決勝日:9月26日(日) 開催地:サンシティ 観客数:週末通算2万1200人 天候:快晴 気温:30℃
2004年度モトクロス世界選手権もいよいよ最終戦を迎えた。第16戦は南アフリカのサンシティで9月26日に行われ、Tiscali Hondaのミカエル・ピションがヒート1で優勝し、ヒート2でも2位に入って総合優勝を飾った。
今回南アフリカGPが行われたのは"ロスト・パレス(失われた宮殿)"というゴルフ&カジノ・リゾート。ラスベガスに匹敵するこの地は、超高級ホテルが立ち並び、豪華で人工的な雰囲気をかもし出している。天気は快晴だったが、土曜日は強風に見舞われ、日曜日は強い日差しのもと、気温は30℃まで上がった。
グランドスタンドに取り囲まれたスーパークロス・スタイルのコースは、滑りやすいもので、ライダーにとっては過酷だったが、ピションが得意とするコースでもあった。35分+2周で競われたヒート1のレースで、ピションはゲートが倒れると同時に飛び出し、そのまま2位に入ったステファン・エバーツ(ヤマハ)に約10秒差をつけて優勝。3位にはCAS Honda Racingのジョシュア・コピンズが入った。
ヒート2はヒート1よりはるかに面白い内容となったが、同時に驚くようなシーンもあった。オープニングラップの3コーナーでピションがエバーツを抜こうとして接触、エバーツは転倒した。激怒したエバーツはコースサイドを歩いて、近接したコーナーでピションにゴーグルを投げつけた。その後、エバーツはマシンを起こすとゆっくりと走行を始め、レースを続けているライダーたちが戻ってくるのを待った。この時点でピションは3位につけていた。
その後、エバーツはピションのラインをブロック。その後ろにつけていたコピンズは転倒しそうになった。だが、エバーツは結局リタイアし、ピションは3周目にトップに浮上。しかし、ピションは7周目にサンド・セクションで派手に転倒を喫し、一時は6位にまで順位を落とした。その間に、2位につけていたコピンズがトップに立ち、そのままの順位をキープして優勝した。ピションはヒート2で2位に入れば総合優勝を決められるということを知っていたので、残り6周で4つ順位を上げて2位に入ったのだった。
エバーツは早々にサーキットをあとにした。ピションは確かに自分の走りはアグレッシブではあったが、アンフェアなものではなかったと語った。今後、エバーツは今回の行為に関してFIMの規律委員会から何らかの注意を受ける可能性もある。
ヒート1ではちょっとした転倒により11位に終わった熱田孝高は、ヒート2ではホールショットを決めた。その後も6位以下に落ちることなく快走し、ヒート2を5位(総合6位)で終えた。CAS Honda Racingのゴードン・クロッカードは、翌週行われるモトクロス・デ・ナシオンの練習のために南アフリカGPには出場しなかった。またピションのチームメイトのブライアン・ヨルゲンセンは依然として膝の具合が良くなかったため欠場となった。
最終戦を終えて、Hondaはトップ10に、ミカエル・ピション(2位)、ジョシュア・コピンズ(3位)、ブライアン・ヨルゲンセン(8位)、ケン・ドディッカー(9位)、熱田孝高(10位)と5人のライダーが入った。Hondaライダーが優勝したのは16戦中8戦で、毎戦ポディアムにHondaライダーが上がった。
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