ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催された第13戦サンマリノGPで、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Del Conca Gresini Racing Moto3)が3位表彰台を獲得しました。第6戦イタリアGPに続き、今年は2回の母国グランプリでともに表彰台に登壇する好結果となりました。
「ディッジャ」の愛称で親しまれているジャンアントニオは、現在年間ランキング5位。シーズン序盤から競争力の高い走りを披露していましたが、イタリアGP以降はやや苦戦が続いて表彰台を逃していただけに、第13戦の好結果は、シーズン終盤の再浮上に向けていいきっかけになるでしょう。
サーキットからほど近いミサノアドリアティコに家があるジャンアントニオは、いつも以上に強い気持ちで、第13戦のレースウイークを迎えました。
「シーズン2回目の母国グランプリなので、やる気が高まっています。特にここ数戦は苦労していたので、復活を狙うには最高の場所だと思います」と、Moto3クラス2年目のディッジャは、文字通りのホームレースに向けた強い意気込みを語りました。「地元ファンの前で、ぜひともいいリザルトを獲得したいですね。いい走りができるよう全力でがんばります。ここはほかのサーキットと比べてよく知っているコースですが、テクニカルなサーキットなので、日曜日に最高の結果を得られるように、チーム全員で力を合わせて臨みます」
その言葉通り、初日の走行では午前のFP1と午後のFP2を合わせた総合タイムでトップとなりました。その時点ですでに、レース中のラップレコードを0.007秒上回っており、サーキットのMoto3最速記録までわずか0.411秒、という充実したラップタイムです。
「このサーキットではいつも苦労していたので、今日の自分のパフォーマンスには少し驚きました」
一日の走行を終えて、ジャンアントニオは正直な気持ちを述べました。「今日のラップタイムは単独走行で出したので、まだ詰めていけると思います。明日の予選では、特に最後のタイムアタックで、上手に頭を使って走る必要がありますが、このスピードをキープできれば、明日はスリップストリームを使わなくてもいいタイムを出せる自信があります」
彼が自分自身でも認める通り、予選はジャンアントニオの唯一のアキレス腱です。しかし、今回はうまくまとめて4番手タイム。予選中のスロー走行でペナルティーを受けた選手がいたため、正式グリッドは1つ繰り上がってフロントロー3番手から、日曜日の決勝レースを迎えることになりました。




「今回のレースウイークは、ここまでとても順調に運んでいます。ピットアウトするたびにフィーリングがよくなり、いい手応えです。今朝のFP3でもいいペースで走れて、予選では自己ベストタイムを更新できました。明日は天気が微妙な様子ですが、コンディションがどちらに転んでも、トップ争いができると思います」
そして、冒頭に述べた通り、日曜日の決勝では3位に入りました。雨の中、計23回の転倒が発生する非常に難しいコンディションのレースになり、ディッジャもミスをして一時は少し順位を落としました。しかし、その状況すらうまく利用しながら前の選手にプレッシャーをかけてバトルを制し、最後は7戦ぶりとなる表彰台を獲得したのです。
「地元ファンの前でレースをすることが、いつも以上に強い気持ちで臨む大きな力になりました。序盤にミスをしてしまいましたが、それでかえって注意深く走ることができました。2番手から7番手に落ちたあとは、多くの選手が転倒していったので、自分のリズムを維持するように心がけて、終盤には(アーロン)カネット選手(Estrella Galicia 0,0)とのバトルになりました。カネット選手は限界まで攻めているように見えたので、少しプレッシャーを掛けるようにしたのですが、彼が転倒したのは少し信じられない思いでした」
このレース結果により16ポイントを加算し、計117ポイントで現在ランキング5位につけているディッジャは、ランキング3位(アーロン・カネット:162ポイント)を射程範囲に収めています。次のレースは第14戦アラゴンGP。2016年は惜しくも表彰台を逃す4位で終えました。しかし、今年のディッジャはこの勢いで、連続での表彰台を狙っています。
「昨年はいいレースができました。先頭グループについていき、ほんの少しの差で表彰台圏外になってしまいました。今年も昨年と似た展開に持ち込みたいですね。ランキングでも、トップ3にさらに迫りたいと思います。高低差もあっておもしろいレイアウトのアラゴンは、得意コースです。いい走りをしてみせますよ」


