2005年モトクロス世界選手権の第5戦ヨーロッパGPが5月15日にドイツのトイチェンタールで行われた。ミカエル・ピション選手(Tiscali Honda Martin)は両ヒートで優勝。Honda勢にとって今季初のダブルウインを達成した。
ドイツ東部のヘイル近郊にあるトイチェンタールでは、土曜日に弱い雨が降ったが、レース当日は曇りとなった。しかし、前日の雨が残っていたため、コースはべたべたとした荒れた路面となった。レーシングラインはスピードが出るものだったが、狭く、追い越しは非常に難しい状況だった。ちょっとしたミスも許されなかったのである。
土曜日の予選で、ピション選手は15戦連続のポールポジションを獲得した。これでピション選手は一年間ずっと予選を制してきたことになる。ゴーグルのティアオフに問題があったにもかかわらず、ピション選手は予選2位になったベン・タウンリー選手(KTM)に0.004秒差でポールポジションを獲得したのだった。
肌寒い天候の中、決勝レース当日に集まった2万4000人の観衆はピション選手が両ヒートでホールショットを奪い、そのままチェッカーフラッグを受けるまで独走する姿を見届けた。
ポイントとなったのはスタートゲートからのジャンプだが、Honda CRF450Rに乗るピション選手は2回ともこのジャンプに成功した。ヒート2ではステファン・エバーツ選手(ヤマハ)だけがピション選手についていくことができた。エバーツ選手はヒート1では転倒し、11位に終わっている。
CAS Honda Racingのジョシュア・コピンズ選手は、ヒート1ではタウンリー選手とし烈な3位争いを繰り広げた。しかし、エンジンをストールさせてしまった隙にタウンリー選手に抜かれて4位に終わった。ヒート2でコピンズ選手は1周目にジョエル・スメッツ選手(スズキ)とバトルを繰り広げたが、その後は孤独の走行を続け、KTMのスティーブ・ラモン選手に続いて4位となった。
RWJのジェームス・ノーブル選手は1ヒート目5位、2ヒート目9位と健闘した。ピション選手のチームメイト、ハビエル・ガルシア・ビコ選手は相変わらず首の炎症に悩まされ、今回も欠場した。CAS Honda Racingのジュシ・フェビライネン選手は先週ナミュールでくるぶしの靭帯を痛めたため、今回欠場となった。ビコ選手とフェビライネン選手は6月5日のイギリスGPでの復帰を目指している。
第5戦を終えて、ピション選手は依然としてランキング2位だが、ポイントトップのエバーツ選手との差をそれまでの27ポイントから9ポイントに縮めた。今回総合2位のコピンズ選手は、3位のスメッツ選手と同点の4位につけた。
次戦は5月29日にスポーツランドSUGOで行われる。日本でモトクロスGPが開催されるのは、1995年以来、10年ぶりのことだ。
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