'06年FIMモトクロス世界選手権第9戦が7月2日にスウェーデンのウッデバラで行われた。
ブルガリア、イタリア、イギリスで行われたハードな3連戦のあと1週間の休みを取り、パドックの面々はスウェーデンのウッデバラで再会した。ウッデバラはイエテボリの北100kmのところにあるモトクロス・コースだ。
コースレイアウトは昨年から大幅に変更された。テクニカル・セクションやジャンプが増えたほか、去年とは逆回りになっている。ウッデバラで行われる大会は人気が高く、毎年大勢の観客が集まるが、今年も好天気となった日曜日には1万9000人のファンが集まった。
2週間前のイギリスGPで、復帰第1戦を3位で飾ったジョシュア・コピンズ選手(CAS Honda)は、さらに体調が良くなっていた。イギリスGPと今回のスウェーデンGPの間の週末には、北アイルランドで行われた英国選手権のレースに出場して両ヒートで優勝している。
今回の大会のレース1で、コピンズ選手は、優勝したステファン・エバーツ選手(ヤマハ)、2位のジョナサン・バラガン選手(KTM)に続いて3位に入った。レース1がコピンズ選手にとってはシンプルなレースであったのに対して、レース2はゴードン・クロッカード選手(Wulfsport Honda)との一騎打ちとなった。
クロッカード選手と接触してコースアウトしたコピンズ選手は5位に終わったが、それでも総合3位に入って表彰台に上がった。過去2年間ウッデバラで表彰台に上がっているコピンズ選手にとっては、3年連続の表彰台となった。
レース1で7位、レース2で4位に入ったクロッカード選手は総合で5位と、過去3シーズンにおいて最高の結果を残した。これはグランプリ参戦2年目のアイルランドのチームであるWulfsportにとっても過去最高の結果だ。コピンズ選手とのドッグファイトは、レース2の最大のハイライトとなった。
Martin Hondaのフランシスコ・ガルシア・ビコ選手はレース1で9位、レース2で7位に入って総合6位となった。過去2年間、負傷のため、ほとんど満足にシーズンを戦えなかったビコ選手だが、今年はどんどん調子を上げてきている。
ビコ選手のチームメイト、ブライアン・ヨルゲンセン選手は今回も苦戦していた。デンマーク人のヨルゲンセン選手にとってスウェーデンGPは第2のホームGPにあたる。しかし、2週間前のイギリスGPでは背中と腰に強烈な痛みを感じて途中棄権。今回もまだ尾骨に激痛が残っていたため、最初のプラクティスを走行してから出場するかどうかを決めることにしていた。セッションごとに慎重に駒を進めていったヨルゲンセン選手は、12位と19位に入り、総合14位となった。
コピンズ選手のチームメイト、ケン・ド・ディッカー選手は痛む手をだましながら走行を続け、8位と9位に入って総合7位となった。
今回も両レースを制したのはステファン・エバーツ選手(ヤマハ)だった。9戦を終えた段階で、エバーツ選手(442ポイント)がランキング2位のストリボス選手(スズキ、328ポイント)、3位のタネル・レオク選手(カワサキ、294ポイント)を大きく引き離している。Honda勢トップは5位のド・ディッカー選手(292ポイント)。ビコ選手(165ポイント)は7位につけている。
第10戦は2週間後の7月16日に、南アメリカのサンシティで行われる。サンシティでグランプリが行われるのは3年目となるが、2007年には開催地がダーバンに移る。
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