2005年モトクロス世界選手権の第13戦チェコGPが、8月7日にプラハの西100kmにあるロケットで行われた。過去2戦でダブル・ウインを達成しているジョシュア・コピンズ選手(CAS Honda Racing)は、ケビン・ストリボス選手(スズキ)、ステファン・エバーツ選手(ヤマハ)に続いて、総合3位に入った。
1万9000人の観客を集めたロケットでは、曇り空で時折豪雨となり、気温も11℃と肌寒い天候になった。しかし、コースは地が硬く、スリッピーだがスピードの出る状態で、オーバーテイクできる箇所も数箇所あった。
土曜日の公式予選ではミカエル・ピション選手(Tiscali Honda Martin)が今季10回目のポールポジションを獲得。午後に行われた記者会見でピション選手は、今季残りの全大会に出場し、さらにもう1年レースを続けることを考えていると発言した。2006年には、MX2クラスへスイッチすることも匂わせていたのである。
ヒート1でピション選手は、ホールショットを決めたブライアン・ヨルゲンセン選手(ヤマハ)を抜いたのち、トップを走行していたエバーツ選手に迫っていた。しかし、ラスト2周でアタックを仕掛けようとして失敗し、2位でレースを終えたのだった。スタートで失敗したコピンズ選手は、終盤追い上げて3位に入った。
ヒート2は大混乱となった。1周目の1コーナーでピション選手、スティーブ・ラモン選手(KTM)、エバーツ選手、パスカル・ルーレ選手(Honda)などが転倒。その中で、エバーツ選手は猛然と追い上げて4位に入ったが、ピション選手はマシンがラモン選手のマシンとからまってしまったため、大きく後退した。レースを3分の2を終えた段階で14位だったピション選手だが、スロットル・ケーブルが破損したため、途中でリタイアした。
混乱に巻き込まれなかったコピンズ選手は、ストリボス選手を抜いてしばらくトップを走行したが、後半ゴーグルが不調となり、ラインが良く見えなくなって抜き返されてしまった。
ヒート2で2位に入ったコピンズ選手は、総合優勝したストリボス選手、総合2位のエバーツ選手に続いて総合3位となった。
Sarholz Hondaのケン・ドディッカー選手は、6位と5位に入って、今季最高の総合5位に入った。マーク・ハックルブリッジ選手(Innovate Honda)は、10位と8位で総合8位となっている。
ルーレ選手は、ヒート1では一時4位を走行していたが7位となり、ヒート2では1コーナーでの混乱に巻き込まれたものの11位に入って総合9位となった。RWJ Hondaのジェームス・ノーブル選手は、ヒート1では転倒してリタイアしたが、ヒート2ではハックルブリッジ選手に続いて9位に入った。
CAS Honda Racingのジュシ・フェビライネン選手は、今回も首の負傷のため欠場した。
13戦を終えた段階で、状況はコピンズ選手にとって若干厳しいものとなっている。残りは4戦なので、コピンズ選手の逆転チャンピオンは不可能ではないが、現時点でエバーツ選手539ポイント、コピンズ選手500ポイントと、その差は39ポイントとなっている。ランキング3位はベン・タウンリー選手(KTM)で、ピション選手はランキング4位のジョエル・スメッツ選手(スズキ)に続いて同5位につけている。
次戦は8月21日に、ドイツのガイルドルフで行われる。
|