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モトクロス世界選手権、第2戦ブルガリアGPで、フランス出身のティーンエイジャー、マービン・ムスキャンがMX2クラスで初優勝を飾り、所属チームのNouvelle Generation Sport Hondaにとっても初の銀杯プレゼントとなった。ライバルのゴーティエ・ポーリン(カワサキ)、グザビエ・ブーグ(スズキ)を脇に従え表彰台の頂点に立ったムスキャンは、彼のHonda CRF250Rにもグランプリ初勝利をもたらした。
MX1クラスは、レースウイナーのジョナサン・バラガン(KTM)とケン・ド・ディッカー(スズキ)を抑えて、ジョシュア・コピンズ(ヤマハ)が総合優勝。ランキングではド・ディッカーがコピンズを1ポイントリードして首位に立った。今大会セブリエボにおけるHonda最上位は、LS Motors Hondaのクレメント・デサールの総合10位だった。
先週、イタリアGPを台無しにした大雨から打って変わって、セブリエボは青空に恵まれた。コースはきれいにならされており、幅広い高速コーナー、たくさんのジャンプやバンプ、険しいアップダウンなど、おなじみのセクションが用意されていた。それでもパッシングは難しく、スタート地点の選び方が重要だった。
MX2のヒート1、ポールポジションのムスキャンは、スタートから飛び出して後方集団を引き離した。途中の低速セクションで転倒を喫し、貯金を数秒使ってしまったが、それでもムスキャンは初のヒート優勝となるチェッカーを無事に受けた。この勝利は彼のフルシーズン2年目、GP出場17戦目にして初の快挙である。ヒート2ではスタートで少々遅れながらも3位まで追い上げたが、リアブレーキがコース脇のフェンスとの接触でトラブルを起こしたため、1、2位を捕らえることはできなかった。それでも両ヒート1位/3位の合計によって、ムスキャンは総合表彰台の中央に立った。
MX1クラスでは、コピンズが2位/2位で総合優勝し、Honda勢にはまたしても不運な一日となった。
イタリアGPでの初表彰台から1週間後、デサールは、10位/15位というリザルトを残した。ベルギー出身のデサールの順位は、CAS Honda Teamのビリー・マッケンジーより4つ上だった。スコットランド出身のマッケンジーは、ヒート1ですばらしいスタートを決めて、トップ3を追いかけていた。しかし、その後のエンジントラブルで後退し、ピットでレースを終えた。ヒート2では9位で完走し、トップ10入りを果たした。
Martin Racing Teamのケビン・ストリボスは、ヒート1の9位のみがカウントされ、総合15位だった。ベルギー出身のストリボスは、イタリアGP会場のファエンツァでヒザをひねり、1週間トレーニングもライディングもできなかった。安定したペースで走ろうとしたストリボスだが、上位のライダーを脅かすには至らなかった。ヒート2ではフィニッシュジャンプで転倒し、頭部を強打したためリタイアを喫した。
チームメートのマーク・ド・ルーバーは総合17位だった。オランダ人のド・ルーバーは、予選レースで下位に沈んでしまったため、スタートゲート順がかなり不利になった。ヒート1では12位より上には行けず、ヒート2ではスタミナ不足によりノーポイントに終わった。
CAS Honda Teamのセドリック・メルロットはヒート1で背中を痛めたため、途中でリタイアした。ベルギー人のメルロットは古傷を悪化させてしまったため、ヒート2の出走をキャンセルした。
MX1ランキングでは、デサール8位、ストリボス14位、ド・ルーバー15位。MX2ランキングでは、ムスキャンが首位ポーリンから4ポイント差の2位につけている。
ブルガリアGPではFIM女子世界選手権第1戦が併催され、アメリカチャンピオンのアシュリー・ファイオレックがCRF250Rを3位表彰台に押し上げた。
シリーズ第3戦は、来週イスタンブールに渡り、史上初のトルコGPが開催される。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 9 | K.ド・ディッカー | スズキ | 39:32.380 | - |
2 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 39:34.034 | +0:01.654 |
3 | 5 | M.ナグル | KTM | 39:35.514 | +0:03.134 |
4 | 7 | J.バラガン | KTM | 39:37.047 | +0:04.667 |
5 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 39:53.141 | +0:20.761 |
6 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 39:56.809 | +0:24.429 |
9 | 100 | ケビン・ストリボス | Honda | 40:12.667 | +0:40.287 |
10 | 25 | C.デサール | Honda | 40:25.985 | +0:53.605 |
12 | 14 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 40:43.359 | +1:10.979 |
21 | 75 | K.ワウツ | Honda | 40:00.105 | +1Lap |
23 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 40:13.035 | +1Lap |
26 | 10 | セドリック・メルロット | Honda | 22:31.863 | +10Laps |
27 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 21:01.440 | +11Laps |
