決勝日:6月27日(日) 開催地:ネエロエテレン 天候:晴れ、上空に雲あり 気温:26℃ 観客数:週末通算1万7300人
モトクロス世界選手権第10戦は6月27日、ベルギーのネエロエテレンで行われた。ミカエル・ピション(Tiscali Honda)は、今回1ヒート目に優勝。2ヒート目はステファン・エバーツ(ヤマハ)に続いて2位に入った。
過去に2回世界チャンピオンになっており、フランスのモトクロス・グランプリ史上最高のライダーといわれているピションは、今回、ドライで石がゴロゴロしたネエロエテレンのコースで圧倒的に強かった。
Honda CRF450Rに乗るピションは、両ヒートとも、序盤からトップ3につけた。第1ヒートでは2周目にチームメイトのブライアン・ヨルゲンセンを抜いてトップに立ったピションに、背後につけていたエバーツがプレッシャーをかけ始めた。
ところが、5周目にエバーツがエンジンをストールさせて転倒。過去に7回世界チャンピオンになっているエバーツの場合、このようなミスは珍しく、エバーツが最後にそのようなミスを犯したのはいつのことだっただろうか…、と皆、記憶をたどっていたのだった。
エバーツが抜けたおかげでピションは楽にトップを走行できるようになった。こうして第1ヒートではピションがトップでフィニッシュし、2位にヨルゲンセンが入った。
第2ヒートでは地元のエバーツが巻き返しを図ってきた。完璧な走りでトップを走行するエバーツに続いてピションは2位に入った。1位-1位を決めることはできなかったが、ピションはベルギーで総合優勝を飾ったのである。
CAS Honda Racingのジョシュア・コピンズは1ヒート目にトップ3にもう少しで手が届くというところまで迫っていたが、その後、調子が上がらず苦戦していた。しかし、6位を走行している際にエバーツとセドリック・メロッテ(ヤマハ)が転倒したため、4位にポジションを上げた。エバーツの方は転倒したとはいうものの、すぐに起き上がったが、メロッテは身動きできず、コース上に15分間以上横たわっていた。病院に運ばれたメロッテは腰の脱臼だと診断されたのだった。
第2ヒートでコピンズはスズキのワークスライダー、ケビン・ストリボスを抜いて4位でフィニッシュした。その結果、コピンズは今回のポイントではベルギー人のスティーブ・ラモン(KTM)やストリボスと同点だったが、総合順位の決め手となる第2ヒートの順位はラモン、コピンズ、ストロリボスの順となったのである。
第2ヒートでヨルゲンセンは第1ヒートの時ほど力強い走りを披露することができず8位に終わり、総合6位となった。ヨルゲンセンは、レースに出場しながら、第6戦のベネルクスで痛めた肩のリハビリを続けている。
CAS Honda Racingの熱田孝高は前回のイタリアで2ヒート目に6位に入ったが、今回は第1ヒートの3周目にクラッシュしたことにより以前から痛めていた左肩を再び痛めてしまった。このため、2ヒート目も調子を上げることができず、20位で1ポイントを獲得するのが精一杯だった。
現在、ピションは341ポイントを獲得してランキング2位につけている。トップのエバーツとの差は102ポイントだ。ランキング3位につけるコピンズとピションの差は4ポイントとなっている。
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