マービン・ムスキャンがMX2で初優勝

2009年4月5日(日)
決勝
開催地:セブリエボ
天候:晴れ
気温:26℃

モトクロス世界選手権、第2戦ブルガリアGPで、フランス出身のティーンエイジャー、マービン・ムスキャンがMX2クラスで初優勝を飾り、所属チームのNouvelle Generation Sport Hondaにとっても初の銀杯プレゼントとなった。ライバルのゴーティエ・ポーリン(カワサキ)、グザビエ・ブーグ(スズキ)を脇に従え表彰台の頂点に立ったムスキャンは、彼のHonda CRF250Rにもグランプリ初勝利をもたらした。

MX1クラスは、レースウイナーのジョナサン・バラガン(KTM)とケン・ド・ディッカー(スズキ)を抑えて、ジョシュア・コピンズ(ヤマハ)が総合優勝。ランキングではド・ディッカーがコピンズを1ポイントリードして首位に立った。今大会セブリエボにおけるHonda最上位は、LS Motors Hondaのクレメント・デサールの総合10位だった。

先週、イタリアGPを台無しにした大雨から打って変わって、セブリエボは青空に恵まれた。コースはきれいにならされており、幅広い高速コーナー、たくさんのジャンプやバンプ、険しいアップダウンなど、おなじみのセクションが用意されていた。それでもパッシングは難しく、スタート地点の選び方が重要だった。

MX2のヒート1、ポールポジションのムスキャンは、スタートから飛び出して後方集団を引き離した。途中の低速セクションで転倒を喫し、貯金を数秒使ってしまったが、それでもムスキャンは初のヒート優勝となるチェッカーを無事に受けた。この勝利は彼のフルシーズン2年目、GP出場17戦目にして初の快挙である。ヒート2ではスタートで少々遅れながらも3位まで追い上げたが、リアブレーキがコース脇のフェンスとの接触でトラブルを起こしたため、1、2位を捕らえることはできなかった。それでも両ヒート1位/3位の合計によって、ムスキャンは総合表彰台の中央に立った。

MX1クラスでは、コピンズが2位/2位で総合優勝し、Honda勢にはまたしても不運な一日となった。

イタリアGPでの初表彰台から1週間後、デサールは、10位/15位というリザルトを残した。ベルギー出身のデサールの順位は、CAS Honda Teamのビリー・マッケンジーより4つ上だった。スコットランド出身のマッケンジーは、ヒート1ですばらしいスタートを決めて、トップ3を追いかけていた。しかし、その後のエンジントラブルで後退し、ピットでレースを終えた。ヒート2では9位で完走し、トップ10入りを果たした。

Martin Racing Teamのケビン・ストリボスは、ヒート1の9位のみがカウントされ、総合15位だった。ベルギー出身のストリボスは、イタリアGP会場のファエンツァでヒザをひねり、1週間トレーニングもライディングもできなかった。安定したペースで走ろうとしたストリボスだが、上位のライダーを脅かすには至らなかった。ヒート2ではフィニッシュジャンプで転倒し、頭部を強打したためリタイアを喫した。

チームメートのマーク・ド・ルーバーは総合17位だった。オランダ人のド・ルーバーは、予選レースで下位に沈んでしまったため、スタートゲート順がかなり不利になった。ヒート1では12位より上には行けず、ヒート2ではスタミナ不足によりノーポイントに終わった。

CAS Honda Teamのセドリック・メルロットはヒート1で背中を痛めたため、途中でリタイアした。ベルギー人のメルロットは古傷を悪化させてしまったため、ヒート2の出走をキャンセルした。

MX1ランキングでは、デサール8位、ストリボス14位、ド・ルーバー15位。MX2ランキングでは、ムスキャンが首位ポーリンから4ポイント差の2位につけている。

ブルガリアGPではFIM女子世界選手権第1戦が併催され、アメリカチャンピオンのアシュリー・ファイオレックがCRF250Rを3位表彰台に押し上げた。

シリーズ第3戦は、来週イスタンブールに渡り、史上初のトルコGPが開催される。

コメント

マービン・ムスキャン(優勝/3位 総合優勝)

