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リザルト ポイント
第9戦 スウェーデン 第9戦 スウェーデンview

マッケンジーが総合5位

2008年7月6日(日)
決勝
開催地:ウッデバラ
天気:曇り時々雨
気温:19℃
観客:2万5000人

2008年モトクロス世界選手権第9戦が7月6日にスウェーデンのウッデバラで行われ、CRF450Rを駆るビリー・マッケンジー(CAS Honda)、スティーブ・ボニファス(CAS Honda)、ジュリアン・ビル(Martin Honda)の3人がいずれも総合順位でトップ10に入った。

ウッデバラのコースはシリーズの大半のサーキットより小さいが、難易度の高いテクニカル・コースだ。通常は堅い路面だが、レース時にはトラックで運んできた砂が撒かれていたため、例年よりワダチやバンプが多かった。レースが進むにつれてレーシングラインから砂が消えてスリックスポットが現れ、ライダーにとってはかえって走りにくくなっていた。特に日曜日に雨が降ったときは難しい状況だった。

土曜日に行われた計時予選のときには天候はパーフェクトだった。Honda勢でトップだったのはマッケンジー。マッケンジーは3週間前に行われたフランスGPの計時予選中にクラッシュし、左肩の骨にクラックを入れた。負傷がまだ完治していなかったため、マッケンジーは最低周回数しか走行しなかったが、10位で予選を終えた。

マルク・ド・ルーバー(Martin Honda)、ボニファス、ビルも予選11位から13位に入った。この3人とマッケンジーのタイム差は1秒以下だった。

決勝当日は曇りで時折り雨が降った。難しいコースはさらに難しくなり、よいスタートを切ることの重要性が高まっていた。

レース1で抜群のスタートを切ったのはボニファスとマッケンジー。ド・ルーバーとビルもトップ10につけていた。

トップを走行していたマッケンジーは、転倒した際にジョナサン・バラガン(KTM)に抜かれた。その後、追い上げようとしたマッケンジーだったが、ゴーグルの捨てシールドが取れなくなるというアクシデントで視界不良に陥り、数人に抜かれ、ゴーグルを捨ててレースを続行した。

ド・ルーバーは3周目に転倒して順位を落としたが、そこからすばらしい追い上げを見せた。オーバーテイクが難しいと言われているこのコースで13周目に3位だったド・ルーバーは、ボニファスを抜いて2位に上がり、そのままの順位でチェッカーフラッグを受けた。

バラガンに抜かれて2位に落ち、ド・ルーバーにも抜かれたボニファスは、その後、リズムを崩して6位でフィニッシュ。マッケンジーは7位に入っている。ビルはケン・ド・ディッカー(スズキ)やセバスチャン・ポールセル(カワサキ)、タネル・レオク(カワサキ)と接戦を繰り広げた末、10位に入った。

レース2でもマッケンジーは好スタートを切り、トップを走行するマックス・ナグル(KTM)の後ろにつけた。負傷のため、このレースに向けて十分なトレーニングすることのできなかったマッケンジーは、順位を少しずつ落として6位でフィニッシュした。優勝したのはスタートから飛び出したナグルだった。

ビルはレース2を7位で終え、ボニファスは11位に入った。レース1で健闘したド・ルーバーは、レース2では他者の転倒に巻き込まれ、ステアリングにダメージを受けた。少しでもポイントを獲得しようと走行を続けたド・ルーバーだったが、さらにクラッシュしたため、途中でリタイアした。

総合順位でHonda勢トップだったのは5位に入ったマッケンジー。ビルとボニファスはポイントでは同点だったが、レース2の順位に基づいて8位と9位に入った。レース2でリタイアしたド・ルーバーも総合12位に入った。

第9戦を終え、ポイントトップはフィリッパーツ(302ポイント)。マッケンジー(205ポイント)は9位、ド・ルーバー(178ポイント)が10位、ビル(131ポイント)が13位につけている。

第10戦は7月20日に南アフリカのネルスプロイトで行われる。

コメント

ビリー・マッケンジー(7位/6位 総合5位) 「今週末、肩はそれほど問題ではなかった。それより週末に入ってから胃が痛かった。レース1ではよいスタートが切れた。スティーブ(ボニファス)と僕がトップに立った。軽く転倒した際に何台かに抜かれたけれど、それでも楽に走っていた。ゴーグルの捨てシールドが取れなくなっていたので、ゴーグル自体を捨てなくてはならなかった。レース2に入る前、少し疲れていたけれど、レース2でも好スタートが切れた。ナグルの後ろにつけていたときには、ミスをしてはいけないと慎重になりすぎた。終盤、ミスしてコピンズ(ヤマハ)に抜かれてしまったのが残念だ。総合5位というのは悪くない。肩を痛めて以来、少しずつ調子が戻ってきているので、次はさらに上を目指したい」

ジュリアン・ビル(10位/7位 総合8位) 「僕はこのコースが苦手で、今週末はずっと苦労した。ベストなラインを探せなかったんだ。レース1ではスタートに失敗し、リズムに乗れなかったので10位でも満足した。レース2ではスタートを決めることに集中していた。よいスタートも切れ、トップグループについていくこともできた。リズムに乗れていたし、体力的にも問題はなかったので最後までプッシュすることができた。僕はウッデバラを得意としていないから、総合8位というのは満足のいく成績だ」

