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1周目を終えた時点で、9位と出遅れたクロッカード |
モトクロス世界選手権の開幕戦が3月30日にスペイン、バルセロナの北約100kmにあるベルプーチのサーキット・デ・カタルンバで行われた。
今年から最高峰クラスが“モトクロスGP”クラスとなり、2ストローク、250ccマシンに加えて450ccまでの4ストローク・マシンも参戦できるようになったため、今回のレースはここ数年でも最高といえるほど面白い展開となった。
初戦を制したのは、昨年250ccクラスで12戦中11勝を挙げてチャンピオンになったスズキのミカエル・ピション。Honda勢では、アイルランド人のゴードン・クロッカード(CAS
Honda Racing)が4位で惜しくも表彰台を逃した。
昨年250ccクラスでランキング2位になったジョシュア・コピンズ(CAS Honda Racing)は1月にトレーニングの最中に負傷したため、開幕戦には姿を現さなかった。現在コピンズは母国ニュージーランドで負傷の回復に専念しており、2週間後にヨーロッパに来て、新チームでの参戦準備を開始する。しかし、実際にコピンズがモトクロスGPに出場できるのは最低でも1カ月後となるだろう。
モトクロスGPクラスの決勝レースでホールショットを奪ったのはクラウディオ・フェデリッチ(ヤマハ)で、2番手にピション、以下ジョエル・スメッツ(KTM)、昨年度のオープンクラスのチャンピオンで今回も450ccマシンで出場したステファン・エバーツ(ヤマハ)と続いた。
クロッカードもホールショットを狙っていたが、ブライアン・ヨルゲンセン(Honda)と接触しそうになり、コースサイドに押し出されてしまう。急いでコースに復帰したクロッカードだったが、22周のレースのうち1周目を終えた時点では9位となった。
その後、クロッカードは何度かコースアウトしそうになり、順位をさらに3つ落とすが、そこから猛然と追い上げ始め、終盤には4位まで順位を挽回した。
クロッカードが4位に浮上した時点で、トップはピションで2位にスメッツ、3位はエバーツがつけていた。クロッカードはエバーツを射程距離に捕らえるが、周回遅れのライダーに引っかかってしまったため、エバーツに0.7秒差で4位に終わったのだった。
熱田孝高(CAS Honda Racing)は1周目の1コーナーで他のライダーに押し出される形で順位を落としたが、その後、堅実な走りで挽回し、13位で初戦を終えた。
クロッカードと熱田の所属するCAS Honda Racingのチーム・マネージャー兼オーナーのハリー・アインズワースは初戦を終えて次のように語っている。
「クロッカードは1コーナーで大きく出遅れてしまったのに、素晴らしい走りで挽回してくれた。マシンも予想していたように好調だった。熱田も13位でよくやったと思う。序盤は転倒してはいけないと、相当ナーバスになっていたようだからね。コピンがシーズンオフに負傷したのは残念だけど、彼はタフな男だからすぐに戻ってきてくれるだろう」
●ゴードン・クロッカード (モトクロスGP 4位)
終盤エバーツを追っていたときには、ウープで僕の方が速かったんだ。そこで仕掛けて、最後の右コーナーにエバーツと並んで入っていき、チェッカーフラッグの手前で抜き去るつもりだったんだけど、うまくいかなかったね。表彰台に上がれなくて、本当に残念だよ。今日はマシンの調子も良かったし、僕の腕があがることもなかったから、1周目の1コーナーでコースアウトしなければ2位になれていたと思う。次のオランダのレースでは絶対に表彰台に上がるよ。
●熱田孝高 (モトクロスGP 13位)
去年は初戦でクラッシュしてしまったので、今回はミスしないようにと多少慎重になっていました。1周目の1コーナーで押し出されて、大分後ろの方になってしまいましたが、そこで一緒になったライダーが、インターナショナル・レース時代からよく知っているライダーたちだったので、彼らと一緒に走っているうちに落ち着いて、速いペースで走れるようになりました。本当は10位以内を目指していたのですが、序盤ちょっとナーバスになっていたことや、昨年オープンクラスで戦っていたライダーが6名新たに加わってきたことを考えれば13位で満足しています。
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