「ポールポジションを取って、イン側のスタート位置を選べたことがアドバンテージになったと思う。ヒート1ではうまくスタートできたし、転倒したのに初優勝できたから。あの転倒はピット過ぎのコーナーで、バイクがワダチから外れて放り出されてしまった。初優勝にはものすごく興奮したし、正直に言うとトップを走っていてもナーバスで仕方がなかった。ヒート2ではスタートがあまりうまくいかなくて、15位からばん回しなければならなかった。3位でゴールしたときは、気温やハイペースのせいでくたくただった。レース終盤、コースを大回りしたときにフェンスに後輪をぶつけてしまった。それ以降はリアブレーキが利かなくなったので、慎重に走った。総合優勝を目指してね」

ケビン・ストリボス(9位/31位 総合15位)

「グランプリのレーシングスピードを取り戻すため、いまだにもがいているところだ。ヒート1では自分なりにベストを尽くして、可能な限りのポイントを稼いだ。ヒート2にも同じ作戦で臨んだけれど、フィニッシュラインで激しく転倒して頭を打ってしまった。生まれて初めて目から星が出るのを見て、これはリタイアするしかないと思った。来週は少しでもいい結果が出せるようにがんばるよ」

マーク・ド・ルーバー(12位/26位 総合17位)

「とても辛い週末だった。予選レースで転倒したことで、決勝のゲート順が悪くなってしまい、それでも必死にばん回しようとしたんだ。でも何が問題なのかわからないけれど、身体が言うことを聞かなかった。医者に診てもらおうと思っている」

ビリー・マッケンジー(28位/9位 総合14位)

「昨日も今日もずっともがき苦しんでいた。このコースは前から好きじゃないし、成績がよかったことなんて皆無だ。自分のスタート失敗もあったし、バイクも不運に襲われた。ヒート1の序盤はかなり上のポジションを走っていたのに、パワーが落ちてきたので走り続けようかどうか迷った。でも、このコースには大きなジャンプがあったりして危険だから、クラッシュを避けるためにピットインした。問題はすぐに解決してヒート2に臨んだ。それはそれはすごいバトルで、みんなあちこちでラインを変えまくっていた。自分は何度かワダチを外すミスをしたけれど、そのうちになんとかリズムをつかむことができた。それほど速いペースじゃなかったけどね。手首や腕アガリの症状も軽かったし、肋骨もそれほど痛まなかった。でも本当はもっといいレースがしたくてたまらない。特にこんな暖かい日がうってつけだし、だから来週トルコへ移動したら、その目標に集中したい」

セドリック・メルロット(26位/DNS 総合32位)

「土曜日には背中がすごく硬直していたので、ストレッチングでほぐそうとしたけれど、日曜の朝になっても緊張は解けそうになかった。ヒート1の坂の下のコーナーでギャップに突き上げられたとき、椎間板がつぶれた感じがした。2004年に同じようなケガをして、大きな注射を打たれたことがあるんだけれど、あのときと同じ感じなんだ。ヒート2は休んだ方がいいと思ったし、もう火曜日に医者の予約を入れた。2日ぐらい休むかもしれないけれど、トルコGPまでには治したいと思う」

