあるし、あとは自分に合わせたバイクセッティングをもう少し詰めれば、もっと上にいけるはずだ。あとは自分自身が走り込んで、レースができるフィジカルコンディションを作るだけだ。幸い1週間のインターバルがあるので、練習コースで走り込めるし、やるべきことに集中できると思う」

マーク・ド・ルーバー(MX1 14位/22位 総合21位)

「昨日も、今朝もよかったのに、レースは最低だった。何があったのかわからないし、説明もできない。疲れもなかったし、ジャージが汗で濡れることもなかった。でもどういわけか、身体にブレーキがかかるんだ。なんとかこれを克服しなければいけない」

セドリック・メルロット(MX1 DNS)

「4、5年前にケガした腰を、先週ブルガリアでまた痛めてしまった。スキャンなどの検査を受け、注射も打ってもらったけれど、まだ痛みは引かないし、ドクターの指示で休むことにした。ファルケンスワードまでには回復したい」

マービン・ムスキャン(MX2 5位/2位 総合3位)

「予選の結果が悪くて、スタート位置選びが20番目だったことが響いた。ヒート1では25位から5位まで浮上するのに、ものすごくエネルギーを費やした。それでもうれしかったし、シリーズポイントを堅実に加算できたのでいいレースだったと思う。ヒート2では好スタートが切れてよかった。すごくがんばったけれど、トップに立てるとは思わなかった。リーダーになったあとは逃げようとしたけれど、胃が気持ち悪くなってリズムが乱れてしまった。オズボーンは速くて強かった。コースはだんだん荒れてきて、ヒート2は厳しかった。でも2戦連続の表彰台だし、とてもいい気分だ。こんなに早い時期に達成できるなんて、想像すらできなかった」

決勝リザルト

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリヤマハ39:34.460-
211S.ラモンスズキ39:42.425+0:07.965
3100ケビン・ストリボスHonda39:45.946+0:11.486
419D.フィリッパーツヤマハ39:54.389+0:19.929
59K.ド・ディッカースズキ40:00.307+0:25.847
65M.ナグルKTM40:01.986+0:27.526
925C.デサールHonda40:06.810+0:32.350
12211ビリー・マッケンジーHonda40:46.677+1:12.217
1414マーク・ド・ルーバーHonda40:51.830+1:17.370
2475K.ワウツHonda41:39.762+2:05.302
2574I.スタインバーグスHonda40:19.234+1Lap
2623F.ケンペリスHonda42:05.162+2Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリヤマハ40:07.622-
219D.フィリッパーツヤマハ40:11.531+0:03.909
311S.ラモンスズキ40:13.472+0:05.850
49K.ド・ディッカースズキ40:41.134+0:33.512
58T.レオクヤマハ40:44.217+0:36.595
67J.バラガンKTM40:45.496+0:37.874
7100ケビン・ストリボスHonda40:46.653+0:39.031
925 C.デサール Honda41:01.977+0:54.355
20211ビリー・マッケンジーHonda42:08.347+2:00.725
2214マーク・ド・ルーバーHonda40:59.462+1Lap
2474I.スタインバーグスHonda41:54.582+1Lap
2575K.ワウツHonda39:19.823+3Laps
3123F.ケンペリスHonda2:54.813+18Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
121G.ポーリンカワサキ39:18.971-
264K.ボングサナHonda39:27.518+0:08.547
3338Z.オズボーンヤマハ39:36.612+0:17.641
413M.モンニヤマハ39:43.987+0:25.016
525M.ムスキャンHonda39:46.046+0:27.075
6121X.ブーグスズキ39:51.169+0:32.198
1147P.ルーレHonda40:19.323+1:00.352
2069W.エイビスHonda40:48.576+1:29.605
2717J.クレアモントHonda41:17.000+1:58.029

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1338Z.オズボーンヤマハ40:15.752-
225M.ムスキャンHonda40:17.209+0:01.457
3183S.フロサールカワサキ40:18.208+0:02.456
427M.シーファーKTM40:45.650+0:29.898
57S.ソードKTM40:53.396+0:37.644
639D.ガルネリヤマハ40:57.284+0:41.532
1264K.ボングサナHonda41:14.103+0:58.351
1569W.エイビスHonda41:20.275+1:04.523
1647P.ルーレHonda41:21.567+1:05.815
3217J.クレアモントHonda42:27.184+5Laps

ポイントスタンディング

ライダー | MX1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリヤマハ98
2K.ド・ディッカースズキ94
3D.フィリッパーツヤマハ88
4J.コピンズヤマハ85
5J.バラガンKTM83
6S.ラモンスズキ78
9C.デサールHonda61
10ケビン・ストリボスHonda50
16マーク・ド・ルーバーHonda23
18ビリー・マッケンジーHonda22
25K.ワウツHonda6
29セドリック・メルロットHonda1
32I.スタインバーグスHonda0
33F.ケンペリスHonda0
36A.ティベッドゥHonda0

マニュファクチャラー | MX1

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1ヤマハ119
2スズキ103
3KTM89
4Honda78
5カワサキ51
6アプリリア35
7TM32
8CCM16
9ハスクバーナ0

ライダー | MX2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1G.ポーリンカワサキ108
2M.ムスキャンHonda103
3D.ガルネリヤマハ78
4X.ブーグスズキ73
5Z.オズボーンヤマハ68
6S.フロサールカワサキ53
9K.ボングサナHonda42
18P.ルーレHonda25
23W.エイビスHonda19
35J.クレアモントHonda0
38D.バーブルッゲンHonda0

マニュファクチャラー | MX2

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1カワサキ117
2Honda109
3ヤマハ99
4KTM83
5スズキ77
6TM0