28 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 17:19.408 | +12Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 7 | J.バラガン | KTM | 39:49.118 | - |
2 | 6 | J.コピンズ | ヤマハ | 39:52.834 | +0:03.716 |
3 | 19 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 39:53.790 | +0:04.672 |
4 | 222 | A.カイローリ | ヤマハ | 39:54.262 | +0:05.144 |
5 | 5 | M.ナグル | KTM | 40:05.212 | +0:16.094 |
6 | 8 | T.レオク | ヤマハ | 40:24.070 | +0:34.952 |
9 | 211 | ビリー・マッケンジー | Honda | 40:49.516 | +1:00.398 |
15 | 25 | C.デサール | Honda | 41:34.727 | +1:45.609 |
20 | 75 | K.ワウツ | Honda | 40:39.600 | +1Lap |
24 | 23 | F.ケンペリス | Honda | 40:21.384 | +2Laps |
26 | 14 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 32:22.186 | +5Laps |
30 | 74 | I.スタインバーグス | Honda | 6:07.388 | +18Laps |
31 | 100 | ケビン・ストリボス | Honda | 3:51.217 | +19Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 25 | M.ムスキャン | Honda | 40:17.207 | - |
2 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:22.370 | +0:05.163 |
3 | 3 | N.オービン | ヤマハ | 40:34.445 | +0:17.238 |
4 | 121 | X.ブーグ | スズキ | 40:39.725 | +0:22.518 |
5 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 40:44.246 | +0:27.039 |
6 | 338 | Z.オズボーン | ヤマハ | 40:46.561 | +0:29.354 |
10 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 41:14.198 | +0:56.991 |
11 | 47 | P.ルーレ | Honda | 41:15.388 | +0:58.181 |
13 | 69 | W.エイビス | Honda | 41:20.648 | +1:03.441 |
26 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 40:50.537 | +1Lap |
39 | 17 | J.クレアモント | Honda | 11:02.619 | +16Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
1 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 40:29.542 | - |
2 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:33.907 | +0:04.365 |
3 | 25 | M.ムスキャン | Honda | 40:48.498 | +0:18.956 |
4 | 121 | X.ブーグ | スズキ | 40:49.972 | +0:20.430 |
5 | 39 | D.ガルネリ | ヤマハ | 40:56.569 | +0:27.027 |
6 | 5 | R.ゴンサルベス | KTM | 40:58.746 | +0:29.204 |
17 | 69 | W.エイビス | Honda | 41:44.199 | +1:14.657 |
21 | 64 | K.ボングサナ | Honda | 42:06.801 | +1:37.259 |
22 | 17 | J.クレアモント | Honda | 42:26.900 | +1:57.358 |
32 | 335 | D.バーブルッゲン | Honda | 34:39.679 | +4Laps |
- | 47 | P.ルーレ | Honda | 42:09.093 | +5Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | K.ド・ディッカー | スズキ | 60 | |||||||||||||||
2 | J.コピンズ | ヤマハ | 59 | |||||||||||||||
3 | T.レオク | ヤマハ | 55 | |||||||||||||||
4 | J.バラガン | KTM | 54 | |||||||||||||||
5 | M.ナグル | KTM | 50 | |||||||||||||||
6 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 48 | |||||||||||||||
8 | C.デサール | Honda | 37 | |||||||||||||||
