Honda Riders Close Up 〜ワークスマシンを駆って、世界に挑むライダー〜

Moto3 エネア・バスティアニーニ Gresini Racing Moto3

Moto3 エネア・バスティアニーニ Gresini Racing Moto3
Profile
生年月日
1997/12/30
出身地
イタリア
身長・体重
169cm・60kg
チーム(マシン)
Gresini Racing Moto3(NSF250RW)
2015年の成績
Moto3 総合3位
Vol.2

Gresini Racing Moto3チームで戦う18歳のエネア・バスティアニーニは、2015年を年間総合3位で終え、今シーズンはチャンピオンシップをリードする有力選手の一人と見なされていました。しかし、開幕戦のカタールGPを5位で終えてから、しばらく苦戦の日々を過ごします。第2戦アルゼンチンGPは17位、第3戦アメリカズGPは6位、ヨーロッパラウンドの幕開けとなったヘレスサーキットでの第4戦スペインGPは8位で終えました。さらに、次のフランスGPに向けてトレーニングを行っていた際に右手首を骨折。地元リミニの病院で、プレートを挿入する手術を実施しました。

 

フランスGPに参戦すべく現地入りしたものの、不適合との診断で、このレースはやむなく見合わせることになりました。回復に専念したバスティアニーニは、第6戦イタリアGPで復帰。そして第7戦カタルニアGPで今季初となる3位表彰台を獲得しました。

 

「表彰台に復帰できて本当にうれしいです。今日はセットアップもよく、特にブレーキングで強い勝負ができていたので、最後まで優勝争いを続けることができました。残り2周ではロマノ・フェナティ(KTM)にパスされ、ホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)もペースを上げていました。ついて行くのが難しそうにも感じたのですが、最終ラップでフェナティをうまくオーバーテイクできて、狙い通り表彰台獲得になりました。ここ数戦、厳しいレースが続いていましたが、自信と集中力を切らさずにがんばってきました。ケガからの復帰という意味でも、これはうれしい結果です。今日のリザルトは、僕とチームにとって大きな自信になりました」

 

追撃モードに入ったバスティアニーニは、前半戦を締めくくるドイツGPでも3位表彰台を獲得。後半戦の幕開けとなったオーストリアGPはフロントローの3番グリッドからスタートし、最終ラップまでライバルたちと激戦を繰り広げました。最後は0.431秒の僅差で3位表彰台。翌週のチェコGPでは、惜しくも表彰台を逃して4位で終えましたが、13ポイントを加算したことで年間ランキングでは3位に浮上しました。

 

第12戦イギリスGPは7位、続くサンマリノGPは、サーキット近郊のリミニ出身であるバスティアニーニにとってホームレース。必勝態勢で臨んだこのレースでは、最終ラップの最終コーナーまで優勝争いの激戦を展開し、2位でゴール。この結果により、チャンピオンシップでもランキング2位に浮上しました。

 

「レース終盤にはブラッド・ビンダー選手(KTM)をパスしてトップに立ちましたが、その後、抜き返されて彼が優勝になりました。最後に仕掛けられなかったのが唯一、残念なことですね。最終コーナーは自信があったので、彼に抜かれたあとにそこで勝負しようと思っていたのですが、インを閉められてしまい、彼を抜くことができませんでした。とはいえ、これでランキング2位に浮上しました。ビンダー選手とはポイント差が大きいので、このポジションを守るためにこれからも全力で戦います。チャンスがあるかぎり、最後までがんばり抜きます」

 

第14戦アラゴンGPでは、地元出身のホルヘ・ナバロたちと激戦を繰り広げました。Moto3クラスにふさわしい手に汗握るバトルが最後まで続き、バスティアニーニは惜しくも0.1秒差で3位フィニッシュとなりました。

 

「最終ラップではナバロが背後にピタリとつけていたので、少し距離を開こうと思ってがんばってプッシュしました。ナバロはビンダー選手ほど速くないと読んでいたのですが、ビンダー選手が直線で外側から僕とナバロをパスしていきました。僕はイン側のラインから全力で攻めたのですが、マシンの挙動が限界で、優勝には手が届きませんでした。いつも優勝争いをしているのに、今シーズンはまだ勝てていないのは悔しいですが、これからも力いっぱい戦い続けます」

 

このレースでは同じHonda陣営のナバロが優勝。25ポイントを加算して年間ランキング2位に浮上しました。レースで3位となったバスティアニーニは16ポイントの加算で、ナバロと4ポイント差のランキング3位となりました。16年は残り4戦。シーズン最終戦まで、彼らのし烈なランキング争いは続きます。