スティーブ・ボニファス(6位/11位 総合9位) 「レース1ではホールショットを決めることができ、そのままトップを走った。25分を過ぎたところで、ペースを落としてしまったから、みんなに追いつかれた。追いつかれていると知ってあせったため、リズムが崩れてミスした。勝てるレースだったので、6位は残念だ。もっと攻めればよかったと思う。レース2ではスタートがあまりよくなかった。隣にいたライダーと絡んでしまったけれど、1コーナーを立ち上がったときには7位ぐらいだった。でも、砂に乗って転倒したあとは、疲れが出て11位に終わってしまった。先週末の結果よりよかったけれど、さらに改善していかなくてはいけない。このあとテストがあるので、マシンのセッティングをさらに煮詰めていきたい」

マルク・ド・ルーバー(2位/DNF 総合12位) 「今日は総合3位までに入れると思っていた。コースは難しかったけれど、僕のライディングがすごくよかったんだ。レース1では好スタートを切れたが、3周目に軽く転倒していくつか順位を落とした。それでもラモン(スズキ)やド・ディッカー、ボニファスを楽に抜くことができた。2位に上がった時点でトップのバラガンとの差が大きかったので2位キープに専念した。レース2でもスタートは悪くなかったけれど、目の前で1人のライダーが転倒したため、僕も避けきれずに転倒してしまった。ハンドルバーが曲がっていたし、再スタートを切ったときには周回遅れになっていたのでリタイアすることにした。レース2でもよいライディングができていたけれど運がなかった。現在のランキング10位だが、今後レースが行われるサーキットは僕が得意とするコースなので、ランキングを上げていきたい」

決勝リザルト

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
17J.バラガンKTM39:23.245-
214マルク・ド・ルーバーHonda39:28.476+0:05.231
311S.ラモンスズキ39:30.618+0:07.373
419D.フィリッパーツヤマハ39:32.934+0:09.689
525C.ドゥサールスズキ39:39.907+0:16.662
6141スティーブ・ボニファスHonda39:45.414+0:22.169
7211ビリー・マッケンジーHonda39:51.331+0:28.086
1015ジュリアン・ビルHonda39:59.262+0:36.017
3094J.ボーディンHonda4:14.876+19Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
112M.ナグルKTM40:23.192-
27J.バラガンKTM40:39.985+0:16.793
311S.ラモンスズキ40:49.282+0:26.090
419D.フィリッパーツヤマハ40:57.599+0:34.407
56J.コピンズヤマハ41:01.256+0:38.064
6211ビリー・マッケンジーHonda41:04.088+0:40.896
715ジュリアン・ビルHonda41:15.963+0:52.771
11141スティーブ・ボニファスHonda41:44.192+1:21.000
2814マルク・ド・ルーバーHonda13:28.057+16Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
14T.ラトレーKTM39:20.658-
2222A.カイローリヤマハ39:28.752+0:08.094
324S.シンプソンKTM39:30.530+0:09.872
4183S.フロサールカワサキ39:35.074+0:14.416
5131N.オービンヤマハ39:42.702+0:22.044
62T.サールKTM39:44.672+0:24.014
88M.セイストラHonda40:21.446+1:00.788
1425Ma.マスクイムHonda40:47.842+1:27.184
2769W.エイビスHonda27:00.132+10Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリヤマハ39:11.405-
224S.シンプソンKTM39:14.162+0:02.757
34T.ラトレーKTM39:15.385+0:03.980
42T.サールKTM39:18.485+0:07.080
581J.タルーKTM39:51.424+0:40.019
610R.ゴンサルベスKTM39:52.190+0:40.785
825Ma.マスクイムHonda40:09.354+0:57.949
969W.エイビスHonda40:10.912+0:59.507
138M.セイストラHonda40:34.230+1:22.825
2691 M.カロHonda30:23.891+6Laps
3018D.ディルクスHonda6:32.713+18Laps

ポイントスタンディング

ライダー:MX1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1D.フィリッパーツヤマハ302
2S.ラモンスズキ290
3J.コピンズヤマハ286
4K.ド・ディッカースズキ266
5S.ポールセルカワサキ241
6J.バラガンKTM239
9ビリー・マッケンジーHonda205
10マルク・ド・ルーバーHonda178
13ジュリアン・ビルHonda131
15マイク・ブラウンHonda107
20スティーブ・ボニファスHonda47
38P.ゴンサルベスHonda4
39J.ローズHonda3
50J.ボーディンHonda0

マニュファクチャラー:MX1

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 ヤマハ 355
2 スズキ 340
3 KTM 319
4 カワサキ 315
5 Honda 284
6 TM 31
7 アプリリア 5

ライダー:MX2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1T.ラトレーKTM371
2A.カイローリヤマハ357
3T.サールKTM348
4S.シンプソンKTM251
5R.ゴンサルベスKTM227
6N.オービンヤマハ205
13Ma.マスクイムHonda146
20W.エイビスHonda56
24M.セイストラHonda37
32A.ペレグリーニHonda15
44N.ブラッドショウHonda2
48Mi.マスクイムHonda1
52R.ニイェガードHonda0
53D.ディルクスHonda0
55M.カロHonda0

マニュファクチャラー:MX2

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM419
2ヤマハ413
3カワサキ280
4スズキ230
5Honda179

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