2017年シーズン第14戦アラゴンGPは、スペイン出身のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)にとって今年3回目のホームグランプリです。シーズン前半のラバトは、ほぼ毎戦でポイントを獲得していましたが、後半戦に入ると苦戦が続きました。しかし、第12戦イギリスGPでは7列目という後方からのスタートにもかかわらず、そこからねばりの走りで追い上げて12位フィニッシュを果たしました。
第13戦サンマリノGPも好調な出だしで、金曜日はトップ10圏内からのスタート。土曜のFP4では12番手を記録しましたが、日曜の決勝レースはトリッキーなウエットコンディションになり、残念ながら転倒リタイアで終わってしまいました。それだけに、今回のホームレースでは、ぜひとも好結果を残したいところです。
「地元のファンの前でいいパフォーマンスを発揮するつもりでアラゴンに入りました。大好きなコースだし、ここ数戦でマシンのセットアップがよくなったので、フリープラクティスから好調な走りができると思います」
ラバトは週末のレースに向けて、自信あり気に述べました。
「シルバーストーン(第12戦イギリスGP)で大きな前進ができて、ミサノ(第13戦サンマリノGP)ではマシンの改善がさらに進みました。今回のアラゴンでは、さらにもう一歩前進をしたいと思っています。週末の天気はやや微妙な気配ですが、全力でがんばります」
気象情報通り、金曜日のセッションは不安定な天候の中での走りになりました。午前のFP1では16番手につけ、午後のFP2ではそのタイムを1.281秒縮めたものの、22番手で初日を終えました。
「今日のコンディションはすごく微妙で、路面が生乾きの中でどこまで攻めていいのか判断するのが非常に難しい状況でした。無理に危険を冒さず、走りに自信をつけていくことに集中したのですが、うまく計画通りに進めることができました」




金曜のセッション内容について、ラバトはそう前向きに振り返りました。
「こういうコンディションはあまり好きではないし、決勝は晴れになりそうですね。あまり速いタイムではありませんでしたが、今日は楽しく走ることができました。今日はレース用のセットアップを進められなかったので、明日は安定した天候になってほしいところです」
土曜日はドライコンディションに。午前のFP3を、ラバトは安定感の高い走りで、セッションの残り20分までは8番手タイムにつける好調さをみせました。最終的には14番手でこのセッションを終えましたが、午後の予選ではフロントに不安を抱えるようになり、予選では21番手。
「FP3の内容を見ても、予選では正直なところもう少しいい走りができると思っていたのですが、ドライの路面で十分にタイヤを見極める時間がなく、フロントのフィーリングが完ぺきではありませんでした。FP4ではちょっとした転倒を喫してしまったのですが、予選終盤はいいタイムで、力強い走りができたと思います。レースへ向けていい手応えをつかんでいるし、明日も今日のように晴れてくれれば、タイヤ選択もハッキリしています」
日曜日の決勝レースでは、ラバトは持ち味を発揮して、7列目21番手という厳しいスターティンググリッドから懸命の追い上げを見せました。序盤から着実にポジションを上げていき、中盤以降はライバル陣営の選手たちと激しいバトルを繰り広げました。23周のレースを終えて、最後は15位でゴール。地元ファンたちの熱い応援にも支えられて、チャンピオンシップポイントを獲得しました。そして、2017年シーズンはいよいよ終盤戦に向かいます。ラバトの次の戦いはHondaにとってのホームグランプリである日本GP。そして、そこからオーストラリア、マレーシアと続くフライアウェイ3連戦です。
「僕はいつも、可能な限り上位のリザルトを目指しているので、15位という結果は決して満足できるものではありません。とはいえ、レースでは後方から追い上げていくことができたので、いい内容でした。ポイントを獲得して自信も深まっているので、次の日本に向けて、集中力を高めて臨みます」


