決勝日:8月8日(日) 開催地:ワロン 観客数:週末通算2万3000人 天候:快晴 気温:28℃
モトクロス世界選手権第13戦ワロンGPは、8月8日にベルギーのナミュールで行われた。Tiscali Hondaのミカエル・ピションは、ヒート1では4位に終わったが、ヒート2で優勝を飾った。CAS Honda Racingのジョシュア・コピンズは、両ヒートで2位に入っている。
快晴で気温も高くなった状況で行われたヒート1では、1周目の第3コーナーで早くもドラマが起こった。タイトな左コーナーで、Tiscali Hondaのブライアン・ヨルゲンセンがチームメイトのピションと接触して転倒。幸い他車に轢かれなかったが、ヨルゲンセンは大腿部を痛め、CRF450もダメージを受けた。だが、すぐにヒート2には出場できることが確認された。
ステファン・エバーツ(ヤマハ)、ピション、そしてコピンズの3人は、2周目にはトップを走行していたスティーブ・ラモン(KTM)を抜いてトップグループを形成。ピションはエバーツにプレッシャーをかけ続けた。実際にスタート地点周辺のフラットなセクションとリズムセクションでは、ピションの方が速いようだったが、森を駆け抜けるセクションではエバーツの方が速かった。
決定的瞬間となったのは、6周目にピションが垂直の12メートルの段差の部分でコントロールを失い、クラッシュした時だった。これによってエバーツは地元のナミュールで楽に優勝を決めることができた。また、2位にコピンズ、3位にラモンが続いた。ピションは7位までポジションを落としたが、必死で追い上げ4位でフィニッシュした。
5位には、Sarholz Hondaのケン・ドディッカーがスズキのケビン・ストリボスをかわして入っている。
ヒート2ではピションが序盤から飛び出した。ホールショットを決めたストリボスをすぐにかわしたピションだが、その後をエバーツが追う展開に。エバーツが軽く転倒して後退した後、今度はコピンズがピションにプレッシャーをかけた。しかし、ピションはそのまま逃げ切って優勝。最近6レースで4勝目となる勝利を挙げた。
コピンズはヒート2でも2位に入り、ヨルゲンセンはヒート2では完走して5位となった。一時後退したエバーツは追い上げて3位に入り、地元のグランプリで総合優勝を達成した。
CAS Honda Racingの熱田孝高は、プラクティスの際にナミュール特有の“罠”である木の根に引っかかって派手に転倒した。CRF450は大破したが、幸い熱田に大きな怪我はなかった。熱田はヒート1では8位に、ヒート2では10位に入り、総合6位で第13戦を終えた。
金曜日に父親になったばかりのエバーツは、現在ランキング2位のピションに93ポイント差をつけてランキングトップを独走している。残りは3大会なので、全部優勝した場合のポイントは150ポイントとなる。ランキング3位には、ピションと38ポイント差のコピンズがつけている。
第14戦はヨーロッパGP。ドイツのガイルドルフで、3週間後の8月29日に行われる。
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