決勝リザルト

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
19K.ド・ディッカースズキ39:32.380-
26J.コピンズヤマハ39:34.034+0:01.654
35M.ナグルKTM39:35.514+0:03.134
47J.バラガンKTM39:37.047+0:04.667
519D.フィリッパーツヤマハ39:53.141+0:20.761
68T.レオクヤマハ39:56.809+0:24.429
9100ケビン・ストリボスHonda40:12.667+0:40.287
1025C.デサールHonda40:25.985+0:53.605
1214マーク・ド・ルーバーHonda40:43.359+1:10.979
2175K.ワウツHonda40:00.105+1Lap
2374I.スタインバーグスHonda40:13.035+1Lap
2610セドリック・メルロットHonda22:31.863+10Laps
2723F.ケンペリスHonda21:01.440+11Laps
28211ビリー・マッケンジーHonda17:19.408+12Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
17J.バラガンKTM39:49.118-
26J.コピンズヤマハ39:52.834+0:03.716
319D.フィリッパーツヤマハ39:53.790+0:04.672
4222A.カイローリヤマハ39:54.262+0:05.144
55M.ナグルKTM40:05.212+0:16.094
68T.レオクヤマハ40:24.070+0:34.952
9211ビリー・マッケンジーHonda40:49.516+1:00.398
1525C.デサールHonda41:34.727+1:45.609
2075K.ワウツHonda40:39.600+1Lap
2423F.ケンペリスHonda40:21.384+2Laps
2614マーク・ド・ルーバーHonda32:22.186+5Laps
3074I.スタインバーグスHonda6:07.388+18Laps
31100ケビン・ストリボスHonda3:51.217+19Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
125M.ムスキャン Honda40:17.207-
221G.ポーリンカワサキ40:22.370+0:05.163
33N.オービンヤマハ40:34.445+0:17.238
4121X.ブーグスズキ40:39.725+0:22.518
539D.ガルネリヤマハ40:44.246+0:27.039
6338Z.オズボーンヤマハ40:46.561+0:29.354
1064K.ボングサナHonda41:14.198+0:56.991
1147P.ルーレHonda41:15.388+0:58.181
1369W.エイビスHonda41:20.648+1:03.441
26335D.バーブルッゲンHonda40:50.537+1Lap
3917J.クレアモントHonda11:02.619+16Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1183S.フロサールカワサキ40:29.542-
221G.ポーリンカワサキ40:33.907+0:04.365
325M.ムスキャンHonda40:48.498+0:18.956
4121X.ブーグスズキ40:49.972+0:20.430
539D.ガルネリヤマハ40:56.569+0:27.027
65R.ゴンサルベスKTM40:58.746+0:29.204
1769W.エイビスHonda41:44.199+1:14.657
2164K.ボングサナHonda42:06.801+1:37.259
2217J.クレアモントHonda42:26.900+1:57.358
32335D.バーブルッゲンHonda34:39.679+4Laps
-47P.ルーレHonda42:09.093+5Laps

ポイントスタンディング

ライダー | MX1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1K.ド・ディッカースズキ60
2J.コピンズヤマハ59
3T.レオクヤマハ55
4J.バラガンKTM54
5M.ナグルKTM50
6D.フィリッパーツヤマハ48
8C.デサール Honda37
14ケビン・ストリボスHonda16
15マーク・ド・ルーバーHonda16
19ビリー・マッケンジーHonda12
22K.ワウツHonda6
27セドリック・メルロットHonda1
29I.スタインバーグスHonda0
31F.ケンペリスHonda0
35A.ティベッドゥHonda0

マニュファクチャラー | MX1

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1ヤマハ69
2スズキ61
3KTM59
4Honda44
5カワサキ29
6TM23
7アプリリア21
8CCM15
9ハスクバーナ0

ライダー | MX2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 G.ポーリンカワサキ69
2M.ムスキャンHonda65
3D.ガルネリヤマハ50
4N.オービンヤマハ47
5X.ブーグスズキ45
6S.シンプソンKTM37
17W.エイビスHonda12
18K.ボングサナHonda11
21P.ルーレHonda10
35J.クレアモントHonda0
38D.バーブルッゲンHonda0

マニュファクチャラー | MX2

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1カワサキ72
2Honda65
3ヤマハ54
4KTM51
5スズキ49
6TM0