Honda Riders Close Up 〜ワークスマシンを駆って、世界に挑むライダー〜

Moto3 リビオ・ロイ RW Racing GP BV

Moto3 リビオ・ロイ RW Racing GP BV
Profile
生年月日
1997/04/27
出身地
ベルギー
身長・体重
161cm・58kg
チーム(マシン)
RW Racing GP BV(NSF250RW)
2015年の成績
Moto3 総合16位
Vol.2

RW Racing GP BVから2016年シーズンのMoto3クラスに参戦したリビオ・ロイは、シーズン終盤戦に入って調子を上げてきました。プレシーズンテストから好調な走りをみせていたロイは、開幕戦のカタールGPでフロントローを獲得。決勝レースは8位でフィニッシュして、まずまずのスタートを切りました。しかし、そこからは歯車の噛み合わず、シーズンが進んでも本来の実力を発揮できない厳しい戦いが連続しました。

 

その不調から脱出するきっかけを掴んだのは、10月に行われたアジア・オセアニアの3連戦でした。

 

日本GPでは、予選グリッドこそ5列目15番手からのスタートでしたが、決勝レースはシングルポジションの7位でゴール。レースを終えたロイは、序盤で集団に飲み込まれてしまったことが悔やまれると話しました。

 

「スタートは悪くなかったのですが、その後の混乱を避けるためにかなり強くブレーキをしなければならず、その影響でポジションを5つほど落とすことになりました。リア用にソフトコンパウンドのタイヤを装着していたのは、僕を含めて5名だけだったので、その出来事がなければレース序盤からいい走りをできていたと思います。前を追いかけていくのにはソフトコンパウンドが役立ちましたが、その追い上げでかなりの時間を費やすことにもなってしまいました。たらればを言ってもしょうがないのですが、トップグループと同じペースで走れていただけに、どうしてもその考えがよぎってしまいます。もしスタートをうまく決めたあとに序盤からトップグループに食い込めていれば、きっと好成績を獲得できていたと思います。とはいえ、力強い走りをできた、いいレースになりました。まずまずのリザルトで、なかなかのレースウイークだったと思います。アジア3連戦でいいスタートを切ることができたので、次のオーストラリアもがんばりたいと思います」

翌週のオーストラリアGPは、例年のように不安定な天候に悩まされるレースウイークになりました。真冬のような寒さと、豪雨に翻弄されながらも、予選を終えて獲得したグリッドは2列目5番手。日曜の決勝に向けて有利なポジションとなりました。

しかし、その決勝レースは波乱の展開になりました。序盤から多数の転倒者が続出し、やがてマルチクラッシュで負傷者も出たために、レースは赤旗中断。10周のスプリントレースとして仕切り直しになりました。その混乱の展開でもロイは落ち着いて最後まで走り抜き、今季ベストリザルトの5位でチェッカーフラッグを受けました。

 

「大接戦のレースでした。大きな集団の中で、少しのミスが命取りになるような激しいバトルになりました。ラスト2周は表彰台が狙えそうだったので、全力で走りました。フィニッシュラインまで限界で攻めましたが、惜しくも表彰台を逃してしまいました。それでも5位に入ったので、よかったと思います。今季のベストリザルトになりました。しかも、先週の7位よりも上位の結果で、好内容のバトルもできたので、とてもいいレースだったと思います」

 

南半球のオーストラリアから北上し、赤道直下のセパン・サーキットで開催されたマレーシアGPは、9位でゴール。3週連続の厳しいレースでしたが、ロイはそのすべてでシングルポジションのフィニッシュを果たすという上々の内容でした。

 

1週間のインターバルを置いて、いよいよ最終戦バレンシアGPを迎えました。このレースは、ロイにとってRW Racing GP BVで戦う最後の一戦になりました。チームは来年Moto2クラスにスイッチ。ロイは別のチームに移籍して、再びHonda NSF250RWを駆り、17年シーズンを戦うことが決定しています。最高のかたちで有終の美を飾ろうと挑んだ最終戦でしたが、予選は7列目20番手と厳しいスタートになってしまいました。

 

そこからのばん回を狙った日曜の決勝は、懸命の追い上げで15位。貴重なチャンピオンシップポイントを獲得し、古諺の「終わりよければすべてよし」という内容でシーズンを締めくくりました。

 

「今日はあらゆる意味でスペシャルなレースになったと思います。ずっと1分40秒台を刻めていたのですが、大事な瞬間に2回ほどミスをしてしまいました。特に2回目は10番手争いの最中だったので、それが残念です。あそこで順位を落としてさえいなければ、力強く走れていたのでトップ10を狙えていたと思います。2年間のすばらしい時間をともに過ごしてきたこのチームで戦う最後のレースだったので、最高の結果にしたかったのですが、トップ10を獲得できなかったことが少し残念です。Moto3クラスに復帰するチャンスを与えてくれ、僕の力を信じてくれたチームには感謝しています。昨年のインディアナポリスGPで優勝できたことは、今でも忘れられないすばらしい思い出です」