開幕戦カタールGPで激しいトップ争いの末に、2位表彰台を獲得したジョン・マクフィー(British Talent Team)は、今シーズンからHonda陣営に復帰しました。22歳のマクフィーは、開幕前のテストからすでに“Honda NSF250RWの強力なポテンシャルに頼もしさを感じることができていた”と、話します。
「ヘレスでの公式テストから調子がよく、とても気持ちよくマシンに乗れました。パフォーマンスにとても満足できました。ヘレステストで車体とサスペンションをしっかりと仕上げ、次に行われたカタールでの事前テストに臨んだときは、走り出しのセッションからいいタイムを刻めたので、とても気分がよかったですね。いいパッケージなので、今年は力強いシーズンを過ごせそうです。このマシンのいいところは、単独で走っても速いラップタイムを刻めるところです。集団から抜け出して、引き離すこともできそうですね。昨年はそのあたりで少し苦労をしていましたから」
苦労をしたとはいうものの、マクフィーは昨シーズンのチェコGPで世界選手権初優勝を達成しました。当然ながらこの勝利は、ライダーとしての自信をさらに深める契機になったようです。
「チェコGPでは優勝できて、格別の気分でした。本当にうれしかったですね。しかもあの優勝は、僕の故郷のスコットランドにとって、50年以上ぶりの出来事だったんです。本当に久しぶりの優勝だから、最高の思い出ですよ。今シーズンはマシンがよく、チームとHRCにもしっかりサポートしてもらっているので、トップ6は十分に狙っていけそうです」


まさにその言葉通り、開幕戦カタールGPでは激しいトップ争いを繰り広げて2位表彰台を獲得しました。そしてこのリザルトは、今シーズンに結成された新チーム、British Talent Teamにとっても、最高のかたちでの船出になりました。
British Talent Teamは、ロードレースの豊かな歴史を持つイギリスから、若く才能ある選手たちが世界へ挑戦していくための舞台として、今シーズンから始動したチームです。Asia Talent Teamと同様にアルベルト・プーチ氏が指導にあたり、元グランプリライダーのジェレミー・マクウィリアムス氏がスカウト兼コーチの任に就いています。また2018年からは、優秀なヤングライダーを発掘するため、その登竜門としてブリティッシュ・タレント・カップがスタートすることになりました。
「僕たちイギリス人選手にも、そしてこれから育ってくる世代にとっても、夢が実現したと言っていいでしょうね。世界選手権に挑戦するための大きなチャンスをつかんだわけですから。僕の場合は、レーシングステップス財団(Racing Steps Foundation)のおかげで、挑戦のチャンスをつかめました。でも、なかなかそのようなきっかけを得られない若いライダーたちも多いです。この新しいチームとタレントカップは、とても重要な道標になると思います。世界選手権に挑戦していくための大きなチャンスですよ」
そんなチームの第1号選手として、2017年シーズンを戦うマクフィーは、その目標を次のように語りました。
「今年は、チームもマシンもとても優れた環境なので、かなりの自信があります。自分自身についても、トップ争いをしてレースに勝つだけの力があると思っています。ライダーなら、だれしも世界チャンピオンになりたいと思うものです。全力で戦っていきたいですね。シーズンは長いので、全員で力を合わせてがんばり抜きますよ。すべてがうまくかみ合えば、毎戦でトップグループを争ってみせます」
そしてその言葉通り、開幕戦で見事に表彰台を獲得。第2戦以降も、マクフィーとBritish Talent Teamの活躍には、大いに期待ができそうです。