14 | ケビン・ストリボス | Honda | 16 | |||||||||||||||
15 | マーク・ド・ルーバー | Honda | 16 | |||||||||||||||
19 | ビリー・マッケンジー | Honda | 12 | |||||||||||||||
22 | K.ワウツ | Honda | 6 | |||||||||||||||
27 | セドリック・メルロット | Honda | 1 | |||||||||||||||
29 | I.スタインバーグス | Honda | 0 | |||||||||||||||
31 | F.ケンペリス | Honda | 0 | |||||||||||||||
35 | A.ティベッドゥ | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ヤマハ | 69 |
2 | スズキ | 61 |
3 | KTM | 59 |
4 | Honda | 44 |
5 | カワサキ | 29 |
6 | TM | 23 |
7 | アプリリア | 21 |
8 | CCM | 15 |
9 | ハスクバーナ | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |||||||||||||||
1 | G.ポーリン | カワサキ | 69 | |||||||||||||||
2 | M.ムスキャン | Honda | 65 | |||||||||||||||
3 | D.ガルネリ | ヤマハ | 50 | |||||||||||||||
4 | N.オービン | ヤマハ | 47 | |||||||||||||||
5 | X.ブーグ | スズキ | 45 | |||||||||||||||
6 | S.シンプソン | KTM | 37 | |||||||||||||||
17 | W.エイビス | Honda | 12 | |||||||||||||||
18 | K.ボングサナ | Honda | 11 | |||||||||||||||
21 | P.ルーレ | Honda | 10 | |||||||||||||||
35 | J.クレアモント | Honda | 0 | |||||||||||||||
38 | D.バーブルッゲン | Honda | 0 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | カワサキ | 72 |
2 | Honda | 65 |
3 | ヤマハ | 54 |
4 | KTM | 51 |
5 | スズキ | 49 |
6 | TM | 0 |
コメント
マービン・ムスキャン(優勝/3位 総合優勝)
「ポールポジションを取って、イン側のスタート位置を選べたことがアドバンテージになったと思う。ヒート1ではうまくスタートできたし、転倒したのに初優勝できたから。あの転倒はピット過ぎのコーナーで、バイクがワダチから外れて放り出されてしまった。初優勝にはものすごく興奮したし、正直に言うとトップを走っていてもナーバスで仕方がなかった。ヒート2ではスタートがあまりうまくいかなくて、15位からばん回しなければならなかった。3位でゴールしたときは、気温やハイペースのせいでくたくただった。レース終盤、コースを大回りしたときにフェンスに後輪をぶつけてしまった。それ以降はリアブレーキが利かなくなったので、慎重に走った。総合優勝を目指してね」
ケビン・ストリボス(9位/31位 総合15位)
「グランプリのレーシングスピードを取り戻すため、いまだにもがいているところだ。ヒート1では自分なりにベストを尽くして、可能な限りのポイントを稼いだ。ヒート2にも同じ作戦で臨んだけれど、フィニッシュラインで激しく転倒して頭を打ってしまった。生まれて初めて目から星が出るのを見て、これはリタイアするしかないと思った。来週は少しでもいい結果が出せるようにがんばるよ」
マーク・ド・ルーバー(12位/26位 総合17位)
「とても辛い週末だった。予選レースで転倒したことで、決勝のゲート順が悪くなってしまい、それでも必死にばん回しようとしたんだ。でも何が問題なのかわからないけれど、身体が言うことを聞かなかった。医者に診てもらおうと思っている」
ビリー・マッケンジー(28位/9位 総合14位)
「昨日も今日もずっともがき苦しんでいた。このコースは前から好きじゃないし、成績がよかったことなんて皆無だ。自分のスタート失敗もあったし、バイクも不運に襲われた。ヒート1の序盤はかなり上のポジションを走っていたのに、パワーが落ちてきたので走り続けようかどうか迷った。でも、このコースには大きなジャンプがあったりして危険だから、クラッシュを避けるためにピットインした。問題はすぐに解決してヒート2に臨んだ。それはそれはすごいバトルで、みんなあちこちでラインを変えまくっていた。自分は何度かワダチを外すミスをしたけれど、そのうちになんとかリズムをつかむことができた。それほど速いペースじゃなかったけどね。手首や腕アガリの症状も軽かったし、肋骨もそれほど痛まなかった。でも本当はもっといいレースがしたくてたまらない。特にこんな暖かい日がうってつけだし、だから来週トルコへ移動したら、その目標に集中したい」
セドリック・メルロット(26位/DNS 総合32位)
「土曜日には背中がすごく硬直していたので、ストレッチングでほぐそうとしたけれど、日曜の朝になっても緊張は解けそうになかった。ヒート1の坂の下のコーナーでギャップに突き上げられたとき、椎間板がつぶれた感じがした。2004年に同じようなケガをして、大きな注射を打たれたことがあるんだけれど、あのときと同じ感じなんだ。ヒート2は休んだ方がいいと思ったし、もう火曜日に医者の予約を入れた。2日ぐらい休むかもしれないけれど、トルコGPまでには治したいと思う」