全17戦で競われる2005年モトクロス世界選手権の開幕戦が、4月3日にベルギーのゾルダーで「フランダースGP」として開催された。2004年にMX1でランキング2位に入ったミカエル・ピション(Martin
Honda)は、今レースMX1の両ヒートで2位に入り、表彰台に上がった。
ベルギーの中心部にあるゾルダーに設けられた常設のモータースポーツ施設には、好天の中、2万人(週末通算)のファンが集まった。この施設は、70年代のF1サーキットのアスファルトの上に、人工のモトクロス・コースが設けられたものである。
土曜日の午後に行われた予選セッションでピションが転倒。ポール・タイムをマークした直後、スタートの練習を行っていた時にコースアウト、転倒して左ひざを痛めたのだった。当初、ひざの感覚がなかったため、2年前にドイツで傷めたひざの靭帯を、再び痛めてしまったのではないかと心配した。しかし、幸いなことに検査の結果、重大な損傷は発見されず、ピションはチームドクターからマッサージを受けたあと、自力で歩けるようになった。
一方、ピションのチームメイト、ハビエル・ガルシア・ビコはついていなかった。ウイルス性胃炎になってしまい、タイムド・プラクティスを欠場することになってしまった。土曜日の午後にはベルギーをあとにして、母国スペインに帰国。ビコは2週間後にスペインで行われる次戦で、Hondaデビューを飾る。
決勝レースでミスせずスタートを切ったピションは、両ヒート共、ゲート直後のジャンプでトップ5につけた。第1ヒートでピションはトップを快走していたが、サスペンションのセットアップが完璧ではなかったため、腕あがりを起こしてしまった。その間に、背後から迫ってきたステファン・エバーツ(ヤマハ)に抜かれ、2位となったのだった。
第2ヒートに向けて、ピションのマシンは若干セッティングを変えられた。しかし、今回はスズキのジョエル・スメッツが序盤から飛ばした。ピションは一時はスメッツとの差を2秒にまで詰めたが、抜くまでには至らなかった。また、エバーツはKTMのジョナサン・バラガンを抑えて、3位に入り、総合ポイントでもピションより1ポイント多い45ポイントを獲得した。
MX1英国選手権で大活躍するCAS Hondaのジョシュア・コピンスとジュシ・フェビライネンにとって、今レースはあまりついていなかった。コピンスは先日脱臼した肩の調子が悪く、しかも今週末は病気になってしまい、1年前のように表彰台に上がることはできなかった。第1ヒートで6位に入ったコピンスは、路面が荒れてきた第2ヒートでは11位に終わり、総合7位となった。
フェビライネンは、第1ヒートで他のライダーとぶつかってしまい、左手の指を骨折した。それでも第2ヒートに出場したフェビライネンは、14位に入ったのだった。
ドイツのHonda Sarholz Racing Teamから出場しているケン・ドディッカーは、両ヒートで常にリーダーボードの上半分に登場し、4位と9位に入って総合5位となった。また、ポール・クーパー(Multitek
Honda)とジェームス・ノーブル(RWJ Honda)もトップ10入りした。
第2戦は4月17日にスペインのベルプーチで行われる。
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