'06年FIMモトクロス世界選手権第10戦が7月16日に南アフリカのサンシティーで行われた。
ジョシュア・コピンズ選手(CAS Honda)は、サンシティーで行われた南アGPで過去2年間表彰台に上がっており、しかも昨年は優勝している。今年はシーズン開幕直前に負傷したため、まだ3戦しか出場していないコピンズ選手だが、今回も両ヒートでステファン・エバーツ選手(ヤマハ)に続いて2位となり、総合2位に入って表彰台に上がった。
今年もサンシティーの運営体制は抜群だった。ヨハネスブルグから180kmのところにあるリゾート地、サンシティーは標高1500mのところにある。サンシティーでモトクロス・グランプリが開催されるのはこれで3年目だが、来年から南アGPの開催地はダーバンに移る。
粘土質の路面は、土の混合と排水が改良されたことにより以前よりもはるかに柔らかくなっていた。これによって場所によっては何本ものラインができていたのである。
南半球にあるため現在真冬のサンシティーで、2万5300人の観客は冬の陽光を楽しんでいた。コースには滑りやすい部分もあり、さらにライダーたちは午後の強い日差しとも戦わなくてはいけなかった。
レース1でCRF450Rに乗るコピンズ選手はホールショットを決め、1周トップを走行した。しかし、すぐにエバーツ選手に抜かれ、6-7秒の差が生じた。それでもコピンズ選手は、3番手のスティーブ・ラモン選手(スズキ)との差を保ってゴールすることができたのだった。
レース2でもエバーツ選手が独走したが、今回もコピンズ選手は終盤猛然と追い上げてきたラモン選手を抑え切って2位に入った。
コピンズ選手のチームメイト、ケン・ド・ディッカー選手(CAS Honda)はレース1でスタートに失敗。スタート直後は10番手前後だったが、その後追い上げ、一時は4番手につけていた。しかし、後方から追い上げるのにパワーを使いすぎてしまったド・ディッカー選手は終盤タネル・レオク選手(カワサキ)に抜かれて5位に終わった。
ド・ディッカー選手はレース2でもスタートに失敗し、20番手から必死で追い上げ、7位に入った。その結果、ド・ディッカー選手総合5位になった。
Martin Hondaのフランシスコ・ガルシア・ビコ選手にとってサンシティーは初めてのコースだった。過去2年間負傷のため南アGPに出場できなかったからである。今回、トップテン入りを狙っていたビコ選手は、レース1で8位につけていたが、最終ラップにバックマーカーを避けようとして転倒し、頭を強打した。右腕も強打していたビコ選手は、レース2には出場せず、病院へ検査を受けに行くことになった。
もうひとりのMartin Hondaのライダー、ブライアン・ヨルゲンセン選手は、依然として背中の痛みがひどいため、南アまでの長距離移動に耐えられないことから欠場となった。
Wulfsport Hondaのゴードン・クロッカード選手は、予選で過去3年来最高位の8番手となったが、本番ではそのスピードを示すことができなかった。レース1で15位、レース2で11位に入ったクロッカード選手は、総合では13位となっている。
Multitek Hondaのパスカル・ルーレ選手は、足の負傷がようやく治り普通に走れるようになっていた。ルーレ選手は7位と8位に入り、総合7位となった。
10戦を終えてランキング首位はエバーツ選手(492ポイント)。Honda勢トップは5位のド・ディッカー選手(322ポイント)。ルーレ選手(186ポイント)が7位に、ビコ選手(172ポイント)が9位につけている。コピンズ選手はまだ3戦しか出場していないが、現在ランキング16位だ。
第11戦は2週間後の7月30日チェコのロケット・サーキットで行われる。
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