'06年FIMモトクロス世界選手権の第3戦は、ポルトガルのポルトから南に100km下ったところにあるアグエダ・サーキットで行われた。
CAS Hondaのケン・ド・ディッカー選手は、ヒート1で3位、ヒート2で5位に入り、総合4位となった。
金曜日の夜に雨が降ったため、土曜日のプラクティス・プログラムは短縮された。土曜日も雨の予報だったので、コースが荒れるのを防ぐため、MX1とMX2クラスの最初のフリープラクティスは中止されたのである。ところが、その後天候はどんどん回復し、土曜日の午後、雨に見舞われることもなかった。決勝日の日曜日は春の晴天に恵まれた。
当初濡れていたトラックもどんどん乾いていき、荒れて、スピードの出る状況に変化していった。さらにアグエダ・サーキット特有の傾斜部分も加わって、高速で、追い越しの難しいコースとなったのである。
開幕戦のフランダースGPで総合6位、第2戦のスペインGPで総合5位に入ったド・ディッカー選手は、土曜日に行われた予選では6位に入った。
ヒート1でド・ディッカー選手は、トップ争いを繰り広げるステファン・エバーツ選手(ヤマハ)とセバスチャン・トーテリ選手(KTM)の後方でスティーブ・ラモン選手(スズキ)と3位争いを展開していたが、途中でラモン選手が転倒。その後、ド・ディッカー選手は単独3位を走行して表彰台に上がった。ド・ディッカー選手にとっては初の表彰台となったのである。
ヒート2でド・ディッカー選手は途中で腕が上がってきてしまったこともあり5位に終わった。しかし、総合4位という結果は、CAS Hondaにとって非常に勇気づけられるものだった。CAS Hondaのもうひとりのライダー、ジョシュア・コピンズ選手が開幕戦の直前に肩を脱臼し、欠場しているからである。
昨年病気のため欠場の続いたフランシスコ・ガルシア・ビコ選手(Martin Honda)は、今年になって復帰したが、まだ完全に調子を取り戻してはいない。両ヒートで11位に終わったビコ選手は、スペイン人モトクロスライダーとしては唯一グランプリで優勝経験のあるライダーだ。ちなみにビコ選手が優勝したのは'02年にモスクワで行われたグランプリだった。
ビコ選手のチームメイト、ブライアン・ヨルゲンセン選手は、12カ月前にこのコースで転倒して、脳震盪を起こした。今回もヒート2の時に第2コーナーで、目の前で転倒したセドリック・メロッテ選手(ヤマハ)を避けようとして転倒。それでも再スタートを切って20位に入った。ちなみにヨルゲンセン選手はヒート1では14位に入っている。
ゴードン・クロッカード選手(Wulfsport Honda)は開幕戦ではメカニカル・トラブルに見舞われて予選に出場することができず、第2戦では飛んできた岩が唇に当たってノーポイントに終わった。'01年にモトクロス250cc世界選手権でランキング3位に入ったクロッカード選手は、今回はスタートが悪かったため12位と14位に終わったが、それでも総合11位となって今季初のポイントを獲得している。
ジェームス・ノーブル選手(RWJ)はヒート1では8位と健闘したが、ヒート2では転倒してノーポイントに終わった。
3戦を終えてランキングトップはエバーツ選手(142ポイント)。ド・ディッカー選手は97ポイントで6位につけている。
次戦は5月7日にドイツのトイチェンタールで行われる。
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