2005年モトクロス世界選手権の第3戦が、4月24日にポルトガルのアジェンダで開催された。前戦スペインGPのヒート1で優勝したミカエル・ピション(Tiscali Honda Martin)は、今回ヒート2では優勝したが、ヒート1ではキャブレーション・トラブルのためリタイアした。
今回の大会は、一日中天候不順に見舞われた。夜間に雨が降ったため、路面は当初マディで轍のできやすい状態だったが、その後、午後になって太陽が顔を出すと、テクニカルでバンピーな路面へと変わっていった。集まった12,000人の観客は、突発的に降ってくる山間部特有の雨のため、傘を手放せない状況にあった。とはいうものの、レースの大半は、寒くはあるがドライのコンディションのもとで行われたのである。
土曜日に行われた予選でポールポジションを獲得したのはピション。なんと連続13回目のポールポジション獲得だ。しかし、Honda CRF450Rに乗るピションは、ヒート1でスタートに失敗。その後、5位まで追い上げたが、レースを約2/3終えた時点でスローダウンしてリタイアした。
路面状況がオーバーテイクを難しくしていたため、スタートはいつもより重要だった。CAS Honda Racingのジュシ・フェビライネンは、トップに立ったステファン・エバーツ(ヤマハ)に続いて2番手につけていたが、スリップした隙にルイジ・セギー(ヤマハ)に抜かれた。それでもフェビライネンは3位に入り、MX1クラスに上がって初めて表彰台に立ったのである。
チームメイトのジョシュア・コピンスのスタートは普通だったため、1周目を終えた時点では12位だった。その後、コピンスは今季初めてといってよいほど良い走りを見せ、4位にまで順位を上げた。ラスト2周はチームメイトのフェビライネンを追い上げていたのだ。5位にもHondaに乗るパスカル・ルーレが入り、MX1における自身最高位をマークした。
ヒート2では、ピションが並々ならぬ意欲と集中力を見せた。エバーツがスリップした時にトップに立ったピションは、レースをコントロールし、圧勝した。現在28歳のピションは、ヒート1でリタイアしたものの、ヒート2の優勝で総合6位に入っている。
コピンスもスタート直後から集中力を切らすことなく健闘し、ピションに続いて2位に入った。その結果、総合順位でも2位と今季初めて3位以内に入ったのである。フェビライネンはヒート2では10位に終わったものの、総合順位ではKTMのスティーブ・ラモンに1ポイント差で表彰台に上がることができた。
ピションのチームメイト、ハビエル・ガルシア・ビコは、前回に引き続き今回も体調不良で、両ヒート共、途中でリタイアした。
現在ランキングではエバーツがトップで125ポイント、2位がピションで109ポイント、3位はコピンスで101ポイントとなっている。
第4戦は5月8日にベルギーのナミュールで行われる。
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